ヴァルキリーズ極東支部執務室
「…鬼達の機体はすべて無人…でも四年前現れた『ルシファー』『ライトニング』『エリアドミナンスド』は明らかに何者かの意思を感じる…何かしら?」
四年前の鬼達の攻撃が始まった頃に現れた三機の機体に明らかな意思を感じたときメールが一件入る
差出人はG・N…まさかと想い開くと膨大なデータと共に映像データが添付され迷わず開く
『…久しぶりじゃのリトス君…今儂はある少年と共に鬼たちと戦っておる…しかし個人での戦いには限度が出てきた…今から提示する条件を飲んでくれるなら儂らが持つ情報を君に提示しょう…』
私は迷いなく飲むとのメール送信したのち数分後メールが届く
様々なデータと鬼に関する詳細なデータに驚きながら私は提示された条件を飲んだ
第三話 共闘(二)
何でだ…
『モモちゃんだよね!私、アカネだよ!幼馴染みのアカネ・カワシマだよモモちゃん!!』
何でアカネが此所にいんだ…モモタロウの内部、不思議な空間に浮かびながら必死に考える
『ねえモモちゃん!モモちゃんったら!!』
アカネの声は近くの戦車から聞こえてくる…モモタロウの目を向けると内部が透過され見えたのは久しぶりに見る癖っ毛混じりの栗色の髪に赤青黄色のラインが入ったカラフルな髪止めをつけたアカネとやや無口そうな女の子がじっと見ている
『…俺はモモちゃんじゃない…モモタロウだ!』
『いい加減にしなさいバカ桃矢、私達にばれないと思った?それにその癖は治ってないみたいね』
片腕がない機体からアイツ、ノゾミに癖と言われあわてて手の握りしめを止め俺だと気付いた理由がようやくわかった
焦ったり動揺したりすると手を握りしめする俺の癖を知ってんのはノゾミ、アカネの二人だけだ
もうごまかしきれねぇ…
『グギ…ガアアアアアア!!』
鬼の唸り声を聞き二人から目を離し向けた先で四つん這いになりながらヨロヨロと立ち上がる将鬼二体
不味い、アイツ等…シロ、ゴクウ、キジットが此所に来るまであと数分かかる
其れまで俺がコイツらを鬼から守らなきゃいけない、コキコキと指をならしながら構えをとりながらノゾミ達がいる周囲に防御障壁「レガシィフィールド」を展開させる
『レガシィフィールド』はタロウの時にしか使えない広域防御技であらゆる攻撃、例えば将鬼数体の物理攻撃なら楽に防げる反面光学兵器にはあまり耐性がない
一機は荷電粒子砲内蔵型、もう一機はやたらと装甲がついた重装甲型…でも装甲がドロドロに溶けているにも関わらず動いている
『二対一か…けどな男にはな負けらんねえ時があんだよ!!(少しきついな…)』
まずは荷電粒子砲内蔵型の将鬼を叩くことを決め地面ん蹴り殴りかかる
『オラオラオラオラオラオラオラ!!』
素早く翻弄しハイ、ロー、ミドルの順に蹴りを叩き込み怯ませ軽く跳躍と同時体を捻り頭へと体重をのせた蹴りを叩き込み後退させる
「す、すごい…あの将鬼を圧倒している…」
「なんなのよあのロボットは!常識はずれにも程があるわよ!!」
機能停止した戦機人のコクピットから降りタロウの戦いぶりを見て驚くアキラとサヨコとは裏腹にグレンのコクピットから様子を見るミオは違和感を感じていた
(…あの白いロボットはまるで…防御を、自分の身を守ることを考えていない…)
ミオが感じていることをノゾミ、アカネも感じていたその時今まで動かなかった重装甲型がタロウの背後から羽交い締めにする
『し、しまった!』
『ガアアアアアア!!』
もがくタロウを他所に全身の装甲を開き筒上の金属の棒を突出させバチバチと電気を放電させる音がなった次の瞬間激しい光と共に何十億ボルトの電撃がタロウの体に流れた
『グッ!グアアアアアアアアアアア!?』
タロウはもちろん内部で操神している桃矢にも激しい電撃が襲う…常人なら即死なのだが纏っているプロテクター『操神鎧衣
アームドギア
』のお陰で耐えていた
「く、くそ、焼き殺す気かよ…グウウアアア!!」
タロウの内部に浮かぶ桃矢にも電光が走り瞳から光が消えようとした時、激しい光がタロウを掴む将鬼を襲う
『がアアア!?』
『う、う、うおりゃあああ!!』
わずかに掴む力が緩みその隙を逃さず腕をつかみ一本背負いと同時に近くにいた将鬼目掛け投げつけ光が来た方を見るとグレンを抱え様々なケーブルで繋ぎ固定砲台と化した戦機人改の姿
『間一髪、間に合ったわ』
『今のでエネルギーバイパスが完全に途絶、予備回線を使えばが辛うじて一発だけ可能です…』
『バ、バカ野郎!なんで攻撃しやがった、こんな鬼なんか俺一人で……』
『…いい加減にしてよモモちゃん!!』
グレンのコクピットからヘルメットを脱ぎ捨て出たアカネが普段から想像もできないぐらいに大声で叫ぶ姿に思わずビクッと体を震わすタロウ
『私達の機体じゃ鬼には勝てない、でも二体が相手じゃモモタロウ…桃矢、貴方でも不利よね…』
『何が言いたい…』
『あの三体のロボがいない…つまり本来の力がでない…モモタロウになれないって事、あの三体は今手が離せない事をしているそうでしょ?』
『!………ああ』
『つまりはあたしらがその三体が到着するまで援護してやるってんだ』
『まだアタシはアンタを信用した訳じゃないけど鬼を倒せるなら協力してやるわ』
いつのまにかに再起動を終えた戦機人02、03号機がガトリングガンを構えタロウの左右を守るようにたつているのを見て口を開いた
『……三分だ、あと三分したらシロ、キジット、ゴクウが来る…』
『わかったわ、ヴァルキリーズ第四小隊はこれよりタロウと共同戦線を取ります…桃矢、これが終わったらでいいんだけど私達の司令とあってくれるかしら?嫌なら…』
『……いいぜと言いたいがじいさんと話してから決めさせてもらう…いくぞノゾミ!』
地面を蹴り滑るように駆けるタロウ、その背後からガトリングガンを撃ち弾幕を形成しながら将鬼の足を止める戦機人02、03号機
「モモちゃん…後でたっぷりお話しょうね…ミオちゃんどうかな?」
「砲身のブレがヒドイ…隊長、上方右へ四度修正お願いします…」
戦機人改に指示を飛ばすミオを見ながら再発射までのチャージを始める
『ウオオオオ!!』
『ガアアアアアア』
大きく振りかぶった拳を顔面にめり込ませ反動を利用し空いた脚で蹴りを放ち降り立つ、将鬼二体は反撃しょうとするも遠距離からのガトリングガンの弾幕で近づけない
『キキッ!』
『アオオオン!!』
弾幕の雨をかい潜り赤と白の影が将鬼二体に襲いかかるや否や噛みつき引っ掻きダメージを与える
『な、なんなのよあれ!』
『犬とおサルさんだよな?』
いきなり現れたメカニカルな犬と猿に驚き手が止まると同時に空から光の雨が将鬼目掛け襲いかかる
『ピィィィ!』
『あれって鳥だよねミオちゃん?』
『鳥って言うか雉……だからモモタロウなんだ……』
『今よ桃矢!』
『オッシャアアアアアア!いくぞ皆!!』
桃矢、タロウの呼び掛けにうなずくレガシィマシンシロ、キジット、ゴクウはそのまま空へと高く飛び上がりタロウは力強く叫んだ
『いくぞ、レガシィフォーメーション!!』
タロウの体から光が溢れ出すと同時に無数の古代文字が辺りを舞う中、レガシィマシンへ文字が吸い込まれ変化が起こる
シロは右腕へ、ゴクウは左腕へ変わりし変形を終えたタロウの肩へ火花を散らしながら接続と同時に拳があらわれ強き握りしめ脚部も力強く頑丈さを増した装甲へ変わり背後にキジットが各部装甲…陣羽織上に装着…桃を型どったヘッドギア、マスクが装着されアンテナが真ん中から大きく開き目か赤く輝いた
『手前ェ等鬼共の野望を打ち砕く、天下無敵のモモタロウ!ここに見・参!!』
腕を大きく交差と同時に名乗り上げると辺りに暖かな光が降り注ぐ
『『『『………………カ、かっこいい』』』』
ヴァルキリーズ第四小隊の全員思わず呟くなかゆっくりと地面へ降り立ち犬型の装甲を拳に装着し構えた
『ノゾミ、離れてろ!ウオオオオ!ブロォォクウゥン・ファングウウウウ!!』
殴り抜くモーションと同時に白銀色のエネルギーを纏った竜巻が発生し将鬼二体に襲いかかる
『『ガアアアアアア!?』』
凄まじいエネルギーを纏った竜巻にその装甲を切り裂かれながらダメージを受けるもすぐさま獣化し耐えきる
『こいつら、獣化して耐えきりやがったか…ならこいつはどうだアアア!!モンキィィィ・ラアアアッシュ!!』
推進翼を展開し最大出力で加速と同時に猿型装甲を左拳に装着し踏み込みと同時に無数の拳を二体の将鬼へ撃ち込む
『『ガ、ギグガアアアアアア!?』』
目にも止まらない無数の拳打に装甲は砕けオイルや破片が辺りに散らばりやがて力なく膝をつく将鬼二体、それを見て天に向け手をかざす
「こ、これって!?」
「どうしたのアカネ?なんなのコレは!?」
無言で転送されたデータと数値に声をあげ驚くミオ
今モモタロウが天に向け手をかざした周辺に未知のエネルギーが集まり始めている事を示すデータが表示されモニターでは光が集まり巨大な剣が現れ其れを握り構えた
自身の体躯に匹敵する半透明で幅が広い刀身に古代文字が刻まれた剣『オニキリ』を構えると刃が赤く輝き辺りを照らす
『ウオオオオ!悪・鬼・滅・殺・オーガ・スラッシュ!!』
金属音が響くと同時に推進翼が大きく翼を広げ最大出力で加速と同時に将鬼二体を横凪ぎ一閃しすり抜けた次の瞬間、鬼達の体が上下泣き別れなり大爆発を起こした
『…鬼退治完…!なに!?』
『ガアアアアアア!』
爆煙の中から二対の翼を生やした将鬼が現れたのを見て桃矢は二年前に戦った将鬼を思いだした
(あのタイプの将鬼は…不味い!)
『ノゾミ、アカネ、あとの三人、早くにげろ!!』
『え?どういう意味よ!?』
『ガアアアアアア!』
大きく翼を広げた先から無数の羽がノゾミ達がいる場所へと降り注ぐ
『くそ!間に合えええええ』
推進翼を展開し今まで以上の出力で向かうモモタロウは当たる直前で戦車?と戦機人の前に立ちはだかり全てをその身に受け止めた
『グ、グウウウ!!』
凄まじい爆発の衝撃に耐えるモモタロウ…しかし内部にいる桃矢にダメージは容赦なく襲いかかりやがて攻撃がやむと崩れるように片膝をついた
『ハア、ハア、空を飛ぶやつとは相性悪いな……』
『あ、アンタ、何でアタシ達を庇ったのよ…』
『…理由なんかねえよ…ただ…いやいい…あの鳥鬼をどうすっかだ…(あん時と同じタイプだとしたらアレを使うはずだ…あんなもん撃たれたら街が…いや必ず守り抜いてやる!)』
以前あの飛行型将鬼と戦った際は『キジットブラスター』でなんとか倒せたが必殺技『オーガ・スラッシュ』を使った今『キジットブラスター』は撃つ余力もない
しかしふらふらと立ち上がるモモタロウの瞳からは闘志は消えていなかった
『……アカネ、エネルギーチャージ完了してる?』
『え?あ…うん終わってるよ』
『…モモタロウ…さん?…グレンを使って』
『え?』
いきなりのミオからの提案に驚くモモタロウに淡々と告げていく
『…モモタロウさんぐらいの大きさならグレンを構えて撃つ事が出来る…アカネ…説明お願い』
『う、うん…今あの将鬼の内部にエネルギーが溜まっている…このままだと最大の砲撃が間違いなく来る…』
『…桃矢、貴方にグレンの引き金を任せるわ…』
『隊長が言うんなら仕方ないな~』
『…ま、まだあんたを信じた訳じゃないけど…あんたに任せる…しくじんじゃないわよ!!』
自分に向けられる信頼が込められた言葉を、目を聞き感じた桃矢は決意しグレンを手に持ち構えた
『…自慢じゃないけどさ…俺…』
『大丈夫、私が射撃予測補正を…』
『エネルギー調整や誤差修正は私がやるから…モモちゃんは引き金を引くだけでいいから』
上空を見ると既に胸部装甲を展開し発射体制にはいる将鬼を目にしグレンを構える手に力がこもる
『ガアアアアアア!』
先制をとったのは将鬼、その凄まじい光がモモタロウがいる地上目掛け撃ち放たれ
『モモちゃん、今だよ!』
『ああ!』
引き金を引く…しかし何も起きないどころかビームすらでない
『そんな!予備回路が断線してる』
『…アカネ、他の回路は?』
『ダメ、全部繋がらないよ!』
二人のやり取りは外にいるサヨコ、アキラ、ノゾミにも届き諦めが漂う
(くそ、また守れないのかよ!頼むモモタロウ…)
光が徐々に迫るなか桃矢は力一杯叫んだ
『俺に力を貸せええええ!!』
その時だった桃矢の声に答えるかのようにモモタロウの各部装甲から様々な古代文字が浮かび上がりグレンへと吸い込まれ光出す
その光の中でグレンの銃身部分が長く巨大化し中心から二つに割れ基部部分には巨大なレンズ状の物体が着き同時にグリップが現れモモタロウの手に再び握られ内部にいるアカネとミオは不思議な空間に浮かびながらその様を見ていた
『な、なんなのこれ?』
『でも、なんか暖かい…まるでお日様みたい…』
モモタロウの瞳が赤く輝き砲身に凄まじい光が集まり放電現象が起こり始め限界まで達した時
『ウオオオオ!グレン・バスターキャノン!!』
引き金を絞り撃ちはなった瞬間反動で大きく後ずさりし地面がえぐれモモタロウ達に迫った光が桃色の閃光に押され掻き消されついに将鬼を包み込んだ
『ガ、ガアアアアアアアア―――――――――――!?』
凄まじいまでの閃光に飲み込まれやがて消滅しその光は大気圏すら突破したのを極東支部でも観測するほどだった
『す、すごい』
『鬼退治、完了…ハア、ハア、ハア…』
手に構えたグレン…新たな姿になったグレン・バスターキャノンを息を切らしながら優しく下ろした瞬間、元の姿『試作型高出力ビーム砲搭載戦車グレン』に戻りコクピットから二人の少女が姿を表しモモタロウに近付いたとき異変が起きた
『グ、グアアアアアアアアアアアア!?』
全身から放電し瞳から光が消えた瞬間崩れるように地面へ地響きを立て倒れたモモタロウ
「え、どうしたの…モモちゃん…返事をしてよ…」
近づきその巨大な顔に触れ語りかけるも答えない…モモタロウの顔の前で何度も呼び掛けるアカネ
「モモちゃん、お願い…目を、目を開けてよ……モモちゃん!!」
夕焼けが街を照らすなかアカネの叫びが辺り一帯に響き渡った
第三話 共闘(二)
了
第四話に続く!!
将鬼二体との戦闘後、意識を失い倒れたモモタロウ、
それから一週間後ヨコハマ地区の学校にある少年が転校してきた
第四話 炎の鳥(一)
新たなティルレガシィ目覚める!