デートが終わり、素敵なキスをしたバラレオ。
しかし、二人にかけられた恋の魔法は、まだ消えていません。
夜、男女が2人きり……。たった一言から始まる最後の魔法を見てください。
『恋人』同士としての観覧車デートが終わり、優しい抱きしめあった後、部屋着に着替えなおした二人は、身を寄せ合いながら、ミルクココアを一緒に飲んでいた。
「今日は、楽しかったよ」
「そう思ってくれたら、計画した甲斐があるよ」
「ありがとう」
「恋人になれば、こういうデートは何回もできるようになるよ」
レオは優しく夢美の頭を優しく撫で、それをくすぐったいと感じながらも、夢美は受け入れていた。
「とはいっても、ちゃんと『恋人』になっても、あたし達の生活ってあんまり変わらなさそうだよね」
「ん? そうか? こういう触れ合いが増えるから、変わるんじゃないのか?」
「でも、今でもご飯作ってもらっているし、ほとんど養ってもらっているからね」
「ご飯の一人分も二人分も変わらないからね。きちんと食費は貰っているからね。それに、こうやって一人の食事って、寂しいからね」
「それもそうね」
お互い心安らかな時間を過ごし、そろそろお互い眠る時間となっていた。
「ふぁ~……。もうそろそろ寝るか……。明日も配信だから、準備しないといけないからな……。あっ……」
「な、何? いきなり」
レオは、夢美の言葉をふと思い出して、何かに気が付いた。
「な、なぁ、夢美?」
「何よ、いきなり」
「この関係は、『明日まで』って言ったけど、どこまでって決めてないよな」
「そうだっけ?」
「だからさ。今日の夜は、まだ『恋人』同士だよな」
「うん、そうだね」
「じゃ、じゃあさ……。『一緒に寝ない?』」
「!?」
「ごめん、欲張った。忘れて」
レオの欲張った願いを出したが、すぐ撤回した。
「レ、レオ……」
「ごめん、ちょっと下心が漏れた。本当にごめん」
「ん~。ちょっと恥ずかしいかな……」
「そうだよな。本当にごめん」
「でも、レオの理屈も間違っていないからな……。わかった……。良いよ、一緒に寝てもいいよ」
「はえ?」
夢美からの答えは、「了承」であった。
「だから、良いよ」
「ほ、本当に?」
「うん。でも、昨日言った通り、“そういう事”はダメだからね」
「わかった。可能な限り頑張ってみる」
「可能な限りじゃダメ。絶対ダメ。そうじゃないと、今後も一緒に寝てあげないから」
「わ、わかった」
「それじゃ、戸締りしてくるから、先に布団に入ってて」
レオは、布団に入り夢美が入るためのスペースを確保していった。
数分後、戸締りを終えた夢美が再びレオの部屋に戻ってきた。
「それじゃ、入るね……」
「うん……」
「お、お邪魔します~」
お互いの声がどこか緊張していった。
一人用のベッドに入るために、二人は優しく抱きしめあい、夢美はレオの腕の中にすっぽり収まっていた。
「やっぱり、布団は冷たいね」
「そうだな。そのうち温かくなるよ」
「そうだね。でも、レオが温かいから。ちょっとましかな」
「俺もだよ」
「でも、ちょっとなんかむずかゆい。はじめてだから」
「俺もちょっと恥ずかしい。でも、あたたかい」
「うん、私もあたたかい」
2人はお互いの温もりを分け合いながら、睦みあっていた。
「フフッ……。温かい……」
「俺も温かい……」
「心地いいのに、ドキドキする」
「俺も断れると思って、言ったのに。言ってみるもんだな」
「まぁ、そこはレオだからって所もあるかな。信頼しているからね」
「うん、わかった」
「まだ寒いから、もうちょっとくっつくね」
更なる温かさを求め、2人はほぼ密着した状態までくっついていた。
「(夢美のゆったりとした息遣い……。シャンプーのいい匂い……)」
「(レオの匂いと温もり……)」
「「(このままだと、頭がおかしくなる……)」」
電気が落ちた部屋で視覚が働かない2人は、お互いの嗅覚と触覚、聴覚によりお互いの存在を確かめ合っていた。
特に嗅覚からの刺激が強く、お互いの匂いで強烈な多幸感の中、2人とも頭の中がドロドロになりつつあり、思考能力が鈍り始めてきた。
「今日は抱きしめられることが多かったけど、今の方がレオを強く感じる……。見えないのにそこにいるって強く感じられる」
「俺もこの手の中にある温もりが、夢美だって見えないのに、それが夢美だってわかる」
「うん……。もう、そろそろ寝ようか……」
「そうだな……。それじゃ……」
「ん?」
レオは、身体を少しずらし、そのまま優しく夢美の頬に唇を落とし、元通りの体勢に戻った。
「な、何するの?」
「何って、おやすみなさいのキス」
「なるほどね。ちょっと驚いた」
「ごめん、ごめん」
「許さない」
「そんな~」
「許してほしかったら、今夜はこのまま優しくして」
「わかった」
「それじゃ、おやすみなさい」
「ああ、おやすみなさい」
バラレオの2人は、緊張した気持ちと穏やかな気持ちの狭間に揺れながらも、夢の世界へと落ちていった。
その後、2人は何事もなく、穏やかな目覚めをした後は、今まで通りの「幼馴染」としての関係に戻ったが、1日だけの魔法は今後も2人の心のどこかに残り続けるのであった。
<今夜のレオ飯特別編:義姉妹のお料理教室>
「まさか、由美ちゃんから連絡が来たと思ったら、料理を教えてほしいって聞いて、驚いちゃった」
「ありがとうございます、先輩」
「いやいや、構わないよ。教えるって言っても、そんなに難しい料理教えるつもりも無いからね。拓哉から、惚気話と一緒に由美ちゃんの作れる料理は聞いてるからね」
静香の自宅のキッチンで、夢美と静香の楽しいお料理教室が始まっていた。
「由美ちゃんが、料理を教えてほしいなんて、愚弟が羨ましいね~。こんなに良い女捕まえたんだから、その責任取ってもらわないとね」
「先輩、レオとは『幼馴染』ですから。料理もいつも作ってもらってるから、少しはお礼をしないとなって思っただけですよ」
「ふ~ん」
夢美の慌てた答弁に、訝しい目線を向ける静香であった。
「まぁ、でも、ゆくゆくは私の義妹になってくれるんだから、お姉さん頑張るわよ!」
「まだ、そんなんじゃないですよ」
「ふ~ん。『まだ』なんだ~。それじゃ、期待しちゃおうかな」
「あっ……」
夢美の心の中で、「この人には勝てないな」と思いながらも、料理教室へと話を進めた。
その後、2人で作ったハンバーグと少し甘めに仕上げたニンジンのグラッセ等の添え物をタッパーに入れて持ち帰り、今夜の夕飯に出されることとなった。
本日のレオ飯:「義姉妹で作ったハンバーグ」
今回も私のてぇてぇを自給自足のつもりで書きました。
同衾は、ロマン感じます。
書いてて、てぇてぇで手が止まりませんでした。
実にてぇてぇ……