異世界転生したのは世界のVIP達から認められた料理屋の店主   作:北方守護

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第3話 水

善の手助けが終わった武昭は自分が何が出来るか考えていた。

 

「今、ここにあるのはドローガとヒール草だけか……出来れば何か蛋白質があれば……あ、そうだ【方向探知】

武昭が何かを思い付いてスキルを発動させると矢印が浮かんだ。

 

「おぉ、何か蛋白質が無いかやってみたけど上手くいったな……じゃあ行ってみるか」

武昭は目的の場所に向かった。

 

暫く歩くと山中に流れている川を見つけた。

 

「まぁ、山で蛋白質って言ったら魚になるよな……それにしても綺麗な水だな【鑑定】」

 

[ゴランド山から流れてくる川の水。

清らかな水で飲んでも平気。]

 

「飲んでも平気か……ゴランド山って……あぁ、あれの事か」

武昭は川の上流を見て山がある事を確認した。

 

「とりあえずは魚をどう取るかだけど……おっ、さすが漁師の職業って所だな」

武昭が川に入って魚を確認すると簡単に手掴みで取れた。

その皮は白く所々に黒い斑点があった。

 

暫く経って魚をある程度取った武昭は村の跡地に戻って食事の用意をしていた。

 

「まずは【鑑定】」

[ノワルフィッシュ 清らかな水の川に生息する川魚。

身は淡白で味は美味しい。料理法としては焼く事がおススメ]

 

「うん当たり前の感じだな……じゃあ魚の処理をしますか……って何か刃物の代わりになる様な物は……あ、そうだ」

武昭は何かを思い付いた。

 

「土魔法があったから……まずは【形成】そして【焼成】……うん、とりあえずはいい感じで出来たな」

武昭は土魔法と炎魔法を駆使してセラミック製の包丁を作った。

 

「これが出来たって事は……うん思った通りだ」

武昭は続けて鍋と食器を作り出した。

 

「よし、これで薬草と魚の煮込みが出来るな……あとは調味料を探すか【百科事典】【方向探知】【地図作成】」

 

「どうやら向こうの方に塩があるみたいだな……おっ、これみたいだな岩塩か【鑑定】」

 

[ゴランド山の岩塩 時たま山で採取出来る岩塩。

色々なミネラル分が含まれていて美味しい塩。]

 

「確かに俺が店で使っていた塩と似た味だな、さてと料理を開始するか」

武昭は土魔法でカマドを作ると料理を作り始めた。

 

その後……

 

「よし、スープと焼き魚が出来たか……んじゃいただきます」

武昭は自分が作った料理を食べ始めた。

 

「うん、初めて見た材料で作ったにしては上手く出来たな……ふぅ、ご馳走さん」

料理を食べ終えた武昭は少し休むと村をどうするか考え始めた。

 

「ゴランド山から流れてくる川の水を村の近くに引き込むとなると……【計測】うん、結構な距離だな」

武昭が川から村までの距離を見ると元の世界換算で2kmと出ていた。

 

「元の世界なら何らかの機械や重機があったから良いけど、今は俺1人だからな……そうだ【地図作成】と【計測】を同時に……」

何かを思い付いた武昭が考えた事をすると頭の中の地図に青い線が浮かび上がった。

 

「やっぱり2つのスキルを発動出来るかやってみたけど……出来るもんだな……だとしたら……」

武昭は色々と思い付くと実践してみた。

 

その結果……

 

「うん……これなら雨風も凌げるだろ」

武昭の目の前には土魔法と炎魔法で作り出した四角い箱型の家があった。

 

「包丁や鍋とかも作れたんだから家も出来ると思ったけど、出来るもんだな……」

 

「あとは……そうだ【疾風烈弾】(しっぷうれつだん)からの【激流水】(げきりゅうすい)

武昭は村の周りに風魔法で深めの穴を掘り、その中に水魔法で水を流し入れると水堀を作った。

 

「元の世界で見た忍者漫画に載ってた事をやってみたけど上手くいって良かったな」

 

「本当なら防壁があればもっと良いんだけど今は、これ位か……そうだ【百科事典】……うん、この近くにあるみたいだな」

武昭は何かを探す為に村を出た。




ちなみに武昭の魔力はこの世界でレベル10の魔法を使う人からすると数十倍あります。

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