手にした竜騎士と破滅が気難しい   作:アマゾンズ

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悩んで歩いている中、導かれる。

遊来と隼人が全力という名の調整デュエル。


第11話

制裁デュエルから翌日、俺はペガサスさんに連絡してエクシーズ召喚を自分の意識がない時に行われていたと話をした。

 

流石にものすごい剣幕で怒られてしまったが、自分の意識がなかった時だったというのを入念に説明し、カードも消えてしまったと言ったら落ち着いてくれた。

 

「遊来ボーイ、YOUは自分で思っている以上に何かを持っているのかもしれまセン」

 

「・・・それとペガサスさん。エクシーズが出る前に俺、闇に飲まれたんです」

 

「What!?」

 

「必死に抵抗しても飲まれていくような・・・そんな感じでした。だけど、炎が俺を引きずり出してくれたんです」

 

「炎・・・デスか?」

 

「はい、モンスターのようでしたけど姿までは流石に」

 

「なるほど。それと遊来ボーイ、エクシーズのデータは海馬ボーイと海馬コーポレーションにも送りマース。それと同時にシンクロ召喚も積極的に使うべきデショウ。これはあくまでも私の予想なのデスが、シンクロモンスターがエクシーズモンスターからの闇を抑える封印の役目をしているように思えマス。今回は事故として大目に見マスが、自分からエクシーズを使おうなどとは思わないで下サーイ!」

 

「・・・・分かりました」

 

ペガサスとの会話を終えると、気分転換に外へ出る事にした。隣にはルインが居てくれているが会話できるような心境ではなかった。あの時、自分ではない自分がエクシーズ召喚の素材にルインを使い、勝利を収めたのだから。結果的に勝利しているが、自分としては勝負の感覚がなかった。

 

 

 

 

 

森の中に入り、森林浴をしながら自分の心を癒し始める。すると何処からか声が聞こえてきた。

 

『こっち来て』

 

「!?」

 

『そう、そのまま』

 

敵意はない様子だが、森林の奥にポツンと立っている一つの石があった。精霊らしき少女はその石の前で止まっており、声をかけてきた。

 

『此処、掘り返して』

 

「?ルイン手伝って」

 

『?はい』

 

ルインと協力して石の下を掘り返すと其処にはカードが入るくらい小さな箱が埋められていたそれを見つけると少女は微笑んで消えてしまった。

 

「これは一体?」

 

中身を確認にしようと蓋を開けた。其処には何枚かのカードが裏向きで入っており、それを取り出して確認すると遊来は吹き出した。

 

「はああああ!?なんつーカードをこんな所に埋めてんだよ!前の卒業生か!?いや、チューナーだしありえ・・なくもないか。攻撃力しか見てないのかよ!?」

 

それは俗に言う『妖怪少女』達のカードであった。前の世界でのOCG出身の遊来からすれば『バカジャネーノ!!』と叫びたくなる事案である。

 

 

『妖怪少女』とはレベル3・攻撃力0・守備力1800の共通ステータスと手札誘発効果を持つチューナーのモンスター群であり、一枚を除いては全てアンデッド族で構成されているカード達だ。

 

 

『幽鬼うさぎ』効果を発動したフィールドのモンスターか表側表示の魔法・罠カードを破壊しフィールドからでも発動可能。

 

『浮幽さくら』自分エクストラデッキから選んだカードの同名カードを相手エクストラデッキから全て除外フィールドのモンスター数が自分より相手の方が多い場合にのみ発動可能。

 

『灰流うらら』デッキからカードを手札に加える・特殊召喚する・墓地へ送る効果のいずれかの効果を無効化する。

 

『屋敷わらし』墓地からカードを加える・特殊召喚する・除外する効果のいずれかの発動を無効化

 

『儚無みずき』相手が効果モンスターを特殊召喚する度にライフ回復 回復できなかった場合はエンドフェイズに自分ライフが半減する。

 

『朔夜しぐれ』1体のモンスター効果の無効化とフィールドを離れた際元々の攻撃力分のダメージをコントローラーへのバーンダメージを与える効果、そのモンスターの特殊召喚時にのみ発動可能。

 

とこんな感じで効果がかなり強力なメンバー達が勢揃いなのである。中でも『灰流うらら』はあらゆるデッキに対してメタ的な動きが出来るので人気が高かった。

 

『私達、使って』

 

「頑張ってみる」

 

出てきては居ないが、どうやら『妖怪少女』の全員が精霊のようだ。その中で代表として出てきているのが『幽鬼うさぎ』のようでとりあえずカードを回収して部屋に戻った。

 

 

 

 

 

「はぁ・・・参ったなぁ」

 

『妖怪少女』達がルインとレヴァティン相手に遊んでいた。やはり、妖怪と言われていても見た目と性格が少女なのだから仕方ないと思っているのだが・・・。

 

『おねーちゃん、遊んでー』

 

『仕方ないですねぇ』

 

『ドラゴンさん・・・・遊んでくださる?』

 

『遊んでください・・・!』

 

『俺でよければ構わないよ!』

 

特に『灰流うらら』『屋敷わらし』『朔夜しぐれ』は二人に懐いており、某教育番組のようなお姉さんとお兄さんみたくなっている。

 

『マスター、大変』

 

『本当ね』

 

『無理しないで・・・ください』

 

『幽鬼うさぎ』『浮幽さくら』『儚無みずき』の三人は遊来を気遣ってくれていた。その中で『幽鬼うさぎ』が鋭い事を遊来にぶつけてきた。

 

『マスター、貴方の中、闇が蠢いてる』

 

「!?」

 

『けれど、拮抗するものがある。だけど、燻っていて闇に拮抗できていない』

 

「どういう事だ?」

 

『人間の心の境地、それしか分からない』

 

「???」

 

『幽鬼うさぎ』の意味ありげな言葉に遊来は益々、首を傾げる事になってしまった。だが、彼女はヒントになる言葉をくれた。

 

『ある周期で戦いを始める竜、同調によって呼ばれる竜こそがマスターの中の闇に拮抗するもの』

 

「同調・・・シンクロ召喚の事か?」

 

『うん』

 

「ありがとう、そこまで教えてくれれば十分だ」

 

『私は自分が分かった事を教えただけだから・・・』

 

ほんのり顔を赤くした『幽鬼うさぎ』はそっぽを向いてしまった。今までお礼を言われたことなどなかったのだろう。

 

そんな彼女を見て頭を撫でたくなったが、精霊状態でそれはできないので我慢した。

 

 

 

 

皆が寝静まった夜、遊来は亮との戦い以降で場に出せていない数枚のシンクロモンスターのカードをデッキケースから机の上に出して眺めている。

 

『スターダスト・ドラゴン』

 

『レッド・デーモンズ・ドラゴン』

 

『ブラック・ローズ・ドラゴン』

 

『ブラックフェザー・ドラゴン』

 

この四枚だけが遊来の知識の中で関連性のあるドラゴン達だ。他にも『エンシェント・フェアリー・ドラゴン』『パワー・ツール・ドラゴン』もあるのだが交換や手に入れる事の出来なかったカードゆえに手元にはない。

 

この中で強く惹かれる一枚を手にする。このカードだけ派生したカードを多く手に入れていた。自分でも分からない前の世界において自分が好きだからという理由と何故か心の直感でこれを手に入れておきたいという気持ちが強かった。

 

「・・・しばらくの間、ドラグニティとの混合型で使ってみよう」

 

ドラグニティを選びつつ、四体のうちの一体に対してシンクロ召喚が出来るように調整する。そんな中、デュエルディスクから通信の着信音が聞こえた。

 

「はい」

 

「遊来、遅くに済まないんだな」

 

「隼人?どうしたんだい?」

 

相手は隼人であった。早めに就寝してしまう彼からの連絡は非常に珍しい。話を聴こうと通信用画面にデュエルディスクを接続する。

 

「実は遊来に折り入って頼みがあるんだな」

 

「俺に?」

 

「そうなんだな、明日は学校が休みだから俺のデュエルの相手をして欲しいんだな!」

 

「それは構わないが、いきなりどうしたんだ?」

 

隼人が真剣な目をして頼み込んできているのを見て、思わず遊来は訪ねてしまった。

 

「明後日に俺の父ちゃんが来るんだな・・・」

 

詳しく話を聞くと、隼人の親父さんがこの島に来るらしい。本当にデュエルの実力や知識があるのかどうかを試すため、デュエルを挑んでくるそうだ。勝てば残留、負ければ実家に連れ戻されるという。

 

「俺、デュエルモンスターズに関わっていきたいという夢が出来たんだな。父ちゃんとのデュエルで俺が本気だって所を見せたいんだな!」

 

夢が見つかった。この言葉は遊来にとって羨ましい気持ちと嫉妬する気持ちが同時に出てきていた。前の世界において遊来は十代を始めとする皆よりも年上で、社会人として働いていた。

 

前の世界において幼い頃の夢は潰され、実力を示せば出る杭は打たれてしまい、社会人になってからは理不尽な仕打ち、見合わない対価、あらゆる負の側面を受けて生きてきた経験がある遊来にとって今の隼人は非常に眩しく写っていた。

 

「そっか、分かったじゃあ明日、そっちに行くよ」

 

「ありがとうなんだな、遅くにゴメンな。お休みなんだな」

 

「ああ、お休み」

 

通信を切ると静かに溜息を吐いた。羨ましいと思う気持ちが溢れ出て止まらないのだ。ただ言われた通りに、真面目にやっていればいつか報われると言われて頑張ってきたがそんな事はなかったという思い出がよみがえる。

 

『マスター・・・』

 

「ルイン、あの時の事・・・謝ってなかったな。ゴメン」

 

『いいえ、あれはマスターではありませんでしから』

 

ルインは今『破滅の女神ルイン』の姿をとっている。天使、美神ともなれるのだが遊来自身、女神の姿が一番好みだと本人に伝えており、それを聞いたルインは顔を真っ赤にしながら満更でもない表情をしつつ、女神の姿をしてくれている。

 

『それに、あの子達も心配していますよ』

 

「あの子達?」

 

ルインが指差した先には『妖怪少女』達がウンウンと頷きながらこちらを見ていた。こんな幼い子達まで心配させてしまったのかと自分を恥じる。

 

「すまない、みんな」

 

『マスター、抱え込みやすい、心配になる』

 

『幽鬼うさぎ』の一言は『妖怪少女』全員の総意だったようで、再び頷いた。まるで妹達に心配されるダメな兄のようになっている遊来であった。

 

 

 

 

そして翌日。つまり、休日の日だ。隼人の親父さんが来る前日であり遊来と隼人は、オシリスレッドの部屋でテーブルデュエルを行っていた。

 

「『マスター・オブ・OZ』で攻撃なんだな!」

 

「伏せカードを警戒しない癖がまだ残ってるぞ?『収縮』発動!これによって『マスター・オブ・OZ』の攻撃力は半分になる!『氷帝メビウス』で返り討ちだ」

 

残りライフ200だった隼人のライフポイントがゼロと計算機に表示され、隼人に敗北の表示が出る。

 

「やっぱり、遊来には叶わないんだな。シンクロ召喚を使っていない遊来に勝てないんじゃ父ちゃんにも・・・」

 

「何言ってんだよ、隼人。自分の力で獣族のコンボを見つけてるじゃないか。少し休憩したら、さっきの勝負の感想戦をしながらもう一戦やろう」

 

「分かったんだな」

 

飲み物を飲みながら、二人はデュエルのおさらいをする。翔と十代はカードパックを見に行くと言って留守にしている。

 

「ふむふむ・・・なるほどな、ターン開始のドローフェイズで『デスカンガルー』をドローする前のターン、ここで『砂塵の大竜巻』を伏せなかったのが、さっきの敗北の原因だな」

 

「けれど、他にも伏せる罠カードが無かったんだな」

 

「罠じゃなくても、手札にある魔法が使うことのできない状態なら、ブラフとして魔法を伏せるのも有りさ。それと切り札を出す時は伏せカードは一掃出来るのが理想だな。例えば『ハリケーン』を使ってバウンス、つまり手札に戻す事も効果的さ」

 

「一掃・・・だけど手札に戻してしまうとまた伏せられてしまうんだな」

 

「バウンスは確かに相手にすぐ元に戻されてしまう・・・それが弱点だな。けれど、裏を返せばカウンターされない限り、1ターン攻撃のチャンスが必ず生まれるって事になる。一掃した後にライフが減った状態でこれを『マスター・オブ・OZ』に装備させて攻撃すれば殆ど勝てるぞ」

 

「!『巨大化』のカード、使い方が分からなくて入れてなかったんだな・・・」

 

「それに、『マスター・オブ・OZ』を速攻で出すならこのモンスターも使えるぞ」

 

「『融合呪印生物-地』!?カイザーが遊来のデュエルで使っていたモンスターの地属性になったやつなんだな!」

 

「そう、『デスカンガルー』と『ビッグ・コアラ』は手札に持ってきやすいけどどちらかが来れば正規融合召喚ができる。『マスター・オブ・OZ』は召喚制限が無いから」

 

「遊来、俺・・・前に本気でデッキは強化しないって言ったけど撤回するんだな!俺のデッキを強くするのに協力して欲しいんだな!」

 

「分かった!じゃあ、明日の仕上げはデッキを強化した後にデュエルディスクでやろう」

 

「おう!」

 

それから隼人のデッキを広げ、獣族をメインにしつつ強化に必要な魔法、自己防衛用の罠、隼人が使いたいカードなどを意見を取り入れて完成する事になった。

 

「出来た、俺だけのオリジナルのデッキが出来たんだな!」

 

「じゃあ、先ずはテーブルで回し方を説明しようか」

 

新しくなった隼人のデッキは『種族統一』タイプのデッキだ。遊来が何度も解説し、隼人が大丈夫といったタイミングで外へ出た。

 

「じゃあ、やろうか?今回は『ドラグニティ』を使うぞ」

 

「頼むんだな、一度は対戦したかったデッキだから」

 

オシリスレッド寮の近くにある校庭のようなデュエル場で遊来は紫色のデッキケースを取り出し、その中にあるデッキをデュエルディスクにセットした。ドラグニティを使うという事は隼人からすれば一切、容赦なく全力で倒すという遊来の意思表示にほかならない。

 

「俺も全力でこのデッキを使いこなしてみせるんだな!勝ってみせる!!」

 

「ああ、デュエリスト以外の夢をのせてかかってこい!!」

 

「「デュエル!」」

 

前田隼人:LP4000

 

龍谷遊来:LP4000

 

 

「先攻は俺だ、ドロー!」

 

[ドローカード]

 

※ドラグニティーレムス

 

[手札・現在6枚]

 

※竜の霊廟

※ドラグニティーレガトゥス

※ドラグニティークーゼ

※ドラグニティードゥクス

※調和の宝札

※ドラグニティーレムス

 

この手札なら隼人はどうやって攻略してくるか、見物だ。遊来は容赦なくドラグニティ特有の展開をする。

 

「俺は手札の『ドラグニティーレムス』を捨てて効果発動!このカードを手札から墓地に送る事で『竜の渓谷』を手札に加える!!」

 

「いきなり『竜の渓谷』のサーチ。やっぱり遊来は皆から「竜騎士」と呼ばれているだけあって『ドラグニティ』との絆がすごいんだな!」

 

「そしてそのまま、手札からフィールド魔法『竜の渓谷』を発動!」

 

デッキからのサーチを終えてシャッフルが終わり、デュエルディスクにデッキをセットすると遊来はフィールド魔法ゾーンを展開し、代名詞のカードを発動させた。黄昏の渓谷に竜達が飛び交うフィールド魔法、今までは観客として見ていたが、自分がいざ対戦者の立場に立ってみるとプレッシャーがすごかった。

 

「そして俺は『調和の宝札』を発動!手札にある攻撃力1000以下のドラゴン族のチューナーモンスターを一枚捨て、デッキからカードを二枚ドロー!俺が捨てるのは『ドラグニティークーゼ』だ!」

 

[手札・現在5枚]

 

※竜の霊廟

※ドラグニティーレガトゥス

※ドラグニティードゥクス

※ドラグニティ・グロー

※BF-精鋭のゼピュロス

 

「手札がほとんど減っていないんだな・・・」

 

対戦者の立場に立って初めて遊来の恐ろしさに隼人は気付いた。あれだけの動きをしながら使った手札は事実一枚のみ、それも準備段階のままだ。

 

「行くぞ、隼人!俺は『竜の渓谷』の効果を発動!『竜の霊廟』を墓地に送り、デッキからレベル4以下の『ドラグニティ』と名の付いたカードを手札に加える。俺が加えるのは・・・『ドラグニティーレガトゥス』!」

 

[現在の手札・5枚]

 

※ドラグニティーレガトゥス

※ドラグニティードゥクス

※ドラグニティ・グロー

※BF-精鋭のゼピュロス

※ドラグニティーレガトゥス

 

「更に先程、手札に加えたレガトゥスを特殊召喚!」

 

「通常召喚じゃ、ない!?」

 

「『ドラグニティーレガトゥス』は1ターンに一度、二つの効果から一つを選んで発動できる。俺は『ドラグニティ』と名の付くモンスターか『竜の渓谷』が存在する時、手札から特殊召喚できる効果を選択して、特殊召喚したのさ。更に墓地に眠る『ドラグニティーレムス』を墓地から特殊召喚!」

 

「なんで!?レムスはサーチだけじゃなかったのか・・・!?」

 

「そうだ、『ドラグニティーレムス』は自分の場に『ドラグニティ』と名の付くモンスターがいる時に特殊召喚できる。ただし、この効果を使用した場合、このカードがフィールドから離れた時ゲームから取り除かれ、更に俺はこのターンドラゴン族モンスターしか融合デッキから召喚できない!!」

 

「『竜騎士』の所以、今ここに見せる!俺はレベル4の『ドラグニティ-レガトゥス』にレベル2の『ドラグニティ-レムス』をチューニング・・・!」

 

「ま、まさか!?」

 

「二つの種族の結束が、新たな竜騎士を生み出す。今こそ駆け抜けろ・・・!シンクロ召喚!飛び上がれ、『ドラグニティナイト-ガジャルグ』!!」

 

「シンクロ召喚・・・・!いきなり飛ばしてきたんだな!しかも、攻撃力2400!」

 

「『ドラグニティナイト-ガジャルグ』の効果発動!デッキからレベル4以下のドラゴン族または鳥獣族のモンスターを手札に加え、その後手札からドラゴン族か鳥獣族のカードを捨てる!」

 

遊来は『ドラグニティークーゼ』を手札に加え、『BF-精鋭のゼピュロス』を手札から墓地へと送りデッキをシャッフルしデュエルディスクに戻した。

 

「ターンエンドだ」

 

「俺のターン、ドロー!(先攻を取りたかったし、それに悔しいけど・・・この手札じゃまだ動けないんだな)」

 

隼人は遊来に言われた通り、ドローした後にカードに書かれた効果を確認している。闇雲に出すのではなく、効果を読んで今必要なカードを出すべきだというアドバイスを実践する。

 

「俺はモンスターを一体裏側守備表示セットし、手札から『迷える仔羊』を発動!このターン、自分はこのカードの効果以外ではモンスターを召喚・反転召喚・特殊召喚できないんだな。その代わり『仔羊トークン』(獣族・地・星1・攻/守0)を二体表側守備表示で特殊召喚するんだな!!カードを一枚セットして、ターンエンド!」

 

裏側守備表示はこの世界では挑発の意味とされる。だが、こうしなければ効果を発動できないモンスターもいると遊来が教えてくれた。何を言われようともモンスターの効果を使う為にセット状態にしたのだ。

 

「さぁ、どう出る?」

 

「俺のターン、ドロー!」

 

[ドローカード]

 

※戦線復帰

 

[現在の手札・5枚]

 

※ドラグニティードゥクス

※ドラグニティ・グロー

※ドラグニティークーゼ

※ドラグニティーレガトゥス

※戦線復帰

 

「俺はカードを1枚伏せて、『ドラグニティーレガトゥス』を特殊召喚!更に『竜の渓谷』の効果発動!!手札にある『ドラグニティ・グロー』を捨てて、デッキからドラゴン族モンスターを一体墓地へ置く。更に『ドラグニティードゥクス』を通常召喚!」

 

[現在の手札]

※ドラグニティークーゼ

 

「ドゥクスの効果を発動!このカード召喚に成功した時、墓地からレベル3以下の『ドラグニティ』のドラゴン族モンスターを装備する事が出来る!俺は墓地にいる『ドラグニティークーゼ』をドゥクスに装備!さらにクーゼの効果発動、このカードは装備カード扱いでモンスターに装備されている時、このカードを特殊召喚する!来い!クーゼ!!」

 

「クーゼを特殊召喚?シンクロ召喚してくるとしたら、厄介なんだな!」

 

 

「隼人!これが俺の全力全開だ!『ドラグニティークーゼ』は『ドラグニティ』モンスターのシンクロ召喚にしかシンクロ召喚の素材にする事は出来ない!また、このカードをシンクロ召喚の素材にする場合レベル4として扱う事ができる!!」

 

「なんだって!?」

 

「レベル6の『ドラグニティナイト-ガジャルグ』にレベル4となった『ドラグニティ-クーゼ』をチューニング!天の龍と鳥獣の王が手を結ぶ時、天空を駆ける竜騎士の王が現る・・!今こそ駆け抜けろ!シンクロ召喚!王の道を行け!『ドラグニティナイト-アスカロン』・・!!」

 

「こ、攻撃力3300!それも僅か2ターン目で・・・!」

 

隼人は戦慄していた。たった2ターンの間で最上級を含む自分の場のモンスターと同じ数を揃えてしまったのだから無理もない。

 

「更にドゥクスの効果発動!このカードは自分のフィールドに表側表示で存在する『ドラグニティ』と名の付いたモンスターの数×200ポイント、攻撃力がアップする!よって攻撃力は600ポイントアップ!」

 

「レベル4で攻撃力2100!!?」

 

「行くぞ隼人!アスカロンでセットモンスターに攻撃!」

 

「う・・ぐうう!セットモンスターは『デス・コアラ』!リバース効果で遊来の手札一枚につき、400ポイントのダメージを与えるんだな!遊来の手札は一枚だけ、それでもダメージはあるんだな!!」

 

「うわ!?」

 

龍谷遊来:LP3600

 

「だが、レガトゥスとドゥクスの追撃!仔羊トークンに攻撃!」 

 

「うわああ!」

 

仔羊トークンが破壊され、隼人の場には伏せカードが一枚だけが残った。遊来はそのまま呼吸を整えて宣言する。

 

「ターンエンドだ」

 

「俺のターンドロー、俺は『強欲な壷』を発動なんだな!カードを二枚ドロー!!更に『天使の施し』カードを更に三枚引いて、二枚を捨てるんだな。そしてカードを一枚セットして、手札から『思い出のブランコ』を発動!通常モンスター『ビッグ・コアラ』を攻撃表示で特殊召喚!更に『野生開放』を発動!このカードの対象となった獣族モンスターの攻撃力に守備力分をプラスするんだな!」

 

『ビッグ・コアラ』攻撃力2700→4700

 

「攻撃力4700!」

 

「『ビッグ・コアラ』で『ドラグニティナイト-アスカロン』を攻撃!ユーカリ・ボム!」

 

「うああああ!?」

 

龍谷遊来:LP2200

 

「だが、シンクロ召喚されたアスカロンが破壊された事で俺は融合デッキから攻撃力3000以下の『ドラグニティ』シンクロモンスターを召喚する!来い!バルーチャ!」

 

「バルーチャの効果発動!墓地に居るガジャルグ、アスカロンを装備させる!これにより攻撃力600ポイントアップ!!」

 

「メインフェイズ2!そして俺は手札の『デス・カンガルー』と場の『ビッグ・コアラ』を融合!『マスター・オブ・OZ』を融合召喚!」

 

凶暴になったコアラは融合素材となり、森の最強王者を呼び覚ました。

 

「これで俺はターンエンド、なんだな!」

 

「俺のターン、ドロー!」

 

[現在の手札]

※ドラグニティークーゼ

※ドラグニティーファランクス

 

「隼人、この感じを忘れるなよ?」

 

「それってどういう・・・」

 

「俺は墓地にある『ドラグニティー・グロー』を除外して効果を発動!『ドラグニティ』モンスターが装備している魔法・罠ゾーンのモンスターカードを一体、守備表示で特殊召喚できる!アスカロンを守備表示で復活させる!更に墓地にいる『ドラグニティアームズーグラム』の効果発動!自分の墓地からドラゴン族・鳥獣族のモンスターを2体、ゲームから取り除く事でこのカードを手札か墓地から特殊召喚できる!」

 

「攻撃力2900のモンスター!?どうして墓地にあるんだな!?」

 

「あったのさ、俺がデッキからグラムを捨てられるタイミングが!」

 

『「(更に『竜の渓谷』の効果発動!!手札にある『ドラグニティ・グロー』を捨てて、デッキからドラゴン族モンスターを一体墓地へ置く)」』

 

「そうか・・・!『ドラグニティ・グロー』を捨てて、『竜の渓谷』の効果によってデッキからドラゴン族を墓地へ置いた時、その時しか考えられないんだな!」

 

「ご明察」

 

「けど、俺の場には『マスター・オブ・OZ』が居る!この攻撃力はやすやすと超えられないんだな!」

 

「どうかな?更に俺は『ドラグニティナイト-アスカロン』の効果を発動!墓地のクーゼを除外し、相手のモンスター1体を対象にする!そのモンスターをゲームから取り除く!」

 

「なんだって!?」

 

『マスター・オブ・OZ』がアスカロンから放たれた黄金の煌めきの炎によってフィールドから除外されていく。

 

「・・・・俺の負けなんだな」

 

「『ドラグニティ』達よ、行け!」

 

ドラグニティの部隊による隼人への一斉攻撃によって勝敗が決まった。結果的に遊来の勝利となったが、彼もギリギリの位置だったのだ。バルーチャの装備枚数を間違えていれば間違いなく敗北であった。

 

「遊来、ありがとうなんだな!自信が少し付いたんだな!」

 

「いい線、行ってたからな。後は自分一人の力でやれるようならないとな」

 

「そのとおりなんだな、けれど、やっぱり遊来の『ドラグニティ』は強かったんだな・・・」

 

「俺も展開がギリギリだったよ」

 

そう言って二人は寮の中へと戻り、隼人の為に再び回し方を説明し、十代や翔達と共に隼人は己のデッキを使って学んでいったのだった。




原作よりイベントが前後しています。

デュエル描写は間違いがあればお願いします。真面目に今のルールとかについて行けていないので、GX放送当時のルール基準です。

遊来くんは『強欲な壷』と『天使の施し』は使いません、というか使えません。使ったら持っているデッキがやばいくらい回ってしまうので。持ってはいますが灰色になっていてデュエルディスクも読み込みません。

「不知火」と「魔妖」は登場させるべきか?

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