新・ギレンの野望(笑)   作:議連・座備

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21話 UC0074年2月 YMS-05ヅダ

サイド3宙域 グワダン級超大型戦艦「グワダン」

 

やあ…諸君。新年あけましておめでとう。ギレン・ザビである。

 

今日は先日完成したYMS-05ヅダの評価試験のため、同じく完成したばかりのグワダンに乗ってサイド3宙域へと来ている。

 

グワダンは、単艦で艦隊クラスの戦力と戦える戦闘能力の獲得をコンセプトにした超大型戦艦である。

 

そのサイズは全長700mとガンダムの歴史上でも有数の大型艦であるが、元々惑星間航行船として開発した経緯から航行能力と居住性に多くを割いており、火力については大型連装メガ粒子主砲×2、連装メガ粒子砲×10、単装メガ粒子砲×4と大きさの割には控えめである。

 

一方、モビルスーツ運用能力については、艦体上部にMS2機を同時射出できるカタパルトが2基、下部にMSを任意の方向に射出させることのできるMSランチャーを備えており、100機近い搭載数と相まって極めて高い。

 

まあ火力が控えめと言っても、副砲の連装メガ粒子砲でさえ連邦のマゼラン級を大幅に上回る射程と威力を持っており、地球圏においておくと無駄に連邦を刺激しそうなので、試験航行が終わり次第アステロイドベルトに向け出発する予定である。

 

ククク……。この船に刺激されて連邦の大艦巨砲主義が加速するといいのだが。

 

さて、今日の主役はこのグワダンではなくYMS-05 ヅダである。

 

本来の歴史であれば、来年行われるコンペティションでジオニック社の「ザクⅠ」と正式採用を賭けて争い、その圧倒的な機動性によりザクⅠを圧倒するも、テスト中に機体が空中分解して不採用となった悲運の機体である。

 

だが今回はザクⅠをベースとして開発し、機体のフレームを兼ねるモノコック構造の装甲を大幅に強化するとともに、改良型土星エンジンを両肩部に搭載する事で重装甲と高機動を両立した高性能機として完成していた。

 

兵装面は長距離狙撃能力を持つ大型対艦ライフルと円型のシールド、それにマゼラン級の装甲すら切り裂くヒートソードを装備している。

 

中世ヨーロッパの騎士を彷彿とさせるその姿は、正に量産型のトールギスといった感じだ。

 

 

【挿絵表示】

 

 

無論トールギスほどの圧倒的な火力と装甲がある訳ではないが、それでもザクⅠの三倍近い機動性を発揮する事ができる。

 

「準備はいいかな?デュバル大尉」

 

「無論です。ギレン閣下。ジオンの栄光をヅダに!」

 

そう言うとヅダは、腰を落としてカタパルトの上で射出姿勢をとる。

 

「ジャン・リュック・デュバル。ヅダ、出るぞ!」

 

次の瞬間、ヅダはジャン・リュック・デュバルの掛声とともに、真空の宇宙へと吸い込まれていった……。

 

一一一一一一一一一一一一

 

side ジャン・リュック・デュバル

 

カタパルトで射出された機体は、漆黒の宇宙を切り裂いて進む。

 

試しにスラスターの出力を上げてみるが、初めて試作機に乗った時に聞こえたあまりの加速によって生じる機体の軋み音は聞こえず、もはや過去のヅダとは別の機体と言っても過言ではない。

 

そんな事を考えていると、目の前に2個小隊、6機のザクⅠが姿を現す。1対6とは少しばかり数に差があるが、このヅダが相手であればまあ妥当な所だろう。

 

「有効レンジ内、捉えた!」

 

右腕に備えた大型対艦ライフルで近づきつつある敵機を狙撃する。

 

ザク・バズーカの射程を遥かに超える距離のせいで、ろくに回避行動をとっていなかった隊長機らしきザクは、艦艇すら沈める威力をもつ対艦ライフルの直撃を受けて一撃で撃破判定となっていた。

 

「食らえ!」

 

立て続けの狙撃で2機目のザクが行動不能になったころ、やっとヅダを射程に捉えたザクからの反撃が始まった。

 

「この速度、ついてこられるかな?」

 

ヅダの両肩部に取り付けられた、改良型土星エンジンが膨大な推力を生み出す。

 

あまりの速さにザクからヅダを狙って放たれた弾丸は、その影すら捉える事ができない。

 

一方ヅダの方は、新たに開発されたモビルスーツ用OSの効果により高速戦闘中でも狙撃を可能としており、高速で機動しながら放たれた一撃により、また一機のザクが行動不能となる。

 

「ヅダの武器はひとつではないのだよ!」

 

大型対艦ライフルによる狙撃を警戒する敵機に対し、ライフルのモードを狙撃から連射に切り替える。

 

すると、狙撃した隙を狙って射撃を繰り出そうとしたザクが直撃をくらいまた1機離脱する。

 

4機のザクがやられてようやく射撃戦の不利を悟った2機のザクは、ヒートホークを引き抜き捨て身の突撃をかけてきた。

 

「ふん。格闘戦か。いいだろう付き合ってやる。」

 

ライフルを左肩のアタッチメントに戻すと、右手の円型シールドからヒートソードを引き抜く。

 

「ヅダの性能をその目に焼き付けたまえ!」

 

ザクを遥かに超える推力で瞬く間に間合いを詰めると、敵機に反応する時間を与えずヒートソードを振り下ろす。これで残るは1機のザクのみ。

 

その隙を狙って襲いかかってきた最後の機体のヒートホークをシールドで受けとめると、そのまま両肩の土星エンジンを吹かして、シールド越しに体当たりを仕掛ける。

 

すると、あまりの衝撃にザクの脱出装置が誤作動し、コックピットが射出されてしまった。

 

1対6の戦いで示された戦果は、最早ヅダがザクを遥かに超える機体である事を示していた。

 

そう!最早ヅダはゴーストファイターではないのだ!

 

そうして評価試験を最高の結果で終えた私は、機体をグワダンに向け発進させるのであった。

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