くっそ遅れたけど更新。
「・・・・んん・・・?」
その男はどこからともなく見える光に眠気を覚まされた。しかし、男は動じすらしない。
「何故だ・・・・?私はアイン達に討たれ消えたはず・・・・!!」
その男・・・・【キャロル】は物理的に動じない…というより心境で動じている方が大きかったので動けずにいた。が、それはすぐに溶けた。
「それは私がパパの残留思念をこの世界に持って帰ってきて蘇生したからよ。」
「パパ・・・・?まさか!?」
キャロルはまさかと思いあたり一面をぐるっと見渡した。すると右手の方に赤髪の少女が居た。その少女をキャロルは知っていた。
「【リデル・・・・!!】」
右でベッドに突っ伏しつつもその姿を忘れることがなかったキャロル。が、
「今の私は【アリス】よ。それだけは忘れないでねパパ。・・・・それと・・・・。」
アリスは起き上がるとキャロルのおでこを見て指を近づける。
「リd・・・・・アリス?」
パチン!
アリスはキャロルのおでこにやさしくデコピンをした。
「パパが何をしたかったのかはわからないけど、私としてはこれでおあいこ。パパにも何か理由があってあれを起こしたんでしょ?」
「・・・・俺はアリスを元の世界に帰還させるためあの計画を実行した・・・・そしてアリスはこの世界に戻ってこれた・・・・。俺としてはこれだけでも十分だ・・・・!!本来ならば、俺が消えてアリスだけが帰ってくる予定だったが・・・・・。」
「私は一人の娘としてやるべきことをやっただけよ?それに、感謝を言うならクーロンちゃんやフェルミちゃん、そして博士に言うべきよ。」
「博士・・・・・・・?」
キャロルは博士という存在が気になりつつも、お礼を言うべくベッドからのそのそと出て身なりを整える。今のキャロルはアルゴリズムを起動してなったアリスの姿ではなく、本来のキャロルの姿だった。肩から下げられた青いスーツに白いカッターシャツを着こなすキャロルだったが、その一部は炭化していた。こちらの世界から無理やりデータ化させるときに炭化でもしたのだろう。アリスに連れられ下に降りていくとだんだん自分が居た施設の全貌が明らかになっていく。それにつれてキャロルの顔はなぜか困惑の顔をしていた。
「・・・なあアリス、もしかして博士ってまさか・・・・。」
「パパでもわかった?ここは束博士の研究所よ。それも、私たちの本拠地である大型サーバー、ALICEが設置されているところね。」
キャロルは驚愕した。いや、キャロルは元から束にはあとの管理を押し付ける予定ではいたのだが、こうしてちゃんとやってくれているところを見ると自分とて不思議に思うところはあるのだ。
「博士―、パパを連れてきました~!」
その声と共に奥の方から一人の人物が出てきた。
「アーちゃんありがとね、じゃあアーちゃんはクーちゃんたちと一緒に引き続きアリスの管理をお願いね。」
「はい!ではパパ、また後で!」
「あ、ああ。」
アリスに勢いを持っていかれたまま呆気にとられるキャロル。だがそれも一瞬で吹き飛んだ。
「さて・・・・久しぶりだね、キャロル。」
「お前が真面目な方の態度で接するということは・・・・俺の遺産が何かやらかしたか?」
「察しが良いね、君の遺した女王たちがALICEを通じてISを暴走させ始めた。」
「IS?もしやそれは束が計画していた?」
「そう、君が居なくなってから2年くらいかな、それくらいの時に完成して、つい半年前に普及が始まったの。そしてつい一週間前、ISが無造作に暴走する事件が起きた。」
「・・・・特徴は?」
「暴走といっても確認できたのは勝手に動いて他国への無断侵入、及び観察くらいかな。それで被害を受けた国々は少なかったみたいだけどね。物理的損害がゼロだからどちらも強くは言えないみたい。・・・・・キャロル?」
束がぶつぶつ話している途中で不意に思考の海に潜ったキャロルだったが、すぐに戻ってきた。
「・・・・おそらくそれにかかわっているのは女王の一人であるシャンディレだな。」
「シャンディレ?」
「ああ、私が女王に持たせた感情のうちの一つ、激情、感情増幅、観察、そして憎悪。そのうちの一つである観察の機能を持った女王だ。ALICE内でも物理的被害が出ないよう私自らが調整したわけだが。まさか真っ先に出てきたのはそれか・・・・。」
「まるで予感できるような言い方だね?」
「私が消えなかった時点で女王の動きも不安定になると言っても過言じゃない。今回のような暴走が起きてもおかしくはないってわけだ。」
「・・・・一つ聞くけど、その女王ってやつは止められるのかい?」
束はうっすらと聞いた。キャロルは少し考え事をすると束にパソコンを一台借りると進言して現代では少し硬落ちしたパソコンの前に居座った。
「今から女王に対抗するためのワクチンプログラムを制作する。アリスを呼んできてくれ。あいつは一応女王の一人になる予定だった娘だ。少ないながらも女王の根幹プログラムを一部持っているはず。」
「・・・となると私は?」
「それを運用できるISとやらの制作だな、少なくとも4台だが。」
「・・・・まさかとは思うけど個々に対応したワクチンプログラムを作るつもりじゃなかろうね?」
「何を言うか、フェルミとクーロンは種族が同じだが私とアリスはクーロンとは種別が違うんだ、それとなく微調整は必要になる。さあ、頼んだぞ。」
「・・・・・なんだか、アリスから聞いたイメージと違うね。」
「イメージ?」
「うん。アリスはキャロルの事を【私のパパだけどみんなのパパでもある】って言ってたよ。」
「・・・・・アリスに言っておいてくれ・・・ありがとう、と。」
「わかった。」
束はそういうとその場を去った。キャロルはようやく束が居なくなると自らのアカウントを使いALICEのメインサーバー内データを書きだし始めた。
「我が娘とその友人のために俺は敵とでも魔王でもなってやろう・・・・!!」
一人暗い部屋の中で再び憎悪の化身が姿を現そうとしていた。
To be continued......
アリスちゃんけなげですき