ドラゴンボール BraveSun   作:白い雲

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反撃の狼煙

 戦闘力…それはサイヤ人及びフリーザ軍兵士に支給されるスカウターという機械で計測出来る、力を数値化したものである。

スカウターが探知するのは気の大きさなので例え銃火器を装備しても戦闘力の大きさに変動は無い。

しかし超重量の装備を外した場合は別であり、戦闘力が上昇する。

 

それは今から行われる戦闘でも変わることなく、装備を外した悟空とピッコロがラディッツと対峙していた。

 

(カカロットの戦闘力が416、もう一人も408まで上がった。)

 

「へへ、これで少しはマシな闘いが出来るかもな!」

 

「フハハ、それで強くなったつもりか、笑わせるな!」

 

ラディッツの言った言葉は嘘ではなかった。

身軽になった悟空達であったが、ラディッツはそれ以上の速さで悟空達を圧倒していた。

 

「貴様等、死ぬ前にいい事を教えてやろう、俺の二人の仲間は俺よりさらに戦闘力は上なんだぞ!!」

 

「「…なっ」」

 

絶望に染まる悟空達に追撃をしようとするラディッツだったが突然スカウターが反応して攻撃の手を休めた。

 

(反応が3つ、こちらに真っ直ぐ向かって来ている)

 

警戒するラディッツを余所に目の前に3人が降り立った。

 

「日向にクリリン!、それにア、アンニン様!?」

 

驚く悟空にアンニンは振り返ると挑発的な顔で言う。

 

「おやまぁ悟空、暫く見ない間に随分と鈍ったんじゃないか?八卦炉で私に噛み付いてきたアンタはどこに行ったんだい?」

 

「へへ、悪りぃな。あいつが強くてよぉ。

 アンニン様こそ、なんでこんな所にいるんだ?」

 

「なぁに偶々通りかかった所でこの子に頼みこまれてね」

 

アンニンは隣でラディッツを睨んでいる日向の事をチラッと見ると両手に炎を纏わせた。

 

 

 

「助太刀に来たのさ!」

 

 

 

   

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

         時は少し遡り、とある島

 

「う…ん……ここは?」

 

意識を取り戻した日向は自分が草原に寝かされているのに気付いた。

 

「わたしは確か、飛ばされて…っそうだ!」

 

記憶が蘇り、文字通り飛び起きた日向はあることに気づく。

 

「…傷が…ない?」

 

先程まで感じていた激痛が嘘のように消えており、それどころか傷跡すら完全に消えていた。

日向が驚いていると後ろから、

 

「おや、目が覚めたんだね。傷は治しておいたけど体の方は大丈夫かい?」

 

「はい、大丈夫です。あの…貴女は?」

 

「私はアンニン、よろしくね、日向ちゃん」

 

アンニンは人の良さそうな笑みを日向に向けていた。

 

「アンニンさん、助けてくれてありがとうございます。

でもどうしてわたしの名前を?」

 

「アンニンでいいさ。敬語もいいよ、苦手なんだろ?

日向ちゃんは覚えてないだろうけど一度会ってるんだよ。勿論、悟空とチチのことも知ってるさ。」

 

「そうな…んだ、よろしくねアンニン!」

(そんなにわたしの敬語、変だったかな?)

 

アンニンと日向が話していると空から聞き覚えのある声が聞こえてきた。

 

「日向ちゃん!無事か!?」

 

「クリリンさん!」

 

「すげぇ攻撃受けてたけど、大丈夫なのか?」

 

「うん!アンニンが治してくれたから!」

 

「…アンニンって悟空が昔話してた。た、太上老君!?」

 

クリリンが顎が外れそうなほど驚いている。そしてそんなクリリンの反応に気を良くしたのかアンニンは笑っていた。

 

(アンニンってそんなに凄い人なんだ。)

 

そんなに偉い人を呼び捨てにするどころか、タメ口で話して本当に良いのかと思う日向だったが…

 

(本人が良いって言ってるんだからいいよね!)

 

深く考えるのをやめた。

 

 

 

 

 

 

 

 

クリリンが真剣な顔になり日向に向き直ると

 

「日向ちゃん、まだあいつが亀ハウスにいるかもしれない、暫く身を隠そう。」

 

「その必要はないよ」

 

クリリンの言葉にアンニンがすぐさま否定した。

 

「ど、どうしてですか?」

 

「ラディッツって奴はもう移動してるからさ、悟空の息子も一緒みたいだね」

 

(悟飯…連れて行かれたんだ…)

 

アンニンの言葉を聞いた日向は表情を暗くしていた。

 

「な、なら悟空とすぐに合流しよう!」

 

「それも無理かもね」

 

再度クリリンの言葉を否定したアンニンは言う

 

「悟空はもうラディッツの所に向かっているからさ…ピッコロ大魔王と一緒にね。」

 

「な、なんで悟空がピッコロといるんだよ!?」

 

「詳しい事は分からないけど、この感じは共闘してるみたいだね」

 

その言葉を聞いたクリリンは希望が見えたとばかりに顔を輝かせた。

 

「日向ちゃん、あの二人が組んだならもう大丈夫だ!さぁ俺達は亀ハウスに戻ろう!」

 

「…わたしはお父さんを助けに行く…」

 

歩きだす日向の手をクリリンは掴み、それを止める。

 

「駄目だ!悔しいけど俺や君が行っても足手まといになるだけだ」

 

「…………」

 

「日向ちゃんは知らないだろうけど、ピッコロは悪い奴だけど君のお父さんと同じ位強いんだ。二人が力を合わせればきっとアイツにだって勝てるさ!」

 

クリリンの言葉に日向はあの光景を思い出す。

確かにあの二人ならラディッツを倒せるだろう。しかし、その代償は…

 

「それじゃあ駄目なの!…勝つだけじゃ駄目なの…」

 

日向の鬼気迫る様子にクリリンは言葉を失い、アンニンも"ふむ"と一言呟くと腕を組んで目を閉じた。

そんな二人に日向は深く頭を下げる。

 

「お願いします!わたしに力を貸して下さい!

…お父さんを…助けたいの…」

 

 

 

 

 

 

 

 

クリリンの心は揺れていた。

彼自身、悟空を助けたいという気持ちは勿論ある。

だがそれと同時にラディッツに対する恐怖があった。

面と向かって闘ったわけじゃない、それでも圧倒的な力の差を理解してしまい心が折れてしまった。

それ故に目の前の少女を見て思う。

 

(強いなぁ、この子は)

 

実際に闘った日向なら分かったはずだ。

絶望的な力の差を、それなのにこの小さな少女はついさっき殺されかけた相手にまた立ち向かおうとしている。

 

(それに比べて俺は…)

 

思えば自分はいつもそうだった、悟空のライバルと言っておきながら"レッドリボン"の時も"ピッコロ"の時も悟空一人に全部背負わせてきた。

その悟空(親友)が苦しんでいるなら今度は自分が助ける番じゃないのか?

 

 

 

 

 

 

「闘うよ…俺も」

 

目に涙を溜めた日向が顔を上げると、どこか吹っ切れたような表情をしているクリリンがいた。

 

「逃げてばっかじゃカッコ悪いもんな!」

 

「…クリリンさん…」

 

「私も手を貸すよ」

 

日向がアンニンの方を見ると、彼女は腕を組んだまま不敵に笑っていた。

 

「このままじゃ何しでかすか分かったもんじゃないからね。

乗りかかった船だ、アンタが手を出したのはとんでもない星だって事をアイツに思い知らせてやるさ!」

 

「…二人とも…ありが…とう」

 

「おやまぁ、泣くやつがあるかい。これから助けに行くんだろう?」

 

「…うん!!」

 

日向は目元を拭うと笑顔を浮かべた。

 

「ところでアンニン様、悟空達の場所は分かるんですか?」

 

「ふふ、私を誰だと思ってるんだい?

そんなの私の"千里眼"でちょちょいのちょいさ!」

 

「何でもありだな…アンニン様って…」

 

そして3人は一つ頷きあうと空に飛び立つ。

 

(死なせない!絶対助けてみせるから!)

 

 

 

 

 

…ここにたった3人だけの

 

"運命"を変える為の反撃の狼煙があがった。

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