サイド3 ギレン邸
やあ…諸君。新年あけましておめでとう。ギレン・ザビである。
前回のサイアム・ビストとの会談の結果、アナハイム社からジオ・マッド社に対して大量の受注が入って大忙しのようなので、今年は自宅からジオンの研究状況についてお知らせしようと思う。
あ、そういえばサイアムから手紙が来ていたので後で確認しなければ。
さて、去年の始めに試作機の開発が完了していたYMS-02 モビルワーカー01式については、去年の夏頃にはMS-02 モビルワーカーとして正式に量産が開始され、現在はコロニーでの建設作業や、月面やアクシズ、果ては地球などでの資源開発に利用され、様々な環境下での運用データの収集を行っている。
また、去年の秋頃に試作1号機が完成したYMS-03 ヴァッフについては、小型化された動力用融合炉と流体パルスシステムを応用した駆動系統の採用により宇宙空間での機動性獲得に成功しており、現在はより実戦的な後継機開発の為、宇宙空間でのAMBACのデータ取りの真っ最中である。
次に開発する機体にはYMS-03 ヴァッフで集めたデータをもとに、兵器として必要な運用性や整備性、生産性に加え、パイロット保護の為に脱出装置を搭載して生存性の強化もおこなう予定である。
本来ならモビルスーツ用の新型OSも搭載したい所だったが、メイに相談したところ「モビルスーツ操縦シミュレーターを作るのを中止して良いなら作れるかも!」との返事だったので今回は採用を見合わせた。
いやぁ急いで作って、何かトラブルがあったら困るから仕方ないね!!
また、連邦に対するカモフラージュとしてアナハイムから入手した61式戦車の設計図を基に地上戦用……。じゃなかった治安維持用の主力戦車の開発を命じた。色々と注文を付けたし、まさかマゼラアタックのようなものになることはないだろう。
そう言えば昨年サイド3を出発したアクシズ開拓団も来月には小惑星アクシズに到着する予定だ。
到着後は居住施設やアクシズで採掘した資源を送るためのマスドライバーの建設、ア・バオア・クーとなる小惑星への核パルスエンジン設置などやってもらう事が山積みである。
少しでも作業がやり易くなるように、ヴァッフの量産試作機を送るなどして可能な限り支援をしなければ。
さて、それでは報告書も読み終わったし部屋で待たせているハマーン様をちょっと鳴かせてくるかな。
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side ハマーン・カーン
「なんだ?もう音を上げるのか?ハマーン。」
「あ、閣下。ダメです。またそんなところばかり…あ、ああ、そんな!」
「ククク。やはり貴様はここが弱いな。」
「あ、ダメ。そんな、また…アーーッ」
モニターにクローを振り上げたモビルワーカーの姿が映り、その一撃によって私の操縦するヴァッフは機能を停止してしまった。
「射撃の精度はなかなかのものだが、まだまだ接近戦が弱いな。ハマーン。」
「申し訳ありません。ギレン閣下……。」
メイさんとギレン閣下が作られているモビルスーツ操縦シミュレーターのテストにお付き合いさせて頂いているのだけれど、始めてからずっと私はギレン閣下に負けてばかり……。
今回もまた、巧みに遮蔽物を使って近づいてきたモビルワーカーの一撃にやられてしまった。
「かまわん。ずっとテストしてきた私とこれだけ戦える事を誇るが良い。」
「そうだよハマーンさん。このペースならすぐにギレンさんより上手くなっちゃうと思うよー。」
「メイの言う通りだな。私もうかうかしていられん。」
そう言ってギレン閣下とメイさんが励ましてくださるものの、閣下に信頼されてこそ護衛として良い働きができるというもの。その為に私が努力を怠る訳にはいかない!
「いえ…私の方こそもっと上手くなってみせます!」
「ウム。その意気やよし。ではもう一戦するか?」
「はい!」
そう言って私はまたシミュレーターを起動し、操作に集中していくのでした……。
アイナ様に似合いそうな機体は?
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アプサラス
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ビグ・ラング
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ビグ・ラング(ビグロの部分がビグザム)
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アプ・ラング(ビグロの部分がアプサラス)