勇者召喚に巻き込まれたけど異世界は平和でした ~平和主義者の少年は、その瞳に何を見る?~   作:ただの麺

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平穏な日々とクロムエイナ

「よかったな。快人」

「ホントに雄二が見つけてくれて助かったよ。」

前回、俺は快人を見つけた後、風呂に入っていた。

「…って言うか、なんで奴らは快人が異世界人ってことがわかったんだ?」

「それは俺も思った。」

「…知り合いに聞いてみるか。」

「そんな知り合いがいたのか?」

「快人を探してる時に助けてくれてな。」

「へぇ〜」

「ほら、ネックレスをつけてただろ?アレをくれたんだよ…そういや、気になることを言ってたな。」

「気になること?」

「火炎剣烈火を作ったとか、ワンダーライドブックを作ったとか」

「そんな人がいたのか…って、ワンダーライドブックに関しては元から持ってたよな?」

「火炎剣烈火に関してはアルベルト公爵家の物だ。この世界にいる間の自衛用に貰えたとはいえ、元の世界に帰る時には返さないとな…じゃなくて、なんでこの場所に…」

「その人は何か言ってなかったか?」

「確か…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

快人との話が終わり、自分の部屋でゆっくりしていた。

(『その内の1つずつが消えていた』…か。)

「この世界への召喚に巻き込まれたのは…偶然じゃない?少なくとも、俺に関してはそう言えるはず。」

そう言い、火炎剣烈火とワンダーライドブックを取り出し、眺めている。

「お前らが俺をここに呼んだのか?」

誰にも返答して貰えないことはわかっているが、口に出さずにはいられなかった。1番の疑問、コレを解決しないと先に進めない気がして…。

「そうかもね。」

声が響いた。勢いよく飛び起き、火炎剣烈火と聖剣ソードライバーを腰につけ、ブレイブドラゴンワンダーライドブックを手に持つ。

【BRAVE DRAGON!!】

「わーわー!!待って待って!!僕だよ!!『クロ』だよ!!」

「…不法侵入じゃねぇか」

「ごめんって。」

「…で、何?」

「えっとね、提案なんだけど、魔法を覚えてみない?」

「魔法!」

キラキラと目を輝かせながらクロに聞き返す。

「やっぱり異世界人は魔法に興味津々って感じ?」

「うん、ほら、なんかカッコイイイメージあるし。」

「ふふふっ。それじゃあ始めよっか。」

「おう!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

始めて数十分が経っただろうか。そのタイミングでクロに話しかけられる。

「この世界に急に連れてこられて、戦いに巻き込まれて、怖くなかった?」

「まぁ平穏な日々とは離れてったきっかけになっちゃったけど、怖いとかはなかったよ。」

「そうなんだ。」

「でも、戦いが続くんじゃないかと思うとやっぱり怖いよ。まだブレイブドラゴンも火炎剣烈火も使いこなせてないし。」

「殺されるかもしれないから?」

「違うよ。でも…。」

 

 

 

 

 

クロside

(やっぱりボクが…)

「あn」

「不安なんだ。」

ボクのセリフを遮るように、ユウジ君のセリフが紡がれる。

「不安…」

「俺さ、したいことがないんだ。」

「?どういう事?」

「したいことがないからさ、この世界に来たのに…考える時間ができたのに何も見つかりそうにない。」

「この世界に住んでても、したいことが見つからない人なんて沢山いるよ。けど、それが不安なら、ボクと一緒に宝探しをしよう!!」

ボクは、コートを翼にして、ユウジ君の手を引っ張って外へ出る。

せっかくこの世界に来たのに、下を向いたままでいさせる訳にはいかないからね。

「ちょっ…宝探しって!?うわ!!」

「過去に君みたいな子がいたんだよ!!他人からの期待に振り回されて、自分で決断ができないんだって!!だったらさ、空に向かって投げだしてみようよ!!」

空へ飛び、星を見る。

「人間の寿命の100年なんて、ボク達魔族からしたら一瞬だよ。その一瞬の間に、そんなに細かいことで悩むんじゃなくて、楽しもうよ!!」

「空飛んでることに関しては何も無しかよ!!」

「あはは、まぁ見てみなよ。街を…世界を!!」

目の前に広がっている全てを見るように促す。きっと、ユウジ君のしたいことを見つける手助けになるはず。

「すげぇ…星みたいに輝いてる。」

「ユウジ君、世界は広いよ。」

「え?」

「長い年月…それこそ、人間の寿命なんかちっぽけに見えるほど生きてきたボクでも知らない事が沢山あるんだよ。」

「…」

「世界は変わってく。それこそ、目の前に広がるこの星が、消えたり、新たに生み出されるように。…」

「世界は…変わってく」

1度手を離し、ユウジ君の下に潜り込み、抱きしめる。

「だから、ボクが教えてあげるよ。この変わりゆく世界の美しさを!!

この美しい世界は、君の来訪を祝福する!!

この優しい世界は、君の悩みを受け入れる!!

ボクも、君という勇敢な剣士を祝福する!!

今日から!!『今、この瞬間から』!!ココが君の世界だ!!

世界よ、祝え!!新たな夢を求める剣士の来訪を!!世界を越え、勇気を称える存在に認められた炎の剣士の誕生である!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

雄二side

「勇気を称える存在に認められた炎の剣士の誕生である!!」

その言葉と共に、空に浮かぶ星が、背中に集まるような、重く、熱い感覚を受ける。

今まで、平穏な日々だけを求めていた俺を祝福してくれている。

そして、このクロムエイナという魔族は、祝福の言葉を与えてくれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次回、久々の日常、〜あぁ、アンタって武闘家だったんだな〜




だいぶ久しぶりに書けたぁ。
本来はもっと快人との会話を増やして本編の楠さんとの会話を混ぜようと思いましたが、その辺は快人に丸投げしましたww
まぁ、どっかのタイミングで快人の覚悟見たいな描写で登場させようかなと思います。
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