十代がラ○ダーに変身。
万丈目グループによるアカデミア乗っ取りを万丈目サンダーが阻止した(その際におジャマシリーズが揃ったらしい、しかも精霊付きで)数日後の今、その日は十代が珍しく荒れていた。何故なら新しく現れたセブンスターズの一人、カミューラによってクロノス教頭と丸藤亮がデュエルに敗北し人形にされ、人質となってしまったからだ。
「なんでだよ、なんでこんな事になるんだよ!」
「十代・・・」
荒れた十代をこのままにはしておけないと遊来は鮫島校長に特別に許可をもらい、十代を自分の自室でしばらくの間、寝泊まりさせる事にしたのだ。翔に関しては隼人に任せている。
「十代・・・」
「デュエルって楽しいもののはずだろ!?なんで翔や明日香が泣かなきゃならないんだ!?」
『それが闇のデュエルの恐ろしい部分なのです・・・』
「!そうなのか・・・けれど、なんでカイザーがあんな目に遭わなきゃいけないんだよ!!」
『デュエルとは決闘と読むでしょう?文字通り、闇のデュエルは本物の「決闘」なのです・・・』
「っ・・・」
「今まで通りの遊びじゃなく・・・本物の決闘、俺達にとっては精神的に来る出来事だな(けど、なんだ?闇のデュエルが時折、懐かしく感じるのは?)」
「俺はこんなデュエルをさせた奴らを許さない!!」
『!』
「(ルイン、どうしたんだ?)」
『敵の使い魔が監視しているようです、恐らくはデッキを把握しようとしているのでしょう』
「(何とかできるか?)」
『お任せ下さい』
ルインは元々『破滅の天使』から『破滅の女神』となり『破滅の美神』となったモンスターである。上級クラスの力を持っており、現実に干渉できるエネルギーは充分蓄えられており、その力によって敵の使い魔となっているコウモリを文字通り僅かな光で『破滅』させた。
デッキを作成している中、ルインから使い魔を『破滅』させ、不可視の光の防壁を作ったと言われデッキを見られることはないと言われた。
「必ず・・俺はアイツを・・・カミューラを倒す!」
「・・・十代」
「ん?」
「コレを貸してやる・・・今回のデュエルに持っていけ」
「!!『レッド・デーモンズ・ドラゴン』!?遊来の主力のシンクロモンスターじゃねえか!」
そう、遊来が十代に渡してきたのは正式に目覚めた『レッドデーモン』シリーズの中で赤き竜の下僕であり、その力を象徴する存在である『レッド・デーモンズ・ドラゴン』だった。
5D′sの世界において赤き竜の下僕は6体おり、その中で『心』が『スターダスト・ドラゴン』、『力』が『レッド・デーモンズ・ドラゴン』、『意志』が『ブラック・ローズ・ドラゴン』、『慈愛』が『エンシェント・フェアリー・ドラゴン』、『進化・向上』が『パワー・ツール・ドラゴン/ライフ・ストリーム・ドラゴン』そして『決意』が『ブラックフェザー・ドラゴン』それぞれを象徴している。
「こんなの俺が扱える訳がないだろ!」
「いいから持って行けって、きっと力になってくれるはずだ。ただし、貸すだけだからな」
「わ、わかったよ」
遊来から強引に押し切られ、十代はチューナーモンスターと一緒に『レッド・デーモンズ・ドラゴン』を貸し出され、自分のEXデッキに組み込んだ。無論、HEROの爆発力を損なわないようデッキの調整も行って。
◇
その夜、約束の刻限に突如アカデミア内部にある湖に現れた城へと向かう。内部に入ると既に準備が整っているようで、デュエル場になっているとも言えるお互いに向き合える場所で十代とカミューラが向き合う。
「来たぜ、カミューラ!!」
「ボウヤ、よく来たわね。その勇気を湛えて可愛い人形にしてあげるわ!」
「御託はいい!!お前は俺が倒す!来い!キ○ット!!」
『よっしゃあ!キバッて行くぜ!ガブッ!』
十代はコウモリの姿をした何かを手で掴むと、その口を開かせ自分の手に噛み付かせる。それと同時に十代の全身にステンドグラスのような模様が頬にまで浮かび上がった。
「な、なんだそれは!?」
「変身!!」
コウモリを自分の前に突き出し鎖が巻き付くようなエフェクトから出現したベルトに、コウモリを装着すると同時に十代の姿が変化していき姿が変わった。
[推奨挿入歌[Break the Chain]仮面ライダーキバより]
「へ、変身だと!?」
「(おおっ・・・!遊来が言ってた通りだ)コウモリにはコウモリってな!」
カミューラの驚きもさる事ながら、ギャラリーにいる明日香以外のメンバー達も驚きを隠せない。
「か、仮面ラ○ダー○バだ!!アニキが○バに変身した!!」
「ば、馬鹿な!あれはただの作品上の演出の話だろう!?」
「いえ、あれは本当に変身しているのよ」
「どういう事なんだな?明日香さん」
「それは俺も見せた方が早いだろう。コウモリもどき!」
『ありがたく思え、絶滅タイムだ!ガブリッ!!』
十代と同じエフェクトだが、コウモリの色が違っており赤と黒のコウモリを遊来は軽く前に突き出す。
「変身・・・」
遊来自身も変身を完了させ、皆の見ている間で変身を完了させた。赤と黒の色合いによる王としての威厳を持つラ○ダーになった。
「ゆ、遊来くんが・・・か、仮面ラ○ダーダーク○バになっちゃったッス!?」
「ど、どういう事だ!?」
「これは海馬コーポレーションが開発したソリッドヴィジョンによる変身機能さ。ただのエンターテインメント要素に過ぎないけどな。子供達がよりデュエルを楽しんで貰うために開発した物なんだ」
「な、なるほど」
「確かにヒーローがデュエルするとなれば、盛り上がることは間違い無いな」
「今、十代が変身出来ているのは俺のデュエルディスクと連動しているからなんだ。俺がホームとなって変身機能を使えるようにしてあるって訳」
「そうだったのかぁ・・・びっくりしたんだな」
「(その変身機能、私も少し手を加えさせてもらおうかにゃ・・・)」
変身のタネが分かった所で、カミューラは怒りに満ちた表情で○バとダーク○バを交互に睨みつけていた。
「貴様等・・・私を侮辱しているのかぁ!!」
この怒りは無理もない。このラ○ダーのモチーフはヴァンパイアであり、特にダーク○バは王の鎧という設定を持つために拍車が掛かっている。十代の変身した○バも王の鎧ではあるのだが、鎖で封印されており一族を虚仮にされているように感じるのだろう。
「さぁ、行くぜ」
「みんな纏めて人形にしてやるわ!!」
「「デュエル!!」」
遊城十代(仮面ラ○ダー○バ):LP4000
カミューラ:LP4000
「俺の先攻、ドロー!闇をデュエルを操り、仲間の命を弄ぶ!俺はお前を許さない!!」
「どう許さないのかしら?楽しみね」
「行くぜ!俺は『E・HEROバブルマン』を召喚!!バブルマンが召喚された時、自分の場に他のカードがない時、デッキからカードを2枚ドロー出来る!!更に魔法カード、融合を発動!場のバブルマン、手札のフェザーマン、スパークマンを融合して『E・HEROテンペスター』を召喚!!」
「ドローした上での融合か」
「手札融合すれば一気に四枚もの手札が失われる。それを回避したか」
「後は引いたカードの中にドロー加速があるかどうか・・・だな」
「一枚カードを伏せ、ターンエンド」
「ふうん、イイわ。元気があるのね。私のターン、カードドロー!」
表情からして変化がない所を見れば、あのカードを引けなかったのだろう。だが、十代の場には攻撃力2800のテンペスターが居るのだ。どうやってそれを捌くのか。
「私は永続魔法『ヴァンパイアの領域』を発動!!このカードは二つの効果があるわ、その一つ目は1ターンに1度、ライフポイントを500払って発動できる。このターン自分は通常召喚に加えて1度だけ、自分メインフェイズに「ヴァンパイア」モンスター1体を召喚できる。二つ目はこのカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、自分の「ヴァンパイア」モンスターが相手に戦闘ダメージを与えた場合に発動し、その数値分だけ自分のLPを回復する事ができるわ」
「なんだって!?」
「(おいおい、あのカードが出てきたって事はカテゴリー化してる方の『ヴァンパイア』デッキか!?)」
遊来が変身している姿の下で驚きの顔をする。彼の元居た世界では『ヴァンパイア』はカテゴリー化しており、それなりに強力なデッキであった。だが、上級モンスターが大半を占めるデッキとなっており、ロックやパーミッションなどが多くなっていた時期でもあった為、『ヴァンパイア』というカテゴリーが好きというデュエリストくらいしか使っていなかった。
「更にフィールド魔法『ヴァンパイア帝国』を発動!!このカードはフィールド上のアンデット族モンスターの攻撃力をダメージ計算時のみ500ポイントアップさせる。また、1ターンに1度、相手のデッキからカードが墓地へ送られた時、自分の手札・デッキから「ヴァンパイア」と名のついた闇属性モンスター1体を墓地へ送りフィールド上のカード1枚を選択して破壊する。私の故郷であり、かつて栄えた我らが種族の帝国の姿を見ると良いわ!!」
夜のヨーロッパの家々と城がフィールドに現れている。城の姿はカミューラが出現させた自分の城と非常に酷似していた。恐らく彼女はヴァンパイア一族の中でも貴族に位置する者だったのだろう。
「更に私は『墓穴の道連れ』を発動!このカードはお互いのプレイヤーが、それぞれ相手の手札を確認し、その中からカードを1枚選んで捨てる。その後、お互いのプレイヤーは、それぞれデッキから1枚ドローする」
「何!?」
「さぁ、ボウヤ。手札を見せなさい」
「くっ!」
十代の手札は4枚、『マスク・チェンジ』『E・HEROブレイズマン』『E・HEROリキッドマン』『E・HEROエアーマン』の4枚だ。
「そうね・・・『マスク・チェンジ』を捨ててもらうわ。それじゃ・・・これが私の手札よ」
「なっ!」
カミューラの手札は3枚。『ヴァンパイアの使い魔』『ヴァンパイアの眷属』『ヴァンパイア・ロード』の3枚であり、十代は苦しい決断を迫られる。使い魔と眷属は墓地で真価を発揮するカードであり、『ヴァンパイア・ロード』は復活しては来ないが次のドローで蘇生系のカードを引かれる可能性がある。
「俺が選ぶのは『ヴァンパイア・ロード』だ・・・」
「そう。さ、お互いに選んだカードを墓地へ送り、カードを1枚ドローしましょう」
お互いにピーピングしたが十代の方が圧倒的情報面で不利になってしまった。カードをドローし合い、互いデッキからのカードを確認するとカミューラが動き出した。
「私はドローした魔法カード『手札断殺』を発動!!お互いのプレイヤーは手札を2枚墓地へ送る。その後、それぞれデッキから2枚ドローする」
「うっ!?」
「ふふ、さぁ・・・二枚の手札交換の時間よ」
十代とカミューラは、お互いに2枚のカードを墓地に送り、更に2枚ドローする。今、デュエルの流れがあるのはカミューラだと十代は確信してしまう。同時にピーピング出来たカードが墓地に送られた事をも確信する。
「私は墓地に送った『ヴァンパイアの使い魔』の効果を発動!このカードが墓地に存在する場合、手札及び自分フィールドの表側表示のカードの中から、「ヴァンパイア」カード1枚を墓地へ送って発動できる。このカードを特殊召喚する事ができる。新たな2枚のドローで引いた、手札にあるもう1枚の『ヴァンパイアの眷属』を墓地へ送り、『ヴァンパイアの使い魔』を特殊召喚!更に特殊召喚に成功した時、500のライフを支払って効果発動!デッキから「ヴァンパイアの使い魔」以外の「ヴァンパイア」モンスター1体を手札に加える。私は『ヴァンパイアジェネシス』を手札に加えるわ」
カミューラ:LP3500
「な、なんだこの展開力は!?」
「アンデッド族の種族だけじゃない、強力なヴァンパイア関連のカードであのデッキは構築されているんだ!」
万丈目と三沢はデュエリストとしての視点から驚きを隠せずにいた。クロノスとのデュエルでカミューラはこのような展開力を見せて来なかったためだ。
「更に魔法カード『生者の書-禁断の呪術-』を発動!自分の墓地のアンデット族モンスター1体と相手の墓地のモンスター1体を対象として発動できる。その自分のアンデット族モンスターを特殊召喚し相手のモンスターを除外する。私は『ヴァンパイア・ロード』を選択し、ボウヤの墓地にある『バブルマン』を選択する!『バブルマン』を糧とし、目覚めなさい!『ヴァンパイア・ロード』!更に『ヴァンパイア・ロード』を除外して『ヴァンパイアジェネシス』を特殊召喚!」
『ヴァンパイアジェネシス』星8/闇属性/アンデット族/攻撃力3000/守備力2100
「バトルよ。行きなさい!『ヴァンパイアジェネシス』!テンペスターへ攻撃!!『ヘルビシャス・ブラッド』忘れていないわよね?『ヴァンパイア帝国』の効果でフィールド上のアンデット族モンスターの攻撃力をダメージ計算時のみ500ポイントアップよ!使い魔も続きなさい!ダイレクトアタック!」
『ヴァンパイアジェネシス』/攻撃力3000→3500
『ヴァンパイアの使い魔』攻撃力500→攻撃力1000
「うああああ!」
遊城十代:LP2300
「更に『ヴァンパイアの領域』の効果により「ヴァンパイア」モンスターが相手に戦闘ダメージを与えた場合、その数値分だけ自分のLPを回復する事ができるわ。私はライフを1700回復する」
カミューラ:LP5200
「ああっ!『ヴァンパイアの使い魔』の時に支払ったライフコストが!!」
「完全回復させた上に多めにライフを回復して、デメリットを打ち消してしまったんだな!」
「ターンエンドよ」
この展開力とデュエルの強さに遊来がダーク○バの姿のまま声を無意識にカミューラへかけてしまった。それは本当に無意識だった。
「アンタ・・・なんでそんなに強いのに『幻魔の扉』なんか使ったんだ?それに相手のデッキを把握しなくても充分、渡り合えてるじゃないかよ」
「!うるさいわね・・・!戦いは始まる前から既に始まっているのよ!!」
「それもわかるけどよ・・・勿体無いな」
「なんですって!?」
「長年眠りすぎてか、それとも人間の醜い部分を見すぎて頭が固くなったか?人間ってのは知らない事、1度恐れた事を潰す為に相手を滅ぼすんだ。だが、アンタ達ヴァンパイアも誇り高き種族だとか言ってたが、人間を見下してたんじゃないのか!?」
「な、何!?」
「価値観の違いだろうけどよ。ヴァンパイアに出来て人間に出来ない事で卑下してたんじゃないのか?人間同士でも同じことは多々あるしな!」
「黙れええ!!」
「黙らねえよ!理想論かもしれないが、種族を超えて愛し合う事だってある!それをヴァンパイアの誇りだ、なんだとか言って新しい事を潰してきたんだろうが!!俺達、人間もヴァンパイアも似た者同士だ」
「う・・・・」
「アンタ、復讐が目的なんだろう?復讐は何も生み出さないなんて綺麗事を言うつもりはない!けれど、その憎しみの全てを吐き出しちまえよ!このデュエルでな!」
「っ!!」
遊来の言葉に一瞬だけカミューラがたじろぐ。ダーク○バの姿で遊来の表情は隠されている。だが、このデュエルで全てを吐き出してしまえという言葉に対して反論出来なかった。
「デュエル続行よ!」
「ああ、俺のターンドロー!俺は手札から魔法カード『強欲な壷』を発動!このカードの効果により俺はカードを2枚ドロー!更に『E-エマージェンシーコール』を発動!!このカードの効果により、『E・HEROブレイズマン』を手札に加え、そのまま召喚!ブレイズマンの効果でデッキから『融合』を手札に加える!!更に『融合』を発動!手札のもう1枚のフェザーマンとリキッドマンを融合!来い、疾風のHERO!『E・HERO GreatTORNADO』!!更にこのターン、素材に使った『E・HEROリキッドマン』の効果により、カードを二枚ドローして一枚を捨てる!そして『E・HERO GreatTORNADO』の効果発動!!このカードが融合召喚に成功した時、相手フィールド上に存在する全てのモンスターの攻撃力・守備力は半分になる!ダウンバースト!」
『ヴァンパイアジェネシス』攻撃力3000→攻撃力1500
『ヴァンパイアの使い魔』攻撃力500→攻撃力250
「なぁんですって!?」
「そうか!攻撃力が半分ということは!!」
「『ヴァンパイア帝国』の効果で500ポイントアップさせても2000止まり」
「いけえ!『GreatTORNADO』!!『ヴァンパイアジェネシス』に攻撃!スーパーセル!ブレイズマン、ブレイズナックル!!」
継続して回転する上昇気流を伴った雷雲群が『ヴァンパイアジェネシス』に襲い掛かり、破壊した。その余波がカミューラへ襲いかかり、ブレイズマンの拳が使い魔を焼き尽くす。
「あああああ!く・・・特殊召喚された『使い魔』はフィールドから離れた場合に除外される」
カミューラ:LP3950
「俺はカードを1枚伏せて、ターンエンド」
『十代の手札3枚』伏せ2
「おのれ・・・私のターン!ちっ・・・『ヴァンパイア・ソーサラー』を召喚!バトルよ!ブレイズマンへ攻撃!」
(ヴァンパイア・ソーサラー攻撃力1500→2000
「うああああ!」
遊城十代:LP1500
「ライフを800回復してターンエンドよ」
カミューラ:LP4850
「俺のターン、ドロー!(このターンで決着を・・・っ!?これは)」
「(引いたか?十代)」
「俺は手札から『ハイパー・シンクロン』を召喚するぜ!」
『ハイパー・シンクロン』チューナー/効果/星4/光属性/機械族/攻撃力1600/守備力800
「チューナーモンスターだと!?」
「兄貴がチューナーモンスターを召喚したッス!?」
「バトルだ!!『GreatTORNADO』で『ヴァンパイア・ソーサラー』を攻撃!!更に『ハイパー・シンクロン』でダイレクトアタック!!」
「きゃああああ!?」
カミューラ:LP2650
「更に罠カード『リビングデッドの呼び声』を発動!このカードの効果で墓地の『E・HEROスパークマン』を攻撃表示で召喚!更に追撃だ!!スパークフラッシュ!!」
「ああああっ!」
カミューラ:LP1050
「ダメにゃ、僅かにライフポイントが残ってしまったのにゃ!」
大徳寺先生の言葉に周りのギャラリーも焦るような声を出すが、実際に後一撃足りない状況だ。
「だが、攻撃できるモンスターはもう居ない!」
「此処までなの!?」
そんな周りの心配をよそに遊来だけは黙って見守っている。気になるのは十代が2枚目に伏せたカードだった。
「どうやら、攻撃は打ち止めのようね!?次のターンで終わりよ!」
「いや、このターンで俺が勝つ!!」
「何を言ってる!!お前のモンスターの攻撃は既に!」
「まだ、俺にはカードが残っているぜ!!伏せカードオープン!!『緊急同調』!!」
それは遊来が十代に貸したカードの内の一枚であった。それがこの『緊急同調』である。
「『緊急同調』ですって!?」
「このカードは自分または相手のバトルフェイズに発動する事ができる。シンクロモンスター1体をこのバトルフェイズ中にシンクロ召喚する事ができるんだ!!」
「何!?」
「十代・・・!受け取れ!俺の炎を!!」
「おう!!レベル4の『E・HERO スパークマン』にレベル4の『ハイパー・シンクロン』をチューニング!!」
スパークマンが高く飛び上がると同時に『ハイパー・シンクロン』が自らを四つの緑色の光の輪となり、その中をスパークマンが潜り抜け、スパークマン自身も四つの星となって光り輝く。
「王者の鼓動!」
「「今ここに烈を成す!天地鳴動の力を見るがいい!!」」
「「シンクロ召喚!」」
「魂の炎!!『レッド・デーモンズ・ドラゴン』!!」
2人の召喚口上が重なり合い、場に現れたドラゴン。『琰魔竜レッド・デーモン』とは違った威圧感を持ち、自分について来いと言わんばかりの王の風格を見せる『レッド・デーモンズ・ドラゴン』。カミューラを睨みつけているが、彼女ではなく彼女の手にあるデッキを睨んでいるのだ。
「じゅ・・・十代が!」
「シンクロ召喚した!?」
「『レッド・デーモンズ・ドラゴン』?『琰魔竜レッド・デーモン』と似てるけど・・・何が違うのかしら?カード効果はもちろんとしてフォルムも『琰魔竜レッド・デーモン』よりも明るさが強いみたい・・・」
「なんだか『レッド・デーモンズ・ドラゴン』は高みを目指す王様のようなの印象を俺は持ったんだな・・・常に挑戦し続ける、そんな印象だ」
「凄すぎて言葉が出ないッス・・・!」
遊来以外のギャラリーは驚きを隠せずにいたが、遊来はダーク○バの複眼から十代と『レッド・デーモンズ・ドラゴン』を見続けている。
「『緊急同調』でバトルフェイズに呼び出された『レッド・デーモンズ・ドラゴン』は追撃が可能。更に『ハイパー・シンクロン』がドラゴン族モンスターのシンクロ召喚に使用され墓地へ送られた場合、『ハイパー・シンクロン』をシンクロ素材としたシンクロモンスターは攻撃力が800ポイントアップし、エンドフェイズ時にゲームから除外される。だが、このバトルフェイズで決着だから関係ないな」
遊来の解説に周りがハッとする。カミューラは信じられないといった表情をしながら『レッド・デーモンズ・ドラゴン』から放たれる王者の風格に震えていた。
「こ、こんな・・・こんなドラゴンが実在するなんて・・・!」
「行くぜ!カミューラ!この攻撃でお前の憎しみを砕く!!ダークネスムーンブレイク!『灼熱のクリムゾン・ヘルフレア』!!」
『レッド・デーモンズ・ドラゴン』攻撃力3000→3800
「ぎゃあああああああああ!!!」
カミューラ:LP0
『レッド・デーモンズ・ドラゴン』の炎の息吹と同時に勝利エフェクトによって、仮面ラ○ダー○バの封印された鎖が解かれ、ラ○ダーキックをカミューラへ打ち込んだ。エフェクトが十代に戻ると同時にデュエルの勝敗が付き、膝をついたカミューラの前にデッキから一枚のカードが落ちてくる。それは『幻魔の扉』であった。禍々しい扉が現れ、カミューラに敗者に対する『罰ゲーム』が施行されようとしたその瞬間だった。
「『アブソリュート・パワーフォース』!!」
『レッド・デーモンズ・ドラゴン』が獄炎を纏った拳によって『幻魔の扉』を砕き散らしてしまい、魂を奪おうとする意思までもを焼き尽くしてしまった。
「何故・・・なぜ私は生きてるの?」
「誰の魂も『幻魔の扉』のコストにされていない、だから『レッド・デーモンズ・ドラゴン』が『幻魔の扉』を焼き尽くしてアンタを助ける事が出来たんだ」
「く・・・生き恥だわ」
「生き延びて自分の種族を復興させるか、生き恥としてプライドを捨てずにいるか。道は色々あるさ」
「・・・・・」
「しばらくは一人で考えてみたらどうだい?」
「貴方・・・本当にボウヤ?年齢を誤魔化してないかしら?」
「(ドキッ!?)んな訳あるかよ!」
「良いわ・・・私の完全な敗北。人形にしてしまった二人は戻してあげる」
遊来の言葉にカミューラは仕方ないといった感じで人形の呪いを解き、亮とクロノスが下の人間の姿に戻っていく。
そうして、セブンスターズのカミューラとのデュエルは十代の勝利に終わった。十代の変身も解除され元の姿に戻った。
「本当にデュエルが終わると変身解除されるんだな」
城が崩壊するがカミューラも脱出しており、校長と話をつけると言って去っていった。十代は自分のデッキから遊来に借りたカードを抜くと遊来へ返却した。
「ありがとうな、遊来。けどまたシンクロ召喚やってみたいぜ~!!」
「実装されたらいくらでも出来るって」
その後、アカデミアに一人の美人職員がやってきたという話を聞き、授業を受けることになったが、その教師というのが。
「カミューラ・バートリーです。今日から世界史の担当になりました、よろしくお願いします」
セブンスターズと戦っているメンバー達は、全員がその授業において机に頭をぶつけてお笑いのようにズッコケつつも講師を歓迎したという。
カミューラ戦、終了です。
今回は特別として十代にシンクロ召喚させました。口上は二人で交互に行っています。それと『強欲な壷』ですがアニメ放送当時に準じているので原作キャラ限定で使っています。
遊来は使えません(当然ながら)
カミューラは生き残りましたが、これ以降、人間不信を残しつつも馴染もうとする吸血鬼キャラとなります。(どこのエロゲだ)
『琰魔竜レッド・デーモン』と『レッド・デーモンズ・ドラゴン』は光と闇の関係になっています。力を求めて破壊する『琰魔竜レッド・デーモン』と守る為に破壊する『レッド・デーモンズ・ドラゴン』という形で破壊は根源です。
それと赤き竜の下僕のドラゴンの象徴に関する事は私の独自設定です。
「不知火」と「魔妖」は登場させるべきか?
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登場させる
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登場させない