ドラゴンボール BraveSun   作:白い雲

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今回は短めです。
誤字脱字があれば教えてくれるとありがたいです。


決意

孫一家の朝は早い。

そして大飯食らいの悟空がいるこの家の一度の食事の量も他の家族とは比べ物にならない。

それは早朝のこの時間でも変わることなく食卓には既に

チチが腕によりをかけて作った大量の料理が所狭しと並べられている。

 

「それにしても日向の奴遅えな、まだ寝てるんかぁ?」

 

「きっと楽しみで昨日夜更かししちまったんだべ」

 

「だけどボクが来るときは起きてたよ。なんか考え込んでたみたいだったけど…」

 

「そうなんか?でも早くこねぇとご飯が冷めちまうだな」

 

どうやら悟空も悟飯も既に食卓に着いており、残るは日向だけのようだった。

その時、日向達の部屋の扉が開くと心なしか表情が暗い日向が出てきた。

 

「……おはよう」

 

「お姉ちゃん、おはよう」

 

「あぁおはよう日向ちゃん、今ご飯の準備するからな」

 

日向はチチに返事すると食卓の自分の席に座った。

 

「オッス日向、随分遅かったな。もう父ちゃん腹ペコペコだぞぉ」

 

「あ…ごめんなさい。」

 

自分で思っていたよりも時間が経っていたことに気付いた日向が申し訳無さそうに謝る。

するとご飯を装った茶碗をチチが笑いながら日向の前に置いた。

 

「そこまで遅かった訳でもねぇ。ただいっつも一番早い

日向ちゃんがこねぇから気になっただけだ」

 

日向の茶碗を置いたチチが食卓に着くとみんなで

「いただきます」と言って朝食を食べ始めた。

皆が朝食を食べる中で、日向は箸を付けずに凄い速さで食べる悟空と行儀よく食べる悟飯を見ていた。それと同時に思い浮かぶのはボロボロになるまで痛めつけられた悟空と泣きながら連れ去られる悟飯の姿。

やがて日向は机の下にある手に力を込めると、意を決して悟空に話しかけた。

 

「お父さん、今日出掛けるの止めにしない?」

 

突然の日向の言葉に悟空は食べるのを止めて日向の顔を見た。それは悟空だけではなくチチと悟飯も箸を止めて日向に視線を向けていた

 

「いきなりどうしたんだ日向?昨日はあんなに行きたがってたじゃねぇか」

 

「それは…そうだけど…」

 

日向の声がどんどん尻すぼみになっていく。

するとチチが

 

「それに昨日のうちに明日伺いますって武天老師様に連絡しちまっただ」

 

「な、ならせめて悟飯はお母さんとお留守番にしたらどうかな!?ねぇ悟飯そうしない?昨日あまり乗り気じゃなかったでしょ?」

 

日向は視線を悟飯に向けるとまるで説得する様に話しかける。

 

「でもボク、ウミガメさんに会ってみたい…」

 

そう言われると日向も掛ける言葉を無くしてしまう。

 

「どうしたんだ日向、今日はなんか変だぞ?」

 

「きっと悪い夢でも見ただな。でも悟空さがいれば安心だべ。ピッコロが来たって悟空さが倒してくれるだ」

 

チチがこう言うと食事を再開し、口の中に大量の料理を入れた悟空が任せとけと言わんばかりに笑顔になる。

 

「悪い夢…うん、そうだね!ごめんね変な事言って!

いただきます!あ、お父さん!それ、わたしのも残しといてよ!」

 

それから日向は"いつも通り"の明るさと笑顔で朝食を食べ始めた。

 

 

 

 

 

 

「ご馳走さまでした〜お母さん美味しかったよ!!」

 

「お母さんボク、鳥さん探してくるね」

 

「お粗末様だべ。気を付けてな悟飯ちゃん、出発までには戻ってくるだぞ」

 

「お母さん、わたしは時間まで部屋で休んでるね!」

 

日向は笑顔でそう言って自室に入っていった。

 

 

 

 

 

 

 

「…なぁチチ、日向の奴やっぱりどっか具合いでも悪いんじゃねぇか?」

 

「そうだなぁ、いつもなら食べ終わったらすぐ外に遊びにいくのになぁ」

 

悟空とチチは日向が入っていった扉をずっと見つめていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

自室に入った日向は扉をパタンと閉めると、先程まで浮かべていた笑顔が嘘のように消え、泣きそうな顔になりながらベッドへ歩を進めた。

 

「やっぱり無理だよね…わたしだって信じられないもん…」

 

日向はベッドに腰掛けながら顔を手で覆っていた。

目を瞑ると今朝見た光景、そして昨日自分が言った言葉が聞こえてきた。

 

〈お姉ちゃん助けてぇー!!〉

 

〈悟飯、そしてお父さんも守れるくらい強くなる!〉

 

顔から離した日向の手に力が入る。

 

 

 

「……そうだよね……わたしがやらなきゃ…」

 

顔を上げた日向は先程までの泣きそうな弱々しい顔は既になく、瞳を決意の光で輝かせた凛々しい表情をしていた。

 

「どんな奴が来たって関係ない!

 わたしがみんなを守ってみせる!!」

 

日向は右手に少しずつ気を溜め始めた。

すると拳を握った日向の右手に淡い光が帯びる。

 

あの空間で視た敵は悟空を一撃で倒していた。普通にやれば日向に勝ち目は無い。

 

 

…日向は自分が弱い事を知っている。

 

 

…それでも諦めない

 

…守りたい、大切な物があるから

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