ちょっと前に書いて、放置していた作品を加筆した作品を一年ぶりに投稿。
本当にこういう二人がてぇてぇしているのが見たかったというか、実際見た(妄想)的な思いの丈をぶつけました。
稚拙なところが有りましたら、ご容赦ください。
「拓也、今日は久しぶりに配信を休んで、『ピクニックしよう』って言いだしたけど、どこに連れていくの?」
「まぁまぁ、それはついてからのお楽しみだから」
「拓也のことだから、変なところには連れて行かないとは思うけど、そこまで秘密にされるとね」
バラレオの二人は、動きやすい服装と二人分のお弁当やレジャーシート等を詰めたリュックサックを背負い、
「今日は、由美子とここに来たかったんだ」
「ここって……。『動物園』……?」
拓也が指さした場所は、都内にある動物園であった。
「そう。配信ばかりで、ストレスも溜まっちゃうから、たまにはこういうのもいいと思ってね。平日の昼だったら、人もあまりいないだろうから、人混みが嫌いな由美子にも大丈夫かなってさ」
「ん~。確かに、案件とかも多かったし、たまにはってことだったら、良いかもね。あれ、でも……」
由美子は、拓也の誘った理由に納得しながらも、どこか釈然としない気持ちに包まれた。
「それだったら、もっと近い動物園とかにすればよかったんじゃない? わざわざ、ここまですることってないんじゃない?」
「まぁ……。それについては、後々教えるから、ひと先ずは動物園見学をしようぜ」
「なんかはぐらかされてるけど、拓也なりに考えたことだから、久しぶりのデートを楽しみますか」
その後、二人は動物園の展示スペースを見て回り、二人でお弁当を食べた後、少し低い柵が立てられているやや広めの広場に到着した。
「ここが、今日、由美子と来たかった場所なんだ」
「ここが?」
「うん。あの看板を見て」
「何々……。『動物ふれあい広場』……」
レオがどうしても連れてきたかった場所は、小動物と直接触れ合えるコーナーであった。
「でも、どうして?」
「俺たちさ、今でこそ、こういう関係になって、幸せを築いているんだけどさ。小学校時代は、なんだかんだで喧嘩別れしちゃったみたいなものじゃん」
「喧嘩別れって、あれはあたしが勝手に拓也のことを一方的に……」
「でも、それでもあの時のことが有ったから、今の俺達が有る。それがさ、どうしても心のコリみたいになっちゃってな」
レオは、小学生時代のことを思い出しながら、静かに言葉を進めた。
「過去は変えることはできないし、やり直すことはできないけど、『思い出』だけはやり直すことはできるかなって……。あの時の由美子が、どれだけ辛かったことだってのは分ってる。でも、あの時出会わなかったら、由美子とここまでの関係にならなかった」
レオは、昔を思い出しながら、ゆっくりと続けた。
「だからこそ、もう一度、俺たちが出会ったあの時をやり直したかった。これは完全に俺のエゴ。だから、傷ついたら……」
「今日は楽しかったよ」
拓也の謝罪の言葉じみてきた言葉を、由美子は柔らかな言葉で遮った。
「確かにちょっとモヤっとしたけど、ウサギ撫でてたら、めちゃちゃ癒された。それに拓也が私のことを大切に思ってくれてるのは、ちゃんとわかってるから」
少し悲しげな顔をする拓也をなだめるように、由美子は言葉を続けた。
「あの時はめちゃくちゃ辛かった。全てが憎かったし、絶望してた」
少し苦々しくも、思い出したくない過去を思い出しながらも語った。
「それに、あの時の拓也は鬱陶しかった。私は、一人になりたかったのに、しつこく絡んできて、鬱陶しかった」
「そ、それは……」
「でも、そんな過去が無かったら、拓也はアイドルになろうとしなかったし、私たちは結婚することはなかったと思う。だから……」
由美子は、少し照れながらも拓也に抱き着いた。
「世界一幸せにしてよ……」
抱き着く力はどこか強く、もう離さないという彼女なりの想いでもあった。
「当たり前だよ」
拓也は優しい声色で答え、由美子の頭を優しく撫でた。
「フフッ……。くすぐったい」
その後、帰りに某激安量販店に寄り、お互いの私物を購入して帰路に就いた。
帰りの二人は、荷物を持っていない空いた手は、お互いの手の指の間に指を絡めあっていた。
自宅に帰った二人は、拓也お手製の食事を取り、お酒も少々入り始めていた。
「はぁ~。おいしかった」
「うん、今日の味付けも上手くいったな」
「本当に、拓也の料理が上手くなってて、嬉しいな~」
「また、一緒に料理しような」
「へ~い」
少し酔いの回った二人は、歓談しながら、楽しい時間は過ぎていった。
「そろそろ、良いかな~?」
「ん、何が?」
楽しい時間が少し経った後に、由美子は、先ほど購入した激安量販店の袋から、カチューシャを取り出し、手早くタグ等を取り外して装着した。
そのカチューシャには、フワフワな毛で覆われたウサギの耳の装飾が付いており、由美子の寝間着とも相まって、昼に触れあったウサギのようであった。
「ん? どうした?」
「拓也、今、あたしはウサギよ」
「ほうほう、それで?」
拓也はわざとらしく聞くも、内心ワクワクした表情であった。
「ウサギは、寂しいと死んじゃうくらい繊細な動物なんだよ。だから、私は今寂しいよ」
由美子は酔いが回ったせいか、いつもとは考えられない程の誘い文句を拓也に投げかけ、拓也の胸に顔をうずめた。
そんな由美子を優しく抱きしめ、ゆっくりと優しく頭を撫でた。
「それじゃ、今日は精一杯ウサギを可愛がるとするか」
「私が満足するまで可愛がりなさいよ、フフッ」
「勿論、絶対に幸せするよ」
二人はしばらくそのまま抱きしめ合い、お互いの温もりを感じ合っていた。
「ねぇ、もっと愛してよ、拓也。まだまだ足りない……。もっと、ちょうだい」
「……」
拓也は、由美子を少し強く抱き寄せて、彼女の唇に優しく唇を落とした。
「んッ……」
夜の帳は落ちたが、二人だけの世界はこれから開幕のようであった……。
その後、何をしていたかは、当人にしかわからないが、由美子はどこか肌ツヤが良くて、拓也はどこかヤツれた顔になっていたということだけは、登校前にたまたま二人を見つけた隣人のケイトには、しっかりバレており、あまりのてぇてぇにより、彼女はその場で膝をつき、過呼吸になりそうであった。
(二人だけの世界が開幕した同じ時間。一方、その頃……)
「( ゚д゚)ハッ! 今、どこかでバラレオの二人がてぇてぇなことしてる!! しかも、これはかなりのてぇてぇだ!」
コラボ配信の準備をしようとしていた林檎は、どこぞのニュー○イプよろしく、どこかで発生したてぇてぇを感じ取って身悶えていた。
なお、その発言を通話で聞いた司が「何やってるんですか?」と冷静にツッコミを入れていたのは、その場にいた二人しか知らぬことであった。
ウサギが寂しいと死んじゃうのは都市伝説で、実際のウサギは縄張り意識が強いので、多頭飼いするとストレスを感じちゃうそうです。
また、ウサギは自身の弱さを表に出さないということが有るので、飼い主の留守の間に亡くなってしまうことがあるので、「寂しい」=「死亡」という流れが生まれたみたいです。(有名なドラマのセリフにも有ったらしいので、有名な話(迷信)なんだと思います)
○エーデルワイス
花言葉:「大切な思い出」「勇気」「忍耐」「高潔な勇気」「大胆不敵」
小学校のウサギ小屋から始まった物語は、悲しいこと、辛いことがたくさんあったけど、それ以上の楽しいこと、嬉しいことに繋がって、愛の結晶という一つのカタチになって、それが未来に続く。
そんな二人がとても大好き。