手にした竜騎士と破滅が気難しい   作:アマゾンズ

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ドローパン合戦

M・HEROを正式にお披露目かつ十代とのタッグ用に昇格。


第15話

遊来は購買の住人と言って良い程、購買へ来る頻度が高い。オベリスクブルーに居る今では高級なディナーなどが食べられるが、彼に取ってのご馳走は筑前煮などの田舎料理や家庭料理であり、特に炊きたての白米こそが至高だと考えている。自炊も出来るが、今現在ハマっているのがドローパンと呼ばれるものだ。

 

ドローを鍛えるという名の名目で中身が分からないようになっており、食べてみないと具材も分からない。そんな中で彼が目当てなのが。

 

「今日も俺が黄金のタマゴパンを引くからな!」

 

「いいや、俺が貰うぞ!十代!」

 

そう此処、デュエルアカデミアではニワトリが飼われており、その中の1匹が黄金のニワトリと呼ばれている種類がいて、そのニワトリが1日1個しか産まないという黄金の卵を使ったタマゴパン、これこそが狙いなのだ。

 

「二人共、交互に引いているのがすごいッスよ・・・」

 

翔がつぶやいた通り、この二人は交互に黄金のタマゴパンをゲットし続けており両者共に同じ記録回数を持っているが今現在は十代の方が1回多くゲットしている。

 

「ドロー!」

 

「じゃあ、俺はこれだな」

 

開封して二人は同時にパンに食いつく。十代は『ウッ』と言いたげな表情をしており、遊来は唸っている。

 

「うえぇ・・・甘栗パンだ」

 

「俺はカルビパンだ・・・不味くはないけど、同じ肉系ならステーキかホットドッグが良かったな」

 

基本的に好き嫌いのない十代からすれば、甘い物じゃない方が良かった様子で気分の問題だったのだろう。

 

遊来は普通にハンバーガーを食べているような感覚でムシャムシャとパンを食べ続けている。

 

すると、誰かが声をかけてきた。

 

「二人共10回連続で外すなんて珍しい事もあるもんッスね~」

 

「十代と遊来まで外しちゃうとはねぇ」

 

「ん?明日香さん」

 

「明日香、お前もタマゴパン好きだったのか?」

 

「バ、バカ言わないでよ!私はドローの練習を」

 

明日香は十代に図星を見抜かれたのか、顔を真っ赤にしている。

 

「へぇ、どうだか」

 

「ほ、本当よ!」

 

「まぁまぁ、黄金のタマゴパンが美味いのは事実なんだから」

 

遊来はなんとなくだが明日香が十代に対し、特別な感情を持ち始めているのを見抜いていた。遊来自身も前の世界に居た時も十代と明日香はお似合いだと思っていた。

 

自分も明日香は美人だと思うし、異性として意識はしたが恋人にしたいかと言われると、それはまた別の話である。

 

「ごめんなさいねぇ、みんな。実はね、タマゴパン。この中には無いのよ」

 

「ええっ!?」

 

「マジかよ!?」

 

トメさんが十代達に話しかけると同時にその隣でカートを押してきた若い女性が現れた。

 

「はい、1週間前から黄金のタマゴパンだけが盗まれているんです」

 

「トメさん、この人は?」

 

「ああ、この子はセイコちゃん。今日からこの購買で働く事になったんだよ」

 

「よろしくお願いしますね」

 

「よろしく、しかし・・・黄金のタマゴパンだけを狙った犯行か」

 

「恐ろしく引きが強い犯人ッスね」

 

翔の言葉に十代が睨むが、遊来は犯人に関して思考していた。何故、黄金のタマゴパンだけを狙うのかと。

 

「どうしたの?遊来。難しい顔をして」

 

「へ?ああ、なんで黄金のタマゴパンばかり狙うのかなって、思ってさ」

 

「それもそうね」

 

遊来の言葉に明日香は納得して、言葉を返した。そんなを尻目に十代は犯人探しに燃え始めていた。

 

「みんな、楽しみにしてくれてるのにねぇ・・・本当に申し訳ない」

 

「トメさんが謝る事ないぜ!悪いのはその泥棒野郎だ!こうなりゃ、俺が捕まえてやる!」

 

トメさんが謝ると十代が諌める。どうやら、本当に許せないらしく捕まることに躍起になっている様子だ。

 

「翔!今日から張り込みだ!」

 

「うん!えっ・・・!?」

 

「もちろん、遊来も手伝ってくれるよな?!」

 

「は?俺もかよ!?」

 

「あったりまえだろ?このままじゃドロー勝負の決着も付けられないんだぜ?」

 

こうなると十代は頑固だ。テコでも動かないのは分かりきっている。遊来はため息を一つ吐くと協力する事にした。

 

「分かったよ」

 

「そう、こうなくっちゃ!」

 

「全く、強引なんだからよ」

 

 

 

 

 

 

その夜、犯人を捕まえるため、自動販売機がある別室で待機しつつトランプで時間を潰していた。

 

「うーん・・・ダウト!」

 

「げっ!?」

 

「はい、翔の全回収。俺は上がりね」

 

「うう・・・アニキも遊来くんも強すぎるッス・・・」

 

「翔は表情に出やすいんだよ。有利な時と不利な時ですぐ出てるから分かり易すぎるんだ」

 

トランプゲームの『ダウト』を終わらせるとトランプをケースにしまい、雑談に興じる。その中で一人、この場にふさわしくない人物が一人居た。

 

「で、明日香・・・なんで此処にいるんだ?」

 

「暇だから・・・!」

 

「それに隼人までいるし」

 

「俺は十代に呼ばれてきたんだな」

 

「人手は多い方が良いだろ?」

 

「まぁ、そうだけどさ」

 

遊来は疑問を口にしていると、それを十代が答えた。仕方ないなという雰囲気を出しながら遊来は本を読んでいる明日香へ近づいていく、小声で聞こえる程度の内緒話を始めた。

 

「(明日香、本当はお兄さんに関連してる情報が欲しいんだろ?)」

 

「(!なんでそれを!?)」

 

「(タイタンの時の出来事から少し考えれば分かるさ。邪魔はしないから安心してくれ)」

 

「(そう、分かったわ)」

 

内緒話を終えると遊来は椅子に戻り座り直した。それと同時にトメさんが大きめなお皿におにぎりを乗せて持ってきてくれた。

 

「みんな、ご苦労様。夜食だよ」

 

「美味そう!」

 

「中の具はなんなのかな~?」

 

「うめ、おかか、シャケの三種類だよ。精をつけて頑張って!今夜は私も一緒に泊まるから!」

 

「ありがとう、トメさん!」

 

「シャケはどれかな~?」

 

おにぎりで人気の具といえば鮭が一番候補に挙がるだろう。隼人が何処に有るかどうか聞くとトメさんが指をさして答えようとした。

 

「そこの・・・」

 

「待った!利きおにぎりだ。俺もシャケが好きだぜ!順番で引こう」

 

「え~、みんなで分ければ良いんだな」

 

「でも、面白そう」

 

「くだらなそう」

 

「俺は構わないけどさ(好き嫌いは特に無いし)」

 

「俺のターン、ドロー」

 

十代がおにぎりを一つ選んでほうばり、モグモグと食べ始める。その顔はすぐに笑顔になっておにぎりの中身を見せてくる。

 

「ムグムグ・・・シャケ召喚」

 

「じゃあ、俺はおかか狙いで行こう。多分、これ・・・挑戦したと同時に解っちゃう奴みたいだし」

 

「おや、遊来君すごいねえ」

 

「ただの予想です。しゃけは後にして・・・えーっと、此処だな」

 

十代に続いて遊来もおにぎりを一つ手に取ってほうばる。醤油特有のしょっぱさが口一杯に広がり、遊来は笑みを浮かべ、十代と同じように中身を見せる。

 

「ムグムグ・・・・ほい、おかかを引いた」

 

「ホント、二人の引きはすごいなぁ」

 

「腕は鈍っちゃいないぜ?タマゴパンが盗まれてなきゃ、遊来を追い越せたのによ」

 

「何を言ってんだ、俺が引いて記録が並ぶはずだったんだぞ?」

 

そんな和やかな会話と共に時間は過ぎていき、明りを消して黄金のタマゴパンを盗みに来る犯人を待った。

 

 

 

 

 

全員が息を潜めていると、シャッターを素手でこじ開けてドローパンが入っているカートに近づいていく人影があった。

 

「なんて怪力・・・!」

 

「シッ!」

 

犯人が目的の物を手にした瞬間、全員で静かに別室から出て、トメさんが電気のスイッチを入れた。それと同時に十代、隼人、翔、明日香、遊来のメンバー達が詰め寄る。

 

「コラー!泥棒!!」

 

「もう逃げられないぞ!」

 

捕まえようとした瞬間、犯人はまるでターザンのような咆哮を上げるとドローパンの入ったカートを押して全力疾走し、シャッターを破壊して逃走した。

 

「逃げやがって、追うぞ!」

 

「カートを使っていたとは言えど、シャッターをぶち抜いてたぞ・・・?それにカートも鉄製のはず、どんだけ力強いんだよ。あの犯人」

 

先に犯人を追った十代達に続きながら、遊来は冷静にツッコミをしていた。犯人はターザンのように森へと逃走し、十代達は先回りしようと急いだ。

 

先回りが成功し、今度は犯人が滝を登って逃走しようとした瞬間、大声が響いた。

 

「大山くーん!!」

 

「トメさん?」

 

「て、トメさん。足速い」

 

「もう、何が何だか」

 

どうやらトメさんはタマゴパンを盗んでいる犯人、大山と呼んでいた事から顔見知りのようだ。すると滝登りをしていた大山は滝に飲まれて滝壺へ落ちてしまったがすぐに顔を出してきた。

 

「大山君なんでしょ?やっぱり、大山君」

 

「やっぱり、ターザン・・・!」

 

「いや、大山だから」

 

「お久しぶりです、トメさん」

 

「ちゃんと喋ってる」

 

「そりゃ、喋るだろう」

 

隼人に遊来が次々とツッコミを入れながら、大山と呼ばれた野生児のような男に対して十代がトメさんへ質問する。

 

「トメさん、誰なんだ?コイツ」

 

「大山 平くん・・・。オベリスクブルーの生徒だった子よ」

 

トメさんの言葉に全員が驚く。何故なら野生児も同然の大山が元はオベリスクブルーの生徒で、成績優秀な生徒だったのだと聞かされたからだ。

 

「とっても優秀な子だったんだけど・・・1年前に突然行方不明になって、まさかこんな所に居たなんて」

 

「(やっぱり、行方不明者・・・)」

 

「でも、大山君。よくタマゴパンを引き当てられたわね?1年前は貴方、何度やっても」

 

「あわああああ!」

 

大山の慌てた様子を見るに、どうやら過去に引きが弱かったのだろう。そしてトメさん曰く、彼も黄金のタマゴパンを目的にドローパンを買っていたそうだ。

 

「でも、コイツの引きはすごいぜ?別人じゃないのか?」

 

「フフフ・・・ハハハハッ!そう、そうだよ!僕は生まれ変わったんだ!この一年、山に篭り引きの修行をして!」

 

大山の話を聞くと筆記試験は常にトップであったが、実技ではここ一番という所で引きの弱さが露骨であったらしい。

 

それからというもの、引きが欲しくなり海で叫んだ。それと同時に[引きの真髄は自然の中にこそある]と思い立って、山に篭って修行し続けたらしい。

 

「(それって・・・ドロー強化カードをデッキに入れてなかっただけじゃ)」

 

遊来だけは1人、大山の弱点を見抜いていたが修行した本人の成果を無駄にしそうなので口を閉じている。そして修行の成果で黄金のタマゴパンを一週間連続的中をさせたそうだ。

 

「待てよ、俺も・・そこに居る遊来って奴もお前が盗んでいくまで外した事なかったぜ?」

 

「何!?」

 

「そうだろ?遊来」

 

十代の言葉に何でもない事のように近づいていき、十代の隣で言葉を紡ぐ。

 

「そうだな。俺達が二人で交互に引いてたもんな」

 

「な、なんだと!?」

 

大山からすれば十代と遊来、お互いに引きで勝負していた事に驚愕する。そんな中、遊来が大山へ話しかけた。

 

「此処に組んで調整したばかりの俺のデッキがある。大山、デュエルしないか?勝負して勝ったら修行から卒業、俺が負けたらドローパンを奢る。どうだ?」

 

「良いだろう。修行の成果をデュエルで試したかったところだ!」

 

「あ、ズルいぞ!遊来!!」

 

「こういうのは早い者勝ちだ」

 

勝ち誇った様にフフンといった表情をする遊来に、十代は少しだけ悔しそうに拳を握るが仕方ないといった様子でその場から離れる。大山はその間に岩陰に隠してあったデュエルディスクを腕に装着していた。

 

遊来もデッキをデュエルディスクに装填してディスクを起動させる。

 

「「デュエル!!」」

 

大山 平:LP4000

 

龍谷遊来:LP4000

 

「俺の先行だ、ドロー!」

 

[ドローカード]

 

※E・HERO ブレイズマン

 

[現在の手札 6枚]

 

※E・HERO エアーマン

※E・HERO クレイマン

※E・HERO リキッドマン

※E・HERO ブレイズマン

※マスク・チャージ

※マスク・チェンジ

 

「(ちょっとキツイな)俺は『E・HERO ブレイズマン』を攻撃表示で召喚!そしてブレイズマンの効果を発動!このカードの効果は1ターンに1度しか使えず、2つの効果のうち1つを選んで発揮する。俺は1つ目の効果、このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。デッキから「融合」1枚を手札に加える効果を使用し、デッキから『融合』を加える!」

 

「E・HEROですって!?」

 

「あれは、もしかして?」

 

「間違いない、遊来が組んだって言っていたHEROデッキなんだな!」

 

「うおお!遊来のHEROデッキがデュエルで登場かぁ!ワクワクしてきたぜ!!」

 

ギャラリーは騒いでいるが、遊来もこのデッキの為に専用モードをデュエルディスクに登録している。演出だけだが自分も楽しみにしている。

 

「更に俺はカードを1枚伏せて、ターンエンド」

 

「俺のターン、ドロー!一年間の集大成を見せてやる!先ずはカードを一枚伏せ、俺はこのカードを召喚!『ドローラー』!オオオオーっ!」

 

モアイ像のような頭部に岩のロードローラーのような下半身を持ったモンスターが大山の前に召喚された。

 

「『ドローラー』の攻撃力と守備力は手札からデッキに戻した枚数×500の数値になる!俺は手札を4枚戻す!!」

 

「カードを全部!?」

 

「ええ~手札無くなっちゃうよ!」

 

『ドローラー』攻撃力?→攻撃力2000

 

「『ドローラー』でブレイズマンを攻撃!ローラープレス!」

 

『ドローラー』のローラーに轢かれたブレイズマンは破壊されたが、デッキの一番下に入っていった。

 

龍谷遊来:LP3200

 

「何!?破壊されたモンスターがデッキの中に!」

 

「『ドローラー』に破壊された攻撃表示モンスターは墓地へは行かず、デッキの一番下へ行く。墓地から引き上げる事はできないぜ。これで、ターンエンド」

 

「なるほど、俺のターン・・・ドロー!」

 

[ドローカード]

 

※E・HERO レディ・オブ・ファイア

 

[現在の手札5枚]

 

※E・HERO エアーマン

※E・HERO クレイマン

※E・HERO リキッドマン

※マスク・チャージ

※E・HERO レディ・オブ・ファイア

 

「俺は『E・HERO エアーマン』を攻撃表示で召喚!この瞬間、エアーマンの効果発動!このカードはこのカードが召喚・特殊召喚に成功した時、2つの効果から1つを選択して発動できる。このカード以外の自分フィールドの「HERO」モンスターの数まで、フィールドの魔法・罠カードを選んで破壊する。もしくはデッキから「HERO」モンスター1体を手札に加える。俺はデッキから『E・HERO シャドー・ミスト』を手札に加える。ターンエンドだ」

 

「遊来『融合』を使わないのか?」

 

「フフ、俺のターン。場から永続罠「奇跡のドロー!」を発動!自分のドローフェイズ毎に、通常のドローを行う前にカード名を1つ宣言し通常のドローを行った時、そのカードを互いに確認する。ドローしたカードが宣言したカードだった場合、相手プレイヤーに1000ポイントのダメージを与える。宣言したカード出なかった場合、自分は1000ポイントのダメージを受ける!」

 

「博打要素が高いけど、引きに自信があるってことか!」

 

大山は精神を集中すべく、目を閉じた。鯉の滝登りのイメージでカードが登っていく中でその中の一枚が思い浮かぶ。

 

「ドローカードは『カードローン』!」

 

「当たった!?」

 

「そんな」

 

「また、ドローのつくカード」

 

「1000ポイントのダメージを受けてもらうぜ」

 

「うぐうああ!」

 

龍谷遊来:LP2200

 

「そして、この『カードローン』を発動する。相手は1000ポイントのライフを回復し、俺は1000ポイントのダメージを受ける。そして自分のデッキからカードを1枚ドローする。この効果でドローしたカードはエンドフェイズにデッキに戻しシャッフルする」

 

龍谷遊来:LP3200

 

大山 平:LP3000

 

「来た!この引きを見よ!手札から魔法カード『ドローボウ』を発動!カード名を1つ宣言して発動する。相手はデッキからカードを1枚ドローする。宣言したカード名と同じカードをドローした場合、相手は手札と自分フィールド上のカードを全てデッキに戻しシャッフルする!」

 

「マズイ、カードを当てられたら遊来の場はガラ空きだぜ!?」

 

「・・・ドローカードはズバリ『増援』だ!」

 

「すごいな。当てられちゃったよ」

 

魔法効果により、遊来は伏せカードと場に出ていたエアーマンと手札をデッキに戻し、シャッフルして再び手札を5枚引いた。

 

[現在の手札5枚]

 

※E・HERO エアーマン

※E・HERO オーシャン

※E・HERO ブレイズマン

※マスク・チェンジ

※融合

 

「『ドローラー』でプレイヤーへダイレクトアタック!ローラープレス!」

 

「うああああ!」

 

龍谷遊来:LP1200

 

「ターンエンドだ」

 

「俺のターン!ドロー!

 

[ドローカード]

※E・HERO クレイマン

 

[現在の手札6枚]

 

※E・HERO エアーマン

※E・HERO オーシャン

※E・HERO ブレイズマン

※マスク・チェンジ

※融合

※E・HERO クレイマン

 

「大山、楽しかったよ。悪いけど、このターンで終わらせる!」

 

「なんだと!?」

 

「それにさ、大山のドロー力はもう十分に力が付いてるじゃないか」

 

「な、・・んだ・・って?」

 

「ドローは一枚だけに拘る必要はないんだよ?ドロー補強カードを使っても望んだカードを引けるとは限らない。けれど・・・その引けるか引けないかの緊張感すら大山は楽しんでるじゃないか」

 

「俺が・・・楽しんでる?」

 

「ドローパンは別だけど、デュエルに関してはドローのつくカードに拘り過ぎないよう柔軟に行こうぜ?デュエルは楽しんでも良いんだ。真剣勝負も良いけどさ」

 

「・・・・っ」

 

「それじゃ、行くぜ?俺は手札から『E・HERO クレイマン』を攻撃表示で召喚!」

 

「クレイマンを攻撃表示!?」

 

「遊来くん、ヤケになっちゃったッスかぁ?『ドローラー』の攻撃力に及んでない」

 

ギャラリーは遊来の行動い関して理解不能だった。だが、遊来の表情はコレでいいと言わんばかりの済まし顔のままだ。

 

「十代、お前が大好きなヒーローが『光の巨人』なら俺は『改造人間』だ!!これが!それを体現するカード!手札から速攻魔法発動!!『マスク・チェンジ』!!」

 

「『マスク・チェンジ』!?」

 

「一体、どんなカードなの!?」

 

「E・HERO クレイマン!『変身!!』」

 

クレイマンの腰部分にベルトが巻き付き、さらに光が溢れその中で身体中の粘土が削ぎ落とされていく。細身の男性のような姿になったクレイマンは青いマントを靡かせ、その手には剣を持っていた。

 

「『M・HERO ダイアン』!!変身召喚!!」

 

「うおおおお!すっげえええ!E・HEROが別のHEROに変身した!!」

 

「かっこいい!!」

 

「あれが、遊来のヒーローなのか・・・確かにカッコイイんだな!」

 

「変身召喚・・・初めて聞いたわ」

 

ヒーローの変身シーンを観たかのように十代達は興奮しており、明日香は冷静に新しいHEROの力を見ようとしている。

 

「だが、そのモンスターだけでは俺を倒す事は出来ない!」

 

「まだ、終わらない!ラ○ダーは助け合いでしょ?手札から『融合』を発動!手札のエアーマンとオーシャンを融合!!嵐を巻き起こせ!『E・HERO Great TORNADO』を融合召喚!!」

 

『E・HERO Great TORNADO』融合・効果/星8/風属性/戦士族/攻撃力2800/守備力2200

 

「『E・HERO Great TORNADO』だと!?」

 

「アニキが使ってる属性HEROと同じカテゴリーの風属性HERO!?」

 

「あれが・・・風属性HERO!!」

 

「『E・HERO Great TORNADO』の効果発動!このカードが融合召喚に成功した時に発動!相手フィールドの全てのモンスターの攻撃力・守備力は半分になる!!」

 

「何!?」

 

『ドローラー』攻撃力2000→攻撃力1000

 

「行け!ダイアン!Great TORNADO!2体の連携攻撃!ダイア・トルネード!」

 

「うあああああ!!!」

 

『M・HEROダイアン』が攻撃力が半分となった『ドローラー』を剣で切り裂いて倒し、その差し引き1800ポイント、『E・HERO Great TORNADO』のダイレクトアタックによって合計4600のダメージを与えた。

 

大山 平:LP0

 

「良いデュエルだったぜ!(M・HERO・・・十代とのタッグ用に使おう」

 

「うう・・・修行が足りなかったか」

 

デュエル後、大山は黄金のタマゴパンが食べたくて山を降りてきたという正直な気持ちを話してくれた。その後、大山もアカデミアに復学し、十代、遊来、大山の三人で購買へ向かっていた。

 

「これから幕明けだな!」

 

「ああ、黄金のタマゴパン争奪戦」

 

「負けないからな!」

 

戦場へ趣き、トメさんとセイコさんにひと声かけてからドローパンの入ったカートへ近づく。

 

「トメさーん」

 

「セイコさーん」

 

「黄金のタマゴパン、まだ出てないよね?(ですよね?)」

 

「ああ、出てないよ」

 

「頑張ってくださいね」

 

そして三人でカートを漁っている時であった。向かい側から明日香が飛び跳ねるかのように喜んでいた。

 

「当たったーー!!黄金のタマゴパン!嬉しい!!」

 

「ええーー!」

 

「ああーーーっ!」

 

「マジかよーー!今日の分は明日香が当てちゃったのか!?」

 

明日香は飛び切りの笑顔で、既に飛び跳ねており、嬉しさを身体で表している。

 

「ウフフフ!!やったぁーーーー!!」

 

そんなこんなで、購買での黄金のタマゴパン窃盗事件は解決したのであった。




タッグフォースでのルーレットで散々当ててました。黄金のタマゴパン。

遊来くんのHEROデッキもちゃんとドラゴン要素があります。

では次回

「不知火」と「魔妖」は登場させるべきか?

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