ドラゴンボール BraveSun   作:白い雲

11 / 12
ここでとりあえず一区切りついたかなと自分的に思っています(笑)

拙い文章ですがこれからもよかったら読んで下さい。
では第11話、どうぞ!!



救済

とある一室。

必要最低限の物しか置いていない、一見質素に見えるが

何処か温かみがあるこの部屋のベッドに一人の少女が寝かされていた。

少女の名前は孫日向、悟空を救う為にラディッツに挑み、そして心に深い傷を負った彼女は今だ眠り続けていた。

そして先の戦いから丸一日が過ぎた頃、遂に彼女の瞼は動いた。

 

「う…ん、ここは?」

 

日向はゆっくり起き上がり、辺りを見回す。

ベッドと机、そしてベッドの近くにある一脚の椅子しかない部屋。

 

「そうだ…わたしは…」

 

日向の頭にこれまでの記憶が蘇ってくる。

クリリンが死んだ事,そして助けると決めた(悟空)を助けられなかったこと,その全てがフラッシュバックし、日向の目に涙が溜まる。

 

「それから…痛ッ!」

 

更に思い出そうとする日向だったが突然頭が割れる程の頭痛が日向を襲った。

 

「はぁ、はぁ、思い出せない…」

 

やがて痛みが治まっていき、日向のもとにはモヤモヤとした気持ちだけが残った。

すると部屋の扉が空き、山吹色のカンフー服を着た老人が桶を持って入ってきた。

 

「おぉ日向!目が覚めたんじゃな。今アンニン様を呼んで来るからの。」

 

そう言うと彼は桶を机に置くと、部屋を出ていった。

あの様子ではきっとすぐにアンニンが部屋に来るだろう。

 

(これ以上心配はかけられない…しっかりしなきゃ!)

 

自分の頬を二度叩いて気合いをいれる日向。

そこへノックをする音が扉から聞こえると、先程の男を引き連れたアンニンが姿を現した。

 

「日向、目が覚めたんだね。体の調子はどうだい?」

 

「おはようアンニン、わたしは元気いっぱいだよ!」

 

「……そうか」

 

とびっきりの笑顔で力こぶを作ってみせる日向。

しかしそんな日向を見たアンニンはまるで痛々しいものを見るような顔を一瞬だけ作るとベッドの近くにある椅子に腰掛けた。

 

「…泣かないのか?まだ一度も泣いてないんだろ?」

 

「アハハ、いきなり泣けだなんてびっくりしちゃうよ!どうしたのアンニン?」

 

「はぐらかすな…全部覚えてるんだろ?」

 

「…ッ!」

 

アンニンの言葉聞いた日向は無意識にシーツを握り締めた。

それを確認したアンニンは後ろに控えている悟飯に視線を向けると彼は一礼して部屋を出ていった。

 

「「………」」

 

沈黙が支配する部屋で先に口火を切ったのはアンニンだった。

 

「よく頑張ったね日向、私もたくさん助けられたよ」

 

「わたしは誰も助けられなかったよ…何とかしようとしたけど…お父さんも…助けられなかった…」

 

アンニンは口を挟まずに日向の言葉を聞いていた。

 

「それだけじゃない…わたしは嫌がるクリリンさんを無理矢理…わたしのせいでクリリンさんは…」

 

「違うよ、日向は悪くない」

 

最初は黙って聞いていたアンニンだったが日向が自分を責めだすと間髪入れずにそれを否定した。

そんなアンニンの言葉が癇に障ったのか日向はアンニンを睨みつけると…

 

「違わない!!

わたしがあの時頼まなければクリリンさんは戦うことも、死ぬ事もなかった!わたしが我儘言ったせいで巻き込んだ!わたしがクリリンさんを殺したん…ぁ」

 

「日向は悪くないよ」

 

アンニンは座っていた椅子から身を乗り出すと日向の小さな体を抱き締めていた。

 

「…だって…わたしが…」

 

「日向は誰かに頼まれたから悟空を助けようとしたのかい?」

 

「え、違う…わたしが助けたいと思ったから…」

 

「それはクリリンだって同じさ、親友である悟空を助けたいと思ってた筈だよ。

…ただクリリンはその勇気がなかっただけなんだ。」

 

「……」

 

「そんなクリリンに日向はその一歩を踏み出す勇気を上げただけさ。

日向には不思議な力があるんだ。

日向を見てると、どんな相手にも諦めずに立ち向かっていける力が湧いてくるんだ。」

 

「わたしに…そんな力なんか…」

 

「あるよ、私が保証する」

 

抱き締めていたアンニンは体を離して日向と視線を合わせる。

 

「日向がいたから私は立ち向かうことが出来たんだ。

この前も、"あの時も"」

 

「だからもう一度言うよ。日向…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私を助けてくれてありがとう」

 

「…っうわぁぁん!」

 

耐えきれなかったのか、日向はアンニンに抱きつくと声を上げて泣き始めた。

怖かった,苦しかった,悲しい,寂しい、今まで我慢していた物を全て吐き出す様に日向は泣き続けた。

アンニンも何も言わずに抱きついている日向の頭を撫で続けている。

目の前の小さな少女の心が壊れてしまわない様に…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

泣き疲れたのか眠ってしまった日向に布団をかけるアンニン。

そっと寝顔を見ると最初此処に連れて来た時と違い、安心した様な安らかな寝顔を浮かべる日向にホッと胸を撫で下ろした。

そして彼女は起こさぬようにそっと部屋を出ていった。

 

「アンニン様、日向は…」

 

部屋を出ると、すぐ近くに悟飯が立って待っていた。どうやら彼も日向のことが心配だった様だ。

 

「あぁ落ち着いたよ。今はゆっくり眠っているよ。」

 

「それは何よりです。しかし何故日向ばかりこんな目に…」

 

「……」

 

「アンニン様?」

 

(…あの時の栽培マンは確かに死んでいた。

なのに急に生き返ったみたいに動き出して、それにあの時のトワ達の様子も…)

 

「なんだかきな臭いねぇ…」

 

「また日向にこの様なことが起こるのでしょうか…?」

 

「分からない…だから悟飯ちゃんにも協力してもらうよ!」

 

アンニンが歩きだすと悟飯もそれに追随する。

 

「儂に出来る事なら何でもしますが、いったい何をするので…?」

 

「決まってるじゃないさ…」     

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「"私達に出来ること全て"さ」

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。