新・ギレンの野望(笑)   作:議連・座備

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15話 UC0071年9月 ジオンの絆

サイド3 ギレン邸

 

やあ…諸君。ギレン・ザビ…ではない!

 

今日の俺は、現在ジオンで絶賛大ブーム中のアーケードゲーム「ジオンの絆」のエース、ライトニングカウントである!

 

メイと一緒に作っていたモビルスーツ操縦シミュレーターが完成して、ハマーン様と二人でプレイするのにも飽きてきたので国営アーケードゲームとして一般展開して、チームプレイを楽しむ事にした。

 

決してハマーン様に勝てなくなったので、自分より弱い対戦相手が欲しくなったからとかじゃないんだからね!

 

国営アーケードゲームとして展開するには、サスロが費用云々と小言を言ってきたものの、適当に言いくるめて広める事に無事成功した。

 

流石IQ240の頭脳は違うね。

 

ジオンの絆はランキング制のモビルスーツ操縦シミュレーターである。

 

プレイヤーは幾つかの機体(最初はモビルワーカーのみ)から自分にあった機体と装備を選び、チームによる対人戦又は難関ミッションの攻略を行い、その活躍度合いに応じて支給される戦功ポイントの総合値を毎月競いあうというものである。

 

その総合値が上位のプレイヤーには、専用のカスタマイズが許可されると同時にGNC社から報償金が支払われ、その最高額は何と一般人の平均月収の3倍近い100万クレジットである。

 

稼働初期こそ操作が実機とほぼ同じという操縦の難しさや、有限の弾薬、機体がやられるとその分戦功ポイントから引かれるというリアリティーの高さが問題となったものの、ワンプレイ100クレジットと言う低価格かつゲーム内で貯めた戦功ポイントからの支払いも可能という無茶な価格設定により大人から子どもまで大ブームとなった。

 

その中で俺は、ハマーン様とペアを組んでゲーム内でも有数のエースとして君臨していた。なお、誤解を生む前に言っておくが、ゲーム内では何一つチートはしていない。全て俺の実力の賜物である。

 

まあ、α版どころか前世?からずっと同じようなゲームをやりこんでいて、かつ、自宅から専用の媒体でやっているのは十分チートと言えるかも知れないが。

 

さて、ゲームはこれくらいにしてそろそろ仕事に戻るとするか。

 

一一一一一一一一一一一一

 

 

side サスロ・ザビ

 

 

「個人でモビルスーツ操縦シミュレーターを作ったのでアーケードゲームとして国民に提供するだと?!」

 

「そうだ、サスロ。私が自宅でメイに作らせていたモビルスーツ操縦シミュレーターが完成した。なのでこれを普及させて今後に備えようと思ってな。」

 

ある日、自作のアーケードゲームを国民に普及させたいとの相談を受けた俺は思わずギレン兄の正気を疑ってしまった。

 

「そんな事をしていったいどんな利益が出るというんだ兄貴!」

 

「わからんのか?このモビルスーツ操縦シミュレーターは実機と同じ操作を必要として、その上で実機と同じように動く。

つまりこのシミュレーターで機体を動かせるという事は、基本的に実機でも同じ動作ができるという事だ。」

 

「……。それがどうしたと言うんだ?」

 

「つまり、このシミュレーターが普及すれば、子どもから大人まで誰でもモビルスーツを操縦できるようになるという事だ。」

 

「……!なんだと?!」

 

「むろん機体にかかるG等の要素があるので完璧とはとても言えんがな。それでもモビルスーツ操縦の基礎を習得するのには十分な効果がある。現にジオ・マッド社では訓練用の教具としての導入がすでに決まっている。」

 

「そんな話は初めて聞いたぞ。」

 

「貴様は政治経済に集中して貰っているからな。知らないのも無理はない。

 

それにメリットは他にもまだある。

ざっとあげてもモビルスーツ用OSの開発に必要な操縦データの蓄積、対MS戦、対艦戦及び拠点攻略戦におけるモビルスーツ運用方法の検証、ジオン公国全国民の操縦適性の掌握、娯楽を提供する事による国民の支持といった効果が期待できる。

 

たかがアーケードゲームを普及させるだけでこれだけの効果が得られるのだ。安い買い物だとは思わんか?」

 

「それは…そうだな……。わかった。軍の広報活動の一環として普及させられないか検討してみよう。」

 

「うむ。頼んだぞ。」

 

最近兄貴が自宅でモビルスーツ操縦シミュレーターで遊んでばかりいると聞いて、何をしているんだと思っていたのだが…まさかこんな目的があったとは……。

 

以前ジオ・マッド社を作った時といい兄貴の視野の広さには驚かせられる。

 

俺も為政者としてもっと柔軟な発想をもたねばならんな……。

 

そう思いながらアーケードゲーム「ジオンの絆」を普及させるため、広報部に連絡を入れるのだった。

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