艦娘であり艦娘ではない   作:コロタン

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最近ちょっとだけネタというか(日常描写にこんなの入れたいなぁ)
とか浮かんでくるんですがいざ真面目にストーリーの展開を考えると全く浮かんで来ないんですよね。
今回漸く主人公の名前を出します。多分メタルギア知ってる人ならもうわかってると思いますが・・・


帰還と再開

大本営に来てから今日で約1ヶ月。そろそろ元居た鎮守府に戻るか、別の鎮守府に異動するか判断する事になる。まぁ、大多数の艦が異動を選ぶだろう。

あんな所に戻っても、嫌な思い出しかないだろう。

私か?私は勿論大原に残るつもりだ。別の鎮守府へ行っても居場所などないからな。

 

だが、レイとミズーリがこちらに来ると言うのは驚いた。

話を聞くに、2人は元々時期を見て監査部を辞める腹積もりらしかった。

「お前は昔から1人にすると相当な無茶をしてるからな。ストッパーが必要だ。・・・それにあの時の事、まだ納得してる訳じゃ無いからな」

とジト目で言われた。ミズーリは全くその通りと言わんばかりに頷いていた・・・・解せぬ。

 

その後、被害者全員にアンケート調査が成され、殆どが異動を選んだのは言うまでもない。

だが電や響の少数は大原に残る選択をした。龍田は天龍にくっついてくるそうだ。「天龍ちゃんと一緒にいた方が楽しいから」とは本人の弁だ。駆逐艦の2人は助けられた借りを返すまでは私と一緒の場所がいいと言っていた。そうはっきり言われるとむず痒いものがある。レイ達の他にも艦種を問わずに何人か新たに派遣されるという話だ。

 

 

しかし何より大きいのは間宮が此処に着任するという事だ。

彼女は戦艦では無いので戦闘こそ出来ないが彼女の艦種は給糧艦。他の艦に弾薬や燃料を補給するのがこそ彼女の役割だ。これが長期戦ともなると兵站面で非常に重要になってくる。

勿論我々艦娘も人間とほぼ似たようなものだ。味気ない燃料よりも美味しい食事も頂きたい。それに彼女は普段から食堂を切り盛りしているため下手な奴に作らせるよりよっぽど良い。

まぁ一言で纏めれば、彼女の作る飯は美味いし、戦闘前の意欲向上にも繋がる無くてはならない存在だということだ。

 

 

 

必要な手続きを済ませて荷造りし、今日漸く此処に戻ってきた。

私が壊した自室と執務室のドアやレールガンとミサイルを撃ち込んだ場所も綺麗に修繕されていた。その他にも細かい部分の改装がされていた。私の部屋のドアは蹴り飛ばしてしまったので予想通り交換されていた。しかしここで思いもしなかったアクシデントが起こった。肝心の部屋に入るための鍵を持ってないのだ。他の艦にも聞いたがそれらしい物は預かったりしていないそうだった。隣の部屋に住むことになった龍田に事情を説明し、荷物を置かせてもらう。本当は他人の部屋に私物を置きたくないのだがこの際仕方ない。

 

さらにアクシデントは止まらない。

新米提督が来るまでに10日間も時間がある。何故こんなに間があるかというと、こちらの再運営が決まり、誰を派遣するか決めるための審査がいつもより厳しくなった。それを受け多少の誤差があるのだ。その間は誰かが提督代理として執務をこなさなければならない。

当然大原に居た艦達は書類仕事など1回もしたことが無いペーペー達だ。ま、どれもこれもクソ野郎のせいなんだがな。

派遣されて来た連中も、書類関係とは無縁状態だったらしい。ここまで来ると最早選択肢は私がこなすというものしか無くなってくる。まさかこんな所で役に立つとは思わなかった。

昔取った杵柄という程でもないが元秘書艦を舐めてもらっては困る。

 

 

さぁ、どんどんもってこい!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やっほー。響だよ。今回は私が進行役をするよ

え?いつも電がやってるじゃないかって?今電は別の事をやってるからね。代わりに私がするというわけさ。

さて、一言で纏めると、執務室が地獄絵図になってるよ。

ここに居た仲間は勿論、派遣された人達も書類仕事をやったことがないみたいでね、何処から手をつければいいのかさえ分からない状態だ。本当ならもう新しい提督が来て執務をこなすはずなんだけど、どいうわけか到着が遅れているみたいでね。書類は溜まる一方でどうにも出来ない。かく言う私も何をどうすればいいのかなんて分からないから、新しく来た書類を、提督の机に置くだけさ。みんなあーでもないこーでもないってやり方を模索してるけど、いっその事諦めて、全部丸投げしちゃえばいいんじゃないかな?

なんて考えてると、執務室の扉が開いた。

みんなやっと提督が来たのかと思って注目するけど残念、来たのは彼女だ。

そう、ここの不祥事を終わらせた人でレイって人と瓜二つな彼女だ。

でもみんなすぐに目先の事に戻る。当然だ。この状況で暇人に構ってられないのは火を見るより明らかだ。

彼女もそんな事は気にせずに、みんなにある冊子を配っていた。

その冊子には「ゼロから始める書類仕事~これであなたも大躍進~」と書かれていた。

一通り配り終わると、今度は執務用の椅子に座った。まさかと思って「できるの?」と聞くも彼女は何も答えなかった。

代わりに全員に「書類を1度全部持って来い」と指示を出した。

よく見るとその手にはペンを握っていた。みんな怪訝な目をしながら全部机に置いた。私も気になって少し動向を眺めていると徐に書類を捌き始めた。でもまだペンは使ってない。

 

そのまま1時間程経った。机の上には綺麗に仕分けられた書類の山が3つ程鎮座していた。

 

彼女は真ん中の紙束を指さして、

「全員で手分けしてこの真ん中のやつを捌け。大体の事は冊子にかいてあるからそれを読め。私から見て1番左のものは提督の署名が必要だから何もしなくていい。残りは私が片付ける。以上だ。各自作業開始」

 

簡潔にそれだけ伝えると、彼女は残りの書類を片付け始めた。

みんな呆然としていた。人は見かけによらないって言うけど、彼女が書類仕事をこなせるなんて想像もつかなかった。

私は渡された冊子を読みながら仕事を始めた。みんな最初は四苦八苦してたのに途中からスラスラとできるようになった。私も渡された書類に目を通して捌いていく。本を読んでも分からないとこは彼女に口頭で質問し、彼女もまた、口頭で返答していく。会話といえばそれだけ。

そうして仕事を続けていると、壁にかかっている時計からチャイムがなった。彼女は立ち上がると「今日の仕事は終わりだ。各員夕食を取り、しっかり休め。終わった書類は、隣の秘書艦の机にでも置いといてくれ。」と言った。

 

その一言で、今日は解散となった。

正直、座りっぱなしがここまできついとは思わなかった。

みんな一様に「疲れた」という顔をしていた。時刻は7時。確かに夕食

には丁度いい時間だ。でもみんな凝りを解したいと言って先にお風呂へ行ったけど、私は皆がお風呂に入ってる内に夕食を食べた。あとから入れば人も余り混み合わないと踏んだからね。食べ終わった後に間宮さんに頼んである物を作ってもらった。

お風呂に向かうと狙い通り、人はあまりいなかった。みんなで入るのもいいけど、たまにはゆっくり浸かりたい。

 

お風呂も済ませてあとは寝るだけになって、自分の部屋に向かっていた時だった。ずっといなかった彼女が気になって今来た道を引き返して執務室に向かう。その前に食堂に寄って、作って貰ったものを持っていく。

執務室をそっと除くと、彼女はまだ作業してた。しかも1人で。

もう深夜と言っても差し支えない時間。私は扉を開ける。

 

「やっぱり、まだやってたんだね?」

 

「・・・こんな時間まで起きてるのは感心しないな、響」

 

「君だって1人で残業してるじゃないか。人のことは言えたものじゃないだろう?」

 

「・・・それで?何の用だ?」

 

「大した事じゃないけど。はいこれ。」

そう言って私が渡したのはおにぎりだ。夕食を食べた後、間宮さんに今日のことを話し、どうせ1人でやり続けてるだろうからと作って貰ったものだ。

 

「わざわざこの為に?」

その問いに対して私は笑って無言で頷く。彼女は

「ご親切に」

としか言わなかったけど、私は気にすることも無く、

「じゃ、おやすみ。余りやりすぎないでね」

とだけ残して部屋に戻った。

さて、明日も仕事があるし、ぐっすり寝るかな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まさか夜食を手渡されるとは思わなかった。

電といい響といい。どうして私の周りにはこうも世話を焼きたがる人物が多いのか。まぁ、色々言っても仕方なしか。少し休憩するか・・・・存外に美味いな。味付けも薄めでいい感じだ。・・・・さて、また始めるとしよう。少しでも片付けておかないと、新米が過労で死にかねんからな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなこんなで8日間。ほぼ不眠不休に等しい状態で書類を捌ききった私は9日目にして遂に倒れた。原因は当然過労だ。というよりそれ以外他に心当たりがない。

艦娘に過労の概念があること自体知らなかったことだが、何とか九割方終わらせてあるため、残りは新しく着任する提督に任せるとしよう。

 

 

根を詰めすぎたのか、その日一日は何かをしようとは思わなかった。

途中で色々な艦が心配して見舞いに来てくれたが、覚えてない。

後で話を聞いた限りでは、何を言われても空返事だったらしい。

 

 

 

翌日

すっかり元通りになった私は電と待望の新人提督出迎えの為に正門まで歩いていた。

「それにしても、新しい提督は誰になるのでしょうか?」

 

「さぁな。だが来るのは研修過程を終えたばかりの女性の新米提督らしい。恐らく前のような事があっては困るという上の判断だろう。」

 

「女性の方でも提督になれるんですか?」

 

「数は少ないが、現にいくつかの鎮守府の提督は女性という話もあるくらいだからな。」

 

電の質問にそう答えていると、正門に1台の車が止まる。いかにもな黒塗りの高級車だ。

中から白い軍服を着た女性が現れる。恐らく彼女が、派遣されて来た新米提督なのだろう。

 

彼女に近づいて、質問をする。

「あんたが、新しく着任する提督か?」

 

「え?あぁはい。そうです。新しくここを任されました。」

と若干慌てて返事をしてきた。

 

一方電は

「大原鎮守府所属の電です。」

とテンパることなく自己紹介をしていた。

「お出迎えありがとうございます。」

彼女はビシッと敬礼をして答えた。が、恐らく慣れてないのだろう。緊張からか、少しぎこちなかった。

「そう固くなる必要は無い。ところで、着任するのは二人と聞いていたんだが?」

 

「えぇ。私の父が元提督で、私の補佐として入る形になります。・・・何か不都合が?」

 

「いや何、少し顔を拝見したくてな。」

 

可能か?と聞いてみれば、彼女は1度車までとって返し、2言3言会話をして戻ってきた。

そして車から出てきた彼女の父親らしき男の顔を見て、私は頭が真っ白になった。

 

何故貴方が此処にとか、今まで何をしていたのかという言葉が浮かぶが、そんな考えはすぐに霧散した。

 

私の体は無意識に動いていた。隣にいる電が何か言っている様だが聞こえない。そのまま私の体は意図せずに男の元まで歩いていった。あの時とは違い、身なりのいいスーツを着こなし、幾分かやせ細って杖をついているが、その顔を、20年近く一緒に居た私が忘れるわけは無かった。

 

私と彼の間に少し、無言の時が流れる。

 

あの時と同じように、敬礼の姿勢をとる。そして、

「本当に・・・随分と待たせてくれる人だな。・・・・・・秋雨提督。」

 

その初老の男性・・・・秋雨 実は同じように敬礼を返すと一言

「また逢えたな・・・・レックス」

と一言だけしか言わなかったが、彼が発した声には限りない優しさが詰まっていた。

 

 

 

 




やっと名前を呼ばれる主人公(激遅)
でもメタルギアを知っている人ならレールガンを出した時点で察しが着いていたはず。

前提督をどうしても登場させたくてこんな形にしました。
伏線を張ったわけではないですが展開を作るのになんかいい感じに使えないかなと思って拾ってみました。
これを書き上げてるうちにハロウィンが過ぎてしまった・・・
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