そしてイト・レイに投票して頂いた方ありがとうございます。
元ペンネームがたまたまito01なだけで何の関係もありませんが、イト中尉に代わってお礼を申し上げます
サイド7
宇宙で唯一の親連邦勢力となった最も新しいスペースコロニーである。
ルナツーにほど近いこのコロニーで行っていたモビルスーツ開発の成果を回収するため、連邦軍は最新鋭の強襲揚陸艦であるホワイトベースを派遣していた。
「ずいぶんと遅い到着ですね。パオロ中佐」
「そう責めてくれるなレイ大尉。仮にもこのサイド7は中立を謳っているのだ。そこに我が軍の艦艇を入れるのはそう簡単ではないのだよ。」
「我々の研究所の建設を黙認しておきながら、今さら軍艦一隻の受け入れが問題だと?」
「地上でもジオンに対して敗退を続けているのだ。彼らが我々への協力を渋るようになったとしてもそれを責める事はできんよ。」
「まあ、そうかもしれませんが……。ですが我が軍の劣勢はもう終わります。ガンダムの開発が完了し、ジムの量産も進みつつある今、我が軍の勝利は約束されたようなものです!」
「是非そうなって欲しいものだな。試作機の積み込み状況はどうかね?」
「直前に私が開発した新しいパーツの組み込みをおこなっていた2号機以外はまもなく搬入が完了します。その2号機もそろそろ研究所を出る頃かと。」
「そうか。ならば我々も出港の準備を急がねばなら…。」
「パオロ中佐!!」
「どうしたのかね?ブライト少尉。」
「今、サイド7政府にジオンから中立違反についての抗議と宣戦布告があったと!」
「!!!なんだと?!い、いかん!ジオンがくる。早く逃げ…。」
ピカッ……。
数時間前
「シーマ大佐、ただいまサイド7の偵察から戻りました。」
「お帰りよ、赤い彗星。で、サイド7の様子はどうだい?」
「は、連邦軍のモビルスーツ研究施設を発見し、それをRX-75 ガンタンクやジムタイプが警備に当たっているのを確認しました。」
「おやおや、真っ黒だねぇ…。何が中立だい、笑わせるよ。」
「今回の任務はギレン総帥からの特命と聞きましたが、総帥からはなんと?」
「総帥からは威力偵察といった中途半端な事はせず、特殊部隊を潜入させて偵察し、連邦の存在が確認できたならば全戦力を投入して奇襲をかけて一気に仕留め、手に負えないような規模ならば敵に気づかれないように撤退せよとおおせだ。どう思う?シャア少佐」
「緊急の任務という事で今ここにいる戦力はこのリリー・マルレーンとドムが2機、ザクが7機と多くありません。ですが、敵もそれほど多くはないようなので、奇襲をかければ撃破は十分に可能かと。」
「今なら獲物がよりどりみどりって事かい。良いだろう、サイド7の中立違反の証拠も十分につかんでいる。仕掛けるよ!
コロニーに残っている連中を使って爆弾を仕掛けさせ、爆破にあわせてモビルスーツ隊で襲撃する!
私のドムとザク2機でベイを、シャアのドムとザク2機でコロニーの防衛隊を、デニムのザク小隊で研究施設を制圧する。ヘマするんじゃないよ!」
やあ……諸君。ギレン・ザビである。
先日連邦のモビルスーツ開発状況が気になってサイド7にシーマ隊を派遣したのだが、案の定連邦軍の研究施設が発見された。
サイド7でガンダムのテストをする事はわかっていたのに、地上での戦いにかかりきりになって忘れていた俺のミスだ……。
サイド7の中立違反の証拠を掴んだシーマ隊は、その事実をサイド7政府に突き付けて宣戦布告をするのと同時に攻撃を開始し、連邦の防衛隊による抵抗を粉砕したものの、サイド7で開発されていた試作機の大半は既にホワイトベースに積み込まれた後だった。
唯一研究所から移送中だった2号機に対して、コロニー内に侵入したザクが攻撃をしかけたものの、モビルスーツキャリアを破壊して撃破したと思った隙にパイロットに機体に乗り込まれて逆にザク2機が返り討ちにされてしまい、残った部隊もホワイトベースから出撃してきた4機のガンダムタイプと数機のガンキャノンに圧されて撤退を余儀なくされたそうだ。
……。おい、ガンダムタイプが合計で5機もいるとかどういう事だよ!?
まさかプロトタイプと3号機の他にも、4号機や5号機がサイド7にあったと言うのか?!
原作よりも多くの戦力を投入すれば初動で撃破する事ができるかと思ったが、どうやら考えが甘かったようだ……。
こうなった以上、周辺を航行していた艦艇をかき集めて向かわせた増援と一緒に大気圏突入のタイミングで仕掛けさせる他ないのか……。
だがまあ、ガンダムのパイロットが天パじゃなくてイト中尉とかいうテストパイロットならたいした事ないだろうから良かった。
一一一一一一一一一一一一
side アムロ・レイ
フラウに促されてシェルターに向かっていた僕の前に連邦の大型トレーラーが現れ、操縦席にザクマシンガンの砲弾を受けて動きを止める。
すると、破壊されたトレーラーの操縦席から這い出てきたのは、僕の叔父であり、同時にコロニー落としを予言して「当たらない預言者」とも言われたイト叔父さんの姿だった。
倒れた叔父に駆け寄ると、
「ガ、ガンダムを…。ガンダムを頼む、アムロ君……。く、くそ、コロニー落としはおきなかったの、に…。」
その言葉を最後に、「アムロ君、君にはモビルスーツパイロットとしての才能を感じる。僕が操縦の仕方を教えてあげよう。」と言ってモビルスーツの操縦方法を教えてくれ、あまり上手くいっていなかった父との関係をとりもってくれた優しい叔父は息を引き取った。
何でこんな事に……。やり場のない怒りと悲しみにうち震える僕の目に、叔父に託されたガンダムの姿が映る。
僕が叔父さんの敵をとってやる!
そう思ってガンダムのコックピットに乗り込むと、家に叔父さんが持ってきたシミュレーターと同じ計器類が目に入ってきた。
「シミュレーターどおりだ……。これなら動かせるぞ!」
そう思い操縦パネルのスイッチを入れると、ガンダムのメインカメラに光が灯る。
そのままガンダムを起き上がらせると、目の前のモニターにマシンガンを構えたザクの姿が現れた。
「う、うわ!」
思わず操縦桿のスイッチを押すと、頭部のバルカン砲が砲弾を打ち出し、それに驚いたザクがガンダムから距離をとる。
こいつが叔父さんをやったのか!
「よくも、よくも叔父さんを!!」
叔父さんと一緒にやったシミュレーターでの操作を必死に思いだし、ガンダムにビームサーベルを引き抜かせる。
そして距離をとりながら此方の様子を窺っているザクに向けてガンダムを跳躍させると、その胴体めがけてビームサーベルを振るった。
すると、61式戦車の砲弾にさえ耐えるザクの胴体は、まるでバターを切るかのように、何の抵抗もなく真っ二つになった。
だが、それは同時にザクの核融合炉を暴走させ、コロニー内部で巨大な爆発を引き起こしてしまった。
「だ、だめだ。動力炉を破壊するとコロニーを破壊してしまう!コクピットを狙わなくちゃ...!!」
そんな事を考えているうちに、仲間を倒されたもう一機のザクがヒートホークを引き抜くと、スラスターを全開にして此方に向けて突進を開始する。
「っ…!そこ!」
少しシミュレーターでの操縦経験があるだけの素人とこのような特殊任務にも投入されるほどのベテラン兵との戦いは、誰が考えてもベテラン兵の勝利によって終わるものと思われた。
だが、素人であるはずのアムロは、飛び掛ってくるザクのヒートホークによる一撃を機体を僅かに捻ってかわすと、ガンダムのビームサーベルをザクのコクピットめがけて正確に突き立てた。
何故素人でしかないアムロにそんな動きができたのか説明できる者は何処にもおらず、そこには、操縦者を失ったザクが動きを止めた事実のみがあった。
アイナ様に似合いそうな機体は?
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アプサラス
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ビグ・ラング
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ビグ・ラング(ビグロの部分がビグザム)
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アプ・ラング(ビグロの部分がアプサラス)