異世界転生したのは世界のVIP達から認められた料理屋の店主   作:北方守護

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ちなみに武昭の服装は長袖のシャツにノースリーブベスト、茶色いチノパンです。


第4話 第一村人?

村を出た武昭が向かったのは川があった方とは逆方向だった。

 

暫く歩いた武昭は目的地に到着した。

そこは緑色で節のある植物が沢山生えており……

 

「やっぱり、この世界にもあるんだな。一応【鑑定】」

武昭が探していたのは元の世界で言う【竹】だった。

 

[オネスバブ 元の世界で言う竹と同じ物。

その強度は硬いが弾力が適度にある。

そして若竹は燃えにくいが枯竹は火がつきやすい。

時期によっては筍が生えており採りたては生でも食用可能。]

 

「ふーん、おぉ触ると硬さを感じるけど何処と無く柔さもあるな……【風刃】(ふうじん)とりあえずは10本程切れたか」

武昭が手を翳して魔法を唱えるとオネスバブが何本か切断されたので何回も行い多数の束が出来た。

 

「うん切り口も綺麗だな……けど、どうやって持って行こうか……ガサガサ ん?」(1)

武昭がどうするか考えてると竹やぶの中から虎に似た生き物が出て来た。

 

「うぉっ!?そういや虎の模様は竹林に紛れる為の物だったな!!……あれ?」

武昭は虎から距離を取ったが虎は所々傷ついていて、そのまま気絶した。

 

「どうやら何かと争って傷付いたみたいだな……【鑑定】」

 

[ヴェルディーガー

原生生物の一種。竹林に棲まう虎の仲間。

性格は凶暴。毛皮や牙は高級品で武器や防具の材料にされる事がある。]

 

「凶暴な性格でも傷付いてる奴を黙って見てられないよな……おっあった」

武昭は懐からドローガを出すと近くの土で小型の乳鉢を作りすり潰した物を虎の傷に塗った。

 

「野生動物だから変に治療するより簡単な処置で良いだろう……」

 

〈ガァァァ……?〉(2)

武昭が虎の治療をしてると虎が目を覚ましたが軽く混乱しているみたいだった。

 

「おっ、気が付いたか。ちょっと休めば傷も治るだろうから休んでろ、じゃあな ん?」

武昭が竹を担いで、その場を去ろうとした時、虎が服の袖を噛んでいた。

 

「どうした?俺と一緒にいたいのか?」

 

〈ガァ〉

 

「けどな……俺はこことは違う場所に家があってな、これを持って帰らなきゃダメなんだよ」

武昭は竹の束を指した。

 

〈グルル……ガァ〉

悲しそうな声を出した虎は何かを思い付くと袖を引っ張って竹の所に連れて行った。

 

「どうした?竹をどうかしたいのか?」

 

〈ガァ!〉(3)

虎は竹の近くに伏せた。

 

「うーん……あっ、もしかして、この束を運んでくれるのか?」

 

〈ガァ!〉

 

「けどな……結構な量、あるんだぞ?大丈夫か?」

 

〈グワァァア!〉

虎が大声を上げると体の大きさが3倍程に巨大化した。

 

「へぇ、そんな力を持ってたのか じゃあ背中に載せるからしゃがんでくれ」

 

〈ガァ!〉

虎は武昭の指示通りにしゃがんだので、武昭は背中に竹を落とさない様に括り付けた。

 

「よし、これで大丈夫だな……じゃあ俺の後について来てくれ」

 

〈ガァ!〉

武昭が言うと虎は嬉しそうについていった。

 

 




その時の虎の心中。

初対面時(1)
くっ……まさか、こんな所に人間がいたとは……これで私も……

気が付いて(2)
私はまだ……なっ!?なぜ、この者は私の治療を……?
この者は私が今まで見てきた人間とは違うみたいだ……

帰宅時(3)
なっ!私はこの者に助けられのだ、ならば恩を返さなければ!
ふん、こんな物など私にとっては物の数ではない!
まさか、私の力を見ても怯えぬとは……決めたぞ、私はこの者のそばにいよう……






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