新・ギレンの野望(笑)   作:議連・座備

4 / 70
4話 UC0068年8月 アイナ・サハリン

ジオン共和国中央病院VIPルーム

 

やあ……諸君。ギレン・ザビである。

 

この前思いつきでサスロに言ったジオニック、ツィマッド、MIP、スウィネン4社の経営統合がめでたく決まり、新しい会社名がジオ・マッド社に決まったそうだ。

果たしてMIPやスウィネンは何処にいってしまったのだろうか?

 

さて経営統合に伴う協議の中で、統合を推進したジオン共和国政府としてもジオ・マッド社へ何らかの支援を行うべきだという話になり、最終的に資金援助と軍から技術者を派遣する事が決まった。

 

それを伝えに来たサスロがなかなか良い人材がいないとぼやいていたので、アイナの兄であるギニアス・サハリンを技術者として推薦しておいた。

 

色々と問題もある人物だが、アプサラスを開発した技術力は本物だからな。ゲームだとグロムリンとか言う超兵器も作っているし。

 

今日はそんな経緯でジオ・マッド社への派遣が決まったギニアスが、推薦の礼を言いに病室を訪れていた。

 

特別な便宜を図った訳ではなく、単に能力があるから推薦しただけなので別に礼など不要だったのだが、せっかく来てくれたのでこの前作ったプチモビのガンプラもどきをプレゼントしてあげた。

 

すると、それが何だかわからない様子だったので、昔見たプチモビの設定について説明してあげると何故かとても感動して尊敬の眼差しで見られた。気分が良かったのでまた何か作ったらプレゼントしてあげようと思う。

 

そう言えば、ミノフスキー博士はザビ家からの資金援助により無事にミノフスキー粒子の実証試験に成功したらしい。

 

ミノフスキー粒子の効果が原作同様である事を確認できたのは良かったものの、今の時点で連邦にミノフスキー粒子に注目されると非常に不味い。なので、博士にお願いして電子機器に影響を与える特性等は伏せて発表してもらった。

 

 

【挿絵表示】

 

 

また、博士から資金援助へのお礼のメッセージがきていたので、ジオ・マッド社への勧誘とミノフスキー粒子を使った小型核融合炉の開発依頼を出しておいた。

 

受けてくれるかはわからないが、追加の資金援助と相応のポストを用意すれば何とかなるだろう。

 

まあそんなどうでもいい話は置いておいて、ついにこの日がきてしまった。

 

そう。俺が退院する日である。

 

ここが痛い、あそこも痛いと仮病を使って退院日を引き延ばしていたのだが、見舞いにきたガルマに「兄上はテロで傷を負われて入院しているのに、次々と計画を立案されて凄いです!」と尊敬の眼差しで見られてしまい、病院でゴロゴロしている事が後ろめたくなりついに退院を決意した。

 

幸いサハリン嬢が退院後も身の回りの世話をしてくれる事になったので、前世?で生活力に問題があった俺でも安心である。

 

退院に伴いサハリン嬢に「入院中は世話になった。これからもよろしく頼むぞ。サハリン嬢。」と言ってみたところ、

 

「少しでも閣下のお役にたてたなら嬉しいです。私の方こそ至らない所ばかりですが、どうかこれからもよろしくお願いします。後、よろしければこれからはサハリン嬢ではなくアイナとお呼びください。」

 

と、キラキラした瞳で微笑みながら呼び捨ての許可を貰ってしまった。

 

これは……。知らない間にフラグをたてたか?!

 

まあそんな冗談はさておき、ザビ家親衛隊がキシリアの下から俺の下に配置替えになった。今回爆弾テロの標的にされた事から、俺の警備を強化する意味も兼ねて配置替えが決まったらしい。

 

矢のように鋭い視線を向けながら、嫌みまじりに引き継ぎの説明をするキシリアを見て俺は思った。

 

もう一度入院したいぜ……。

 

 

一一一一一一一一一一一一

 

 

side アイナ・サハリン

 

 

ギレン閣下にお仕えさせて頂くようになり、半年が過ぎました。人のお世話をして過ごす日々は私に向いていたようで、毎日充実した時間を過ごさせて頂いています。

 

なのでギレン閣下にお礼を言いに訪れた兄から、「退院後も閣下のお側で働いてみる気はないか?」と聞かれた時には「是非働かせてください!」とすぐ答える事が出来ました。

 

また、兄もギレン閣下との会話の中で興味深いお話を色々聞かせて頂いたようで、興奮した面持ちで尊敬の眼差しを向けていたのが印象的でした。

 

そう言えば、ギレン閣下にお仕えさせて頂く中でわかった事があります。

 

それはギレン閣下が普段されている気難しそうな顔は為政者としての対外的な顔であり、それとは別にギレン・ザビとしてのお茶目な一面をもった顔があるという事です。

 

例えば、食事の際に腕の傷が痛んで食べにくそうにされていたので「よろしければ私が食べさせて差し上げましょうか?」と冗談のつもりでお聞きしたところ、「頼む」と真顔で返されてしまい、赤面しながら食事の手伝いをさせて頂く事になってしまいました。

 

そんな風に私が恥ずかしがる姿が気に召されたようで、それから閣下の腕の傷が治るまでの間、私の手で食事を食べさせて差し上げる事になりました。

 

きっとこれは私にだけお見せになっている部分であり、それは同時に私への信頼の証であるように感じてとても幸せな気持ちになったのでした。

 

さすがに退院してしまえば食事のお手伝いをさせて頂く機会はないと思いますが、もし閣下がご病気にでもなられた際には、また食事のお手伝いをさせて頂きたいと思います。

アイナ様に似合いそうな機体は?

  • アプサラス
  • ビグ・ラング
  • ビグ・ラング(ビグロの部分がビグザム)
  • アプ・ラング(ビグロの部分がアプサラス)

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。