ククク…連邦と同様に騙されましたね!
もともとこのオデッサ戦を書きたくて始めた小説なので筆が進む進む…。
という事で次こそ本当に一週間位かかると思います。
キエフ上空 アプサラスⅢ
「私の夢、受け取れー!!」
そんな台詞とともにアプサラスⅢから放たれた巨大な閃光が、オデッサの地に展開した連邦の大軍をまるでケーキを切りわけるかのように容易く切り裂いてゆく。
その光景は、まるで神がソドムとゴモラを焼き払ったというメギドの火が、ジオンの手によって再び地上に甦えったかのようであった。
大型メガ粒子砲による一撃でビッグトレー級と周囲の護衛部隊を纏めて消し飛ばしたアプサラスⅢは、メガ粒子砲を収束モードから拡散モードへと切り替えると、巨大な砲門から無数の閃光を解き放った。
250以上の兵器への同時攻撃を可能にするこの驚異の兵器は、僅かに統制を保っていた61式戦車を主力とした機甲師団に向けて光の雨を降らせ、三度に渡った照射の後には動くものなど何もなかった。
アプサラスによる光の洗礼を受けて巨大な穴が空いた連邦軍の隊列に、第一地上機動師団の精鋭が操る重モビルスーツ「ドム」の群れが押し寄せる。
ただでさえ、主力であったモビルスーツ「ジム」の突然の停止によって大混乱に陥っていた連邦軍にその侵攻を止める術などあるはずもなく、オデッサ攻略のためジオンの領域に進軍していた連邦軍の多くは、ジオンの重モビルスーツによって退路を断たれようとしていた。
ビッグトレー級陸上戦艦 バターン号
「動け、動け、動け!動け、動いてよ!今動かなきゃ、何にもならないんだ!今動かなきゃ、今やらなきゃ、みんな死んじゃうんだ!もうそんなの嫌なんだよ!」
ノーマルスーツに搭載された無線を通じて、機体に閉じ込められたパイロットが機体を動かそうとあらゆる操作をしているのが伝わってくる。
しかし、連邦の勝利のために作られたこの巨大な人型は、再起動を含めたあらゆる操作に対して何の反応も示さず、まるで己を作り出した真なる主人を待っているかのようにただ静かにその場に佇むだけであった。
「……やむを得まい。ブレックス君、オデッサ作戦は失敗した。全軍に撤退命令を出してくれ。」
「本気ですかレビル将軍?!この戦いには我が軍の戦力の3割を投じているのですよ!!」
「そんな事は言われなくてもわかっている!!
だが、ジオンの重モビルスーツが我が軍の後方を遮断しつつあり、完全に包囲されてしまえば今の我々にそれを突破するだけの力はない。そうなるより前に少しでも多く戦力をここから離脱させる必要があるのだ!」
「しかし、撤退しようにもモビルスーツの大半は戦場で動きを止めており、動かせません。まさかパイロットごと機体を処分しろとでも?!」
「く、緊急脱出システムを排除したツケがこんな形で回ってくるとはな……。
工兵隊を出して可能な限り機体とパイロットを救出しろ。
それが出来ない機体については、遺憾ながらそのまま放棄する。パイロットには適時ジオンに投降するように伝えてくれ。」
「……おそらく大半の機体は回収できませんよ?」
「他に手がないのだ…。流石にパイロットごと機体を破壊する事はできん。
もしそれをやらせれば兵達の士気がもたんだろう。
せめて回収する機体については、ジーラインタイプを優先して回収するように指示してくれ。」
「は…、了解しました……。」
「すべてモビルスーツ、モビルスーツか、時代は変わったな。」
「し、将軍、ベルファストから緊急連絡が入りました!!オデッサから北米に向かったハズの部隊がベルファストを襲撃してきているとの事です!!」
「な、…なんだと?!」
やあ…諸君。ギレン・ザビである。
メイがキシリアのところに渡すOSに細工してくれたおかげで、パンドラ作戦はジオンの大勝利によって幕をおろした。
オデッサに侵入してきた連邦軍のうち、約二割が我が軍によって撃破され、四割が我が軍に降伏し、三割がいまだに我が軍の包囲下にあり、無事に撤退できたのは全体の僅か一割程度でしかなかった。
更に連邦はモビルスーツの大半をパイロットごと戦場に放棄せざるをえず、我が軍は2000機を超える数のジムを鹵獲する事になった。
……いや、自軍の総数より多い連邦兵を捕虜にしたり、ほぼ同数のモビルスーツを鹵獲するとかどんな戦いだよ?
そのため大量の捕虜への食事や生活用品の供給などのために補給関係の部署が悲鳴を上げており、一時は連邦軍への追撃を続ける機動打撃連隊への補給にさえ影響が出たほどだった。
まあ、機動打撃連隊には母艦としてギャロップが多数配備されていたため、そこまで大きな問題にはならなかったのだが。
それにしても今回の大勝利はメイの力がなければ成立しなかった。
当初の計画では機動打撃連隊と戦略機動連隊によって強引に連邦を分断したところに、アクシズ戦役で使用したアステロイドに耐熱コーティングを施したものを大量に降らせて、飽和攻撃で連邦の防空網を突破して連邦の主力を壊滅させる計画であった。
え?隕石落としは南極条約違反?
大丈夫、南極条約で禁じているサイズのものは掘削してギリギリオッケーになるように調整したから。
それにどうせ証拠は連邦軍と一緒に木端微塵になるので多少大きくても確認のしようがないw
まあせっかく作ったのでこれはジャブロー攻略の時にでも使うとしよう。
この作戦でも連邦軍を撃破する事はできたと思うのだが、この場合、連邦との戦いでかなりの損害が出る事が予想されていた。
今回、大きな損害もなく連邦を圧倒できたのは間違いなくメイの功績であり、そのおかげでますますメイに頭が上がらなくなってしまった…。
まあ、もとからメイには勝てないので、たいした問題ではないのだが。
というか今後の事を考えて今回の勝利の立役者がメイである事を周知したところ、勝利の女神として大人気となってしまい、戦時中なのにもかかわらずファンクラブができてしまったほどだ。
メイに悪い虫がつかないように気をつけねば。
また、本来機動打撃連隊と共に連邦を分断する予定だった戦略機動連隊には、戦略海洋軍と一緒に欧州最大の連邦軍基地であるベルファストの攻略に行ってもらった。
連邦はまさかオデッサ作戦をしている最中にベルファストへ空き巣に入られるとは想像していなかったようで、強固なハズの対空防衛網をユーコンから出撃したハイゴッグによって破壊されると、続いて宇宙より降下してきた無数のザクによって瞬く間にジオンの勢力下におかれていった。
また、パンドラ作戦の実施にあわせて実施された各方面軍への全面反攻作戦でも我が軍は連邦軍を圧倒し、特に北米大陸ではガルマがモビルスーツが使用不能になって連邦軍が混乱した隙をついてガウを用いた大規模空挺作戦を実施し、パナマ運河一帯の占領に成功していた。
さて、これで地上の戦いの大勢は決した。後は連邦の残党を掃討してからヨーロッパ方面の戦力を北米に回してジャブローを落とせば戦いは終わるだろう。
だが、最後の戦いを始める前に我らジオンの身内を掃除しておかねばならんな。
覚悟しておけ、キシリアよ。
一一一一一一一一一一一一
side キシリア・ザビ
「な、…連邦のオデッサ攻略軍が壊滅しただと?!」
「は…どうやら連邦軍は我が軍のOSのコピー品を使用していたようで、そのコピー品には非常停止用のコードが組み込まれたままになっていたそうです。
それがメイ・ザビ嬢の手によって発見され、それを利用する事によって戦闘中に全てのモビルスーツが使えなくなった連邦軍は壊滅、各地で後退を続けているとの事です。」
「く、…カーウィン家の小娘が、よくも我が大望の邪魔を…。」
「また、今回の大勝利を記念してジオン本国で祝勝会をおこなう事となり、キシリア様にも参加するようにとの連絡が内務省より来ております。」
「……。私は気分が優れぬ。そうサスロに伝えておけ。」
「…。キシリア様。内務省からの連絡には追伸があり、必ず参加せよ。さもなくば反逆者としてみなす。そう連絡が来ております…。」
「な!…。まさかOSの件が露見したとでもいうのか?く…。」
「いかが致しましょうキシリア様…。我ら側近はキシリア様の為であれば誰とでも戦う用意はできておりますが…。」
「いや、現在の情勢下で戦いを挑んだ所でドズルの宇宙攻撃軍に鎮圧されて終わりだ。そんな博打は打てぬ。
やむを得ん。私はジオン本国に向かう。
貴様はペズンとともに潜伏し、もし私に何かあった場合は機を見て私の救出に動け。頼りにしているぞ。マ・クベ。」
「は、このマ・クベ、我が力の全てをもって貴女様の期待に応えて見せましょう。
幸いグラナダの兵の大半は低レベルNT向けの処置を応用した催眠によってキシリア様の忠実な僕となっております。我らの動きをごまかす事は十分に可能でありましょう。」
「ウム。さて、後はなんとかして父上だけでも味方につけねば。」
アイナ様に似合いそうな機体は?
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アプサラス
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ビグ・ラング
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ビグ・ラング(ビグロの部分がビグザム)
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アプ・ラング(ビグロの部分がアプサラス)