機械神伝説ー桃太郎ー   作:オウガ・Ω

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第五話 休日

「ねえ、お姉ちゃんこの服なんてどうかな?」

 

「結構似合うじゃない。でもこっちの方どう?」

 

「わあ~綺麗…でもわたしのサイズに合わないよ(胸)……」

 

「…………………………」

 

ある晴れた日の休日、人が賑わう店内で二人が服を手に取りあわせてるのを眺めるツンツンとした髪が特徴的な青年『叶桃矢』は少しため息をつく。だがそれ以上今いる場所が問題だった

 

―女性服専門店『ラディッシュ』―

 

休みともなると可愛いくて清楚な服を目当てに女子中、高生等が訪れる人気店回りの客からの視線に耐えきれず

 

「なあノゾミ、アカネ。そろそろでないか(耐えきれないから)?」

 

「なに言ってんのかしら四年間連絡を寄越さなかったバ・カ桃矢」

 

「お姉ちゃんとわたしを四年間心配させたモモちゃんが悪いんだよ」

 

ギロっと睨むノゾミ、涙目なアカネの視線に負け頷く桃矢

 

「あの人が彼氏さんなんだ…」

 

「…両手に花って実際あるんだ」

 

「…彼氏さんがんばれ~」

 

他のお客からの好奇の視線と無責任な言葉に耳にし桃矢は「なぜこうなったんだ」と考えながら二人が早く買い物が終わるのを耐えるしかない

 

(なぜだ何故こんな事になっちまったんだあああ~!?)

 

第五話 休日

 

遡ること一日前…

 

―モモタロウとあと一体の未確認機収容を第三整備ハンガーへリフトへ誘導開始―

 

アナウンスが流れ空から白と赤の物体…モモタロウと新たなティルレガシイ『勇凰神ブレイズフェニックス』が空気を震わせその巨体をゆっくりとリフトへ降り立ちヴァルキリーズ極東支部地下第三整備ハンガーへ下へ降下し姿が見えなくなると静かに上部隔壁が閉じる

 

 

―モモタロウ、ティルレガシイ。整備エリア到着…リトス司令、源三博士に連絡を―

 

「おし、早速合体解除を始めるぞ」

 

アナウンスが流れる中いち早くヴァルキリーズ極東支部に戻った虎は『チーム虎』のメンバーと新田研究所から提供された機材を操作しモモタロウの合体解除を始める。

 

―各部ロック解除確認、キジット分離開始します―

 

四方の壁から大小様々な様々なアームがモモタロウへ伸びキジット、ゴクウ、シロの順で切り離され台座へ置かれ最後にタロウが残り胸の装甲が開き光が下へ伸び一人の青年叶桃矢が姿を現し白衣を来た老人のもとへ駆け寄った

 

「桃矢くん、お疲れ様じゃ。後でメディカルチェックしたいんじゃが?」

 

「わかった。其よりあの赤いのを調べた方がいいかもな」

 

「其れについてはもうわかっておる。新たなティルレガシイ…中国に伝わる四神の王が一神『炎凰』に間違いない」

 

「源三じいさん!すぐにこっちに来てくれ赤いのの様子がおかしい!!」

 

虎の焦りにも似た声が二人の耳に届き急ぎ勇凰神ブレイズフェニックスがいる場所についた二人が見たのは全身から火花を散らしながら二つに別れ鈍い轟音と共に墜ちるDトレーラー、其れに対し赤い鳥を模した装甲を持つ機械神『炎凰』はふわりと静かに翼を広げ降り立つ

 

「こ、これは一体どういう事じゃ?」

 

火花を散らすDトレーラーを前にし皆が唖然となる中、炎凰の頭部クリスタルから光が延びパワードスーツを着た人物が現れる

 

『じいちゃん、其れについてDが説明するってさ』

 

「き、君は…まさか飛鳥なのか!?」

 

源三の言葉にうなずく飛鳥に虎が近づき頭部バイザーの横にある凹みに指をおくと軽快な音と共にパワードスーツがパージされ床に待機状態になり膝を付き顕れたのはインナースーツ姿の飛鳥だった

 

「飛鳥お前があれに乗ってたのか?ユウジもだけどみんな心配してたんだぞ」

 

「うん…虎、色々心配かけてごめんな」

 

「…まあ飛鳥なら切り抜けられるって信じてたがまさかコイツのパイロットになってたのは驚いだぜ…後は俺達がコイツの整備すっから源三じいさん所に行ってきな」

 

「ああ、じゃあ炎凰を頼んだよ虎」

 

 

待機状態のブレイズ02をハンガーに隣接する機材置き場へ運び源三のいる場所へ小走りに駆けていく虎が遠目で見ると驚きに満ちた表情が窺えるが飛鳥の言葉に納得した顔をし、其のまま桃矢とメディカルルームへと向かうのを見届け再び作業へと戻る

 

(……なんだ、俺は昔コイツに似たヤツにあった気がするな…)

 

赤い鳥「炎凰」に昔から知ってる懐かしさを感じる虎に整備班の一人が向かってきた

 

「主任!このDトレーラーどうしますか?」

 

「ん?ソイツは空いてるハンガーに運び次第調査を始めてくれ、こっちの炎凰ってのの整備が終わり次第そっちいくからな」

 

「はい!」

 

 

 

オレンジの繋ぎを着た整備員が反対側へ運び虎は各種整備を新田研究所謹製[N・ギア]を頭につけ指示を飛ばしながら始めるのだった

 

―――――――

―――――――

 

メディカルルーム

 

「ふむ、異常らしいモノはないの…桃矢くん、飛鳥もういいぞい」

 

「ふう、この検査って毎回疲れるんだよな」

 

「オレはやるの初めてだったけど採血だけはやめてもらいたいよ」

 

メディカルルームから出て更衣室で病院着を脱ぎ私服へ着替えなから話す二人、源三は未知の技術で作られた機械神「ティルレガシイ」に対しての不安から搭乗する都度検査し採血などを含めて上で異常がないかを調べていた

 

「まあ今のところ異常は見当たらないな。んでだ、飛鳥その頭に乗ってるのはなんだ?」

 

「あ、紹介まだだっ……少し体を借りるぞ飛鳥。はじめましてだなムモムモツアローに選ばれた操者よ我が名は四神の王が一人【炎凰】だ」

 

 

頭の上に座る赤いヒヨコが消えた途端、ガラリと飛鳥の様子がかわったがそれ以上に意思を持ったティルレガシイに会ったことに驚く

 

「む、何を驚いているムモムモツアローから何も聞いてないのか?我らは意思を持っていると」

 

 

「タロウの意思だって?」

 

「そうだ…少し待てムモムモツアローと会話を……!どういうことだ意思が感じられない!?」

 

ムモムモツアロー?とテレパシー(思念通話)を図るも取れず驚きの表情になる飛鳥?、再び念じるその額に汗が光る

 

 

「(ダメだ出来ない。俺達が眠ってる間に何があったムモムモツアロー!?)…う?これ以上は無理か、ムモムモツアローの操者よ。二つの力と残る一神【オーディアス】を急ぎ探し目覚めさせろ【奴等】が動き出す前に…」

 

 

それを最後に崩れるように倒れる飛鳥を慌てて抱き抱え直ぐ様メディカルルームへ運びベッドに眠る飛鳥と赤ヒヨコを診察したじいさんに容態を聞くと『極度の精神疲労じゃ。まあ一、二時間したら目を醒ますじゃろうて』と耳にし安心し後を任せ扉から出てすぐにある自販機で止まり硬貨を入れた時だ

 

「あ~!こんなところにいた!!」

 

 

「あ?え?な、何だ!?」

 

「あんたモモタロウに乗ってたヤツだよな?確か叶桃矢だよな!!」

 

「あ、ああ」

 

「うちの隊長とアカネっちに会うって約束覚えてるよな?…っていうか今暇こっちに来な!!」

 

 

「え?な、何すんだ離せ~!?」

 

 

いきなり腕をつかみズルズル引きずるように広い通路を歩いていく日焼けした肌に赤髪に筋肉質な体つきのコイツは確かアキラって名前だったなと考えてるとある部屋の前で止まり勢いよく扉を開け俺を室内に放り込んだ

 

 

「キャッ!?」

 

「隊長、アカネッチ、叶桃矢を連れてきたよ。んじゃ後は二人に任せるね」

 

 

勢いよく扉が閉まる音を耳にし立ち上がろうとすると手にフニュっとした感触を感じる、柔らかくてなおかつ規則正しい鼓動を感じまさかと思い顔をあげてみる

 

「//////////」

 

 

顔を赤くし涙目で俺をみるアカネ。そして視線を手に向けると白のブラの上から柔らかく大きな胸をわしづかみにしている

 

 

「う、うわあああああ!?」

 

「と~う~や~」

 

慌てて胸から手を離した…が背後から地のそこから響くような声を聞きギギギとまるで関節の油が切れたロボットみたいに振り返ると黒のレースの下着姿のノゾミが髪を揺らしながらこっちへ歩いてくる

 

「ま、まてノゾミ!これには深いわけが!!」

 

 

「…いきなり部屋に飛び込んでアカネの胸を揉むなんて…覚悟はいい?」

 

 

「ま、待てって俺の話を…」

 

 

「この変態バカ桃~矢~~!!」

 

「ぐはあっ!?」

素早く懐に潜り込みノゾミが渾身の力を込めた拳が顎を殴り抜き、天井近くまで身体が浮き数秒で勢いよく床へと落ちた桃矢を肩で息をしながらみる黒い下着姿のノゾミと白い下着姿のアカネ。音を聞き付けたアキラが必死になだめ現在桃矢は二人の前で正座をしていた

 

 

「さて桃矢、私たちに謝ることがあるわよね」

 

「いきなり部屋に入ってアカネの胸を揉んですいませんでした!」

 

教科書に載るほど見事なDOGEZAをする桃矢、その顔には大きな紅葉型のアザがが赤く張り付いている

 

「そういうことじゃないよモモちゃん…生きているならなんで連絡寄越さなかったの」

 

「…そ、それは」

 

「…教えてよ…」

 

 

顔をあげた俺に涙目になり訪ねるアカネ。この四年間はある意味苦難の日々で連絡する暇もなかったのもあるんだが『鬼以上に厄介な集団』との戦いもあったからだった

 

「桃矢、聞いてるのかしら?」

 

「あ、ああ聞いてますとも!なぜ連絡寄越さなかったかってことだよな…『白い巨神が鬼たちの拠点を叩き潰す』って噂知ってるな」

 

「知ってるわよ…それをやっていたのは桃矢だって」

「でも連絡ぐらい寄越してよモモちゃん…」

 

「あ、泣くなったらアカネ…しばらく日本にいるからさ…」

 

「本当!じゃあ買い物いこうよ。明日私とお姉ちゃん久しぶりの休暇なんだ」

 

「でも俺、じいさ…」

 

「それならもう許可はとってあるわよ。新田博士からもよろしくって頼まれてるから」

 

ニコニコと笑顔を浮かべながら告げるノゾミの背後に逃がさないわよ的に包丁を研ぐ夜叉の姿が見えた

「わ、わかりました、喜んでお供させていただきます!!」

 

とまあこんな感じで買い物の約束をし今に至るわけだ、でもすごく居づらい…周りにいる客の好奇の視線にさらされながら30分後に山のように荷物を持たされ店を出た。

 

もちろんお金は俺が全額出したけど

 

―――――――――

――――――――

 

同じ頃

 

「新型AI制御基盤と流体基盤はこれだけ在ればいいかな…後は」

 

ヨコハマ地区にあるジャンク市で店に並べられた機材をみながらカゴへ入れ次の店へと歩く飛鳥、今日は皆で新しい機材やパーツを買いに来たのだが虎がヴァルキリーズから急な呼び出しを受け残された四人は各自買うものを決め離れて行動していた

 

「オレのほうの買い物は終わり…待ち合わせ場所にいくか」

 

と歩き出した飛鳥、そんなときだった

 

「うう~お腹すいたよう~お腹と背中がくっつきそうだよう~」

 

「?声!?」

 

小さな声が耳に入り聞こえた方へ足を運ぶと狭い路地裏に入りすぐの場所に変わった民族衣装を着た水色の長い髪の女の子が倒れているのを見た飛鳥は慌てて駆け寄り抱き抱え軽く揺さぶる

 

「しっかりしろ大丈夫か?」

 

「う…ん、何でレンレンが此所に~ううお腹すいたよう~」

 

どうやらお腹が空いて倒れたみたいだと感じさっき買った袋から肉まんをとり口元へ取り敢えず近づけた…迄はよかったいきなり目を赤く光らせオレの手ごとかぶりついた

 

「い、いったあああああああああああ!?」

 

路地裏に女の子に肉まんごと手を噛みつかれたオレの悲鳴が響き渡った

 

―――――――

――――――

 

「うん、満腹満腹~肉まんありがとうね♪」

 

「い、いや別にいいんだけどさ…少し聞いていい?」

「なにかな?」

 

「何でオレと腕組んでンの?えと…」

 

「あ、自己紹介まだだったねボクの名前はライカ。ライカ・ヴァッサー・ファルデだよ♪」

 

「じゃあオレも、新田飛鳥だ。ライカ何でオレと腕組んでんのさ?」

 

ジャンク市の通りを歩くオレの腕にライカは自分の腕を絡め歩いてる。一瞬首をかしげ出た言葉は

 

「こうすれば道に迷わずにすむよね?ボク初めてテラ…ううん此所に着たんだ」

「だからってさ腕を組むのはさすが…」

 

「ダメかなアスカ」

 

上目つかいでこちらをみるライカ。道に迷わないタメに腕を組むのはいいんだけど胸、その柔らかくて二つの大きな凶器(?)が密着する度に色々ヤバイんだって(主に精神的に!!)!!

「ボクと腕組むの嫌なんだ…(やっとボクもレンレンとアンジュみたいになれると思ったのになあ…)」

 

うなだれ腕から離れようとするライカをみてなんかわからないけど胸がチクッテ痛んだときある言葉を思い出す

 

―飛鳥、女の子を悲しませ泣かせる男になったらダメだよ―

 

―なんで?―

 

―男の子ってヤツはな女の子を守ってあげなきゃいけないんだ。まあその第一歩は笑顔にすることだ―

 

 

父さんと昔交わした言葉を思いだし離れようとした痛くないように力を込めライカと再び腕を組んだ

 

「え?」

 

「道に迷わないにするためだからな…ついでに色々案内してやるよライカ」

 

「う、うん!」

 

ギュッと腕に力を込めるライカと共に道案内し辺りを歩くと目を輝かせながら露店などを見ていくとある店で立ち止まジッとナニかを見ている

 

チラッと除くと銀のアクセサリーがズラリと並びその中の一点…赤い宝石が二つ嵌まった鳥が大きく翼を広げた彫刻が施されたブレスレットにライカは目を向けているが諦めの表情を浮かべながら再び歩き出した

さっき会話したとき財布を忘れてきたと聞いたのを思いだした

 

「ライカそれ欲しいのか?」

 

「え?ううん!それよりもあそこでなにかやってるみたいだよ。早くいこアスカ!!」

 

「うわ?ひ、ひっぱるなライカ!?」

 

いきなり駆け出し引っ張られながらオレは店主らしい人に素早く端末で音声データ転送しその場をあとにし向かった先には大道芸人たちが様々な芸を披露してるのをライカは喜びながら色々見聞きしながら実際試したりしあっという間に日が暮れ暗くなっていく

 

「あ、ボク戻らなきゃ…」

「そうだな~なあライカってどこから来たんだ?(外国人だよな多分)」

 

「え、う~んとね遠い国から来たんだ♪(これならバレないしバッチリだよね)」

 

――――――――

――――――

 

 

テラン降下前、ボクはアンジュから様々な注意をされていた

 

―よいかライカ、現地人との接触は極力避けるのだぞ―

 

―ええ~―

 

―ええ~じゃないわあ!我らの目的を忘れたわけなかろうな?―

 

―わかってるよ、スーシイジュウとオーディアスが目を醒ますのを阻止するんだよね―

 

―うむ(だがこやつ本当にわかっておるのだろうな…だが復活を阻止せねばアレンの故郷にすむ人を…)、責任は重大だが必ずやりとおすのだ『蒼き雷将』ライカよ―

 

で、テランに鬼神将機で降下したボクはムモムモツアローが姿を現すポイント『ヤーパン』………におかれた拠点に来てすぐヤカフウマ?に一人で偵察に来たんだけどルーギンを忘れてしまって空腹のあまり倒れたのを介抱してくれたのがテラン人のアスカ。

 

でもアンジュの夫レンレン(アレンの事)と見間違えるほど顔が似てて驚いたなあ

 

「ライカ?どうしたオレの顔になんかついてるか?」

 

「ううん!な、なにもついてないよ…」

 

不思議そうにボクを見るアスカの仕草、あの日アンジュが初めて命令違反して連れてきたテラン人のレンレンと似てる

 

「あのさアスカ、アスカって…」

 

「ん?来たみたいだな…キャッチ成功!」

 

なにかがアスカの頭上から落ちてくる。それをうまくキャッチし手に納めボクの手に紙の包みを握らせた

 

「開けてみなよ」

 

「うん…これって!」

 

紙袋を開くとさっきのお店でボクが見ていた鳥を象った腕輪、まさか気づいていたの?

 

「今日は色々楽しかったからさ、まあお礼みたいなものだからさ」

 

「あ、ありがとうアスカ。ボクずっと大事にするね」

 

「そっか…うんなんだ?/『飛鳥今どこにいるんだ!待ち合わせに大遅刻してるよ!!』…やっべ!じゃライカまた今度な!!」

 

「あ、待ってアスカ!………って行っちゃった。でもまた会おうね!!」

 

駆け出す飛鳥の背中へ大きな声で呼び掛けると軽く手をあげたのを見たボクは腕輪をつけそのまま人気のないフトウまで行き目を閉じ念じると夕日でオレンジ色に輝く海面を割り巨大な人型の将機…ボクの鬼神将機が海水を滴らせながら手を伸ばし姿を現す。迷わず乗り込み再び海中へ沈み拠点へとオーティニーブにして右手首に付いた腕輪をみる

 

「テラン人か…悪い人達ばかりじゃないなあ~特にアスカはすごく優しくてボク好きだな」

 

アスカの名前を口にした瞬間すごく胸がドキドキし顔も熱い。やっぱりアスカの事好きになっちゃったみたいだ、ならやることは一つだよね

「アスカにボクと同じオルガス人になっても~らおう♪んでもってお婿さんにも////」

 

 

狭い操者席の中で呟き、拠点の入り口へと転移した…後でアンジュにこっぴどく叱られたけどいいかな

―――――――――

――――――――

 

「お姉ちゃん、次はどこにいこうか?」

 

「そうね次は…あそこにしましょうか」

 

「おい!あそこは不味いから!?離せ~~!!」

 

高級ランジェリーショップ《アキツキ》に行こうとするのを見て逃げ出そうとするがガシッと二人に掴まれそのまま店内へ引きずり込まれる

 

「いらっしゃいませ~」

 

 

店内へ入った俺たちににっこり微笑み出迎える店員の声を聞きながら回りをみると様々な刺繍が施されたブラやショーツが並んでるあわてて顔を背けようとした俺を先に試着室に入ったアカネがカーテンから手を伸ばし腕を掴み更衣室へ引きずり込んだ

 

「桃ちゃん、この下着似合ってるかな////」

 

薄いピンクの生地に花柄が刺繍されたブラとショーツ姿のアカネに思わずゴクリと喉をならす、特に胸が収まりきれてないし肌も白くてまるで芸術品みたいだ

「変かな?」

 

「い、いやすごくにあってきれいだ」

 

「……!ありがとうじゃあ買ってくるね///」

 

いきなり脱ぎ始めあわてて背を向け衣擦れの音を聞きながら必死に耐え服に着替えレジへ向かったを確認し更衣室から出た…でもまた違う試着室から伸びた手に引きずり込まれる

 

「桃矢、今度は私のを見てもらうわよ。ただしアカネと同じ答えだったら許さないわよ」

 

柔らかな笑みを浮かべながら黒地に薔薇の刺繍が施されたブラとショーツ、さらにガータベルト姿のノゾミが栗色の髪を指でいじりながら尋ねた。黒と肌色の組み合わせもだがなんかこう怪しい魅力を感じる

 

「どうなのかしら桃矢?」

 

「…すごく似合ってます……」

 

「そう言うと思ったわよ」

淡々と告げると脱ぎ始めるノゾミに慌てて背を向けた時、柔らかで暖かな温もりを背中に感じる

 

「あ、あのノゾミ?どうしたんだ?」

 

「ごめん、少しだけこのままでいさせて桃矢。この四年間あなたに何があったかはわからない」

 

「………」

 

「でも約束して二度と私達の前からいなくならないって」

 

「ああ、約束するよ。俺はノゾミとアカネの前から居なくならないって」

 

 

「ヒグッ!」

 

俺の言葉を聞き少し間が空き、背中から圧し殺したようなノゾミの声が試着室に微かに響くのを耳にしながら俺はただ黙っているしかなかった

 

――――――――

―――――――

 

ヴァルキリーズ極東支部の地下にある第三格納庫におかれたティルレガシイ解析室で源三は新たな機械神[炎凰]、赤ヒヨコDから話を聞いていた

 

「話をまとめると今の君は不完全な姿だと言うのかの?」

 

《我らは四体揃って完成する機械神スーシイジュウだ…源三とやら我らを見つけた場所にはあと二体居たはずなんだが》

 

「君達を発掘した時には近くに二つの大きななにかが動いた跡があった…時代測定からしておよそ百年前か以内に何者かが運び出した可能性があるワイ」

 

《…そうか、あの車と合体した姿では我は本来の四分の一しか出せない何とかして二神『白虎』『真武』の行方を探さなければ》

 

頭に翻訳機能搭載したヘッドギアをつけた赤ヒヨコ《D》君が少しうなだれる。Dトレーラーをチェックして驚いたのは未知の機能が追加されていた事と合体時の負荷が異常なまでに掛かる事だった

 

元々Dトレーラーは災害時における移動病院兼あらゆる環境下での走破可能な車両として極めて頑丈に作り上げた筈だった。このままでは一回合体する度にフルメンテが必要になるな

 

「桃矢君からも聞いたんじゃがオーディアスとはなんなんじゃ?」

 

《オーディアスは我等三神のうち一体で荒ぶる白金の狼を模した隻眼の巨大な槍振るう機械神だ》

 

 

「と言うことは君達は三人いるんじゃな。その彼、オーディアスは今どこにいるかわかるかの?」

 

儂の言葉を聞き目を閉じ念じる赤ヒヨコ《D》君の身体が淡く輝きやがて収まり目を開く

 

《…此所よりはるか遠く氷と雪に閉ざされた大地…近くに操者の資質を持つものがいると迄しか解らない》

「ああ、別に謝らんでもいいんじゃ。さて君の仲間を探さないといけないの」

 

《…源三、多分なんだが真武、白虎はこの地にいるような気がする、あと操者の資質を持つ者の気を感じた》

 

「なら近いうちに目覚める可能性があるということじゃな…今日は色々と付き合ってもらってすまんかったの」

 

《なに、人とこんなに話して楽しいと思えたからよかったよ源三》

 

「そうか、じゃ儂はDトレーラーの補強をせんといかんから少しばかり離れるがいいかの?」

 

《ああ、頼んだぞ源三》

 

白衣へ着替えた源三はその足でDトレーラーが置かれた整備エリアへ向かうのを見送り姿が見えなくなるとDは近くに安置された巨大な蒼い龍の石像を見上げる

 

《氷龍…前の世界では飛鳥の弟がお前の相棒になったな。この世界のでは四年前に鬼に喰われ死んだそうだ》

 

飛鳥と融合したさいに垣間見た記憶から死んでいることを知った、だが死んだとは思えない。

 

《もしかしたらなんだが、死んではなく生きて前の世界の時みたいに『鬼側』にいる可能性があるな》

 

蒼い龍の石像に語りかけるが何も意思を感じない…やはり操者の資質がある者がいないと無理か

 

(《前の世界では兄と弟で『互いに守りたいもの』の為に一時期血で血を洗う戦いをしたからな》)

 

 

―レエェェン!!―

 

―にいさあああああん!!―

 

互いの拳が剣がぶつけ砕ける音が響きわたり大地がえぐれる

 

―ハアハア…何故だ蓮!説明しろ!!―

 

―…兄さん、何でシ〇姉を傷つけたの…答えてよ兄さあああああさん!!―

 

《…あの時は三人ががりでお前を止めたよな(あのクソ神が仕組んだせいでややっこしいことになっちまったからな)。もし今度も同じ状況になったら…いや必ず俺やムモムモツアロー、オーディアスが止めてやる》

 

何も語らない氷龍にそう告げ俺は飛鳥が作った家へ入り寝床に座り眠りについた俺は久しぶりに昔の夢を見た。まだ人の身体を持ち互いに笑いあったあの穏やかな風が流れるテラン…地球での平和な一日に想わず涙していた

 

―――――――――

――――――――

 

「あの~ノゾミにアカネ?」

 

「ナニ?」

 

「なにかな桃ちゃん?」

 

 

 

「腕から離れてくれすごく歩き辛いから」

 

「…ヴァルキリーズ極東支部に着くまで離すのは許さないわよ」

 

「私も離れたくないし桃ちゃんはこうするのはいや?」

 

「い、嫌じゃないけどさ」

「だったら黙って歩く」

 

「…はい」

 

あの後店をでた俺はそのまま荷物を後日宿舎に届くよう手配しリニアの駅まで歩いているんだが、両隣ではノゾミとアカネが確り腕を組み寄り添うようまるで四年間分の隙間を埋めるよう歩いてる

 

こんなにも二人を心配させてたんだと再認識しながら俺は二人から離れないと固く誓いリニアに乗り込みヴァルキリーズ極東支部へと帰りようやく長い休日は終わった

 

―――――――――

――――――――

 

???

 

私の前で金髪の女の子がアリス嬢様が何やら愚痴めいた事を呟いてます

 

「何で私の気持ちに気付かないんだろ…」

 

どうやら想い人とうまくいってないようですね

 

「ねえティグリス、どうしたら私の想い伝わるのかな」

 

ん~先ずは素直になって想いを伝えてみてはどうでしょうか?…ってアリス嬢様に言葉が伝わらないんでした

 

小さい頃から人に想いを伝えるのが苦手だったお嬢様は何かあるとすぐ私がいる場所に来て愚痴を漏らしてますが何時もではありません

 

大きな花輪をかけたり天気のいい日には背中でお昼寝をするのが大好きな女の子のお話は動けない私にはとてもお面白いものでした

今は人を守るお仕事に就かれ大変みたいですが気づかないうちに恋する年頃になられていたんですね…一度あってみたいですお嬢様の想い人に

 

「…じゃあ私もう寝るね、またねティグリス」

 

金髪のややウェーブがかった髪をふわりとさせアリスは白く大きな虎の石像から離れ屋敷へと戻る姿を見送る姿はどことなく嬉しそうだった

 

 

――――――――

―――――――

 

私立六晶大付属高校の少し離れた庭園に人影が見える、踏み込みと共に拳打蹴打を繰り出す度に風を切る音が辺りに響く

 

「ふう、こんな感じかな」

金髪の髪が風に揺らしながら一息つく少年は飛鳥がレスキュー用パワードスーツ展示会で出逢った楯無ユウジは木の枝にかけていたタオルをとり汗を拭うと水辺におかれた石に座り水を飲み視線をある方向に向ける

 

緑よりも深緑色の亀を型どった巨大な岩がユウジと対面する形でおかれている。この私立六晶大付属が建てられる前から五穀豊穣と守りの武術を伝えた神様として祀られ現在も信仰があり毎年参拝者がたえない

 

「…明日も早いし此所で切り上げるかな」

 

立ち上がり寮へと向かう少年は最近迄武術を護身程度には習っていたのだが一年前に私立六晶大付属高校へ入学してから毎日のように深緑色の鎧を着た金髪で翡翠色の瞳の青年が夢に現れその中で様々な技を伝授され其れを此所で実践していたのは人目がつかない場所でやる方が特に集中できるためだった。

 

やがて寮内へ入り軽くシャワーを浴び拭き終わるとベッドへ倒れるように眠りについた

 

 

…四神の王達は運命に導かれ集い真の復活を遂げる日は確実に近付きそして…

 

 

???

「なんで、何でこんなことをするんだ…ファナティカーズは!」

 

雪と氷に包まれた街から黒い煙が立ち辺りに悲鳴がこだまする中、黒く長い髪の少年がフラフラと立ち上がりながら呟く。視線の先では戦機人を強化した機体が三体が無差別に大型火器で鬼達を逃げ惑う民間人ごと撃ち抜いている

 

『ヒャッハアアアア死ね死ね死ね死ね死ねえぇ!!』

『なあ足元に蟻がいんだけど潰しちゃってもいいよね』

 

『構わねえよ。俺たち《ファナティカーズ》に権益をもたらさない都市や人間なんざ跡形も無くなくなればいいってホンゴー総帥も言ってたしな』

 

など言いながら鬼達を殲滅する彼等は軍の実権を握るある財団の私兵集団〈ファナティカーズ〉

 

彼等は自らの財団に利益をもたらす国などしか助けず利益に損害を与える指導者がいる国を無許可で攻撃する法規的権利を与えられていた。更にバズーカを構え無差別に攻撃を加えようとした時

 

―アオオオオン!―

 

風が巻き起こり白金に輝く装甲を纏う狼が咆哮を挙げながら顕れファナティカーズの戦機人一体を完膚無く噛み砕き残る二体を圧倒的な速さで砕き潰していく姿に人々はある伝承を思い出した

 

《彼方の地で二神目覚め人の祈り届くとき白金の狼甦る》

 

「白金の狼…」

 

―アオオオオン!―

 

すべてを倒した白金の狼は風を巻き起こしかき消すように姿を消した

 

 

第五話 休日 了

 

 

 

新たなティルレガシイ炎凰の言葉を聞き残る一神と白虎、真武の探索を依頼する源三

 

 

しかしヨコハマとアシガラに鬼達があらわれヴァルキリーズは炎凰とタロウ、第四分隊を二手にわけ向かわせる。しかしそれは鬼達が仕掛けた罠だった。

 

第六話 金剛

 

 

 

モモタロウと炎凰に勝機は?

 

 

 

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