戦闘だったりシリアスシーンばかりだとあれなんで日常シーンを入れてみました。
ナノマシンのくだりを終わらせてもうちょっとしたらキャラ紹介とかしたいですね。
そこら辺ホント無計画なんで許してください。
結局あの後話してもナノマシン抑制の糸口は掴めず、私の知り合いなら何とかしてくれるかもしれない事を皆に話し、解散となった。
通信で来てくれるとは言っていたものの、何せ距離が距離だ。どんなに早くても数日はかかる。その間に出来ることはいつも通りに過ごす事だけだ。私は仮の自分の部屋に戻ると、本を開いて眺めていた。
時刻は夜、普段ならもう寝てる時間なのだが私はまだ起きていた。理由は勿論、妖精達に渡すプレゼントだ。なかなか良さげなものが見つからず、暫く本とにらめっこしていると、とある菓子に目が止まる。これなら喜んでくれるだろうか。早朝に作れば目立たずに済むし、材料も厨房へ行けば揃ってるはずだ。私はページに付箋を張り付けて作り方を覚えると、そのまま眠りについた。
次の日の朝、私は早めに起きて、厨房へ入った。今日は艤装の修繕をしてくれた妖精達に、菓子をプレゼントしようと思っている。
あれだけ大きな物を直して貰ったのだ。ただ買ってきたものを渡すのでは余りにも味気無い。それに、手作りの方が喜ぶだろうからな。
作るものは昨日決め、材料も揃っている。手を洗って消毒し、いざつくろうとした時に気づいた。電がエプロンを着用して、やる気満々でこちらを見ていたのは。
「聞いてもいいか?電」
「はい。まずは何をすればいいのですか?」
「いや、そこではなくな、何故準備万端なのか聞きたい」
「えっと、実は昨日の深夜、お礼がしたくてあなたの部屋に入ったんですけど・・・」電の話によれば、昨日の夜に礼を言う為に部屋に入って来たのだが、その時私は寝ていたため起こすのも忍びないということでそのまま立ち去ろうとした。その時机に置いてあった菓子作りの本の付箋が気になって開き、私が作ろうとしてるものを知って手伝いに来た様だった。
1人で作れるから不要だと突っぱねる事はできるが、彼女にはあの状況を打破して貰った恩があるため無下にも出来なかった。何より、今までしたい事ができなかったことを踏まえると、拒否するという行動は余りにも可哀想だった。
考えるまでも無く、「分かった。手伝ってもらう。」と答れば、目をキラキラと輝かせていた。まずは手指の消毒、それから前準備だ。
そこからの作業は二人三脚だった。
電に1口サイズの型にバターを塗り、薄力粉をふるって貰う。私はその間にレモンの皮をすりおろし、オーブンを170度に予熱していた。その時に後ろの方から落下音がして振り向くとボウルが落ち、ひっくり返っていた。電が常温に戻した無塩バターとグラニュー糖をボウルに入れ、混ぜ合わせていたのだが、力みすぎたのかボウルを落としてしまった。混ぜる時にボウルを確りと押さえておくように注意したのだが、加減が難しかったか。
私が近付くと電は怒られると思ったのか、「あ、あの」としどろもどろになっていた。そんな彼女の頭に手を乗せて、優しく撫でる。
「失敗したのなら、またやり直せばいい。幸い、材料はまだあるからな。」そう、電だけじゃない。大原鎮守府にいた艦全員が、自分のやりたい事をやるというのは初めての事なのだ。失敗して当然だ。そこから上手くなればいい。最初から何でもできる者はいないのだから。
そう付け加えて、彼女の頭から手を離す。
作業を中断し、2人で落としたものを片付ける。今度は私がボウルを押さえ、電には混ぜる方に集中してもらう。そのまま溶き卵を3回加え、その都度よく混ぜ合わせる。混ぜ終わったら粉類を振るい入れ、ゴムベラで切るように混ぜ合わせ、レモン汁、レモンの皮を加えてさらに混ぜる。
型に生地を入れ、170℃のオーブンで15分加熱して竹串を刺し、生地がつかなくなるまで焼き、取り出して粗熱を取る。
ボウルにレモンアイシングの材料を入れ混ぜ合わせて、ケーキ上部を浸し、アイシングが固まったら完成だ。出来上がったケーキを見て嬉しそうにしている電を見ていてふと思った。果たして私は、彼女の様に笑った事があっただろうか?確かにあの人と過ごした時間は楽しい物だったが、私自身が彼女のように笑った事はない。だからだろうか、気づけばケーキを一つ、電に渡していた。彼女はくれると思ってなかったのか、「え、でもこれは・・・」と躊躇っていたが「自分で作ったものだ。味見くらいしなければ、善し悪しが分からんだろう?それに、今何時だと思ってる?こんな早朝だと朝食まで持たんからな。」そう言って電に無理矢理渡した。片付けは焼き上がるまでに済ませてあるので、残りのケーキを手早く袋詰めし、持っていく。そのまま厨房を出て、自室へ戻り、作ったものを机に置く。今持って行ってもまだ寝てるだろうしな。
読書をして時間を潰していると、いつの間にか朝日が窓を通して部屋に入り込んでいた。別にこのまま過ごしてもいいが、何も食べないというのはよろしくないし、私の数少ない趣味を減らすのもいただけない。腹が減ってはなんとやらだ。そんな事を考えて、一人で食堂へ向かったのだが、混雑していて座る場所がない。部屋に持ち帰る事を内心で確定し、そのまま注文に向かう。普段艦娘は燃料さえあれば稼働するのだが、やはり気持ちの問題なのか皆美味しいものを食べたがるのだ。特に赤城と加賀、あの二人は何故か知らんが本当によく食う。(消化スピードとか容量どうなってんだか)かくいう私もうまいものは好きだ。昔最後に残った栄養ブロックをレイと私を含めた4人で誰が食うか艤装を展開して本気で争いかけた事もある位だ。その後すぐに襲撃してきた深海棲艦の空爆で当時の仮拠点ごと跡形もなく消し飛んだんだがな。(下手人は全員でフルボッコにして沈めた)
そんなみみっちい事を思い出してる内に列は空き、私の番が来た。朝からガッツリ系や大盛り系は私の体調が後で絶対崩れる(一度それで痛い目を見ている)のでやりたくない。かと言って少なすぎると変な時間に空腹が襲ってくるため普段はヨーグルトで済ませているのだが、流石に食堂へ来てまで頼もうとは思ってない。あまり時間をかけると後ろがつかえてしまうので、手軽なサンドイッチを2つ、味はおまかせで頼んだ。もちろん持ち帰りということも伝えてだ。五分くらいで頼んだものが出来上がり、紙袋を受け取って部屋へと戻って食べる。うん、いつも通りに美味い。そうしてパッパと食べ終わり、1時間程胃を休めてから再び外へ出る。場所は工廠、プレゼントも忘れずに持って行く。
工廠に着き、妖精達に作ったレモンケーキを渡す。しかしすぐには食べず、どこかへ持って行き、すぐに戻ってきた。仕事が一段落してから食べるつもりなのだろう。そのまま自分の艤装が置かれている場所まで案内され、完璧に修理された艤装を装着する。そのままここで動作確認をしようとしてやめた。昔大原で同じ事をやって工廠を壊しかけた事がある。その際専用機材が幾つか混じっており、結果として修理費用がバカ高くついてしまった。その後二度と工廠でするなと周りからガッツリ怒られた。そのため私が動作確認をしたくても専用で部屋を作る訳にもいかず、微調整が出来ないのだ。まだレーザーやガトリング砲は何とかなっても、ミサイルと
艤装を消して妖精達にお礼を言うが、手作りの菓子がよっぽど嬉しいのか、礼はいらないとばかりに首を横に振ってくる。何であれ、喜んで貰えたのなら何よりだ。
工廠から出て、私が次に向かったのは弓道場だ。弓道場は基本的に、正規空母や軽空母等が練習に使う場所だが、私は精神統一がしたい時等に利用する。何かをやっていないと落ち着かないという訳では無いが、ここ最近ずっと動いてなかったため、カンを取り戻したいのだ。
靴を脱いで中に入り、弓と矢を借りて中央まで進む。弓に矢を番え、弦を限界まで引き絞る。目を瞑り、一度深呼吸して放つ。少し遅れて タァン と的に当たる音が響くが、やはり鈍っている。放った矢は真ん中ではなく、端の方に当たっていた。
そのまま練習を続け、カンを取り戻した頃には夕方になっていた。最後の矢を放ち、漸く真ん中に当たる。その事に対し、少し悲観に暮れていると後ろから気配がした。後ろを向くと、加賀がいた。「随分と熱中してたようですね」その言葉に対し特に返答もせずに問いを投げる。「何時からそこに?」
「お昼過ぎからです。声をかけも反応しなかったので、気づくまであなたの射型を見させて頂きました。」
「そうか。で、要件は何だ?」
「報告書は読みました。ですが、何故あなたがナノマシンの事を知っているのかが分かりません。」
その疑問に対して、私は
「ミズーリにでも聞け、あいつは私と同じだ。」とだけ答える。
「同じ?どういうことですか?」怪訝な目でそう聞いてくるが、私としては何故今まで気づかないのかと聞きたいものだ。「他の場所で彼女以外のミズーリを見たか?」
「・・・」
私の質問に対し、加賀は黙ったままで何も答えない。
「それが答えだ。余計な詮索は控えた方が身のためだ。」それだけ言って、私は道具を片付けて弓道場を去る。別に今のは脅しでもなんでもない。私達のことを知れば、最悪世界の全てが敵に回る可能性が高い。
ただ知るだけならまだしも、知って尽力しようとすれば結果は目に見えている。その先にあるのは明確な破滅だ。強すぎる欲は身を滅ぼすと言うが、私達の場合、存在そのものが自身の身だけでは無く、文字通り
部屋に戻って、ドアを閉める。
ため息をついて、引き出しの中を探して、目的の物を探して取り出す。
それは煙草だ。普段は吸わないが、こういう時には必要になる。
口に加え、火をつける。そして味わうように深く吸い、ゆっくりと煙を吐き出す。
全く、何をムキになっているんだ私は。もう少し言葉を選んで受け答えをしておけば、不信感を与えずに済んだというのに。
一服終わって、火を消して吸殻を灰皿に投げ、そのままベットに身を投げて、夕食もとらずに床に就くことにした。
こんな気分では、何を食っても美味いと感じられないだろうからな。
何より、距離を離す為とはいえ、脅しのような真似をした自分に嫌気がさす。その事実が、私を苛んでいく。今はとにかく、少しでもその事を忘れ、逃れたい。その一心で、私は意識を手放した。
遅くなってごめんなさい
書いたデータが全部パァになって書き直すのに時間がかかりました。
日常シーンは少し長めの話数にしようと思ってます。
料理のとこはレシピがあってもちょこちょこ編集しなければならないので疲れますね。
後単純にアイデアが湧かないってのもありますが。