なお、今回の内容にあわせて前話の最後の方を少しだけ修正させて頂きました。
ざっくり変更点
ガンダムのデータ収集→量産型機の開発とガンダムのデータ収集
後書き(ゲルググ・インペリアルについて)
「カムラ君、量産型モビルスーツの開発状況はどうだね?」
「レイ主任、我々が量産機の開発をはじめてまだ1週間ですよ?いくらザクという量産機の見本があるといってもそう簡単にはいきません。
不眠不休で作業を進めさせていますが、やっとガンダムの設計を参考に生産コストを抑えた簡略型ジェネレーターの開発に目処がついたところです。」
「ほう、ならば完成したようなものではないか。」
「は?何をおっしゃっているのですか?」
「今の連邦が求めている量産機は、ザクを倒せる程度の戦闘力を持っており、なおかつ短期間に大量に生産して戦線へ投入することが可能な機体だ。
ならば量産機として既に完成しているザクに、それを撃破できるビーム兵器を搭載するのが一番効率的だと思わないかね?」
「しかし、それではザクと同程度の機体性能しか持たせられません。」
「ザクより多少高性能な機体を作ったとしてもどうせそれを操縦するのは満足な訓練も受けていないひよっこなのだ。開戦の数年前から経験を積んでいるジオンの猛者相手にその程度の性能差など意味をなさんよ。
それならばいっそ割りきって数を揃えた方が効率的というものだ。」
「それは、そうかもしれませんが……。」
「量産機で多くの戦果を上げた者や、優れた操縦適性を持った者にはガンダムの量産タイプを支給する事で対応しようと思う。最も生産コストがかかるので本当に極少数のエースのみになると思うがね。」
「ガンダムタイプを量産するのですか?!」
「ジオンのヅダの活躍を見ればわかるように、高性能な機体とエースパイロットの組み合わせによる圧倒的な「質」は馬鹿にできんのでな。
少数の精鋭で戦線を突破して敵の指揮系統を叩いたりできれば戦局に大きな影響を与える事も不可能ではない。
生産コストを下げる為に装甲の形状や部品の要求水準を大幅に下げ、代わりにモスク・ハン博士が研究中のマグネット・コーティングを施す事で性能の維持を考えている。
後は従来の教育型コンピュータの代わりにジオン内部から流れてきた対NT用システムを搭載するとかだな。」
「対NT用システムですか?」
「ああ、ジオンのクルストという博士が開発したシステムで搭載された機体に驚異的な性能を発揮させるらしい。どこまで本当にかわからないが、「ニュータイプ」を戦場で見つけると機体が勝手に動き出して殲滅するとか。」
「いや、本当にそんな事が可能なのですか?」
「わからんよ。だが、現在ジオンが使っているOSよりも性能が良いのは事実らしい。最も量産には向いていないそうなので一般機には使えないそうだが。」
「それは残念ですね……。テム主任、今の話の間にザクの設計データを確認していたのですが、簡略型のジェネレータといってもザクのジェネレータと比べると大型になるのでそのままでは機体に収まりません。」
「それはいかん、データを見せてくれ!……なんだ、これくらいか。これなら脱出ポッドとバックパック換装システムを取り外せば十分に収まるだろう。」
「……バックパック換装システムはともかく、脱出ポッドまで取り外すのですか?」
「練度の低いパイロットでザクに対抗するにはビーム兵器を搭載する他にないからな。それに当面の主戦場は地上だ。脱出ポッドがなくてもさほど困らんよ。」
「……わかりました。では生産性をあげるため、できるだけ直線的な形状の装甲にしようと思います。」
「それは良いアイデアだな。そうすればパッと見ではザクとはわからなくなるし、正に一石二鳥だ。そちらの方向で設計を進めてくれ。」
「はい。了解しました。」
やあ…諸君。地上に帰ってきてそうそうに書類の大軍に包囲されたギレン・ザビである。
サイド3へ戻っている間も緊急を要する案件や重要な報告は受けていたのだが、部隊の配置や現在の補給状況といった頭に入れておかねばならない報告が山積みとなっているのでずっと書類を読んでいるのだが……。
アルテイシア、仕事中に後ろから胸を押し付けて耳に息を吹ふきかけるのは止めなさい。書類に集中できないでしょう!
無理を言って秘書という名目で付いてきたんだから、ちゃんと秘書としての仕事をしなさい。
ララァもそこで「では私も愛人としての仕事をした方が良いのでしょうか?」とか真顔で聞いてこない。
うむ、頼む。とか私が言った日には、ここで戦争が始まってしまうので正直に答えられないではないか。
護衛なのに書類整理を手伝ってくれているハマーンを見習ってくれ。全く。
……ってハマーン。なんだその私ものっかるべきなのかしら?といった感じの顔は。
ふぅ……。やれやれだな。
まぁこんな下らない事をずっと話せる時間を手に入れる為と思えば、この書類の山を読む気も出てくるというものだが。
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side ジャブロー本部 地下ゴルフ場
「で、エルラン君。例の彼女の調子はどうかね?」
「はい、ゴップ将軍。彼女自身は壮健ですが、最近身の回りで小蠅が飛び始めたとの事で、暫く新しい話題は提供できそうにないとの事でした。」
「ほう…。それは大変だ。何か我々で手伝えそうな事はあるかね?」
「彼女の本業の成績が芳しくないため、蠅の視線をそらす為に大口の仕事を頂けたらありがたいとの事でした。」
「ふむ……。我々としては好ましくないが、色々便宜を図ってくれている彼女のためなら致し方あるまい。
旧式の輸送船と壊れかけのミデアを幾つか出してその情報を彼女に送ってやれ。
ああ、残骸から足がつかないようにミデアは水上を飛ばすようにな。」
「は、了解しました。」
「上手くやればアジアへ派遣する補給艦隊の陽動にもなるだろう。せいぜい目立つルートで移動させてや…れ!」
「おお、ナイスパットですね!」
「そうだろう。部屋でパットの練習ばかりしていたのでパットばかり上手くなってしまってな。
本当は外のコースを回ってショットの練習をしたいのだが、レビルがいらん事をしてくれたお陰でそれもままならん。」
「は?レビル将軍が…でありますか?」
「そうだ。宇宙艦隊の主力が壊滅してサイド共栄圏なるものが誕生した時点で勝負は既についているのだ。
ジオンとの戦いがどうなろうと、もはやスペースノイド独立の流れは変わらんだろう。
なのに敗軍の将がいらん演説をして、それに責任をとりたくない政治家がのっかっているのが現状というものだよ。エルラン君。」
「……なかなか辛辣なご意見ですな。」
「事実だからね。仮にジオンとの戦いに我々が勝利したとしても残りのサイドが簡単に独立の夢を放棄すると思うかね?
例え首脳部がそうしたくとも民衆がそれを許すと思えんし、それを武力で阻止すれば今度こそ宇宙と地上とで全面戦争となるだろう。
そんな無駄な戦いに熱を上げるくらいならこうしてゴルフの練習をする方がよほど建設的というもの…だ!」
「おお、ショットもお上手ではないですか。」
「それなりにはね。という事で君には将来を見据えて彼女以外ともツテを作ってくれると助かるのだが。」
「……は。努力してみます。」
「うむ、頼むよ。ではボールの所まで行こうか。」
アイナ様に似合いそうな機体は?
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アプサラス
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ビグ・ラング
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ビグ・ラング(ビグロの部分がビグザム)
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アプ・ラング(ビグロの部分がアプサラス)