ダークネスを遊来が、カミューラ、タニヤ、アビドス3世を十代が、首領・ザルーグ率いる黒蠍盗掘団を万丈目が退け、残るセブンスターズはあと二人となった。遊来は自室で残る2人のうち1人に関して考え事をしていた。
「恐らく、あの人・・・だな・・っ!?」
嫌な気配を感じ、外へ飛び出す遊来。其処には変わった服を身に纏い、マントのような布を身に付け、仮面で素顔を隠している白髪の男性が広場に佇んていた。
「・・・アンタは!」
「・・・」
男性は無言で専用のデュエルディスクを構えている。デュエルしろという事なのだろう、遊来は自分のデュエルディスクへ『カオスドラゴン』のデッキを装填した。彼にとっては無意識の行動だったが、それが目の前に居る相手のせいだという事に気づいていない。
「・・・っ!く・・・行くぞ!デュエル!!」
「・・・・」
龍谷遊来:LP4000
???:LP4000
『カオスドラゴン』デッキからの干渉が遊来を苦しめる。思い出せそうで思い出せず、知る由もない記憶。それの記憶の扉が僅かに開く。以前、夢で見た『ドラグニティナイトーアラドヴァル』と酷似し自分と似た姿の竜騎士。海の民の巫女を守り、闇の眼に魅入られ落下していく。
「(一体、何なんだ!?このヴィジョンは!?)俺のターン、ドロー!」
[現在の手札6枚]
※輝光竜 セイファート
※暗黒竜 コラプサーペント
※輝白竜 ワイバースター
※ライトパルサー・ドラゴン
※竜の渓谷
※戦線復帰
「俺は『竜の渓谷』を発動!その効果により、デッキからドラゴン族モンスターを1体、墓地へ送る!」
デッキからドラゴン族のモンスターを一体墓地へ送り、墓地肥やしを行う、だが、仮面の男の隠した素顔の唇が薄笑いに変わっていた。
「墓地の『輝光竜 セイファート』を除外し『暗黒竜 コラプサーペント』を特殊召喚!!カードを一枚伏せてターンエンド!!」
「私のターン、ドロー!永続魔法『錬金釜-カオス・ディスティル』を発動!このカードの効果は、自分の墓地に送られるカードは墓地へは行かずゲームから除外される!」
「っう!?(あのカードは除外デッキの要のカード!この人、まさか!)」
「更に魔法カード、『鉄のランプ』を発動!このカードは『錬金釜-カオス・ディスティル』が場にある時、『錬金獣・鉄のサラマンドラ』を手札かデッキから特殊召喚する事ができる!」
『錬金獣・鉄のサラマンドラ』星3/炎属性/ドラゴン族/攻撃力500/守備力500
「れ、錬金獣・・・!!」
「ふむ、その様子だと錬金獣の効果を知っているようだな?」
「っ・・・錬金獣は通常召喚できず、攻撃力・守備力が低い代わりに相手へのダイレクトアタックが可能なモンスター・・・!」
「その通り。更に私は『銅の天秤』『鉛のコンパス』を発動!!このカードも『鉄のランプ』と同じ効果を持ち、『錬金獣・銅のウロボロス』『錬金獣・鉛のレオーン』を特殊召喚する!」
『錬金獣・銅のウロボロス』星3/光属性/爬虫類族/攻撃力500/守備力500
『錬金獣・鉛のレオーン』星3/地属性/獣族/攻撃力500/守備力500
「ぐっ!!」
遊来は苦虫を潰したような表情をし続けているのには理由がある。今使っている『カオスドラゴン』デッキを始め、彼の持つデッキのほとんどが『除外』に対して圧倒的に弱いのだ。墓地すらも利用して展開する事を得意としている遊来にとって『除外』デッキは天敵とも言えるメタが張られてしまう。
「行け、錬金獣達よ!!『鉄のサラマンドラ』アームド・フロウ!『銅のウロボロス』ウロボロス・ロア!『鉛のレオーン』レオーン・バルカン!!」
「うあああああああ!!」
龍谷遊来:LP2500
炎、光線、弾幕、三つの波状攻撃を受けた遊来は軽く後退りしてしまう。この戦術は遊来にとって前の世界で見た事のあるものであり、その使い手の正体も知っている。だが、それを口にする事はしない、それを口にしてしまえば自分は戦意を失いかねない。
「どうした?龍谷遊来、お前の力はそんなものか?カードを1枚伏せ、ターンエンド(お前の中には二つの力が眠っている。荒ぶる炎と銀河の眼を持つ闇の竜の力。だが今はお前自身が未熟なゆえ、荒ぶる炎を抑えきれず闇の竜にも呑まれかけているみたいだがな)」
「ぐ・・・俺のターン、ドロー」
[通常ドローカード]
※デルタフライ
[現在の手札4枚]
※輝光竜 セイファート
※輝白竜 ワイバースター
※ライトパルサー・ドラゴン
※デルタフライ
「俺は・・・『デルタフライ』を召喚!!」
「それがチューナーモンスターか・・・ふふっ、見せてみろ!融合とは違うお前の力、同調の力を!!」
「『デルタフライ』の効果を発動!『暗黒竜 コラプサーペント』のレベルを一つ上げる!」
『暗黒竜 コラプサーペント』★4→★5
「レベル5となった『暗黒竜 コラプサーペント』にレベル3『デルタフライ』をチューニング!!」
「漆黒の闇を裂き、天地を焼き尽くし眠りについた孤高の絶対なる竜の王者よ!眠りより目覚め、万物を睥睨(へいげい)し、その猛威を再び振るうがいい!!」
「シンクロ召喚!」
「燃え盛れ!!『琰魔竜レッド・デーモン』!!」
「これが、シンクロ召喚。そして、別世界の竜の神の化身!だが・・・!」
「ぐ・・うううう!戦え、もっと・・・俺と戦え!!」
「やはり・・・呑まれていたか。その竜の化身は際限なく戦いを求め続け、力を増長させているようだな」
「御託はいい、戦え!!『琰魔竜レッド・デーモン』の効果!1ターンに1度、自分のメインフェイズ1でのみ発動できる。このカード以外のフィールド上に表側攻撃表示で存在するモンスターを全て破壊する。だが、この効果を発動するターン、このカード以外のモンスターは攻撃できない!!邪魔だ!錬金獣ども!!道を開けろ!!
『琰魔竜レッド・デーモン』の拳が全ての錬金獣を破壊しつくし、攻撃態勢に入る。
「行け!『琰魔竜レッド・デーモン』でダイレクトアタック!
「単純すぎるぞ!罠カード発動!!『次元幽閉』!相手モンスターの攻撃宣言時、攻撃モンスター1体を選択して発動できる!!選択した攻撃モンスターをゲームから除外する!私は『琰魔竜レッド・デーモン』を選択!」
「なっ!!」
『琰魔竜レッド・デーモン』の拳が次元の裂け目に飲み込まれ、その姿が次元の狭間へと消えていった。
「っ!ターンエンド」
「私のターン、ドロー。私は手札より魔法カード『カオス・グリード』を発動!自分のカードが4枚以上ゲームから除外されており、自分の墓地にカードが存在しない場合に発動する事ができる。私はカードを2枚ドローする!」
「『錬金釜-カオス・ディスティル』の効果でカードは全て除外されているから、条件は満たされているのか!」
「その通り、ふむ・・・『カオス・グリード』をもう一枚発動する」
「!あのカードはターン制限が無いんだった」
「カードを一枚伏せ、『錫の魔法陣』『水銀の砂時計』『銀の鍵』を発動!!」
「!!錬金獣の要!!」
「現れよ!錬金獣達!!『錫のアエトス』!『水銀のエケネイス』!『銀のムーンフェイス』!」
『錬金獣・錫のアエトス』星3/風属性/鳥獣族/攻撃力500/守備力500
『錬金獣・水銀のエケネイス』星3/水属性/魚族/攻撃力500/守備力500
『錬金獣・銀のムーンフェイス』星3/闇属性/岩石族/攻撃力500/守備力500
「っ!」
「バトル!行け、錬金獣達よ!『錫のアエトス』ソニック・ブラスト!『水銀のエケネイス』スクアート・ガン!『銀のムーンフェイス』シルバー・カッター!」
「うああああああああ!!!!」
龍谷遊来:LP1000
再び錬金獣達の波状攻撃によってライフポイントを減らされてしまう。デッキからの干渉の影響もあるだろうが、遊来自身デュエルに集中できていないのだ。
「メインフェイズ2、私はカードを一枚伏せ、更に魔法カード『黒の過程 二グレド』を発動!このカードは『錬金釜-カオス・ディスティル』が自分の場に存在し、手札がゼロの時、自分フィールド上に存在する錬金獣を全て除外し、錬金獣一体につきカードを二枚ドロー出来る!私は『錫のアエトス』!『水銀のエケネイス』!『銀のムーンフェイス』を除外し、デッキより六枚ドロー!」
「そして魔法カード『白の過程 アルベド』を発動。このカードも「錬金釜-カオス・ディスティル」が場に存在する時、発動できる。デッキ及び手札の『黄金のホムンクルス』を特殊召喚する事ができる!」
「『黄金のホムンクルス』だって!?」
『黄金のホムンクルス』星6/光属性/戦士族/攻撃力1500/守備力1500
このカードの攻撃力・守備力は、ゲームから除外されている自分のカードの数×300ポイントアップする。
「除外された私のカードは17枚、よって『黄金のホムンクルス』の攻撃力は」
『黄金のホムンクルス』攻撃力1500→6100
「6100!?」
「龍谷遊来、君には欠けているセブンスターズのメンバーに一時的になってもらおう」
「何!?」
「それと同時に君のデュエルディスクも預からせてもらう」
「く・・・ごめん、十代」
遊来の敗北は確定してしまった。ドロー強化カードを引けず、チューナーモンスターも引く事が出来ず『黄金のホムンクルス』の攻撃を受けて敗北し、意識を失った。仮面の男は遊来のデッキから『琰魔竜レッド・デーモン』のカードを手にし、そのイメージイラストを見ている。
「これが、未知のシンクロ召喚によって呼び出される・・・神の化身の竜。このカードの意思を利用すれば、一時的に彼をセブンスターズの一員にする事が出来るようだな。それと」
男は『琰魔竜レッド・デーモン』のカードを遊来のデッキに戻すと、彼の専用デュエルディスクを腕から外し、回収する。
「このデュエルディスクに有る変身機能・・・これを私の手で改良させてもらおう」
意識を失っている遊来の身体を肩に担ぎ、デュエルディスクと共に夜の闇へと男は消えていった。
次回は十代VS遊来[琰魔竜レッド・デーモンの意思]です。
遊来自身ではありません。
「不知火」と「魔妖」は登場させるべきか?
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登場させる
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登場させない