南米・連邦軍本部ジャブロー
「ゴップ将軍、北米を進んでいたホワイトベース隊がジオンに倒されました。」
「ほう…それは残念だね、エルラン君。増援として送り込んだホワイトディンゴは間に合わなかったという事かね?」
「いえ、増援は間に合ったのですが、ジオンのホワイトベースへの執着が我々の予想以上だったようで、多数のエースと新型機を投入され防ぎきれなかったようです。」
「ほう、ではジオンの目を北米に向けさせる囮としては成功したと言うことかな。」
「はい。また、北米方面軍が増援を送り込んだ際に、V作戦のデータと損傷した3号機の回収に成功しました。現在、ジャブローに向けて輸送中であります。」
「一体とはいえ、例の教育型コンピューターを搭載した機体を回収できたか。それは急いでデータを解析させねばならんな。」
「はい、オデッサ作戦が終わる頃には解析したデータで作った新OSが完成していると思われます。
それとゴップ将軍、ひとつお耳に入れておきたい事が。」
「?何だね?」
「ジオンの情報提供者についてなのですが、どうやらジオン内部で内通を疑われているようです。」
「ほう……、確かな情報なのかね?」
「はい。……極秘裏に長男から私にコンタクトがありました。『貴様がキシリアのところと情報をやりとりしている事は知っている。』と。」
「それは…致命的ではないか。」
「は、ただ、あちらからの要望は、終戦に向けた交渉の窓口となって欲しいとの事でありました。」
「……ふむ。彼女には色々と世話になったが、この辺りが潮どきという事かな。
それに交渉の窓口については此方もちょうど欲しかったところだ。
オデッサ作戦の結果を見てから長男との交渉に入る事にしよう。」
「オデッサ作戦の情報についてはいかがいたしましょう?予定では彼女に北米方面への陽動に関する情報を流す予定でしたが。」
「それはそのままで構わんよ。彼女からの情報通りに我が軍による攻撃があれば、あちらも何が正しいのかわからなくなって混乱するだろうからな。その隙を突けば良い。」
「は、ではそのように処置させて頂きます。」
やあ…諸君。ギレン・ザビである。
キシリアから北米方面軍への大規模攻勢の情報が入ったのでてっきり連邦によるオデッサ作戦へ向けたフェイク情報かと思って無視していたのだが、その情報通りにジャブローとカナダの連邦軍による北米大陸への侵攻が始まり、現在ガルマがそれへの対応に追われている。
いや、だってガルマにゲルググを増援として送った事に対する嫌みと一緒に伝えられたキシリアの情報ほど信用できないものもないでしょうよ?
お陰でフロリダとカリフォルニアへの連邦軍の上陸を許してしまい、それにあわせて始まった連邦軍による攻勢によって北米大陸の状勢は一気に慌ただしくなっていた。
まったく、捕らえたホワイトベース隊の人員や機材が無事にオデッサに到着して一息ついたと思ったらこれだよ……。
お陰で予定していたガルマへのジオン十字勲章授与式が延期になってしまった。
まあガルマとしては父上にイセリナ嬢との関係を正式に認めて貰えただけで十分だったようだが、私としては父上がギレンもガルマのように女性関係をしっかりしてくれていれば私の髪ももう少し残っていただろうにと言っていたのが気になった。
父上、どのみち貴方の髪はお亡くなりになる運命なのです。
後は、オデッサに到着したホワイトベース隊のクルーと面会した俺がガンダムのパイロットが天パだった事を知って驚愕していると、たまたま居合わせたララァが天パに「…きれいな目をしているのね。」なんて言いながら近付いていった時はどうしようかと思った。
まあ、その直後に「フフフ、でも貴方は来るのが遅すぎたの。私はもうこの人の為に生きると決めているからごめんなさいね。」と言って私の隣に戻ってきたので不安はすぐに消える事になるのだが。
諸君…そんなに石を投げないで貰えるかな。
アムロの処遇については、最初はテストパイロットとして我が軍のモビルスーツ開発に貢献して貰おうと思ったのだが、せっかく父と一緒に捕らえたので、ホワイトベース隊のクルーの待遇改善を条件に親子ともども我が軍の新型機開発に協力して貰う事にした。
テム・レイは最初は我々への協力について難色を示したものの、ノイエ・ジールやアプサラスといった我が軍の新兵器を見せたところ、溢れる研究者魂を抑えきれなかったようで、アムロ以上に乗り気になってモビルスーツ開発に励んでくれるようになった。
原作でも最後までガンダムのパーツを作っていた辺り、その本質は軍人というよりは技術屋なんだろう。
残りのホワイトベース隊については、アムロとの取引もあるので戦闘に関与しなかったカイやハヤトといった純粋な民間人については調書をとった上で解放し、フォルド中尉やブライトといったクルーについては、高級ホテルを改修した上級士官用の捕虜収容所へ入れて連邦への忠誠心が下がるのを待つ事にした。
レビルの件もあって警備はこれでもかというくらい強化してあるので、そう簡単には逃げられないだろう。
話が横道に逸れてしまったな……。今はホワイトベースの事より北米大陸への対応についてだ。
キシリアの情報が正確だとすると、次はベルファストに集結している連邦の大軍が、北米大陸東海岸を埋め尽くす事になる。
もしそうなった場合、現有戦力だけで北米大陸を防衛するのは難しくなるので、そうなる前に北米大陸へ増援を送る必要があるのだが、原作を知る身としてはオデッサ作戦の事がどうしても頭をよぎる。
そんな状況でキシリアからは「どうされたのですかギレン総帥?前回は私の反対を押し切って増援を送られたのに、今回は北米へ増援を送られないので?」とか通信で煽られるし……。
ホワイトベース隊をガルマが仕留めたという連絡を受けて露骨に狼狽していた癖に後で覚えていろ(怒)
……まあ良い。予定とは異なるが、オデッサに駐留している戦略機動連隊と戦略海洋軍の主力を北米方面へ移動させて万が一の事態に備えさせよう。
連邦の奴らがどう動こうと、既に我が軍の勝利への道程は整っているのだから。
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side ヨハン・イブラヒム・レビル
「レビル将軍!オデッサに駐留しているジオン軍からかなりの規模の部隊が北米大陸に向け移動を開始したとの報告がありました!」
「報告ご苦労、ブレックス君。そうか、開戦からずっとジオンに翻弄されてきたのでどうなるか心配していたのだが、どうやら上手く陽動に乗ってくれたようだな。」
「陽動といっても全軍の1割近い部隊が北米攻略のために動いておりますからな。更に北米で戦っている者達にはその戦いが陽動であると知らせていないと聞きます。」
「それくらいせねばジオンの目をごまかす事はできんよ。そもそもオデッサのジオンが動かなければ北米攻略作戦に切り替える計画も存在するのだから、完全に嘘という訳でもあるまい。」
「それもそうですね。オデッサに潜り込ませたスパイからは、駐留していた潜水艦隊の大半が姿を消し、ザンジバル級と大量のHLVが打ち上げられた事を確認したとの事です。」
「そうか。新たに編成されたという広域展開部隊をオデッサから引きずり出せたという事だな。……グワダンは?」
「グワダンの打ち上げは現在のところ確認できていません。もっともあの艦は神出鬼没ですので我々の知らない所で打ち上げられている可能性は十分にありますが。」
「ギレン・ザビのジョーカーであるあの艦を北米に誘き出せれば我が軍の勝利は確実だったのだがな…。
我が軍のジョーカーだったホワイトベース隊が健在であれば、上手く引き付けてくれたかも知れないが、まあ無い物ねだりをしても仕方あるまい。
全軍に号令を出せ。これより我が軍はオデッサ作戦を開始する!」
アンケートでザクの改良(アクト・ザク) とありますが、アクト・ザクがペズン計画で開発された機体だった事を忘れていたもので、ザクの改良(ハイザック)に修正させて頂きます。
※アンケートの表記は修正できないのでそのままです
アイナ様に似合いそうな機体は?
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アプサラス
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ビグ・ラング
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ビグ・ラング(ビグロの部分がビグザム)
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アプ・ラング(ビグロの部分がアプサラス)