「今日から夢美の分も作るんだが……。何を作ろうかな……」
レオは、冷蔵庫の食材をにらめっこしながら、夢美に振舞う初めての夕食について、思案していた。
「食あたりから治ったばかりだから、そんなに重たいものを食べさせるわけにはいかないけど、夢美のことだからしっかり食べたいとは言うだろうし……」
いつもレシピを参考にしているアプリを立ち上げ、夕食の献立の参考になるレシピを流し読みしていた。
その中で、一つのレシピが目に留まり、そのレシピをじっくりと見始めた。
「………。厚揚げか……。ただの厚揚げなら、味が一辺倒だけど、それに野菜あんかけをかければ良いな」
頭の中で、必要な材料と足りない食材を考え、夢美を連れて、スーパーへと足を運んだ。
「拓哉~。今日のご飯は、何?」
「ん、厚揚げの野菜あんかけ。なんか食べられないものはあるか」
「特に無いけど」
「良かった。今日の料理は、野菜と量は多めだから、あんなことが有って、重たいものを食べさせられないからね」
「ありがとう」
「まぁ、食事の面倒を見るってことは、健康に思い切り関わるってことだから」
2人は、淡々と食材を購入し、帰路についた。
「スーパーの道順は覚えておいてよ。今後、おつかいを頼むかもしれないからね」
「は~い」
「あっ、あそこに可愛い雑貨屋がある~」
「ん?」
夢美は帰り道の途中に、小さな雑貨店を見つけ、その店先に向かっていった。
「ここはお茶碗とかお皿とかも売ってるのか。ここで買っておこうっと」
「そうだな。予備のお茶碗を使うつもりだったけど、自分で選んだ食器で食べた方が良いもんな」
「選んでくるから、待ってて」
「俺もちょっと見てる」
「拓哉~。こっちの茶碗とこっちの茶碗、どっちがいいと思う?」
「う~ん。右かな」
「わかった。じゃ、こっちで」
「由美子。どっちの箸置きが良い?」
「う~ん。猫の箸置きかな」
「それじゃ、買ってくる」
雑貨店の中で、夢美は自分の食器を何点か、レオも2人分の箸置きを購入し、再び帰宅の途へとついた。
「さて、そろそろご飯が炊けるから、メイン料理を作ろうっと。材料は、ひき肉、シメジ、野菜、厚揚げ。味噌汁は、玉ねぎで良いかな」
フライパンでひき肉を炒め、野菜とシメジを入れ、ひき肉入り野菜炒めを作り始めた。
そして、そこに少量の鶏がらスープを入れて、一煮立ちさせ、その後水溶き片栗粉を入れ、とろみの付いた餡を完成させた。
「味噌汁もそろそろ完成かな……。あと、きざみネギを入れてっと……」
玉ねぎと出汁が入ったもう一つの鍋に味噌を入れて、味噌汁を完成させ、火を止めた。
「厚揚げもそのままフライパンで焼き目をつけてっと……。さて、そろそろ夢美を呼ぶか」
夢美に連絡を入れた後、直ぐにレオの部屋に入って、食事の準備をしてもらった。
「レオ、お箸は並べたよ」
「ありがとう。もうすぐ完成するから」
「は~い」
厚揚げの焼き目を確認した後、皿に盛りつけて、その上に野菜あんをかけて、メイン料理を完成させた。
そして、二つのお椀にそれぞれ味噌汁、二つの茶碗にご飯をよそい、メイン料理と味噌汁、ご飯を食卓に置いた。
本日のレオ飯:「厚揚げの野菜あんかけ」
「それじゃ、いただきますをするぞ」
「うん」
「「いただきます」」
「「おいしい」」
「あんかけがちょうどいい濃さで、厚揚げ外はパリパリで、中はふわっとしてる。うん、良い出来だ」
「流石、元アイドル。食レポも完璧だね」
「まぁね。それよりも、夢美がおいしいって言ってくれて、嬉しいよ」
「うん、ずっとコンビニ弁当で、こういう料理をあんまり食べなかったからさ。すごくおいしく感じる。ズズッ……。お味噌汁もおいしい」
「一人暮らししている時に、本当に料理しなかったんだな……」
レオが唖然としている中、「うん、そうだね」と厚揚げに食べながら、答えを返した。
「(そういえば、アイドル時代の料理企画で、教えてくれた講師の人が言ってたな……。『料理は技術だけじゃなく、食べてくれる人のことを想うことも必要だ』って。あの時は、そんなこと全く考えてなかったけど、今の夢美の顔を見ていると、ちょっとだけわかる気がしてきた)」
「(毎日、こんなおいしい料理が食べられるのか……。本当にあたしはツイてる。事務所からのサポートで面倒見てもらうなんて、本当ライバーになって良かった)」
各々の想いが渦巻く中、2人の“はじめて”の夜は、静かに過ぎていく……。
作中に出てくる料理は、実際自分で手作りしたものを利用しています。
まぁ、作中みたいに綺麗にアンができず、ひき肉が無駄に多く、結果的にひき肉入り野菜炒めと厚揚げみたいな感じになってしまいましたが……。
何事も経験と言うことでね。
今夜のレオ飯は、予定としては、最低でもあと1~2作品投稿予定です。
感想待ってます