手にした竜騎士と破滅が気難しい   作:アマゾンズ

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交響魔人様の作品『猫シンクロ使いが行く遊戯王GX!』とのコラボになります。

『もしも』良心的な鮫島校長が追放されていて、別の校長が学園を牛耳っていたら?という話なります。

こちらでのサイバー流は本来、鮫島校長の指導の下「カードを信用するのは優しさだけではなく厳しさも必要」という理念でしたが追放され、アンチリスペクトのサイバー流になります。

サイバードラゴン系のカードや妨害カードに罪はないので悪しからず。

遊来が特撮作品好きの設定を大いに使っていますが、ただの演出で扱いはソリッドヴィジョンみたいなものです。


IFストーリー『ドラグニティの展開力はリスペクトに反している』

日も傾きかけている午後、一人の女生徒がデュエルをしていた。その隣にはもう一人の女生徒がおり、強気そうな方の女生徒がデュエルをしているようだ。その相手の場には『サイバー・ドラゴン』が出されている。

 

「『ハーピィズ・ペット竜』でダイレクトアタック!『セイント・ファイア・ギガ』!!」

 

「うああああ!」

 

「ジュンコさん!」

 

「ももえ、走るわよ!オシリスレッド寮へ急ぐのよ!」

 

「はい!」

 

この二人は枕田ジュンコと浜口ももえ、今現在はオベリスクブルーの女子寮から逃げ出し、オシリスレッド寮へと向かっている最中だった。

 

そして二人はオシリスレッド寮へたどり着き、食堂内部で息を切らしたまま座り込んでしまった。そんな二人に声をかけてきた一人の男子生徒がいた。

 

「大丈夫?今、水を持ってくるから」

 

「はぁ、はぁ・・・ありが、と」

 

「はぁ、はぁ・・・助かり・・ますわ」

 

水の入ったコップを持ってきて二人に渡す男子生徒、彼の名前は龍谷遊来。かつてはラーイエローからオベリスクブルーに昇格し『ドラグニティ』というカテゴリーを愛用する事から『竜騎士』と呼ばれていた生徒だ。

 

そして、この食堂には彼を含めた遊城十代、丸藤翔と丸藤亮の丸藤兄弟、天上院明日香、前田隼人の数名が集合している。

 

これが、先程までデュエルをしていた枕田ジュンコがこの食堂を目指した理由であり、彼らの拠点となっているのだ。

 

何故、このような事態になっているのか?それは数週間前に遡る。

 

 

 

 

 

デュエル・アカデミア校長兼サイバー流道場師範であった鮫島教諭が突然、解雇となりその後釜としてやってきたのが才災勝作と呼ばれる人物だ。

 

元はサイバー流の過激派らしく穏健派に位置する鮫島教諭を追放、更にはサイバー流の門下生のほとんどが彼に着いていったらしく、道場も追放という名の破門に処されたそうだ。

 

それからというもの、サイバー流がオベリスクブルーから入門生が続出し始め、デュエルに対するリスペクトが感じられないとの事で、ビートダウン以外のあらゆる戦術を校長権限で制限して来た。

 

これには大半の生徒も不満を出したが、単位や落第など生徒の学生生活の要を人質に取り、更にはサイバー流に入門すればそれらを不問にするというとんでもない提案を出してきたのだ。

 

これによって単位が重視されるオベリスクブルーの生徒の大半がサイバー流へ、ラーイエローも同じでオシリスレッドに至っては排斥の提案も出ている。

 

そんな中で、反逆行動をしたのが彼、龍谷遊来であった。単位やデュエルを自分の都合の良い様に使うなど、それが教師のやる事かと。

 

だが、そんな彼の行動は才災勝作の機嫌を損ね。その結果、遊来はオベリスクブルーから追放、オシリスレッドへの降格。更には2ヶ月の停学を言い渡された。

 

同時にサイバー流に逆らった事により『竜騎士』から『邪道に堕ちた愚者』という不栄誉な烙印にも等しい噂話を流され、かつての栄光の姿は何処にも無くなっていた。ジュンコとももえは水を飲んで身体が落ち着いた様子だ。

 

「はぁ・・・生き返ったわ」

 

「ふぅ・・・落ち着きましたわ」

 

今のアカデミアはサイバー流による生徒狩りが起こっている。僅かに残っているオベリスクブルーの生徒を狩ったならばサイバー流の極地『サイバー・エンド・ドラゴン』を召喚するためのカード群、ラーイエローなら『サイバー・ドラゴン』オシリスレッドなら『サイバー流』に関するカードという報酬付きだ。

 

それにより、サイバー流に入門した者達はここぞとばかりに、サイバー流に入門していない生徒を狩り始めた。

 

オベリスクブルーの生徒は狙われる頻度が高く、ラーイエローも似たり寄ったりでオシリスレッドに関しては数を減らしておくか、程度にしか思われていない。

 

だが、何故オシリスレッドの寮へ逃げ込む生徒が多いのか疑問が残る。理由はオシリスレッドに一度踏み込んだらサイバー流を落第にするという噂が流れているためだ。

 

実際にはそんな事はない。たかがオシリスレッドに集まった所で何ができる位の程度のものなのだが、尾ひれがついた噂によって、サイバー流の人間はオシリスレッドに近づかないため、一種の避難所のような形になっているのだ。

 

「しかし、鮫島校長が辞任させられ、才災校長に変わってからこれほどの事態になってしまうとはな」

 

「お兄さん・・・」

 

「私達は校長に最重要かつ、最大の脅威として認知されてしまっているでしょうね」

 

「明日香さん・・・」

 

「明日香様・・・・」

 

「アイツ等もアイツ等だ!形振り構わずデュエルを挑んできて、負けたらこっちが悪いように言われて、いい気分にならないぜ」

 

「十代・・・」

 

亮がサイバー流の現状に憂いているのは、自身の心身を鍛えてくれたサイバー流が180度変わってしまったためだろう。心境的には複雑だが、今のサイバー流を信じられないのも事実だからだ。

 

明日香はに至っては、自分達の置かれている立場を再確認している。ここにいるメンバーは曲がりなりにもサイバー流に勝ち星を挙げ続けている実力者達ばかりだ。校長はこのメンバーに勝ち星を挙げたならサイバー流の極地『サイバー・エンド・ドラゴン』及びそれを召喚するためのカード群っを渡すとしている。

 

その報酬を手に入れようと所構わずデュエルを挑まれるのだ。もはや休息が取れるのはオシリスレッドの寮だけである。

 

十代に至ってはサイバー流の門下生とのデュエルに対して愚痴っている。勝利を収めれば卑怯な事をした、リスペクトに反するなどの言いがかりをつけられ、相手は高攻撃力でねじ伏せようとし、それを上回ればそれすらも卑怯だと罵ってくる。要は『自分は良くて相手はダメ』だという自己中心的な意見を喚いている。

 

「楽しいデュエル」をモットーにしている十代にとって、サイバー流の門下生はもう楽しいデュエルができる相手ではなくなりつつあったのだ。

 

「僕もオシリスレッドだからって、強引にデュエルを挑まれたし」

 

「俺もなんだな・・・遊来と特訓していなかったらやられてたんだな」

 

翔と隼人はオシリスレッドの落ちこぼれと見做されて戦いを挑まれたが、翔は遊来から渡された『アーマロイドガイデンゴー』と『極戦機王ヴァルバロイド』更には扱いの難しい『スーパービークロイド-ステルス・ユニオン』を使いながら撃退し、隼人に至ってはコアラバーンを多少入れ、親友達と共に作り上げた獣族の統一デッキによって撃退している。

 

二人共、怒りのあまりとんでもなく凄い顔や悪い顔をしていたが、翔はまるで勇者シリーズや進化を促すロボットアニメの主人公並みに叫び、隼人もとある日本の剣術ばりに叫んでいた。

 

「けれど、ここで一度狩りの流れを断ち切らないとアカデミアがサイバー流の狩場になってしまうな」

 

遊来の言葉と同時に食堂にあるパソコンに連絡が入る。それは現校長である才災からであった。

 

「反抗的な生徒の皆さん。いえ、この場合はレジスタンスの皆さんとでも言うべきですか」

 

「・・・!才災、校長!」

 

「お互いに硬直状態、これは良くないと思いましてね。開放デュエルをしませんか?」

 

「開放デュエルだと?」

 

「ええ、レジスタンスの皆さんが勝てば、強引にサイバー流へ介入させた生徒を開放し生徒狩りをやめましょう。無論食事などの向上も約束します」

 

「逆に負けたら?」

 

才災は分かりやすく口元を釣り上げると、喜々として饒舌に話し始めた。まるで、遊来達が負ける事が当たり前であるかのようだ。

 

「そうですね。皆さん全員サイバー流の役に立ってもらいましょう!特に龍谷遊来くん、君の持っているカードを全て没収、更にオシリスレッドへ逃げ込んだ全員は退学とします」

 

それは向こう側が圧倒的好条件な内容だった。だが、逆にこの条件で負かす事が出来れば失脚までとはいかないが、かなりの権威を削ぎ落す事が出来るだろう。

 

「こちらも代表者を出しますので、そちらも決めておいてください。無論、誰でも構いませんがね?では」

 

一方的に通話を切られてしまったが、全員が表情に出さずとも怒りが燃え上がっている。

 

「・・・・っ!!」

 

「遊来?」

 

「大丈夫さ、十代」

 

ポンと十代の肩に軽く手を置くとすぐに外へ出てしまう。手には『ドラグニティ』のデッキが握られていた。

 

「あの野郎・・・・」

 

遊来は怒り心頭だった。オベリスクブルーを降格させられたから?違う。2ヶ月の停学を言い渡されたから?違う。

 

かつての同級生達から貰った『竜騎士』の称号を奪われたから?違う。己の身勝手なさじ加減で好き勝手しているのが許せないのだ。

 

『マスター・・・』

 

「ルイン・・・他の精霊たちは?」

 

『みんな疑心暗鬼になっています・・・マスターと十代さんは大丈夫ですが』

 

「そっか・・・」

 

ルインと話していると夜の空に『サイバー・エンド・ドラゴン』が浮遊しているのが見えた。恐らく、カイザーのカードに宿った精霊だろう。その咆哮をオベリスクブルーのある方角へ向けられていた。

 

『ここからでも感じる「サイバー・エンド・ドラゴン」が泣いています・・・・』

 

「『サイバー・エンド・ドラゴン』が?」

 

『「我が半身はあのような者達に利用される為にあるのではない・・・」と』

 

「サイバー・エンド・・・お前の思いも俺と『ドラグニティ』が背負ってやる」

 

 

 

 

頭の冷えた遊来は食堂に戻り、代表は自分がすると宣言した。無論、反論があったのは当然だが、意外にもその反論者はカイザーであった。

 

「龍谷、俺にも譲れないものがある!代表は俺にやらせてくれ・・・!」

 

「カイザー、俺もきっとカイザーと同じ考えですよ。だけど・・・譲る訳にいかないんです!それに」

 

「それに?」

 

「手の内を全て把握されていて、おまけにミラーマッチ・・・相手も自分も切り札は『サイバー・エンド』どうやって対処するんですか?俺の『サイバー・ダーク』をかしてくれは無しですよ」

 

「む・・・」

 

「防御カードを封じられているし、更には後攻を取られた瞬間に終わりますよ?」

 

「・・・・」

 

これに関しては亮は反論出来なかった。こちらは言いがかりによってモンスター破壊に関するカードを封じられており『サイバー・ドラゴン』デッキのミラーマッチともなればデッキは完全に相手に把握されているはずだ。

 

特にアカデミアのカイザー、それに加えて旧・サイバー流の継承者である亮ともなれば対策をされていてもおかしくはない。

 

「だから、俺が行きます・・・『サイバー・エンド・ドラゴン』の思いも受け継いで」

 

「『サイバー・エンド』の思い?」

 

「カイザー、貴方の持っている『サイバー・エンド・ドラゴン』には精霊が宿っています。最も見る事は叶わないでしょうが、それが泣いていたんです」

 

「精霊・・・それに泣いていたのか『サイバー・エンド』が」

 

「カイザーのカードにも精霊が宿っていたのかよ!」

 

「十代?ああ、そうだよ。信じるか信じないかはカイザー次第です。でも、それを理由に使いません」

 

「龍谷・・・」

 

「本当ならデュエルで決めたい所ですが・・・仲間割れしていると向こうに思われたら意味がない。ですから後腐れなくカード引きで決めましょう」

 

「?どういう事だ?」

 

「レベル1からレベル8のカードを裏向きでテーブルに置いて、そのレベルの数値が高い方を勝ちとし、代表になるんです。一発勝負のゲームですよ」

 

「良いだろう」

 

「明日香、シャッフルをしてテーブルにカードを並べてくれ」

 

「分かったわ」

 

カードの束を受け取った明日香は入念にシャッフルし、テーブルにカードを並べていく。並べ終わると同時に二人が向かい合ってカードを見ていた。

 

「俺はこれだ」

 

「じゃあ、俺はこれです」

 

お互いに手に触れたカードをそのまま自分の手元に引き寄せ、手札にする。お互いに視線を交わすとカードを置く。

 

「「せーの!」」

 

亮のカード『サイコ・ショッカー』★6

 

遊来のカード『ダイヤモンド・ドラゴン』★7

 

「俺の負けか・・・」

 

「これも勝負です・・・ここにいるみんなの思いと共に戦いますから」

 

「ああ・・・頼んだぞ」

 

 

 

 

そして試合当日、デュエル場にはサイバー流へ流れた生徒と対サイバー流のレジスタンスの生徒が会場の観客席に座っており、レジスタンスの主力メンバー7人は入口付近で立っている。

 

通路からカツンカツンと靴音を鳴らし、腕にはデュエルディスクを付け腰には特撮作品のベルトのような物が巻きつけられている。手には剣が握られているがベルトと連動している付属品だ。

 

「俺はこのデュエル・・・反逆者として戦う」

 

階段を登り、対戦相手と対峙する。相手は女性のようで顔立ちもよく美人の部類に入るだろう。

 

「おや?貴方が私の対戦相手?お子様のまんまのようね?そんな物を身につけて。あ、そうそう一応名乗っておくわ、私の名前は高先 才念(たかさきさいねん)よ。それよりも」

 

才念と名乗った女性は遊来に目も呉れず、亮を指差し声を荒らげた。

 

「カイザー亮!どうして貴方が反逆者側にいるのかしら!?今ならまだ間に合うわ、サイバー流に戻ってきなさい!」

 

「お前は変わってしまったな・・・才念。鮫島師範の下で腕を磨いていたお前は気高く、女性でありながらサイバー流の免許皆伝を成し遂げた一人であったというのに」

 

「そんな過去はどうでもいいわ!私は貴方に戻って来いと言っているのよ!」

 

「悪いがその誘いは断る。俺は「今』のサイバー流に賛同できない。俺は俺の中に生きるサイバー流を信じてデュエルする!」

 

「ならいいわ!レジスタンス達を全て倒して、貴方を再びサイバー流の帝王にするわ!」

 

「やれるものなら、な」

 

才念は遊来に向き直り、デュエルディスクを起動した。遊来は本の形をした玩具を取り出し、起動させた。音声は玩具にありがちな曇った音ではなくクリアでテレビ音声のように聞き取りやすくなっており、その音声が非常に渋く、蛇の名を持った傭兵に似ていると生徒の誰かが言っている。末恐ろしい音楽と共に遊来の雰囲気が変わる。

 

『ジャオウドラゴン』

 

「俺の竜達は全て暗黒へ堕ちたとお前達、サイバー流に言われた・・・ならば俺はサイバー流という名の光を押し殺す闇の道を進み、反逆者となって戦う事にしよう」

 

『邪道を極めた暗闇を纏い、数多の竜が秘めた力を解放する』

 

『ジャオウリード』

 

遊来は手にした剣の玩具に本の玩具を近づけ、その後、腰に巻いたベルトに本を装填し剣の柄を使って本の上部分を押し込み、本を開いた。

 

闇黒剣月闇(あんこくけんくらやみ)

 

「変身・・・」

 

『Jump out the book, open it and burst.』

 

『The fear of the darkness』

 

『You make right a just, no matter dark joke. Fury in the dark.』

 

これは才災勝作が来る以前、シンクロ召喚のデータをある程度まで収めた褒美として、オーナーである海馬コーポレーションの社長から、遊来自身が頼み込みデュエルディスクに演出用の装置を組み込んでもらえたのだ。ソリッドヴィジョンによる特撮作品の変身シーンの演出。変身後の姿もソリッドヴィジョンによって再現されているだけでデュエルになんの影響もない。

 

『ジャオウドラゴン』

 

『誰も逃れられない・・・』

 

ドラグニティナイトであるアスカロン、アラドヴァル、ガジャルグ、バルーチャ、ヴァジュランダの五体が紫と金をあしらった遊来の鎧となった。だが、あくまでも演出でありデュエルに関しては何の影響もなく、威圧してるのではないかと疑問に思うが特撮作品の演出と似ているためそのような事はない。

 

「ふん、そんな姿に成らなければ戦えないほどの臆病者じゃない」

 

「何とでも言え・・・俺は徹底的に叩き潰す」

 

「「デュエル!!」」 

 

高先才念 LP:4000

 

龍谷遊来(仮面ラ○ダーカ○バー) LP:4000

 

 

遊来の姿を見てもっと早く反応したのが十代だった。特撮作品好きとして普段はカッコイイと思えるのだが、今回は違っていた。

 

「仮面ラ○ダーカ○バーの姿・・・本気だ。遊来は本気でサイバー流に反逆する気だ」

 

「どういう事なの?十代」

 

「あの仮面ラ○ダーは『真実に近づくために自分の組織を裏切った』という設定を持つラ○ダーなんだ」

 

「つまり、あの姿は反逆の覚悟の証って事なの!?」

 

「そういう事ッス」

 

「通りで禍々しい姿をしているのですね。最も姿を変えてるのは演出みたいですが」

 

「自分が反逆のシンボルになって、遊来は戦おうとしているんだな」

 

 

 

 

「先攻は譲ってあげるわ」

 

「ふん・・・ドロー!(サイバードラゴンデッキは後攻が圧倒的に有利だろうに)」

 

[ドローカード]

 

※ガード・ブロック

 

[現在の手札・6枚]

 

※ドラグニティ-セナート

※ドラグニティーファランクス

※ドラグニティ-レガトゥス

※ドラグニティ-ドゥクス

※ドラグニティの神槍

※ガード・ブロック

 

闇に堕ちたと言われたショックで『ドラグニティ』達が意気消沈しているのが分かる。だからなんだ?闇だろうと光だろうと『ドラグニティ』という部族の誇りは失っていないだろうと心の中で叱咤激励する。

 

「俺はカードを2枚伏せて、モンスターを1体セットしターンエンドだ」

 

「反逆の騎士が逃げ腰?まぁ、良いけど、私のターン、ドロー!このターンで終わりにしてあげる!!」

 

才念は見下すような言動と笑みで仮面の戦士となっている遊来を見据える。サイバー流が自信満々な表情をしているという事はそういう事なのだ。

 

「私は『パワー・ボンド』を発動!このカードの効果により三体の『サイバー・ドラゴン』を融合!!現れなさい!我がサイバー流の象徴!『サイバー・エンド・ドラゴン』!!」

 

「・・・・」

 

「アハハハ!声も出ないみたいね!でも、安心なさい。この一撃で貴方の負けなのだから。『パワー・ボンド』の効果によって攻撃力が倍になるわ!」

 

『サイバー・エンド・ドラゴン』攻撃力4000→攻撃力8000

 

「行きなさい!『サイバー・エンド・ドラゴン』の攻撃!!エターナル・エヴォリューション・バースト!」

 

「リバースカード、オープン!『ガード・ブロック』このカードによって戦闘ダメージはゼロになるが、モンスターは破壊される」

 

瞬間、サイバー流側の観客席から野次が飛んできた。「卑怯者」「攻撃を無効化するな!」などなどだ。

 

「卑怯かつ忌々しい事するをするじゃないの!私は『サイバー・ジラフ』を召喚、生贄にして『パワー・ボンド』のリスクを回避するわ」

 

「(アニメ効果の方かな・・・?)『ガード・ブロック』の効果によりカードを一枚ドロー」

 

[ドローカード]

 

※調和の宝札

 

「くっ、私がワンターンキルが出来なかったなんて!ターンエンドよ」

 

「俺のターン、ドロー」

 

[ドローカード]

 

※ドラグニティ-レムス

 

[現在の手札・6枚]

 

※ドラグニティ-レムス

※ドラグニティーファランクス

※ドラグニティ-レガトゥス

※ドラグニティ-ドゥクス

※調和の宝札

 

「手札から魔法カード『調和の宝札』を発動!手札の『ドラグニティーファランクス』を捨ててカードを二枚ドローする」

 

「自らカードを墓地に送るなんて、貴方はリスペクト精神がないの!?」

 

「少なくてもアンタ以上にカードはリスペクトしてるよ・・・」

 

[ドローカード]

※ドラグニティーレムス

※ドラグニティークーゼ

 

 

[現在の手札・5枚]

※ドラグニティ-レムス

※ドラグニティ-レムス

※ドラグニティークーゼ

※ドラグニティ-レガトゥス

※ドラグニティ-ドゥクス

 

『ドラグニティ』の名称を聞いて才念は内心、舌打ちしていた。もしも、展開に必要なパーツが揃っていたらアッという間に負けるからだ。だが、自分の場には攻撃力8000の『サイバー・エンド・ドラゴン』がいる為、負ける訳はないだろうと確信している。

 

「手札の『ドラグニティ-レムス』を墓地に送り、デッキから『竜の渓谷』を手札に加える」

 

「また、モンスターを手札から墓地に!」

 

「うっせえわ、そのままフィールド魔法『竜の渓谷』発動!」

 

黄昏に染まり、竜たちが飛び交う渓谷が現れるが竜が禍々しそうに見えるのは気のせいなのだろうか?

 

「更に『ドラグニティ-レガトゥス』を特殊召喚!」

 

「特殊召喚ですって!?」

 

「ああ、自分のフィールドに『ドラグニティ』のモンスターが居るか『竜の渓谷』があればコイツは特殊召喚出来る!そして墓地にあるレムスを特殊召喚!」

 

「なんですって!?」

 

「自分のフィールドに『ドラグニティ』のモンスターが居れば、レムスは墓地から特殊召喚が可能だ。ただし、この効果で召喚したレムスはフィールドから離れたらゲームから除外されるがな。それと同時に俺はドラゴン族モンスターしか融合デッキから召喚できない」

 

「だからこそ、呼び出す!レベル4の『ドラグニティ-レガトゥス』にレベル2の『ドラグニティ-レムス』をチューニング!二つの種族の決意が、暗黒より竜騎士を生み出す。今こそ駆け抜けろ!シンクロ召喚!飛び上がれ『ドラグニティナイト-ガジャルグ』!」

 

「シ・・・シンクロ召喚!」

 

「ガジャルグの効果発動。デッキからレベル4以下のドラゴン族か鳥獣族モンスターを一体手札に加え。その後、手札からドラゴン族または鳥獣族のモンスターを一体手札から捨てる。デッキから『ドラグニティ-レガトゥス』を手札に加え『ドラグニティ-クーゼ』を墓地に捨て、更に『ドラグニティ-ドゥクス』を通常召喚、その効果によって墓地にいるレベル3以下の『ドラグニティ』モンスターを装備させる!俺はクーゼを装備させる!クーゼの効果発動!装備カード扱いであるこのカードをフィールドに特殊召喚!!更にリバースカード『ドラグニティの神槍』をドゥクスに装備させる!」

 

「な・・・ぁ」

 

「『ドラグニティの神槍』は装備したモンスターのレベルの数×100ポイントアップ!ドゥクスのレベルは4、よって400ポイント攻撃力がアップ。更にドゥクスは自分の場にある『ドラグニティ』カードの数×200ポイントアップする!俺の場には現在4枚の『ドラグニティ』がある!よって更に800ポイントアップ!」

 

『ドラグニティ-ドゥクス』攻撃力1500→1900→2700

 

「ふ、ふん!それでも攻撃力8000の『サイバー・エンド・ドラゴン』には遠く及ばないわ!」

 

「お前には本当の『ワンターンキル』を教えてやる・・・」

 

ソリッドヴィジョンの鎧の奥で遊来は、圧倒的に冷たい目そしていた。それを見なかったのは幸いだろう。

 

「『ドラグニティの神槍』の第二の効果を発動!このカードの効果により、デッキから『ドラグニティ』チューナー『ドラグニティ-クーゼ』をドゥクスに装備させる!よって攻撃力はさらに上昇!」

 

『ドラグニティ-ドゥクス』攻撃力1500→1900→2700→2900

 

「更に『ドラグニティ-クーゼ』は『ドラグニティ』モンスターのシンクロ召喚にしかシンクロ召喚の素材にする事は出来ない!また、このカードをシンクロ召喚の素材にする場合レベル4として扱う事が可能だ!」

 

「なんですって!?」

 

「レベル6の『ドラグニティナイト-ガジャルグ』にレベル4となった『ドラグニティ-クーゼ』をチューニング!天の龍と鳥獣の王が光を背けた時、天空を駆ける竜騎士の邪王が現る・・!今こそ駆け抜けろ!シンクロ召喚!邪の道を行け・・!『ドラグニティナイト-アスカロン』!更に『ドラグニティ-ドゥクス』の攻撃力が変動」

 

『ドラグニティ-ドゥクス』攻撃力1500→1900→2700

 

「確かに強いのだろうけど、そんな雑魚は私の『サイバー・エンド・ドラゴン』には及ばない!」

 

「なら、その『サイバー・エンド・ドラゴン』を封印してやる!アスカロンの効果!墓地に居る『ドラグニティ』モンスターを一体除外し、相手モンスター1体を対象にして効果を発動!そのカードを除外する!」

 

「バカね、墓地に居ても正規召喚された『サイバー・エンド・ドラゴン』は!」

 

「いや、墓地には行かず・・・ゲームから除外だ!よって蘇生は不可能!!」

 

「なっ!?なななな!」

 

「『サイバー・エンド・ドラゴン』・・・お前の無念と嘆き、俺が形にしてお前を悪用する輩にぶつけてやる!だから今は次元の狭間で眠れ!」

 

『サイバー・エンド・ドラゴン』という名の盾が無くなり、才念は恐怖に震えていた。本来ならば黄金に輝いているアスカロンもどこか黒く見えている。

 

「さぁ・・・覚悟はいいな」

 

「ゆ、許し・・・・」

 

「許してくれと言ってきた相手に対し、お前は何と言った?許す訳がないと言っていたはずだよなぁ?」

 

「あ・・・あ・・・・・あああ」

 

「バトルフェイズ!!アスカロン!ドゥクスの二体で攻撃!!ドラゴニック・フォーメーションアタック!!」

 

「きゃあああああああああああああ!!!」

 

高先才念 LP:0

 

合計6000のワンターンオーバーキルを受けた才念はその場で座り込んでしまった。決着が着いた瞬間、遊来の鎧も消えていき、更に巨大モニターが映し出され、才災の姿が写っている。その姿を見た才念は怯えて震えている。

 

「龍谷遊来くん、君は長時間の使用、大きな展開、相手の場をガラ空きにしてからのオーバーキル、更には自分から墓地へカードを捨てる暴挙、返しのワンターンキル。相変わらず君のデュエルはリスペクト精神に反しています」

 

「・・・・」

 

「よって君の『ドラグニティ』デッキは一切の使用を禁止します、良いですね」

 

「・・・・」

 

「話を聞いているのですか?」

 

「リスペクトリスペクトって・・・・うっせえわ!」

 

「なんです?その口の利き方は!?」

 

「だから、うっせえよ!こちらの要求は全て無しにして、お前の要求を通すって訳か?」

 

「む・・・・」

 

「それは交渉じゃねえだろうが・・・!ただの命令だ」

 

サイバー流の生徒達は「卑怯者!」「相手のモンスターを除外だなんて論外だ!」などと遊来に野次を飛ばし続けている。

 

「良いでしょう、生徒狩りと食事の件は了承します。ですが『ドラグニティ』デッキは封印してもらいます。良いですね?それと才念さん」

 

「・・・・」

 

「ひっ・・・・」

 

「貴女には心底失望しました。この学園から出て行きなさい」

 

「で、ですが!私は!!」

 

「出て行きなさい、次はありません」

 

「は・・・・い」

 

才念はフラフラになりながら、デュエル場を降りると亮へと近づいていった。その目には羨望が映っており、話しかける。

 

「私も・・・旧・サイバー流を留めておいたらなにか違っていたのかな・・・」

 

「・・・・・分からん。だが・・・これだけは言える『カードを捨てる事はない』才念」

 

「!ありがとう・・・・」

 

その日の雨が降る夜、才念は退学勧告を通知され島を追い出された。その知らせを聞いた遊来は歯を食いしばる程に悔しがっていた。交渉する前に交渉する相手を処分されたのだ。

 

もしかしたら、レジスタンス側へ迎え入れる事が出来たかもしれないという可能性を摘み取られたのだ。

 

「才災・・・・勝作―――――ッ!!!俺は、俺は必ずお前を校長の座から引き摺り下ろしてやる!!必ず、社会復帰も出来ない程の地獄に叩き落としてやるからなぁあああああ!!」

 

遊来の叫びは雨空の中へと消えて行き、その雨が目元を濡らし遊来がまるで泣いているかのように見えていた。

 

そして、彼らがデュエルアカデミア三年生時、才災勝作という男を追い出し、学園に蔓延っていたサイバー流の過激派から自由な学園生活とデッキ構築を取り戻したという生徒達が後輩達の間で伝説として語り継がれていく事になるが、それはまた別の話である。




これにて私の話は終わりです。

この話での遊来に対するアンチリスペクトからの非難は。

1ターンの時間が長い→展開しすぎ→フィールドをガラ空きにするな→自分から墓地にカードを置くな→お前が返しでワンターンキルをするな→こちらの言う事を全て聞けという感じになります。

ワンターンキルだけは皆様も非難しても納得出来るでしょうが、相手がサイバー流の過激派であるアンチリスペクトですから難しいと思います。

快くコラボさせて下さった交響魔人様へ最大の感謝を。

それと同時に『猫シンクロ使いが行く遊戯王GX!』の方もよろしくお願いします!

「不知火」と「魔妖」は登場させるべきか?

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