異世界転生したのは世界のVIP達から認められた料理屋の店主   作:北方守護

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第11話 つまみ食い

タケアキが村に戻るとカニスがタケアキを連れて何処かに向かった。

 

到着したのは浴室で中に入ると竹籠や竹のスノコが出来ていた。

 

「おぉ、俺が頼んでた物が出来たのか」

 

「うん、私だけじゃなくてラルドにも手伝ってもらったけど」

 

「そうか、よくやってくれたな、ありがとうなカニス、ラルド」

タケアキに頭を撫でられたカニスとラルドは嬉しそうにしていた。

 

「さてと、これが出来たなら次は……そうだ、お前って言うのもなんだからパルトって呼んでも良いか?」

タケアキが肩にいた蜘蛛に聞くと足を上げて了承した。

 

「そうか、ありがとうなパルト、それでパルトに作って欲しい物があるんだけど……こういう形でこんな風な奴なんだけど……?急がなくて良いから」

 

〈パシュッ!〉

タケアキがパルトを地面に下ろして枝で絵を描いてどの様な物か説明すると理解し糸を出して作り始めたのを止めた。

 

「おっと、ここじゃ汚れるから……うん、あの家で作ってもらうか」

タケアキはパルトを手に載せると近くの家に運んだ。


パルトに何かを頼んだタケアキはカニスと一緒に竹である物を作っていた。

 

「よしっ……カニス、手を離して良いぞ」

 

「うん、タケアキ、コレって椅子?何か長いけど」

 

「椅子は椅子でもベンチって奴だよ うん座っても大丈夫だな」

 

「うわぁ、本当だぁ……」

2人はベンチに座って感触を確かめていた。

 

「竹だから長持ちもするんだぞ……こうなってくると……あっ、そうだ」

タケアキは立ち上がると村の中にある元は何かを育てていたと思われる場所に向かったのでカニスも付いていった。

 

「ねぇ、タケアキ、こんな所に来て何するの?」

 

「うん、ちょっと試したい事があってな……【種苗農夫】……ん?(何も出ない?……そうか何を作るか決めないと……じゃあ【トマト】)」

 

「うわっ!?なんで急に芽が生えて来たの!?ってすごい速さで成長してるよ!?」

タケアキがスキルを確かめる為にトマトを作ろうとしたら直ぐに芽が生えると同時にそのまま成長すると実がなった。

 

「うわぁ………ねぇコレもタケアキのスキルなの?」

 

「まぁ、そうだな……出来れば先に支えを作れば良かったな……カニス、この赤い実を収穫しといてくれ、俺は竹を持ってくるから」

 

「うん、分かったよ」

タケアキは竹を取りに行きカニスはトマトを収穫し始めた。

 

「うんしょ……っと、コレってマトマだと思うけど私が見た事ある奴とはちょっと違う様なぁ……〈クキュ〜〉あぅ……一個位……大丈夫……だよね?……

カニスは収穫してる時にお腹が鳴ったので周りを見て気付かれないように食べた。

 

「あーん〈カシュッ〉えっ!?コレって本当にマトマなの!?私が以前食べた物よりも皮が柔らかくて味が甘い!!」

 

「ん?なんだカニス、先に食べてたのか?」

背後からタケアキに声を掛けられたカニスは驚いた。

 

「アッ!その、あの………ごめんなさい……」

カニスは観念すると謝ったがその表情は泣きそうだった。

 

「カニス、味はどうだった?」

 

「え?黙って食べたのに……怒らないの?……」

 

「カニスは自分で悪い事をしたって分かってるんだろ?それにちゃんと謝ったじゃないか……だから怒らないよ」

タケアキが優しく抱き寄せるとカニスは胸の中で泣いていたが、それ以上タケアキは何も言わなかった。

 

 


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