異世界転生したのは世界のVIP達から認められた料理屋の店主   作:北方守護

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主人公のスキルに幾つか加えました。
詳しくは設定を見てください。


第2話 廃村

光が眩しくて目を閉じていた武昭が目を開けると何処かの山中だった。

 

「ん……どうやら、ここが善さんの言ってた世界みたいだな……けど、なんで、こんな山の中なんだ?」

 

〔おぉ、どうやら転生したみたいだな〕

 

「うわっ!?善さんの声がするぞ!けどどこにいるんだ?……」

 

〔僕は今、元の世界から君の頭に直接話しかけているんだ〕

 

「そうなんだ、それで、ここはどこなんだ?」

 

〔そこは泊場で説明した僕が管理する世界グダザの中の大陸の1つなんだ。以前は色々な人種達が住んでいたんだけど、ちょっとした事情があって、極少数の者達しか住んでいないんだ……〕

 

「その、ちょっとした事情ってなんだ?」

 

〔まぁ……簡単に言うと戦争だよ……〕

 

「そうか……なら、それ以上は聞かないよ……それで、俺はこれからどうするんだ?」

 

〔今、君のいる場所から南西に以前は村があった土地がある、そこに行くと良いね〕

 

「南西か……ってどっちだ?」

武昭が周りを見ると木々が生い茂っていた。

 

〔そんな時に僕が与えた特典、【地図作成】と【方向探知】の出番だね。頭の中で行きたい方向と場所を考えるんだ〕

 

「行きたい方向と場所……(南西の村の跡地は…っと)うおっ!?頭の中に何かの映像と目の前に矢印が見えてるぞ」

 

〔それの通りに行くと目的地に行けるよ……僕は、少しやる事があるから到着したら呼んでくれ、それじゃ〕

 

「あ!善さん……まぁ、聞いた通りに行きますか…」

武昭は善の指示を聞いて矢印が示す方向に向かった。

 

武昭が指示された位置に到着すると、そこは荒れ果てた村の跡地だった。

 

「ここが善さんの言ってた場所か……本当にボロボロだな……おっと家の壁も……」

武昭が近くにあった家に入ろうとした時に触った場所が軽く崩れた。

 

〔以前はここにも多数の者達が住んでいたんだけどね……〕

 

「まぁ、何があったかは聞かないよ……それよりも草木が生い茂って凄いな……」

 

〔そうだね、けどこんな場所でも武昭なら問題なく暮らす事が出来るよ。僕がその為の力を与えたんだからね〕

 

「そうなんだ じゃあまずは グゥ〜……飯の用意だな……けど、周りにあるのは草だけだな」

 

〔なら、周りの草木に【鑑定】を掛けてみると良い〕

 

「そっか、じゃあ【鑑定】おっ、なるほど、こんな感じなんだ」

武昭が見た足元の草の上にゲーム等で見るメッセージモニターの様な物が浮かび、こう書かれていた。

 

[ドローガ

薬草の一種。あらゆる場所に生息しており、その場所によって効果が変わる。

清らかな水や大地の場所なら強力だが、何もされてない場所では普通。

この場所のドローガは野生種に近い為、そんじょそこらの物とは効果が段違いに強い。]

 

「ふーん薬草の一種なんだ……そうだ【百科事典】うわっ!周りの草の殆どがドローガじゃないか」

武昭が言うと見える所が大体青くなっていた。

 

〔おぉ、僕が言わなくても特典を使う事にしたんだね〕

 

「あぁ、善さんに頼ってばかりじゃダメだからな……それにしても、なんか色が違う草があるけど【鑑定】」

 

[ヒール草

薬草の一種。ドローガの群生地の中に時たま生えている事がある。

そのままでは何も効果が無いが、これを材料としてポーションを作成出来る。]

 

「なるほど、まぁ一応取っておくか……保管場所は、よしあそこの家にするか」

武昭はドローガとヒール草を幾つか収穫すると中でも傷みが少ない家に置き始めた。

 

暫くして武昭は村の周りを見ていた。

 

「うーん、何か調理器具があれば良かったんだけど……ボロボロだな」

武昭が家々を回って物資を探すが使えない物が多かった。

 

〔だったら魔法を使ってみたら、どうだい?〕

 

「ん?魔法って……俺が使えるのか?」

 

〔あぁ、転生させる時に僕が与えたんだ、その世界ではあると便利だからね〕

 

「そうなんだ……って、どうやるんだ?」

 

〔そうか、武昭の世界には無かったんだったね、簡単だよ頭の中でやりたい事をイメージしてみるんだ〕

 

「イメージ……じゃあ喉が渇いたから……【水よ】うわっ!?」

武昭が右手を前に翳して考えた呪文を唱えると多量の水が出て来た。

 

〔うん、ちゃんと使える様だね、じゃあそのまま勢いを弱めるイメージをしてみるんだ〕

 

「あぁ……ふぅ、これ位なら普通に飲めるか……プハァ!美味い水だぜ!!」

 

〔そうだ魔法はイメージだから武昭がこうしたいって考えると色々やる事が出来るよ〕

 

「イメージか……ん?そういや俺が使える魔法とかってどうやって知るんだ?」

 

〔それは【ステータス】と言えば画面が浮かぶよ〕

 

「本当にゲームみたいだな、じゃあ【ステータス】ふーん、これが俺のステータスか……ん?」

武昭が出したステータスにはこう記されていた。

 

【タケアキ・トオノ 半神半人 年齢25

職業 調理師 農家 漁師 ハンター

スキル 【鑑定】【百科事典】【計測】【方向探知】【地図作成】

魔法 炎魔法 水魔法 風魔法 土魔法 氷魔法 雷魔法

テクニック 解体 修復 裁縫 狙撃 建築】

 

「なぁ善さん、職業の農家、漁師にハンター それにテクニックってあるんだけど……」

 

〔あぁ、それの説明を忘れてたね、職業の調理師以外はあれば武昭が便利だと考えて与えたんだ それに年齢が若くなってる事に気付いただろうけど、その方が都合が良いと思ったんだ〕

 

「確かに料理をする俺からしたら良いけど……」

 

〔それとテクニックは武昭自身が元の世界で()()()()()()()なんだけど心当たりあるかい?〕

 

「心当たり……あっ、爺さんや婆さん、叔父さんに習った覚えがあるな……」

 

〔そうだったんだ……家族の絆って物だね……まぁ、良いじゃないか……〕

 

「あぁ、けどテクニックに修復があるって事は……うん、直し方は分かったけど材料が無いか」

武昭は壊れた家を直そうとしたが頭の中でどう直すか分かっただけだった。

 

〔テクニックは、それが出来るが出来ないかであって、する事はまた別だからね おっと、そろそろ僕が手助け出来るのも終わりだね〕

 

「そうか……善さん、ありがとうな、俺なんかの為に、ここまでやってくれて」

 

〔気にしなくて良いよ、僕がやりたかった事でもあったからさ……それじゃ〕

善の声が聞こえなくなったが武昭は感謝していた。

 




説明
職業
その者に適した職業。時に複数持つ者がいる。

テクニック
それの持ち主が生きて来た中で習った技術。
小さい時から彫刻をしていれば【彫刻】のテクニックを身につけれる。
但し、テクニックは職業やスキルとは違い誰でも身につけれるが続けなければ消滅する事がある。

ちなみにテクニックを見れるのは、この世界では武昭だけ。

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