機械神伝説ー桃太郎ー   作:オウガ・Ω

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第六話 金剛

ヴァルキリーズ極東支部

同執務室

 

「リトス君、各支部での鬼達との交戦記録は全部かの?」

 

 

「はい、これがすべてです…ですもこれで何がわかるんですか?」

 

「ふむ、鬼たちは何故人口密集地域ばかりを狙うかがわかるかも知れんしの」

 

巨大なスクリーンには各支部の鬼との交戦記録、それらすべてに目を通す源三は片方の端末で新たなメカの開発も進め新田研究所とある場所へデータ転送をしてゆっくりと閉じた

 

「ふう、あと二、三日中に試作品が完成するじゃろうて」

 

 

「アキツキ・インダストリがまさか先生の後援者だったなんて知りませんでしたよ」

 

 

「なに、先代オウルCEOとは知り合いじゃったからの…それとアイツラの動きじゃがの」

 

 

「はい、彼らは国連軍の安保理に根回しして超法規的部隊を作り鬼を鎮圧していますが…」

 

「実際は従わない国や企業のトップを暗殺またはあらぬ疑いをかけ謀殺しとるわけか…鬼もじゃがアイツラのトップはこの状況をゲームの様に弄んどる」

 

 

「トオミネ財団総帥…何が目的なのか理由が知りたいですね。最近本部に新型の戦機人を売り付けようとしてましたし。先生、あとJ君から最近妙な出来事があったとメールが届きました」

 

「妙な出来事?」

 

リトスは無言で端末を開くとある映像が流れる、雪吹雪の中白金に輝くなにかがトオミネ財団所属の部隊《

ファナティカーズを駆逐する獣の姿

 

 

「二週間前にとられたものですが。J君が間違いなくあれは三体目…」

 

 

「「ティルレガシイ」」

 

同時に呟くとさらに別な端末を開くと何処かの巨大なドッグでナニかが発掘作業が進められてる

 

「…三体目が現れたということはおそらく《コレ》の目覚めもちかいじゃろ」

 

「先史文明人テラン人が残した最後の希望…ダイアーク」

 

 

しばらく見つめるも画像を閉じ再び交戦記録を閲覧し始めるのだった

 

 

機械神伝説~桃太郎~

 

 

始まるよ

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーー

 

 

「う~ん、やっぱりムモムモツアローになる前に倒さなきゃいけないか~」

 

『…ツアローが三体のメカニズムと合体することでムモムモツアローに変わる…どうしますかアンジュ?』

 

暗い室内にキジット、ゴクウ、シロ、と合体しムモムモツアローへ姿を変えガンナーとドローンを叩き潰し切り裂く姿が卓上の中心に設置された金属球から立体映像で映されみる三人の少女の一人がやや間をあ口を開いた

 

 

『セイジュ、ガンナーとドローンにコレを追加実装するよう指示せよ…』

 

『わかりました…ライカ、これをドローン、ガンナーへ実装しなさい。ムモムモツアローになる前に倒せます』

 

「え~と何々…なるほどセイジュって頭いい!早速プランティーナに送ってくる!!」

 

 

受け取ったデータを見て手元にある制御球を使いプランティーナ(工厰)へデータを送るライカを見てやれやれな表情を浮かべながら姿が突然消える…先程のは立体映像《ホログラフィー》。現在アンジュ、セイジュは月の裏側の母艦に居ながらテラン拠点へ超空間通信をもちいムモムモツアロー対策会議をしていたのだ

セイジュが渡したデータを元にユニットが組まれガンナーへ搭載され、物言わぬその相貌に光が点った

 

機械神伝説~桃太郎~

 

 

第六話 金剛

 

 

「桃ちゃ~ん、一緒にお昼食べよ~」

 

「ア~カ~ネ~!桃ちゃんって呼ぶなっていってるだろ~!!」

 

「だってこの方が呼びやすいからいいでしょ」

 

タロウの整備とメディカルチェックを終え食堂に入り何時ものを頼もうとパネルを押す腕に抱きつく栗色の長い髪の少女…アカネに『桃ちゃん』発言に軽くため息をつく

 

 

再会して二週間、ほぼ毎日のようにそばにいようとするアカネの気持ちはわかるが…

 

「桃矢、アカネも今から食事かしら」

 

「あ、お姉ちゃん。うん今から桃ちゃんと食べるとこなんだ」

 

「じゃあ一緒に食べようかアカネ…桃矢どこにいく気かしら?」

 

「い、いや…急に」

 

「…体調が悪くなったって昔みたいに見苦しい言い訳をする気かしら?桃矢は昔から都合が悪くなると逃げるわよね?あまり時間もないしいくわよ」

 

「うん、お姉ちゃん」

 

「うわ?そんなにくつっくな!当たってるから!?」

両脇から腕をからめられ引き摺られるように歩く桃矢、歩く度に当たる豊かで柔らかな膨らみを感じながら引きずられていった

 

――――――――

――――――――

 

 

その頃パワードスーツ研究会部室では

 

「……」

 

「ウオイ!飛鳥あなに黄昏てやがンだ!!!」

 

「うわあ…って虎?べ、別にたそがれてる訳じゃないよ…」

 

「そうかあ?二、三日前から妙によそよそしくて配線間違えるし、プログラミングもバグ出るし…なんか悩みでもあんのかよ?」

 

「へ、別に…んなことよりブレイズ01のカスタマイズどうするか早くやろうぜ…よっと」

 

カタカタとキーを叩く飛鳥、先程のバグを起こした箇所をリアルタイムで直すと共に動作チェックを始める飛鳥を見たメンバーはと言うと

 

「なあ龍美、飛鳥の様子少しへんだよな(小声)」

 

「虎もそう思う?あのパーツ市にいって集合に遅れてきた日からなんだよね…まさか」

 

「「まさかってなんだよ龍美の姉御?」」

 

「もしかしたらなんだけど。好きな子が出来たんじゃない?」

 

「「「なあにいぃぃぃぃ!!」」」

 

「ウワ?なに大声出してんだよ皆!!」

 

キーを叩くのを止め振り替える飛鳥に慌てる一同

 

「い、いや何でもないぜ飛鳥…そっか飛鳥も男なんだよなあ」

 

「?なにいってんだよ虎…って何か下が騒がしいな」

「「校庭の方が何やら騒がしいみたいだぜ」」

 

パワードスーツ研究会部室の窓を開ける一同、眼下には校庭が広がりその一角に人だかりができ何やら声が聞こえる

 

「君はこの学園の生徒じゃないだろ!」

 

「ボクはアスカに会いに来たんだ!どかないとオルガスの掟に従って強行突破するよ~!!」

 

「なにいってるんだ君は!早くここから立ち去りなさい関係者以外は立ち入り禁止なんだ!!」

 

 

「ま、まさか…あの声は…」

「「「「あ、あすか!?」」」」

 

 

少女と職員の声を聞いた飛鳥は弾かれたように部室から駆け出すのをあっけにとられる一同を他所に人混みを掻き分け見たのは水色の長い髪に民族衣装をまとった少女に声をかける

 

「ライカ!」

 

「あ、アスカだ~ヤッホー久しぶり~♪」

 

飛鳥を見た瞬間、まるで猫のようにじゃれつきながらだきつくライカ。しかし支えきれず押し倒される形で地面に倒れ柔らかな胸に顔が埋もれ悶える飛鳥

 

「んぐ?んぐぐ~!?」

 

「う~んアスカって優しいお日様みたいな匂いがするね~」

 

「ぷはっ…ライカ何でオレの学園に来たんだよ…」

 

「えへへ、実はアスカに会いに来たんだ~」

 

胸から解放され訪ねると笑いながらそう答えるライカに少し驚きながら警備職員に親戚の子だと嘘をつき納得してもらいとりあえずパワードスーツ研究会部室へと向かったオレとライカを待っていたのは

 

「…飛鳥、その子は誰なんだ?」

 

「あ、ええと…そのなんだ…」

 

「ボクはライカだよ!んでアスカの…えい!!」

 

「わ?ばか当たってる!当たってるから!?////」

 

グイッと引き寄せられ強引に腕に胸が挟まるように抱きつきながら告げられたライカの言葉に唖然になる一同

 

「アスカの恋人だよ♪イェイ♪♪」

 

「「「「「…………………な、なああああにいいいいいいいいいいい!!」」」」」

 

わずかな静寂のあと、皆の叫びが部室。いや校舎中に響き渡った

 

――――――――

―――――――

 

「…うう痛いよおお~」

頭に大きなたんこぶを膨らませ涙目になるライカ…先の【恋人】発言をなんとか説明したもの皆がオレを見て少しにやにやしてる気がする

 

「ライカ、皆の前で嘘をいうんじゃない…まだ互いの事知ってからじゃないとさ…それからだったらいいけ…」

 

「ホント!じゃ今からボクのすべてをアスカにあげるね!!」

 

「まて、まてまてまて~いきなり服を脱ぐなあああああ!!」

 

 

皆がいる部室の中で服を脱ぎ出すライカを慌てて止めるが細身に見えて意外に力が強い…やむ無く抱き締める形で止めると今度は動かなくなる

 

「なあライカ、服を脱がなくてもさ少しずつ互いを知ればいいと思うんだ…暇なときこの部室に遊びに来たらいいしさ…それにライカは女の子なんだし皆の前で服脱いだらダメだぞ」

 

「う、うん……アスカの言う通りにする…じゃあ毎日ここに来ていいかな?」

 

「おう、ライカなら大歓迎だ!」

 

「「部室も賑やかになるからいいぜ!!」」

 

「私も大賛成!さっそく何時でも入れるように手配してくるね」

 

龍美は椅子から立ち上がり部室から出て行くのを見て疑問に思い虎に訪ねてみた

 

「なあ虎、龍美って学院の関係者なのか?」

 

「関係者も何も理事長の娘だぜ?あれ?しらなかったか?」

 

「はじめて知ったよ…玄、武も知ってたのか?」

 

「「ああ知ってたぜ!」」

 

知らなかったのはオレだけか…ふとライカに目を向けると珍しそうにブレイズ01をさわりながら目を輝かせている

 

「うわあ~スッゴクかっこいいなあ~ねえねえアスカこのアイゼンメールの名前なんて言うの?」

 

「アイゼンメール?…ああコイツは虎と共同開発したブレイズ01ってんだ」

 

「ブレイズ…ズィワン…うんかっこいい名前だねアスカ」

 

「なあ、玄、武…ブラックコーヒー飲みたくないか?」

 

「「そうだな…でもあの子どこ出身なんだろうな…」」

なぜかブラックコーヒーをいれる用意をしている虎と玄、武、そうしてるうちに龍美が戻りライカがいつでも入ってもOKとのお墨付きを貰いやがて下校時間になった

 

「んじゃ飛鳥、またあとでな~あとライカもまたなあ~」

 

「「また会おうなライカ嬢ちゃん!」」

 

「また遊びに来てねライカちゃん」

 

 

「うん!トラトラ、ゲンゲン、タケタケ、ドラドラまたね~」

 

「ああ、またあとでな…さってライカ帰るか」

 

「うん!ねえアスカ手を繋いでいいかな?」

 

「…別にいいけどさ…」

「やった~」

 

スゴく嬉しそうな顔をして手を握るライカ…でもさ指を絡めるのはなんでなんだ…

 

「そういや今日なんでオレに会いに来たんだライカ?」

 

「…ああ!忘れてた今何時?」

 

「え?い、今六時だけど」

 

「(…不味い時間がない…仕方ないアスカだけでも)…アスカ、今日は街に出たら絶対ダメだよ!」

 

「え?なんでさ?」

 

「そ、それは…と、とにかく今日は絶対街にアスカは出たらダメったらダメなんだ!!」

 

「あ、ああ…わかったよ」

 

あまりの真剣な目に頷くとライカはパアッと笑顔になり指を絡めた手から離すと

 

「絶対に街に出たらダメだよ!あ、飛鳥少し頭下げて」

 

「え、ああ…」

 

「そのままじっとしてね…えい♪」

 

頭を下げたとたん唇に柔らかい感覚、目の前にはライカの顔…やがて離れると顔を赤くし笑いながらその場から走り去った

 

今のって、今のってまさか…キ、キス!?

 

「キ、キス?なんでオレとキスしたんだライカは!?っていうかキスって恋人同士がやる奴だよな?」

 

頭を抱え悩んだその時、空気を震わすような爆発音が響きに我にかえり目を向けると空が明々と染まっているのを見たオレはヴァルキリーズ基地へ駆け出したがそれ以上に気になるのはライカの事だった

 

あいつ帰るといって街の方へ向かったはず…だったら不味い!

 

「く、急がなきゃ…ライカや街のみんなが危ない!」

 

やがてヴァルキリーズ基地正面ゲートに入るとIDパスを提示し地下格納庫直通エレベーターに乗り込み数秒で扉が開くと肩に何かが乗る

 

《ピヨピヨ!》

 

「わかった、急ごうD!」

 

「飛鳥!炎凰なら第二デッキだ!」

 

「サンキュー虎!いくぞ炎凰一体!!」

 

駆けながら叫ぶと第二デッキに鎮座した炎凰の目が輝き光が延びオレとDは吸い込まれ不思議な空間浮かぶと炎が体を包み鳥を模した深紅に輝く装神操甲

アームドギア

纏う

 

『よし。虎、桃兄は?』

 

 

「桃の兄貴は第一デッキにい…」

 

 

《緊急連絡!たった今トチギ、アシガラ地区に新たな将鬼と砲鬼反応確認…進行方向にダムあり恐らく破壊を目的としている模様です!!》

 

ヴァルキリーズ管制室からのオペレーターからの新たな将鬼反応に整備エリアで出動準備に追われるヴァルキリーズ第4小隊と桃矢は驚きを隠せない

 

『どうしょう桃ちゃん!?』

 

『落ち着きなさいアカネ…リトス司令私から提案があります』

 

『提案?話してもらえるかしら』

 

 

戦機人《改》のモニターを映られたリトスにノゾミは説明を始める

 

 

「現在、ヨコハマ、アシガラにおいて将鬼達による破壊行動が行われています。そこで現状の戦力を二手に分け防衛行動を遂行します」

 

『対処するメンバーの振り分けは?』

 

 

「ヨコハマで破壊行動を行う将鬼達を戦機人《改》の私と戦機人03アキラ、炎凰、飛鳥くん、アシガラ地区に現れダムへ向かうであろう将鬼達を高出力ビーム砲搭載車砲手ミオ、オペレーターノゾミ、後衛を戦機人02番機サヨコ、モモタロウで対応します」

 

 

『わかったわ、ノゾミ隊長の作戦を承認します…直ちに出動用意を』

 

アシガラ地区に向かうメンバーは超高速輸送機《疾風》の後部カーゴにタロウ、キジット、シロ、ゴクウ、戦機人03、高出力ビーム砲搭載車両グレンが。ヨコハマ地区に向かうメンバーは機動列車《剛火》にハンガーごと乗せられ最後尾に変形完了した炎凰、Dトレーラーが連結される

 

 

『飛鳥くん』

 

『ノ、ノゾミ姉さんどうしたの?』

 

『…飛鳥くん…私は貴方に戦ってほしくない…今なら』

 

『ノゾミ姉さん、オレはこれ以上鬼たちのせいで苦しむ人たちを見て見ぬふりは出来ない…みんなが笑って過ごせる日常を炎凰と一緒に守りたいんだ』

 

『………(飛鳥くん、貴方はとても純粋で優しすぎる…桃矢が気に掛けるわけね)飛鳥くん、私たちが全力でサポートするわ…だから貴方のやりたいことをしなさい』

 

 

『……はい!』

 

 

力強く応える飛鳥に複雑な想いを持つノゾミ…何故なら飛鳥の身に起きた悲しい事件を知っていた

 

喪う悲しさと辛さを知るからこそ飛鳥は日常を守ろうとするから

 

やがて出動準備が終わりヴァルキリーズ基地の滑走路が展開していく

 

―これより超高速輸送機《疾風》発進シークェンス入ります…滑走路上にいる職員は速やかに離れてください―

 

アナウンスが流れるなか《疾風》が銀色の巨体を表すと双発式高出力プラズマエンジン【フェニックスマークII】に火が入り加速、上昇を始めた瞬間衝撃音が響き姿が見えなくなる続けて反対側にレールが展開し輸送列車【剛火】が回転しながら競り上がりレールがロックされる

 

―続けて輸送列車剛火…シグナルオールグリーン…発進―

 

車輪が回り始め汽笛を辺りに響かせゆっくりとレールを走り始めやがて加速しヴァルキリーズ基地正面ゲートを抜けるとレールが伸び街へと走っていく

 

「現地到着まであと一分…飛鳥くん、私とアキラは逃げ遅れた人たちをDトレーラーで救出する間に砲鬼達の相手をして欲しいけど」

 

『わかったノゾミ姉さん…鬼達の相手はオレに任せて…じゃあいくねD、いくぞ』

 

―ああ―

 

飛鳥と一体化した炎凰は頷くとキャリアーから飛び出し降り立つと鬼達が目を向ける

 

―雑鬼が四、砲鬼が三、飛鳥やれるか?―

 

『やるしかないだろD、ノゾミ姉さん達が街のみんなを逃がすまで足止めするぞ!』

 

《ガアアアアア!!》

 

地を蹴り滑るように駆ける炎凰の手に一振りの剣が現れミサイル攻撃を仕掛けてくる雑鬼の腕を切り飛ばし続けて雑鬼を横凪ぎに胴を切り払う

 

―却火獄閃

きゃっかごくせん

 

炎凰の記憶を飛鳥の脳と身体へフィードバックし使う技で雑鬼、砲鬼に使われている超合金を刀身に纏った炎で溶かし斬り両断する技…その威力に驚く飛鳥

 

『うわ、斬れすぎだろコレ…』

 

―驚いてる暇はないぞ……―

 

Dの声で我に戻ると砲鬼が胸部装甲を開き光が球体に集まり始める

 

―飛鳥、炎凰剣を構えろ―

 

炎凰剣を突きの構えをとると炎の渦が剣に集まり激しさを増していく

 

―今だ突きの要領で打ち出せ!―

 

 

迷わず突きだすと砲鬼に向かって地獄の業火と言うべき炎の渦が包み込みやがて晴れ現れたのは

 

 

『ガ、ガガ…アギガ…』

 

 

まるでバターの様に溶けたといわんばかりの装甲を纏った砲鬼の姿…だが背後から雑鬼二体が牙と腕を振るい襲いかかる…が飛鳥は操神空間で八双の構えを取る

 

―飛鳥!―

 

『……………………!』

 

カッと目を見開くと同時に炎凰の目に光が走るや否や地を蹴り襲いかかる雑鬼二体に炎を纏わせた斬撃をすり抜け様に胴体、手を返して抜き払い背後に降り立つ

『…破邪・鳳凰斬!!』

 

『『ガアアアアアア!!』』

 

断末魔の雄叫びをあげ空中で爆発する雑鬼をみて怯えだす砲鬼

 

『…あとはお前だけか…』

 

ゆっくりと剣を構えた飛鳥は何かを感じ一歩下がる…風と共に地面がえぐれさらに砲鬼が粉々…いや細切れになる

 

『い、今のは?』―飛鳥、上だ!

 

 

Dの叫びと同時に再び風が鳴り寸前で回避する炎凰の目に影がうつる…みると膝をついた黒を基調とした装甲に女性的なフォルムに頭に大きな角を付けた機体が水色に輝く大鎌を構えてゆっくりと立ち上がる

 

『な、なんだコイツ…うわ!』

 

再び大鎌で三回切り上げ寸前でガードするがあまりの勢いに吹き飛ばされ崩れ落ちたビルの壁に叩きつけられた

 

―飛鳥!だいじょうぶか!?―

 

『大丈夫って言いたいけどかなりキツいかも…アイツは?』

 

―わからねぇ…待てあのエネルギー反応からしてアレは鬼の機体だ!―

 

『マジかよ…じゃああれには誰か乗ってるのか?』

 

初めてみる鬼の機体の攻撃から意思を感じたオレは訪ねる

 

―多分乗ってるな…―

 

以前じいちゃんと鬼の機体を解析したんだけど操縦席に当たる部分には有機コンピューターに近いものが搭載されていた…つまりは無人だったのが今度は有人

 

『今までとは相手が違うってこと…』

 

だとしたら二ヶ所同時に鬼が現れたということはまさか!

 

『D!ノゾミ姉さんに通信を繋いで桃兄たちが危ないって!!』

 

―わかった―

 

 

Dが通信を繋ぐとあの新しい鬼の機体と対峙しながら手早く用件を伝える…でもかえってきたのは

 

『ダメ、飛鳥くんアカネたちと通信が繋がらないわ!』

 

『…………くっ!そこをどけえええ!!』

 

大きく炎凰剣を構え切りかかるもかわされ大鎌の柄の部分で打ち据えられ地面に沈む…ふらふら立ち上がりながら剣を構える

 

『…どけよ…退いてくれええ!!』

 

『……………!!』

 

炎凰の目に気圧される新型の鬼の機体…その操縦席に座るパイロットはビクッと震える

 

「通すわけにはいかないよ…すべてはボクたちの星の為に!!」

 

ギュッとメタルスフィアを握りしめる水色の長い髪に黒と青を基調とした露出が多い服を纏った少女…鬼神将

ライカ・ヴァッサー・フェルミ

は知らない

 

炎凰の操者が自分が初めて好意を抱いたテラン人の少年《新田飛鳥》だと言うことに

 

 

――――――――

―――――――

 

 

飛鳥が鬼の作戦に気づく数分前…

 

『これより目標ポイント到達…降下シークェンス入ります』

 

「さてアカネ、ミオ、桃矢準備はいい?」

 

『うん、いつでも大丈夫だよ』

 

『各部異常なし…』

 

『問題ないぜ…シノヅカ、俺とキジット達がダムに向かう鬼を退治する』

 

 

「あたしたちが民間人の避難誘導、それが終わり次第あんたたちの援護に回るわ」

 

軽く打ち合わせカーゴが開くとグレン、戦機人02、タロウ、キジット、ゴクウ、シロの順で降下し始める…逆噴を掛けながらアカネはナニかを感じセンサーを最大望遠で拡大する。モニター画像には古びた神社、その社の奥には巨大な岩その回りに小さな岩が鎮座している

 

(アレって桃ちゃんの故郷にあった神社だよね…それになんか)

 

 

「アカネ、叶さんがそろそろ鬼と邂逅する…」

 

『私たちは桃矢がおもいっきり戦えるように民間人の避難誘導をするわ』

 

「り、了解」

 

サヨコの言葉にうなずきながら周辺状況を確認し民間人へ避難誘導を始めるため高出力ビーム砲搭載車両グレン、戦機人02が古びた神社の前を通りすぎたとき奥に鎮座している巨岩が微かに輝いたのに気づかなかった

 

―――――――――――――――――――

 

『ガアアアアア!』

 

『ダムには傷一つ付けさせないぞ!鬼ヤロウ!』

 

民間人の避難誘導を始めた頃、桃矢…タロウとキジット、シロ、ゴクウはダムの近くで将鬼2、砲鬼2

雑鬼1との戦いを繰り広げていた

 

『ピィヤアアア!』

 

上空からキジットの羽ミサイル《アウルムフェーダー》が動きを止め辺りに煙がみちタロウの姿を探す鬼になにかが襲いかかる

 

 

『アオオオン!』

 

銀色に輝く装甲を纏った犬が鬼を押し倒し牙

ブロウクンファング

を突き立て装甲を切り裂き中枢を破壊し砲鬼へと狙いを定めるが

 

『キキッ!』

 

ゴクウが砲鬼へ内蔵式レールガン《キビバレット》をエネルギーチャージ中の荷電粒子砲発射口へ叩き込んでいくと火花が散りやがて爆発し上半身だけを残し倒れたのを見て残る砲鬼が荷電粒子砲をダムに向け撃とうとするがなにかに阻まれる

 

 

『…いったはずだよな、ダムには!』

 

『ガ、ガアアアア!?』

 

自身の二倍もある体躯の砲鬼を両腕で持ち上げるタロウの瞳が赤く輝く

 

『傷一つつけさせないといっただろうがあああ!!キジット!!』

 

おもいっきり空へ砲鬼を投げるタロウ…空中で身動きがとれない砲鬼の体を無数の光…キジットの翼内部高出力プラズマレーザー砲『ツォルン・シュレッケン』が貫き爆発し残骸が近くに落ちるのを見て残る鬼に向き直った

 

『後は将鬼が二体か…な、なんだ!?』

 

 

将鬼二体が目の前で分離し始め…牛の頭に重厚な鎧、肩には荷電粒子砲二門をつけた新たな姿へ生まれ変るや否やタロウ達目掛け荷電粒子砲を放ってくるがすれすれで回避する

 

『合体してパワーも上がっている…(今までなかったパターンだな…やつらは俺たちの戦いに合わせて学習するタイプだったみたいだな)…ならこっちも合体だ!いくぜ皆レガシィフォーメーション!!』

 

地を蹴り高く跳躍するタロウの回りに幾何学的模様が広がりキジット、シロ、ゴクウが引き寄せられるように空を舞った瞬間周囲から無数の光線がキジット達を包み拘束と同時にレガシィフォーメーションが解けてしまう

 

『…な、なに!』

 

突然の出来事に驚く桃矢、タロウの体にナニかが巻き付き引き寄せられ地面へ叩きつけられた

 

『い、いったい何が…!』

 

桃矢の目に写ったのは光線に拘束されたキジット達、それの発生源が先程破壊した砲鬼と雑鬼の体内から出ている事に驚きを隠せなかった

 

『桃ちゃん!』

 

『うそ、キジット達が…』

 

民間人の避難誘導を終えたサヨコ、アカネ、ミオもその光景に驚くがすぐに気を落ち着かせる

 

『桃矢、今からキジット達をあの光線から救出するわ…ミオ、アカネ、グレンのエネルギーチャージ開始。目標は光線発生源である残骸よ』

 

 

「了解、エネルギーチャージ開始…アカネ照準誤差修正お願い」

 

「うん!座標誤差修正…0,5+…エネルギーチャージ完了!」

 

アカネの言葉にうなずきミオはトリガーを引く方向から高圧縮したビームが放たれ発生源に着弾、誰もが破壊に成功したと思ったしかし

 

「うそ…」

 

『何で破壊できないの!』

 

「…着弾する瞬間強力なエネルギフィールドが発生…それに吸収したエネルギーを自身のエネルギーに変換してる」

 

『グアアアア!』

 

突然響いた叫びに思考の海からでた三人の目には鎖が巻き付かれ地面へ何度も何度も叩きつけられ苦悶の表情を浮かべ叫ぶタロウの姿…装甲の隙間から金色に輝く血が流れ辺りを染め上げている

 

 

『ミオ!アカネ!桃矢、タロウを拘束している鎖をグレンのビーム砲で狙撃して!』

 

「了か…ダメ出来ない…」

『どうして!』

 

「あの将鬼の背後を見て…」

 

タロウに攻撃し続ける将鬼の背後を見て息を飲むサヨコ、その背後には分厚いダムの壁

 

「…それにあの鎖からもエネルギーフィールドを確認…撃ったら間違いなく弾かれてダムの外壁に着弾崩壊。範囲内の街が壊滅する」

 

『じゃあ、じゃあどうすればいいのよ!アカネ、ノゾミ隊長に通信を』

 

 

「ダメ!繋がらないよ…あの残骸が通信妨害の役割を果たしてるんだ!!」

 

 

『グアア!』

 

あせる三人の目の前では一方的に殴られ叩きつけられダメージを与えら続けるタロウ…その光景に目を覆いたくなるもアカネは手を握りしめ強く願った

 

(誰か、誰か桃ちゃんを助けて!!)

 

強く純粋な…叶桃矢を想う少女の心の中の願い…その心の叫びは古びた神社の境内の最深部にある三つの巨岩に届いた次の瞬間亀裂が入り徐々に広がっていき大きく弾け三つの光が凄まじい速さでタロウがいる場所へ辿り着き合体将鬼をダムとは反対方向へ吹き飛ばし鎖の拘束から逃れたタロウをひときわ大きい光が受け止めた

 

『う、い、今のは…』

 

目をあけたタロウが見たのは鎧を纏い胸に三日月型のプレートアーマー、巨大な熊が頑強な腕で抱き抱えその背後には二本の角から稲妻を光らせるメカニカルな鹿、巨大な角に鼻息を荒くしながら臨戦態勢をとる頑強な猪がタロウを守るようにたっている

 

『え?お前達が…俺を助けてくれたのか?』

 

『『『(フルフル)』』』

 

首を横に振る三匹が目を向けた場所を見るとグレンと戦機人の姿…だが立ち上がった合体将鬼が再び荷電粒子砲を撃ち放ってくるが熊が立ちはだかり地面を思いっきり叩くと地面が隆起し荷電粒子砲を防ぐ

 

『す、すごいな…』

 

―…大地の力…―

 

突然響いた声に驚く桃矢…

 

―荒ぶる大地の力…剛力無双の金剛なる力、人の強い願いと大地より生まれた神の力を今一つに…―

 

『な、なんだこれ……力が溢れだして……う、うウオオオオオ!!』

動力…TLDが出力を増しやがて金色の幾何学的機模様が足元に広がると一気に駆け出すタロウに続いて熊、鹿、猪が光に包まれ変形し始める

 

熊のボディが頭部、肩と胴体に別れタロウの背後へ近づき胴体と脚部が二つに展開し背中からタロウを覆うように脚部と背部に装着、火花と共に各部がロックされ続けて猪が右腕、鹿が左腕へ変わり火花を散らしドッキング最後に胸に熊の顔を模した装甲と三日月型のアンテナがついたヘッドギアが装着され瞳が赤く輝く

 

『…荒ぶる大地と人の願いから生まれた力を背に受けて。手前ぇら鬼共の理不尽な暴力を叩き潰す剛力無双の《キンタロウ》!…ココに大・見・参!!』

 

 

大地にヒビが入るや否や金色のオーラが溢れ空気が震える…だが合体将鬼はお構いなしに鎖を再び投げキンタロウの腕を絡めとり引っ張るが微動だにしない

 

 

『どうした、それがお前の全力か?なら今までの分を纏めて返すぜ!!』

 

 

ぐいっと引っ張るキンタロウに対抗するように力を込めるが徐々に引きずられていく合体将鬼

 

『うおおおお!』

 

『ガ、ガアアアアア!?』

 

ついに力負けし引きずられる合体将鬼をダムからはなれた場所へ投げ飛ばすとキンタロウの右腕…猪が粋なり大地に拳を突き刺し勢いよく抜き現れたのは巨大な斧其れを肩に担ぎ歌舞伎みたいな構えをとる

 

『ガ、ガアアアアア!!』

 

ふらふら立ち上がった合体将鬼はキンタロウのその構えに恐怖を抱いたのか両肩の荷電粒子砲にエネルギーチャージを開始、それを撃ち放つ…凄まじいまでのエネルギーの奔流がキンタロウに迫る

 

『おおおお!』

 

 

その膨大なエネルギーの本流にあろうことか全身にあるスラスター全開で突っ込んだ時信じられない光景がミオ、サヨコ、アカネの目に映った

 

『ビームがなんだコノヤロオオオオオ!!』

 

荷電粒子砲のエネルギーが巨大な斧に吸収されやがて金色に輝く刃となり凄まじい放電現象が起こり始め全身の装甲が金色に輝き大きく腰を屈め地を砕きながら蹴りあげる

 

『ウオオオオオオオオオ!!』

 

空を高く飛翔しながら大きく斧を上段に構え一気に振り抜いた

 

 

『金剛!爆砕斬!!』

 

『ガ、ガアアアアアアアア!!』

 

凄まじいまでのエネルギーで構成された金色の極厚の刃に切り裂かれ…いや押し潰されながら真っ二つに泣き別れになり断面から放電する

 

『一撃粉砕!!』

 

降り立つと同時に叫ぶと大爆発をおこし爆音を背にしキンタロウの瞳が赤く輝いた

 

―――――――――

――――――――

 

 

「…しぶといなあ~でも負けないよおおお!!」

 

メタルスフィアに力を込め鬼神将機

ゲネラール・ブリッツ

の大鎌を振り被り斬りつけビィラの壁へ叩きつける…でも何度も立ち上がってきた

 

『…ソコを退けよ…』

 

フラフラ立ち上がる赤い装甲の巨人はたぶんテラン人が僕たちの機体を元に作ったモノ。其れにしたらやたら頑丈だし…

 

でもコイツをツアローがいる場所にいかせるわけにはいかないんだ

 

もしツアロー…ムモムモツアローを倒すことができないとアンジュはレンレンと離れ離れになってしまう。其れにボクもアスカと別れるのはイヤだ

 

だからボクは…コイツを倒す!!

 

止めを刺そうと大鎌を振り上げた瞬間、操縦席が大きく揺さぶられる。ダムズィは軽微…目を向けると赤いのとは一回り小さいロボッィが銃を構えてる

 

『今よ!炎凰!!』

 

『いくぞお!D・トレェエエラアアアアアアアア!!』

 

小さいロボッィに気を取られた隙をついて赤いのが叫んだ瞬間空から炎よりも赤い車が降りてくと同時に光に包まれてく

 

 

 

『いくぞ!勇凰合体!!』

 

Dトレーラーのライトが輝き起き上がると足が伸び剥き出しの駆動部に装甲が付き胴体が形成され力強い両腕の拳が火花を散らし飛び出す

 

『ウオオオオ!』

 

炎凰が炎に包まれ瞬間的に機械神獣形態へ変わり空いた胴体へ垂直に突っ込むと固定ジャッキが伸びロックされ胸には巨大な鳥の顔が現れ赤と金の装甲が装着、頭部が炎と共に出現し翼をもしたアーマーが頬に付き左右大きく開いた金地に赤のアンテナが展開し緑色の瞳が激しく輝き背中には巨大な翼が現れ炎が吹き出し両腕を大きく交差し構え叫ぶ

 

 

『熱き炎を背に受けて、絶望に染まった夜空を照らす希望の炎!勇凰神ブレイズ・フェニックス!炎と共に大・参・上!!』

 

 

翼が大きく広がると同時に明るい光が夜に染まった街を照らしていく。ボクは何故か懐かしい暖かさを感じたけどすぐに気をとりなおす

 

「す、姿が変わったぐらいでボクに勝てると思うなああああ!!」

 

『クッ!何て馬鹿力だ…でもな』

 

「え?うわああああ!?」

『今まで攻撃食らったお陰で行動パターンが読めるんだよ!!』

 

ボクが振り下ろした鎌をスッと避けて掴むとおもいっきり地面に投げられた

「いったああ…もう許さないよおお!!」

 

機体を立ち上がらせるとボクは鬼神将機のリミッター解除コードを解こうとしたときムモムモツアローを破壊に向かわせたガンナー、ジェネラルの反応が消えた

 

まさか失敗したの?

 

『今だ!D!フレイムウウウ…ヴォルテェェックス!!』

 

 

「し、しまった!うわあああああ」

 

いつの間にかに赤くてデカイアイツが構えた剣から炎が渦を描きながら包み込んだ

 

ダメだ、身動きがとれない!

 

『』

『ウオオオオ!鳳凰!』

 

目を向けると炎を纏った赤くてデカイアイツが剣を大きく構えながら迫ってくる姿はまるで…まるで炎の鳥

 

『…爆・炎・斬アアアアン!!』

 

炎を激しく燃え上がらせた剣がボクの鬼神将機の身体を切り裂くと思った瞬間ボクは目を強く閉じた

 

―――――――――

――――――――

 

『や、やったの飛鳥くん…』

 

大爆発と炎が空に広がるのを見ながら呟く私の戦機人のセンサーが煙の中からナニかをとらえる

 

やがて煙が晴れ見えるのは飛鳥くんの炎凰…勇凰神ブレイズ・フェニックス

 

そして先程現れた未確認機とさらにもう一体の未確認機…青を基調とした龍を型どった機体が片方を支えながら右腕についた弓?を向け牽制している

 

 

『…………………』

 

やがてクルリと背を向けるとそのまま空間転移して消え去る…でも飛鳥くんの様子がおかしい

 

『飛鳥くんどうしたの?どこか怪我を?』

 

 

『え?あ、ノゾミ姉さん…何でもないよ…少し疲れただけかな…』

 

 

飛鳥くんの言葉からはなにか信じられないモノを見たという感情が伝わる…それからしばらくしてアカネ達との通信が回復し互いの無事と新しい姿を手にしたと聞き飛鳥くんは安心したのかスゴく喜んでいた

 

でもこの時出会った未確認機が飛鳥くんに更なる辛い運命を歩かせてしまうことに私たち…いえ桃矢と私達は誰も知らなかった

 

―――――――――

――――――――

 

 

「大丈夫ですかライカ様?」

 

 

「助かったよレンレン~でも無断でリィルアルテしたばかりの鬼将機に乗ったのがバレたらアンジュが怒るよ」

 

「そうだね…でもライカ様に何かあったらアンジュはスゴく心配するよ…だって」

 

青く輝く鱗を持つ龍を模した鬼将機に座る少年は少し間をおいて口を開いた

 

「セイジュ様とライカ様はアンジュの大事な友達で家族です…なら僕にとっても大事な家族だから助けて当然です」

 

少年…アレン・ニーティ・オーガスティアははにかみながら呟いた

 

―――――――

――――――

 

そして遥か離れた北欧のとある教会

 

「じゃあ皆さん、今までお世話になりました」

 

「タカヤお兄ちゃん、いっちゃうの~」

 

「いかないでよタカヤお兄ちゃん…グス」

 

 

「ごめんね、でも日本に戻らないといけないんだ」

 

「やだあ、やだよおお…ボクたちのおと~さんになってくれないの」

 

沢山の子供たちに囲まれあたふたする少年は優しく頭を撫でる

 

「日本でやることが終わったらみんなのところに戻ってくる…約束するよ」

 

「じゃあ、じゃあ指切りして!」

 

「「「「「ゆびきりげんま~ん、うそついたらはりせんぼんの~ます。ゆびきった♪」」」」」」

 

子供たちと指切りし終えると少年はゆっくりと背を向け子供たちに見送られながら教会の外へ歩きだす。しばらくして

 

「待てタカヤ」

 

「あ、ノインさん…何でここに」

 

赤髪にキツい目のシスターが睨む…

 

 

「……タカヤ…この教会に二度と戻ってくんな!」

 

「え?」

 

「日本に帰ったら絶対アイツラのこと忘れるだろ!」

 

強く睨みながらジリジリと歩み寄るノインはタカヤの胸を掴みあげ壁に押し付けさらに続ける

 

「そんなことな…」

 

「イイや!タカヤは忘れるだろ…アタシの事も…」

「ノイン…さん?」

 

服から手を離し胸に顔を押し付けながら呟くノインの肩は震えているのを見てようやく気づいた。タカヤと二度と会えなくなるのではないかという不安から来るキツい言葉だということに

 

 

「ノインさん」

 

「え?」

 

「ノインさん、僕は必ず戻ってくる…帰って来たらノインさんに伝えたいことがあるんだ…だから待っててくれるかな」

 

「…ホンとか…信じていいんだな」

 

「うん。ノイ…っつ!?」

 

 

 

いきなり唇に暖かい感触…キスされたとわかるまで数秒かかった。やがて唇が離れ顔を俯かせるノイン

「い、今のは先物買だからな!じ、じゃ!アタシ教会に戻るから……タカヤ…待ってるからな!!」

 

顔から湯気を吹き出しながら全速力で教会に走るノインをボウッとした顔で見送るタカヤの頭の上に白金色の目付きが悪いデフォルメ化した狼が乗っかる

 

「キス…されちゃった…」

《アオオン(ハハハ、ノイン嬢ちゃん遂に爆発しちまったな~さてタカヤ戻ってきたらアイツラの【おとうさん】確定だな)》

 

「うう~からかわないでよキリク…でも必ず戻るよ…指切りもしたし…それに…それに…ノインさんとも約束したし」

 

《アオオ~ン(そうだな~じゃいくか日本へ)》

 

「うん、キリク…英雄神と聖獣神に会わなきゃ…この戦いを早く終わらせよう」

 

強い意思を瞳に秘め少年《秋月タカヤ》は白金色の目付きが悪いデフォルメ化した狼キリクと共に歩き出した

 

目指すは自分の生まれ故郷で実家がある日本

 

彼が言う聖獣神、英雄神とは誰なのか

 

すべての力が日本へ揃い始めた時なにかが起こる

 

 

第六話 金剛 了

 

 

 

新たな力…キンタロウの力をてにした桃矢。一方、気分転換にパワードスーツ研究会メンバーと海に訪れた飛鳥はライカと再び出会いを果たす

 

次回 機械神伝説~桃太郎~

 

第七話 ライカ

 

 

互いに敵であることを知らず二人は関係を深めていく

 

 

 

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