手にした竜騎士と破滅が気難しい   作:アマゾンズ

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セブンスターズ、第一戦


第19話

勉強の遅れを取り戻し、授業を終えて自室にいる遊来。彼は自分と共に飛ばされたカードの中で三枚のカードを机の上に並べて見ていた。

 

『神炎皇ウリア』

 

『降雷皇ハモン』

 

『幻魔皇ラビエル』

 

これらのカードである。イメージイラストが白黒になってしまっており、デュエルディスクをフリーモードにしても反応しない。恐らくはこの世界にあるオリジナルの三幻魔が封印されているためだろう。このカードは遊来と共に飛ばされてきたカードであり、なんの変哲もない、ただのカードだ。だが、三幻の名を関している為に何かしらの影響を受けている様子だ。

 

「ルイン」

 

『はい?』

 

「このカードのオリジナルが目覚めそうだって、言ってたよな?」

 

『はい、予兆といいますか・・・そんな感じがあるのです』

 

「三幻魔・・・か」

 

こうして飛ばされたーカードを見ているのには理由がある。この出来事が起こる1時間前のことだ。

 

 

 

 

 

「あれ?遊来?」

 

「十代?もしかしてお前もか?」

 

「ああ、他にもカイザー、明日香、万丈目、三沢、大徳寺先生にクロノス先生も呼ばれてるみたいだぜ」

 

「なんだか・・・バランスの悪い呼ばれ方だな」

 

そんな会話をしながら校長室に入ると、いつもはおどけている感じの鮫島校長が真剣な顔をしている。

 

「三幻魔のカード?」

 

「そうです。この島に封印されている古より伝わる三枚のカード」

 

「へ?この学園ってそんな昔からあったのか?」

 

「んなわけ無いだろ、最後まで話を聞いてみよう」

 

十代の疑問に遊来が、答えるが万丈目は自分のツッコミを取られたと不満げになった。

 

「そもそも、この学園はそのカードが封印された場所の上に立っているのです」

 

その言葉に全員が驚嘆の声を上げる。遊来は自分の中で持っているカードが反応しないのとオリジナルがまさかすぐ近くにあった事に驚いていた。

 

「学園の地下深くにその三幻魔のカードは眠っています。島の伝説によるとそのカードが地上に放たれる時、世界は魔に包まれ、混沌が全てを覆い、人々に巣食う闇が解放され、やがて世界は破滅し無へと帰する。それほどの力を秘めたカードだと伝えれています」

 

「・・・・っ」

 

「破滅・・・・」

 

明日香と三沢が息を呑み、万丈目もそんな事があるのかと言いたげな顔をしているが十代は明るく言葉を返す。

 

「よく分かんないけど、なんか凄そうなカードだな」

 

「黙って聞いているノーネ!」

 

「(三幻魔・・・か。前の世界だと専用ストラクチャーが発売されて、サポートカードが充実して一気に強くなったんだよな。それまではOCGだと召喚条件の関係で使いにくくて愛用してる人は少なかったし)」

 

「そのカードの封印を解こうと、挑戦してきた者達が現れたのです」

 

「一体誰が?」

 

「七星皇・・・・セブンスターズと呼ばれる七人のデュエリストです。全くの謎に包まれた七人ですが、もう既にその一人がこの島に」

 

「なんですって!?」

 

「でも、どうやって封印を解こうと?」

 

「三幻魔のカードはこの学園の地下の遺跡に封印され、七星門と呼ばれる七つの巨大な石柱がそのカードを守っています。その七つの石柱は七つの鍵によって開かれる。これがその七つの鍵です」

 

鮫島校長が小さな箱を取り出し、この場にあることを証明してきた。

 

「そこまで重要な物なら、どうしてセキュリティを強化しないんです?」

 

遊来からの質問を兼ねた疑問点は全くの正論に近い。それほどまでに重要かつ大切ならばセキュリティを厳重にした金庫などに納めるべきだろう。

 

「それは予算の事もありますが、遺跡の封印は古来から伝わる方法でなければならず、鍵を狙うものがあれば戦わなければならないのです。この鍵はそういった性質を持っている」

 

「つまり、戦いの結果を示さなければ鍵は戦いを放棄している側から去ってしまうと?」

 

「その通りです。そこで貴方達に、この七つの鍵を守っていただきたい」

 

「守るといっても・・・一体どうやって?」

 

「もちろん、デュエルです」

 

「デュエル!?」

 

「七星門の鍵を奪うにはデュエルによって勝たねばならない、これも古よりこの島に伝わる約束事、だからこそ学園内でも屈指のデュエリストである貴方がたに集まってもらったのです。んんっ、まぁ・・・二名ほど数合わせに呼んだ者もおりますが・・・」

 

教員二人に視線を向けているところから、数合わせで呼ばれたのは教員なのだろう。

 

「この七つの鍵を持つデュエリストに彼らは挑んできます。貴方がたにセブンスターズと戦う覚悟を持っていただけるなら、どうか・・・この鍵を受け取って欲しい」

 

そういって、鍵が入った箱の蓋を開ける鮫島校長。遊来自身も少し思考していたが、最初に机へと歩み寄った。

 

「遊来!?」

 

「刺客って事はそれなりに強い相手がいるって事だろう?俺はやる・・・!」

 

そう言って遊来は鍵を手にし、自分の首にペンダントのようにかけた。

 

「へへっ、先を越されたけど面白そうだ。やってやるぜ」

 

「フッ」

 

十代と亮も鍵を受け取り、次々と生徒は鍵を受け取っていく。そうして、新たに学園側の戦士が選出されたのだ。

 

 

 

 

 

「さて、『ドラグニティ』はしばらくお休みになっちゃうかな・・・それにしても七星か・・・まるで北斗七星・・・うっ!?」

 

『マスター!?』

 

七星、北斗七星という単語を口にした瞬間、頭に強烈な痛みが走った。一瞬の出来事だったが、頭痛には変わりない。

 

「だ、大丈夫・・・収まったから」

 

『体調悪いのかい?』

 

「いや、何かしらの要因にぶつかったみたい・・・あ、そうだ!十代と約束してたんだ!」

 

遊来は急いで着替え、デュエルディスクとデッキとEXデッキを持って急いで寮を出てオシリスレッドへと向かうとそこには走っている明日香の姿が見えた。周りをよく見ると十代達の部屋から光が出ている。それも電気以上に眩しい光だ。

 

「「十代!」」

 

「明日香、遊来!」

 

光に包まれた瞬間、目を開くとそこは火山の噴火口の上だった。無論、噴火はしないだろうがそれでもマグマの上なのだから少しだけ足がすくんでしまう。

 

「此処は・・・?」

 

「火山の・・・上・・だよな?」

 

「うわっ!?」

 

マグマの中からドラゴンの姿をしたマグマがステージに向かって飛び込み、その奥から誰かが歩いてくる。

 

「誰だ!?」

 

「我が名はダークネス、セブンスターズの一人」

 

ダークネスと名乗った仮面の男はなにかのペンダントをしている。それが光り、手のひらに乗せた。

 

「何故かは分からんが、このペンダントの光に導かれた。私の相手は既に決まっている」

 

「十代か?」

 

「いや、私の相手は貴様だ。龍谷遊来!」

 

「!俺が!?」

 

「お前の持つ未だ浸透していない未知の召喚、シンクロ召喚とやらの力を私に見せてみろ」

 

「遊来・・・!」

 

「遊来、このデュエルは危険よ!」

 

「分かってる・・・だけど指定されたんじゃ受けるしかない」

 

遊来は持ってきたデッキをデュエルディスクにセットする。闇のデュエルの危険性はルインから耳にタコができる程、タイタンの件で聞かされている。だが、逃げる訳にはいかない。

 

「怖いのは当たり前・・・だけど、その恐怖を我が物とすれば焦りは消え、普段通りの戦いができ、それが勇気となる!」

 

「その言葉って、あの漫画の?」

 

「作品の名前は後で、な?それに試したい事もあるし」

 

「試したい事?」

 

「ダークネス、一つ聞きたい!姿を変えることは許されているのか?例えば、服を着替えるなどだ」

 

「そのくらいの事は許容している」

 

「そうか」

 

そう呟くと遊来はデュエルディスクにあったエンターテインメント用モーションを起動するボタン押した。セレクトしたのは常に進化し続ける光の象徴たる仮面の戦士が身に付けている証がソリッドヴィジョンで出現する。

 

「あれは・・・!」

 

ソリッドヴィジョンで現れたベルトの左側で腕をクロスさせ素早く右手の構えを取る、ソリッドヴィジョンによって光が回転し出現とそれに応じてベルトまで再現されており、遊来はゆっくりと構えた右手を前へと突き出す。

 

「変身!!」

 

まるでバイクのフルスロットルのエンジン音のような音とともに光が溢れ、黄金の輝きを持つ赤い複眼の戦士の姿がソリッドヴィジョンで遊来自身に重なり、本当に変身したように見えていた。

 

「何ッ!?」

 

「安心していい、これはただのソリッドヴィジョン。俺の姿に重なってるだけさ」

 

「○ギトだ・・・仮面ラ○ダー○ギト。龍をモチーフに「光」の力を覚醒させた人間だって設定を持つラ○ダー。それに最終形態とされている姿でさえ、進化の途中経過に過ぎないとも。常に進化し続けるラ○ダーだ」

 

「ダークネスという闇の決闘者に対して、○ギトという光の戦士の姿を出してくるなんて、皮肉が効いているわね」

 

「あれ?明日香も仮面ラ○ダー観てたのか?」

 

「ジュンコとももえがイケメン俳優目的でね?遊来からDVDを借りて視てたのを付き合わされたのよ」

 

「そうだったのか」

 

十代と明日香の会話をよそにダークネスは歯ぎしりを僅かにした後、変身した遊来を見据える。

 

「っ・・・意趣返しとでも言うつもりか?」

 

「さぁね・・・さぁ、やろうか」

 

お互いにデュエルディスクを構える。それと同時にルインが声をかけてきた。

 

『マスター、これは間違いなく闇のデュエルです。気を付けて』

 

「ああ、分かってるさ」

 

「行くぞ!」

 

「来い!」

 

「「デュエル!!」」

 

ダークネス:LP4000

 

龍谷遊来(○ギト):LP4000

 

「私の先攻!ドロー!私は軍隊竜を守備表示で召喚!!カードを一枚伏せターンエンドだ!」

 

「俺のターン、ドロー!」

 

[通常ドローカード]

 

※混源龍レヴィオニア

 

[現在の手札6枚]

 

※輝光竜 セイファート

※暗黒竜 コラプサーペント

※輝光竜 セイファート

※強化蘇生

※神竜 アポカリプス

※混源龍レヴィオニア

 

「俺は手札から『輝光竜 セイファート』を攻撃表示で召喚!」

 

『輝光竜 セイファート』効果/星4/光属性/ドラゴン族/攻撃力1800/守備力0

 

「『ドラグニティ』じゃない!?」

 

「『輝光竜 セイファート』の効果!二つとも1ターンに1度しか使用できない。(1)は手札及び自分フィールドの表側表示モンスターの中から、ドラゴン族モンスターを任意の数だけ墓地へ送って発動できる。墓地へ送ったモンスターの元々のレベルの合計と同じレベルを持つドラゴン族モンスター1体をデッキから手札に加える。(2)は墓地のこのカードを除外し、自分の墓地の光・闇属性のドラゴン族・レベル8モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを手札に加える効果だ!」

 

「俺は(1)の効果を使い、手札にある2枚目の『輝光竜 セイファート』と『神竜アポカリプス』を墓地へ送り、この2枚のレベルの合計と同じレベルを持つドラゴン族モンスターを手札に加える!俺は『銀河眼の光子竜』を手札に加える!」

 

「レベル8・・・!」

 

「銀河眼?」

 

「聞いた事もないカードだわ・・・」

 

「セイファートで『軍隊竜』を攻撃!セイファーブレス!!」

 

眩い光の息吹に飲まれた軍隊竜はその姿をかき消され、フィールドから居なくなった。同時に銀河眼という名のカードが気になる様子の三人である。

 

「この瞬間、『軍隊竜』の効果発動!」

 

「知ってる。破壊されたカードと同名のカードをデッキから特殊召喚できる・・・だろ?」

 

「ほう?知識は深いようだな?ならば、私は特殊効果を使いデッキから『軍隊竜』を守備表示で特殊召喚!」

 

「リクルーター効果を持っていたのかよ!?それに遊来のデッキが今までと全く違う!」

 

「そうね。今まで見たことのないタイプのデッキだわ。それも重要だけどダークネスの場にモンスターが残ってしまってる」

 

「カードを1枚伏せて、ターンエンド!」

 

遊来の手札は少ないがダークネスは少しだけ唸る。何故なら遊来の手札には最上級モンスターが居るのだ。だが、それも杞憂に終わる。遊来の場には『輝光竜 セイファート』のみしかおらず、上級モンスターの召喚には生贄が必要となり、その生贄要因もいない。

 

「私のターン、ドロー!リバースカード、オープン!『リビングデッドの呼び声』!このカードの効果により、私の墓地からモンスター1体を攻撃表示で特殊召喚する。私は墓地に眠るもう1体の『軍隊竜』を特殊召喚!更にこの2体を生贄に・・・『真紅眼の黒竜』を攻撃表示で召喚!」

 

「真紅眼・・!?」

 

「黒竜!!」

 

「・・・・」

 

マグマの底から現れた黒竜。その姿の雄々しさ、力強さは遊来も知っている。『真紅眼の黒竜』前に居た世界おいても知名度、人気度は圧倒的に高かったカードである。後にサポートカードも大量に出て一気にカテゴリー入りを果たしていた。それだけ人気の高さが伺える。

 

「『真紅眼の黒竜』で『輝光竜 セイファート』を攻撃!黒炎弾!!」

 

真紅眼から放たれた炎弾がセイファートへ直撃し、その差のライフを失ってしまうと同時に遊来は胸元を掴んで苦しんだ。

 

「うっ!ぐうううう!!この痛みが・・・」

 

「そうだ、文字通り命をかけた戦い。これこそが私の闇のデュエルだ!」

 

龍谷遊来:LP3400

 

「まだ、だ!俺のターン!ドロー!」

 

[通常ドローカード]

 

※ライトパルサー・ドラゴン

 

[現在の手札4枚]

 

※暗黒竜 コラプサーペント

※混源龍レヴィオニア

※銀河眼の光子竜

※ライトパルサー・ドラゴン

 

「(足りない、呼ぶにはまだ・・・足りない!だが、ここは攻めるしかない!)俺は墓地に眠る『輝光竜 セイファート』と『神竜アポカリプス』をゲームから除外!手札の『ライトパルサー・ドラゴン』を特殊召喚する!」

 

『ライトパルサー・ドラゴン』星6/光属性/ドラゴン族/攻撃力2500/守備力1500

 

「何!?」

 

「レベル6で攻撃力2500!?」

 

「しかも特殊召喚!」

 

「更にもう1体の『輝光竜 セイファート』を除外し『暗黒竜 コラプサーペント』特殊召喚!」

 

「こ、これは!」

 

「行け!『ライトパルサー・ドラゴン』!!『真紅眼の黒竜』に攻撃!パルス・プレッシャー!!」

 

ライトパルサー・ドラゴンが放った光によって『真紅眼の黒竜』がまるで重しを乗せられたかのように身体が沈んでいき、最後には砕け散った。パルサーは別名、中性子星とも言われ、中性子星とは大質量の恒星が寿命を迎えて超新星爆発を起こした時、その中心核が圧縮され形成されるものだ。この存在が質量の限界を迎えた時、暗黒孔・・・すなわちブラックホールになるのだ。つまり真紅眼は超新星爆発時において発生する圧力で攻撃されたという事になる。

 

ダークネス:LP3900

 

「まだだ!続け!コラプサーペント!プレイヤーへダイレクトアタックだ!コラプサー・ブレス!」

 

「うおおおおお!?」

 

ダークネス:LP2100

 

「俺はこれでターンエンドだ」

 

「やるな・・・だが、まだだ!私のターン!ドロー!私は手札から魔法カード『黙する死者』を発動!『真紅眼』を墓地より呼び戻す!更に『アタッチメントドラゴン』を召喚!この瞬間、相手モンスターの装備カードとなり、その攻守を入れ替えることが出来る!『ライトパルサー・ドラゴン』を守備表示に変更!そして、攻守変更は不可能!」

 

「なっ!」

 

「だけど、頼みの綱である『真紅眼』は守備表示だ。一体どうやって」

 

「更に魔法カード『黒炎弾』を発動!」

 

「!!マズイ!」

 

レッドアイズを相手にする上で最も警戒していたカードが来てしまったが、対抗手段はない。『真紅眼の黒竜』の口から黒い炎の塊が放たれ、遊来へ襲いかかる。

 

「ぐあああああああああ!!!!!!」

 

龍谷遊来:LP1000

 

「更にメインフェイズ2、真紅眼よ!更に進化せよ!守備表示の『真紅眼の黒竜』を生贄に・・・いでよ!『真紅眼の闇竜』!!」

 

『真紅眼の闇竜』効果/星9/闇属性/ドラゴン族/攻撃力2400/守備力2000

 

「更に『真紅眼の闇竜』は自分の墓地にあるドラゴン族1体につき、300ポイント攻撃力がアップする!」

 

『真紅眼の闇竜』攻撃力2400→攻撃力3300

 

「くっ!」

 

「ターン終了だ」

 

「っ・・・」

 

相手は強く、次のターンに『黒炎弾』を引かれたら・・・。負けるのか?そんな言葉が頭をよぎる。デッキからドローしようとする手が震える。此処で引けずに負けたら親友達は・・・仲間の明日香は・・・という不安が出てくる。信じようとするも信じきる事が出来ずにいる迷いの中、自分の中に熱が篭る。迷いを振り切った先にある熱き境地、自分の中に燻り続けている何かが燃え上がり、遊来はカードをドローした。

 

「俺の・・・・タァァァァン!!ドロォォォ!!」

 

[通常ドローカード]

 

※デルタフライ

 

「!!」

 

[現在の手札3枚]

 

※混源龍レヴィオニア

※銀河眼の光子竜

※デルタフライ

 

「・・・・・・俺の炎が、燻っていた炎が燃え上がった!」

 

「なんだと?それになんだ・・・その姿は!?」

 

ソリッドヴィジョンで投影されているオルタリングに強化状態を示すドラゴンズネイルが現れ、○ギトの姿が変化していく。胸部や腕、角などが赤くなり複眼は黄色に変わり罅割れた胸部からはプロミネンスのような炎が吹き出しているように見えている。

 

「あれは○ギトの強化形態の1つ、バー○ングフォーム・・・・!」

 

「俺は・・・『デルタフライ』を召喚!!」

 

「チューナーモンスターだ!!」

 

「という事は!?」

 

「俺の心の光・・・!心の炎・・!その姿を今ここに顕現させる!今はまだ弱いけどな!『デルタフライ』の効果発動!このカードは1ターンに1度、このカード以外の自分フィールド上に存在するモンスターを選択し、そのレベルを一つ上げる事ができる!!レベル4の『暗黒竜 コラプサーペント』のレベルを1つ上げレベル5に変更!」

 

「あれは万丈目くんとのデュエルで使ってた・・・!」

 

「行くぞ!レベル5となった『暗黒竜 コラプサーペント』にレベル3『デルタフライ』をチューニング!!」

 

デルタフライが自らを三つの光の輪に姿を変え、その中を『暗黒竜 コラプサーペント』が潜り、1つの光となった。

 

「漆黒の闇を裂き、天地を焼き尽くし眠りについた孤高の絶対なる竜の王者よ!!眠りより目覚め、万物を睥睨(へいげい)し、その猛威を再び振るうがいい!!」

 

 

シンクロ召喚!

 

 

燃え盛れ!!『琰魔竜レッド・デーモン』!!

 

『琰魔竜レッド・デーモン』シンクロ・効果/星8/闇属性/ドラゴン族/攻撃力3000/守備力2000[チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上]

 

 

赤と黒の体色にデーモンという悪魔の力を持つ事を示す3つの角、場を圧倒する王者の風格、そのどれをとっても驚きだけがこの場を支配していた。

 

「『琰魔竜レッド・デーモン』!?」

 

「カッコイイけど、なんて威圧感なんだ・・・」

 

『クリクリー・・・!』

 

「ハネクリボー?どうした?」

 

ハネクリボーが『琰魔竜レッド・デーモン』に対して反応を示していた。敵対してはいないが、なにか別のものを見ている様子だ。

 

『クリー・・・!』

 

「『琰魔竜レッド・デーモン』がどうかしたのか?」

 

十代が視線を向けると『琰魔竜レッド・デーモン』が遊来に視線を向けている事に気づいた。まるで、自分を扱う事が出来る器なのかと。

 

「くくく、召喚したは良いが私の『真紅眼の闇竜』の攻撃力には及ばないようだな!」

 

「そうだわ、『真紅眼の闇竜』の攻撃力は3300!『琰魔竜レッド・デーモン』の攻撃力は3000!僅かに届かない!」

 

「じゃあ、遊来の・・・負けなのか?」

 

瞬間、遊来の全身から炎のように揺らめく光が彼を包む。自分に重ねられていた仮面ラ○ダー○ギト・バー○ングフォームのソリッドヴィジョンが遊来から離れ、隣に立っている。

 

「『琰魔竜レッド・デーモン』の効果発動!1ターンに1度、自分のメインフェイズ1でのみ発動できる。このカード以外のフィールド上に表側攻撃表示で存在するモンスターを全て破壊する。この効果を発動するターン、このカード以外のモンスターは攻撃できない!」

 

 

「強者は常に一人!闇の竜よ・・・王の凱旋だ!道を開けろ!真紅の地獄炎(クリムゾン・ヘル・バーン)!!

 

 

 

『琰魔竜レッド・デーモン』がマグマを殴りつけ、そのエネルギーが波となって全てがマグマによって破壊され、『真紅眼の闇竜』すらも飲み込み焼き尽くしてしまった。

 

「うおおおお!?バ・・・馬鹿な!私のモンスターが破壊されただと!?」

 

「1ターンに1度、自分のメインフェイズ1でのみで発動できる効果・・・」

 

「表側攻撃表示になってるモンスターを敵味方問わず全て破壊かよ・・・強いけど使い方が難しそうだ」

 

「だが、全てを破壊するというのなら貴様の場にいる『ライトパルサー・ドラゴン』も無事では・・・!何ッ!?」

 

『ライトパルサー・ドラゴン』はその場に残り続けていた。まるで王に忠誠を誓う騎士の如く、片膝を付けている。

 

「残念だったな、『ライトパルサー・ドラゴン』はお前が装備カードとして使ってくれた『アタッチメント・ドラゴン』の効果によって守備表示になっていた。よって王の裁きは受けない!!行くぞ、ダークネス!『琰魔竜レッド・デーモン』でダイレクトアタック!○ギトも続け!」

 

極獄の絶対独断(アブソリュート・ヘル・ドグマ)

 

 

拳に炎を纏わせた『琰魔竜レッド・デーモン』とフィニッシュエフェクトによる灼熱の仮面の戦士のダブルナックルが、ダークネスの仮面を殴りつけて破壊すると同時にダークネスは炎に飲み込まれていき膝をついた。

 

「うおあああああああああああ!!!」

 

ダークネス:LP0

 

「う・・・勝った・・・!みん・・な」

 

そういって遊来は倒れてしまう。精神的にタフとはいえ肉体にかかっていたダメージは相当なもので気力だけでデュエルしていたのだ。

 

「遊来!!うあああ!?」

 

「遊来!きゃああああ!!」

 

 

 

 

 

翔、隼人は海岸に近い岩場の安全地域に飛ばされた後、目を覚ました。それは明日香と十代も同様だった。

 

「う・・あれ?ここは?」

 

「遊来くんは?」

 

「翔くん、隼人くん!」

 

「三人とも無事か?」

 

「アニキ!」

 

「明日香さん」

 

四人は無事を確認すると重要な事を思い出して口にする。それは最後まで必死に闘ってくれた友人の事だ。

 

「そうだ、遊来は!?」

 

「あそこだ!」

 

そこには気を失っている遊来が仰向けで倒れていた。傷はあるが精霊達がひどい傷にならないよう加護してくれたのだろう。

 

「遊来!しっかりしろよ!!遊来!」

 

『大丈夫、気を失っているだけです」

 

『無茶したからなぁ・・・マスターは』

 

「あ・・・!ああ・・・」

 

十代の精霊を見る力と操る力は群を抜いてずば抜けている。ルインとレヴァティンの言葉に安心と驚きが混ざって曖昧な返事しか返せなかった。皆にそれを伝えようと向き直る。

 

「遊来は大丈夫みたいだぜ」

 

「本当!?」

 

「ええ、怪我はしているけど命に別状はないようだわ」

 

「遊来・・・俺達の為にこんなに」

 

翔と隼人が遊来を心配している中、彼の隣に一枚のカードが落ちていた。それを十代が拾うと明日香に手渡した。

 

「明日香、そのカードって」

 

「・・・」

 

明日香が手にした瞬間、カードの絵柄が浮かび上がり、其処には何本もの鎖の中にダークネスが身に付けていた仮面が封印されているのが出てきている。

 

「これが・・・ダークネスの魂」

 

その隣には先程まで遊来と戦っていたダークネスが気絶していた。様子を見に行こうと彼に近づく明日香はさらに驚く。

 

「う・・・・あ、明日・・・香」

 

「!!!そんな・・・!」

 

それと同時に三沢、万丈目、亮の三人が走って向かって来ていた。七星門の鍵の共鳴を感じて来たのだろう。

 

「遊来!十代!翔!隼人!!」

 

「生きてるのか?」

 

「ああ、遊来は無事さ!」

 

「やはり、闇のデュエルか・・・」

 

「そうなんだな・・・でも、遊来は勝ったんだな!すごい戦いだったんだな!」

 

皆が心配している中、亮が明日香が居る事に気づき、そちらへ向かう。明日香はダークネスの肉体を抱きしめており、それを亮が不思議がる。だが、明日香は泣いている様子だ

 

「明日香?」

 

「魂が・・・別の魂が入っていたの・・・!だから、それが封印されて・・・元の魂が残って・・・」

 

「何を言っているんだ?明日香」

 

「分からないの!?吹雪兄さんよ!!」

 

「え!?」

 

そう、セブンスターズの尖兵であったダークネスの正体は、長らく行方不明になっていた亮の同期であり明日香の兄である天上院吹雪であったのだ。

 

「吹雪・・・!」

 

デュエルで倒れた二人を夜明けの光が眩しく照らしている。そんな中、遊来のEXデッキに眠る『レッドデーモン』のカード達が数枚を除いて完全に眠りから覚めた。未だ燻っている炎ではあるが、この炎が遊来の心であり、あらゆるものを焼き尽くし、道を示す味方になると同時に、最大の敵になるという事を今この場にいる全員は知る由もなかった。




はい、ここで終了です。

ダークネス(吹雪さん)が『アタッチメント・ドラゴン』を使用していましたがアニメオリジナルのカードは原作アニメキャラしか使用しません、アニメ効果のバブルマンなどと同様です。

遊来は基本的にOCGに準じていますが作者である私の知識不足などもあり、指摘が多くなっているのも反省しております。

仮面ラ○ダーの変身はソリッドヴィジョンによる演出なので今はただのエンターテインメント要素に過ぎません、異世界編で変わるかもしれませんが。

この話で遊来くんの心の光の象徴を明かしました。そう『レッドデーモン』シリーズです。

『シンクロ&エクシーズ』デッキの正体は宇宙をイメージした闇と光の混合デッキである『カオス』のドラゴン軸デッキになっています。

このデッキは今現在、十代達の味方ではありますが敵になる要素もございます。使えば使うほど前世の記憶が欠片ではありますが少しずつ掘り返されていきます。

前世の記憶がほとんど戻った場合、エクシーズ召喚が解禁されます。

それと同時にヒロインを誰にするか後々、アンケートを出しますのでよろしくお願いします。

「不知火」と「魔妖」は登場させるべきか?

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