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あの後、順調に授業は進んでいく。途中、誰かさんが殴られる事故があるものの、滞りなく進み次の授業へと進もうとしていた。.......が?
「クラス代表〜?」
間延びしたフェルミの声がその話をした千冬に伸びる。千冬はその間延びした声に対し軽く相槌を交わすと、
「ああ、中学で言うところのクラス委員ってところだ。選出されたら代表イベントには必ず全て出てもらうことになるからその点を留意して推薦すること。」
千冬がそこまで言い終えたところで次々と推薦の声が飛び交う。もっとも、その殆どが一夏やクーロン、フェルミに飛んでいたが。
「う〜ん、あまり〜目立っても〜困るんだけどなぁ〜。」
「私はもともとアイドルやってるからこれくらいは問題ないけど日程とかぶらないかが論点になりそうかなぁ。」
「そっか、クーロンちゃんは一応ALICE内を行き来できるから〜。」
「うん、現にもう皆から一回戻ってきてって催促されてるんだよね.....。」
「それは.....うん、急にいなくなったらそりゃあ......ね?」
フェルミがブツブツ言っていると突然台パンの音が。気になった二人がその方向を向くと。
「あなたがた!!たかだか男だからといって推薦するのは辞めませんこと!?」
その金髪の少女がキレていることに二人はなんとなく納得していた。
「あの少女の言い分もわかるわね。まだ前も知らない唯一の男子操縦者に代表は任せられない。至極真っ当な意見だね。」
クーロンがそう言い事の巻末を見守ろうとしたが、次の一言で二人の目つきが変わった。
「それに、あのようなどこの馬の骨かもわからぬ輩、ましてやアイドルならば何の経験もない彼女らに任せるのは明らかに浅はかというもの!!ここはわたくしセシリア・オルコットが自薦致しますわ!!」
「ん、この四人だけか?ならばトーナメントを組んで「織斑先生、一言言わせてもらってもいいですか?」ん?クーロンか。良かろう。」
千冬の許可をもらいクーロンが席を立つ。
「あなた、セシリアと言いましたね?あなたの発言が国家を体現しているということはわかっているのかな?」
「お黙りなさい!それがなんだというのです!!わざわざ負けるための言い訳とでも言うのですか?」
「へぇ.....命が惜しくないんですね。....フェルミちゃん、イギリスへのALICEの全サービスの稼働停止要請を後で打診してください。」
「良いよ〜.......僕も少々彼女には苛ついてるからねぇ!!」
若干切れたのかご自慢の猫耳が立っているフェルミ。そしてクーロンから出た【ALICE】という単語を聞いた何人かの生徒がざわめき出す。もちろんそれは教員たちも例外ではない。
「ALICEってあの.....!?」
「全世界で様々なサービスを提供しているっていうALICEなの!?」
「.....調査で聞いたことがあるねー。ALICEは一人の男によって作られ、何人かの少女たちによって管理されていた、と。でも、最近は作った人が死んで稼働停止したと聞いたけど.....。」
それぞれから疑問の声が上がるが、二人がそれすらをも威圧し黙らせた。
「確かに一時はALICEは停止しましたが、今は新たな管理人の発足により稼働を再開しました。.....それよりも私が許せないのは先の一言です....。アイドルならばなんの経験もない?はっ、ほざくのも大概にしてくださいよ?少なくとも貴方よりかは稼働時間は長いと断言できますよ?」
「んなっ!?」
「なんせ僕らの師匠はあの人だからね〜.......。」
「........あなたがたに決闘を申し込みますわ!!!」
突然セシリアがそう宣言した。それを聞いた二人は静かに顔をニヤけさせる。
「へぇ.....いいでしょう。」
「あなたがたが負けたらALICEの管理権をイギリス政府に移してもらいますわ!」
「なっ.....!?クーロン、流石にこれは....。」
「いいでしょう。そちらが負けたらイギリスにおけるALICEへのアクセス権を剥奪しますね。」
クーロンがそう告げるとクラス全員がざわめく。もちろん、千冬とてその言葉を聞いた瞬間、悪寒が走った。
「(ALICEへのアクセス権を持たない国は既に吸収されていると情報が回ってきている.....束、お前は何がしたいんだ......!!)」
全員がざわめく中、ただ一人セシリアはポツリとつぶやいた。
「.......何が何でも負けるわけには行かないのです.....我が身に変えてでも.....!!!」
その日の夕方のこと。各自用意された部屋に向かった二人は鍵を締めるとすぐさまあるものの組み立てを始めた。
「....これをこうして、あれをこうすれば......はい!!」
クーロンが片手間で作ったのは通話機器。それもビデオ通話のできる代物である。早速フェルミが電源を入れるとすぐに繋がった。
「ハロハロー!どうだった、初日は?」
朗らかに聞いてくる束に対しフェルミとクーロンは束にここまでの経緯を話した。すると束は途端に笑い転げた。
「アハハハ!!!イギリスもバカなことをしたねぇ!!」
「私だってALICEをバカにされたら怒りだってしますよ?」
「お前の怒りは最もだな。」
「更には私へのアイドル活動への侮辱、許すわけには行かないんだから....!!」
「なあフェルミ、もうイギリスのアクセス権を途絶させていいか?」
「キレるの早すぎるよキャロル!?決闘に勝ったら合法的に永久途絶させられるんだから〜。」
「むぅ......。」
通信越しに愚痴を言い合っていると、突然赤髪の少女が目にサングラスのようなものをつけて出てきた。
「クーロン、フェルミ!」
「あ、アリスちゃん!?そのサングラスはもしかして....!!」
「そう、私の専用機がついに完成したのよ!」
赤髪の少女ことアリスが全体図を映し出すと、そこにはアリスの全体の面影は残しつつもキャロルの怨念、愛情が詰まったISがそこには写っていた。
「CF-001【スペリオラー】。それがこの、希望の名前よ。」
アリスはそう高々と告げた。
「スペリオラー?」
フェルミが少し首を傾げると待っていましたと言わんばかりに束が画面に再び姿を見せた。
「この子は一見普通の機体なんだけど、内部システム機構に小型のALICE接続端末を内蔵したからどんなに処理が重い攻撃でもALICEを通して一番最小限で避けられる位置に動けるっていうすぐれものさ!」
「へぇ、でもそれだけならただの戦術予報システムじゃないの?」
クーロンの言ったことは正論だった。ISにおいて学習システムは必須であり、相手の戦術において一番的確な方法を提示する、という行いは少なからず多くの国で試験が始まっていた。それだけならば、ただのISとは何ら変わりはない。が、次の一言で固まった。
「よくぞ聞いてくれたね!アリスの....いや、君たち二人のISにも言えるけど単一仕様としてALICE内のスキルやアビリティなどを使えるようにしたのさ!!」
「......は?」
思わずクーロンが唖然とした。画面越しのアリスも未だになれていなかったのか少しばかり苦笑いをしていた。
「まあどういうことなのかって言うとね。自分たちのデータをISで可視化して他のISとの格差をつけたのさ。」
「格差?」
「例えばアリちゃんのスペリオラーは単一仕様として【理想卿】という単一仕様があるんだけど、これは戦えば戦うほど攻撃、防御、SE保有上限がちょっとずつ上がっていくっていう仕様なんだよね。しかもアリちゃんの特性で常時攻撃・防御・SE上限が2000も上がってるのさ!」
「ほえー、と言うことは私もフェルミちゃんも?」
「そうだね。クーちゃんは発動すれば攻撃と防御が3000アップして10分の間オートリペアが発生するようになるよ。」
「耐久戦に強いってことなのかな?」
「でもそれを言うならフェルミちゃんもだよ?発動しなくてもオートリペアが使えるからほぼほぼ倒れることが無いんだ。しかも一分ごとにSEが5000回復するし。あ、この仕様はクーちゃんにもあるからね。」
「.....私が言うのも何だけどそこそこやばくないかしら。」
「.....私も博士が次にいうセリフわかったかも。」
クーロンとアリスがすでに諦めているが、束は放っていく。
「ちなみにフェルミちゃんは単一仕様を発動すれば相手に5回攻撃を当てるたびに3万もSEが復活するからね。ただし3分だけの特別仕様だけど。」
「......だめだ。なんてことしちゃったの.....。」
時既に気づくの遅し。千冬があとから入ってきたときには二人が燃え尽きている姿が発見されたという。
To be continued........
さあ雲行きが怪しくなってまいりました