手にした竜騎士と破滅が気難しい   作:アマゾンズ

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サルとのデュエル。

ヒロインフラグ1が成立?



第17話

授業を終えて、する事もないので大山のデッキを診断している。最もドローと名の付いたカードをなるべく省いて動きやすくしているだけだが。

 

「こ、こんなに無駄があったのか・・・?」

 

「無駄というよりもコンセプトがなかっただけだろ?デッキの傾向を見ると属性統一っぽいな」

 

「確かに僕のデッキは地属性が多い」

 

「それだとパワー型になるからな、だけど一直線すぎる。何か思い入れの深いカードとかある?」

 

「これ・・・なんだ」

 

「見せてくれ・・・っ!?『ナチュル・フライトフライ』!?」

 

「初めて心を動かされたカードなんだ。ナチュルは自然という意味を持つナチュラムをもじっているというのも」

 

「大山、修行していただけあってお前は先見の明があるよ!」

 

「そ、そうかな?」

 

俺は思わず大山を褒めてしまった。まだまだシンクロは俺しか使っていない状況であり、少しずつ認知されてはいるがやはり低レベル、低攻撃力という点が受け入れがたく、レベル調整という点も難しいのだ。

 

「けれど・・・ナチュルはシンクロ主体のデッキだ。俺もあまり持ってないし、カードを手に入れることも難しいから、とりあえずチューナーだけ渡しておくよ。それと同時にこのデッキはパーミッション、つまりは相手を妨害しつつ優位性を奪っていくデッキになる」

 

「なるほど、僕には良いかもしれない」

 

「種族は今の所、昆虫族主体に組んだほうがいい。植物族は効果モンスターにしてね」

 

「ふむふむ、ならデッキ作りを協力してくれ!」

 

「わかった、それと以前のドロー修行デッキはレシピにしておいたから気にしなくて大丈夫」

 

「何からなにまで、ありがとう遊来!」

 

「さ、デッキを作ろう。ナチュルの方はプロキシが入るからしばらくの間、友人間限定のデッキになるしもう一個、実戦用のデッキを作っておいた方がいいな。流石に修行で使っていたあのドローデッキで勝つのは正直難しいだろうから」

 

「そうか、出来る事ならこのカードを使いたいんだ」

 

見せてきたのは『剣闘獣ガイザレス』のカードだった。やはり、ずっと修行を重ねオベリスクブルー所属だけあって大山は強力なカードを見抜く力がすごい。

 

「よし、早速始めるか」

 

大山の実戦用デッキの制作で時間を潰しているとデュエルディスクの方に連絡が入った。どうやらジュンコが攫われたらしく助力を頼みたいと十代からの連絡だった。

 

「大山、悪い。十代から手助けして欲しいって」

 

「構わないさ、デッキは形になってるし調整を他の人に頼んでみるよ」

 

「分かった。それじゃ俺行くから」

 

遊来は一度自室に戻り、デュエルディスクとデッキを手に十代達がいる森へと急ぐ。するとそこにはジュンコを抱えているサルが居た。全身を機械で覆われており、なにかの実験体にされていたのだろう。

 

 

 

 

 

 

その姿を追うと崖にある人一人が耐えられそうな太い木の枝の上にジュンコが乗せられていた。ちょうど、十代がデュエルを申し込もうとした時だったようで俺に気が付いた十代達が駆け寄ってきた。

 

「遊来!」

 

「来てくれたのね」

 

「ああ、予定はなかったし大山と話してただけだったから」

 

「ねえねえ、アニキ、遊来くん。あのサル、デュエルディスクを付けてるよ」

 

「本当だ」

 

そこへ研究職員のような格好をした男性三人が現れた。どうやらあのサルを捕獲しようとしている様子だ。

 

「一体、あのサルは何だ?」

 

「あれは我々が訓練を重ねて育て上げだデュエリストザルだ」

 

「「「デュエリストザル!?」」」

 

「ああ、その名も『Super』『Animal』『Lerning』!略して『SAL』だ!!」

 

「まんまじゃん・・・!」

 

「(ツッコミを取られた・・・!?)」

 

俺の役割を翔に取られ、博士らしき人物のドヤ顔が半端ない。機械を付けられたサルは十代と俺を交互に見ている。

 

「おーい、サル!お前もデュエリストなら、ここはデュエルで決着つけようじゃねーか!!」

 

「十代!?」

 

「すげえアニキ、サルと会話してる」

 

「それだけサルに近いって事かしら?」

 

「きっと、人間の言葉が解るように教育されたのよ。デュエルが出来るくらいですもの」

 

「だろうな、サルに限らず筆談するゴリラとかも居るそうだから」

 

明日香の意見に遊来も賛同する。だが、ジュンコは本気で怯えておりその場で固まったままだ。するとサルがジュンコを木の上に降ろし、こちらへ向かってくると丁度よく台座のような石の上に乗り、明日香の推察通り知能が高かったらしく、遊来を指差している。

 

「ん?何だ?」

 

「遊来を指差しているわ」

 

「へ?まさか、サル・・・俺を指名しているのか?」

 

俺が声を出すとそうだと言わんばかりにウキーウキー!と声を出している。まさか、サルのご指名を受けるとは思わなかったな。

 

「遊来さん、人気ですわね」

 

「『異議あり!』だぜ!なんで遊来ばっかりなんだよ~!」

 

「仕方ないだろ、サルのご指名なんだし。おい!サル!俺が勝ったらジュンコを解放しろ」

 

「ま、負けたら?」

 

「俺が負けたら、サル!お前を森の中に離してやる!」

 

「なによそれ、意味わかんない!」

 

ジュンコは本気で怯えている為、腰が抜けている状態だ。本人だってまさかサルに拉致されるとは思ってもみなかったのだから。サルはデュエルディスクを起動して、遊来を手招きしている。

 

「仕方ない、やるしかないな!今持ってるデッキはシンクロメインの調整用デッキだけど文句言うなよ?」

 

「ウキー!」

 

遊来もデッキを取り出し、シャッフルするとデッキをデュエルディスクへ装填し展開した。

 

「「デュエル!」」

 

「って、今喋らなかったか!?」

 

「フフフ、デュエルに関する言葉は全てプログラムされているのだ」

 

 

SAL:LP 4000

 

龍谷遊来:LP 4000

 

 

博士らしき人物の言葉に俺は納得する。人工音声機能でもあるのだろう、名称などを言ってくれるのならそれはそれでありがたい。

 

「俺のターン、ドロー!」

 

[ドローカード]

 

※ボルト・ヘッジホッグ

 

[現在の手札 6枚]

 

※クイック・シンクロン

※チューニング・サポーター

※ガード・ブロック

※ゾンビキャリア

※ワン・フォー・ワン

※ボルト・ヘッジホッグ

 

「俺はカードを1枚伏せて、モンスターをセットしてターンエンド」

 

さぁ、どう出る?様子見って訳じゃないけど最初に出してくるカードでサルのデッキを見極める。

 

『私のターン、ドロー!』

 

『「怒れる類人猿」を召喚!』

 

「やっぱり、獣族か!しかも『怒れる類人猿』とはかなり攻撃的なデッキになってやがる!良いセンスだ」

 

「相手を褒めてないで早く助けてよー」

 

『「怒れる類人猿」でセットモンスターへこうげキーー!!』

 

ジュンコの悲痛な叫びと「怒れる類人猿」の攻撃が守備表示の『ゾンビキャリア』を簡単に殴り倒してしまった。その余波が遊来へ襲いかかり腕で目を覆った。

 

「うわっ!」

 

『カードを一枚伏せてターンエンド』

 

「やるな。俺のターン、ドロー!」

 

[ドローカード]

 

※成金ゴブリン

 

[現在の手札 5枚]

 

※クイック・シンクロン

※チューニング・サポーター

※ワン・フォー・ワン

※ボルト・ヘッジホッグ

※成金ゴブリン

 

「俺は手札にあるモンスターカードを一枚墓地へ送り、『クイック・シンクロン』を特殊召喚!更にチューナーモンスターが自分のフィールドに居る場合、墓地にある『ボルト・ヘッジホッグ』を召喚!(このパターン、アイツを呼ぶしかないけど・・まだ勝つためのカードが足りない!)レベル2の『ボルト・ヘッジホッグ』にレベル5の『クイック・シンクロン』をチューニング!」

 

『クイック・シンクロン』チューナー・効果/星5/風属性/機械族/攻撃力700/守備力1400

 

『ボルト・ヘッジホッグ』効果/星2/地属性/機械族/攻撃力800/守備力800

 

ボルトを背中に背負ったハリネズミのようなモンスターが、ガンマンのような姿をしたモンスターが発生させた光の輪を潜り、一筋の星列となった。

 

「(遊星の召喚口上、使わせてもらおう)集いし思いがここに新たな力となる。光射す道となれ!シンクロ召喚!燃え上がれ、『ニトロ・ウォリアー』!」

 

★2+★5=★7

 

『ニトロ・ウォリアー』シンクロ・効果/星7/炎属性/戦士族/攻撃力2800/守備力1800

 

「攻撃力2800!?」

 

「それも通常召喚を使わずに!?」

 

翔とももえが驚きの声を上げたが、明日香は遊来ならこのくらいの事は簡単にやって来るだろうという表情で、観ている。

 

「更に『ゾンビキャリア』が墓地に存在する場合、手札を1枚デッキの一番上に戻して効果を発動!このカードを墓地から特殊召喚出来る。ただし、この効果で特殊召喚したこのカードはフィールドから離れた場合に除外される。来い!『ゾンビキャリア』!!そして『チューニング・サポーター』を通常召喚!」

 

『ゾンビキャリア』チューナー・効果/星2/闇属性/アンデット族/攻撃力400/守備力200

 

『チューニング・サポーター』効果/星1/光属性/機械族/攻撃力100/守備力300

 

「『チューニング・サポーター』は本来レベルは1だが、自分フィールド上のこのカードをシンクロ召喚の素材とする場合、このカードはレベル2のモンスターとして扱う事ができる。そして、このカードがシンクロ召喚の素材として墓地へ送られた場合、自分はデッキから1枚ドローする事が出来る」

 

『ウキッ!?』

 

ゾンビのペンキ職人のようなモンスターと小型の中華鍋を被ったような人型のロボットのモンスターが現れ、遊来の場を埋めている。

 

「レベルが低くても、モンスター同士が力を合わせる事で強力なモンスターに変化する事が出来る・・・!これがシンクロ召喚の真髄!!」

 

「今までは『ドラグニティ』でしか見た事がなかったから知識が浅かったけど、こんなにも応用が効くのね。これほどのものを見てしまったら、低レベルモンスターをバカには出来なくなるわ。モンスターのレベルが低ければ召喚も可能で調整も効くし、チューナーモンスターで補えてしまう」

 

「ただ、一度フィールドに出さないといけないのがデメリットさ。それに必ずチューナーモンスターとチューナーじゃないモンスターが必要で最低でも2体居ないといけない。融合と少し似てる部分でもあり、違う部分でもあるな」

 

十代と明日香の言葉に俺はデメリットを口にして説明した。なるほどといった表情の二人だが俺はすぐにデュエルに集中する。

 

「レベル2の『チューニング・サポーター』にレベル2の『ゾンビキャリア』をチューニング!2つの意志が、敵を砕く武器となる!形を成せ!!シンクロ召喚!鋼鉄の拳!『アームズ・エイド』!!」

 

★2+★2=★4

 

『アームズ・エイド』シンクロ・効果/星4/光属性/機械族/攻撃力1800/守備力1200

 

「『チューニング・サポーター』の効果でカードを一枚ドロー!」

 

[ドローカード]

 

※ワン・フォー・ワン

 

「更に俺は魔法カード『成金ゴブリン』を発動!相手がライフポイントを1000ポイント回復する代わりに俺はカードをデッキから一枚ドローできる!ドロー!』」

 

『ウキキー!!』

 

SAL:LP5000

 

[ドローカード]

 

※ジャンク・アタック

 

俺はドローしたカードを見る。あ、これ・・・ワンキル達成だ。前の世界のアニメで見てた時に遊星が『ワンターンスリーキルゥ…』をした時のコンボが完成してしまった。サルには悪いが、このデュエルは此処で終わりだ。恐らくサルは森に帰りたかったのかもしれない。だが、俺は情けをかけるつもりはないし、休日に十代達とラ○ダーを観てたせいか頭の中で『FINAL VENT』って音が響いた。

 

「更に『ニトロ・ウォリアー』の効果発動!『ニトロ・ウォリアー』は魔法カードを発動した時、ダメージ計算時のみ1度だけ攻撃力が1000ポイントアップする」

 

『ニトロ・ウォリアー』攻撃力2800→3800

 

「攻撃力3800ですって!?」

 

「同時に『アームズ・エイド』は1ターンに1度、自分のメインフェイズ時に装備カード扱いとしてモンスターに装備、または装備を解除して表側攻撃表示で特殊召喚できる。この効果で装備カード扱いになっている場合のみ、装備モンスターの攻撃力は1000ポイントアップする!俺は『アームズ・エイド』を『ニトロ・ウォリアー』に装備し、攻撃力を1000ポイントアップさせる!」

 

『ニトロ・ウォリアー』攻撃力2800→4800

 

「攻撃力4800!更に上がったぜ!?」

 

『キキーーッ!?』

 

「更に手札から装備魔法『ジャンク・アタック』を『ニトロ・ウォリアー』に装備!サル、悪いけど・・・このデュエルは此処で終了だ!『ニトロ・ウォリアー』で「怒れる類人猿」を攻撃!ダイナマイト・ナックル!!」

 

「え、どういう事?」

 

翔は訳が分からないといった声を出すが『ニトロ・ウォリアー』が『アームズ・エイド』を装備した右腕で「怒れる類人猿」を思い切り殴り飛ばし、破壊した。

 

「ウッキーー!?」

 

SAL:LP2200

 

「この瞬間『アームズ・エイド』の効果と装備魔法『ジャンク・アタック』の効果発動!『アームズ・エイド』を装備したモンスターが戦闘によってモンスターを破壊し墓地へ送った時、破壊したモンスターの元々の攻撃力分のダメージを相手ライフに与える!」

 

「フレイム・ウイングマンと同じ効果!?」

 

「そして、装備魔法『ジャンク・アタック』はこのカードを装備したモンスターが戦闘によってモンスターを破壊し墓地へ送った時、破壊したモンスターの攻撃力の半分のダメージを相手ライフに与える!」

 

『ウキーーー!?』

 

「よって「怒れる類人猿」の攻撃力分とその半分の数値・・・合計3000ポイントの追加ダメージを受けてもらう!」

 

「ウキャアアアア!?」

 

SAL:LP0

 

「ウッソー!?」

 

「返しのターンでワンターンキルだなんて・・・滅多にありえない事が目の前で」

 

「容赦ないわね・・・」

 

デュエルが終わり、俺はサルに近づいていく。サルにはルインが見えているのか、空を見上げているような様子で見ている。

 

『この子、私が見えているのでしょうか?』

 

「(たぶんな)サル、デュエルは俺の勝ちだ。ジュンコを返してもらうぞ」

 

「ウキー・・・」

 

サルは大人しくジュンコを開放してくれた。よほど怖かったのだろう俺が支えるとジュンコは飛びついてきた。

 

 

 

 

 

 

「うわああ、怖かったよぉ!」

 

「わかった、分かったから!」

 

「あ、ゴメン!(あ、あれ?なんで私、こんなにも遊来を相手にドキドキしてるのよ!?)」

 

ジュンコが離れてくれたのを見計らって、俺はサルに取り付けられていた機械を外しにかかる。

 

「ウキ?」

 

「おい、貴様!何をしている!?」

 

「何って、サルを逃がしてやるんだ」

 

「ぶざけるな!それは大切な実験体なのだぞ!」

 

実験体と聞いて遊来の怒りのボルテージが一気に上がった。その後ろから炎の柱が登り、その柱が形を変えてドラゴンの姿へと変わる。これは幻影であり、ソリッドヴィジョンではない。

 

「ウキッ!?」

 

「な、なんだ!?」

 

「ド、ドラゴン!?」

 

「炎の中から赤いドラゴンが!」

 

「ふざけるなよ・・・ふざけんな!!確かに科学の進歩には動物による実験は必要だろうさ。けどな、コイツは仲間のもとへ帰りたがっているんだよ!あれを見ろ!」

 

遊来が指さした先にはサルの群れが集まっており、仲間を迎えに来た様子だ。だからこそ、遊来の怒りは凄まじい。彼は一方の利益の為に、一方を犠牲にしようとする事や理不尽が大嫌いなのだ。無論、今の姿では子供の駄々だと考えられてしまう。

 

「子供の駄々を聞いてる暇は無い!実験体は多いにこした事は無い!全て捕えろ!!」

 

「させ・・・っ!?」

 

遊来の後ろに待機していた幻影であるはずの赤いドラゴンが拳を握り込み、博士たちの目の前の地面を殴りつけ、まるで小型のミサイルが命中し爆撃のような跡がクッキリと出来上がっていた。

 

「な・・なななっ!」

 

「まだ、捕まえようとするなら・・・!」

 

「それには及ばないのですにゃ」

 

「「「「「大徳寺先生!!」」」」」

 

「事が公になれば、困るのは貴方の方ではないのかニャ?動物虐待で訴えられちゃいますよ?」

 

「う・・・ぐううう」

 

博士はこれ以上、反論できずサルを開放することになってしまった。遊来はサルに近づいてデュエルディスクを外そうとしたがサルに嫌がられた。

 

「キキッ!」

 

「え?デュエルディスクは外さなくていいのか?」

 

「ウキ」

 

「そっか、気に入ってる訳か。またな!」

 

「ウキー!ウキキ!!」

 

サルはルインに何かをジェスチャーで伝えると、仲間たちの元へと行き去っていった。

 

『あのサルがジェスチャーで伝えていたのはドラゴン。それに炎を示していた・・・どういう事でしょうか?先程の幻影と関係があるのかもしれませんが』

 

「それにしてもサルにデュエルを挑まれるとは思わなかった・・・」

 

「珍しい事で俺は羨ましいぜ」

 

「それにしても、貴方・・・返しのターンからのワンターンキルだなんて、熱意がないのに容赦ないわね?」

 

「ああ、パーツが揃っちゃったから」

 

「なるほど、そうだったのね」

 

明日香は自分とデュエルしたあの日よりも遊来の熱意が増していた事が、今回のデュエルで感じ取る事ができた。だが、彼の戦い方は徹底的に相手を倒すやり方だ。自分でも気が付かないうちにそれが身体に染み付いているようで、オベリスクブルーにおいてのワンキルデッキの件も含め、逆に明日香はどんな環境でデュエルすればワンターンキルを狙う戦略を身体に染み付くまでになったのかという疑問も浮かんで来ていた。

 

「それにしても、あのドラゴンは一体何だったッスか?」

 

「そういえば此処に、火薬を使ったような爆発の跡がありますわね?」

 

「あの赤いドラゴンが地面殴ったらそうなったんだよー」

 

「ふーむ、不思議な事もありますニャ」

 

その日は解散となったが、夜に大山に新しいデッキが完成したと報告を受け俺のおかげだと言われ、恥ずかしかったがお礼を言っておいた。

 

『マスター』

 

「ルイン?どうした?」

 

『マスターがデュエルをしたあのサル・・・遊来の背後に炎のように赤いドラゴンが居たと教えていてくれました。身振り手振りでしたけど』

 

「赤い、ドラゴン?」

 

『はい、詳細まではわかりませんが、地面を拳で殴りつけたのはその赤いドラゴンだと』

 

「赤いドラゴン・・・か」

 

俺はまさかと思う事が一つだけある。赤いドラゴン、それは前の世界でアニメとして観ていた同じ遊戯王でこの世界よりも遥かに未来の話である5Dsの話に出てくる赤き竜、ケツァルコアトルの事だ。だが、ケツァルコアトルはあくまでも力を引き出すきっかけが形となって現れているに過ぎない。そもそも、ケツァルコアトルに腕はあっても殴る事をしているのを見た事はない。

 

「もしかして・・・でも、考えても仕方ないか、寝よ」

 

『そうですね、休んだほうが良いかと』

 

精霊を含めた全員が就寝した後、遊来のシンクロモンスターのカードが赤く光っていた。その横では一枚のエクシーズモンスターのカードが黒く輝いており、互いのオーラがお互いに牽制しあっている。

 

これこそが、次なる戦いへの幕開けとなり、狼煙となる物であることを誰も知らない。




赤いドラゴン、遊来くんの怒りの象徴です。拳で殴るドラゴンはたくさん居ますからね。

次回は万丈目に触れていきます。

???「万丈目さんだ!」

「不知火」と「魔妖」は登場させるべきか?

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