「………あと3日間か。なにしょうかな」
べッドに仰向けにながらつぶやく。四日前、僕は無断でテランヘ降りライカ様の窮地を救うためにリイルアウトしたばかりの神将機《オーガロード(鬼神将機)》を使った事が原因でアンジュから一週間の自室での謹慎を受けていた。暇つぶしに端末を開きテランに関する項目を開こうとしたけど閲覧が制限されてる
「……なんでテランの情報がみれないんだろ……アンジュが制限してるのかな…テラン人と僕たちオルガス人と変わりないのに」
アンジュはテランの映像やテラン人の姿を見せるのを極端に避けさせている。それに心配だから同行するといった時…
『……だめや!アレンはオルガスで我の帰りを待ってるんや!』
『…アンジュ、掃除と洗濯に執務室の掃除を一人でできるの?』
『あう!?』
『僕がいないと半日で散らかるのに、それに服は脱ぎ捨てっぱなしで、あと一人でできるんや!って洗濯したら買ったばかりのランディナー(洗濯機)を壊したよね』
『あう、あうぅぅ~』
『あと下…『わかった!わかったから、セイジュとライカの目ぇまえでいわんといてやあああ!アレンのバカああああ!!』……イタッ!?止めてアンジュ!駄々っ子パンチはやめて?』
……ぽかぽか殴られたけど、セイジュ様とライカ様はクスクス笑いながらアンジュなだめてようやく僕の同行許可を与えてくれた。双月門を抜けボースジュンビを繰り返し到着したテラン
なぜかわからなかったけど懐かしいと感じた。そして…
「………あの赤いロボット…オーガロードに似てるけど似ていない……伝承にあるスーシイジュウとも…何だろ。ずっと昔に見た気がする………」
幕間 その一
ムモムモツアロー、オーディアス、スーシイジュウ…オルガスに古くから伝わる伝承に登場する機械の神。遙か昔に帝国始祖《オルガス一世》様が100万もの巡洋艦、駆逐艦、オーガロード軍勢を率いテランへ侵攻するも《彼方の世界》へ旅立ったスーシイジュウを除いたムモムモツアロ、オーディアス含めた二神に壊滅寸前にまでおい込まれたらしい
……しばらくして二神とオルガス一世はある《約定》を交わしたのちにオルガスへ帰還し王族、しかも王を継ぐものにしか伝えられない秘事とされ、内容がなになのかはわからない、知ることは禁忌とされてるってアンジュもいってたけど
それ以上に気になるのは、ライカ様と戦っていたオーガロードにも似た赤いロボッイニア…はじめてみたのに懐かしさ、それを駆る装者の動きから感じた
「あの動き、どこかで僕は……………」
声に出した瞬間、激しい痛みとノイズみたいな光景が走った
ーどうした……?ー
錐をもむような痛みと共に浮かんだのは赤い髪が目立つ人が不思議そうに見て訪ねてる
ー怖い夢を見た?相変わらず恐がりなんだなー
ー…、………にいわれたくないよ…ー
ーハイハイわかったから。………ー
意識が闇に沈んでいく僕に、今度は蒼い光の玉?が近き光が包み込む。光の中は暖かでどことなく安らいできた眼前に光が走ると《氷のような鱗を輝かせる巨大な龍》が見下ろすように立つ姿を見たの最後に意識を手放した
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「久しいですね、アナタがココへ来るのは」
「そうじゃのお~ヒイック…姫様もずいぶん立派になられましたなあ」
「ワタシはまだまだです。それで今日はどのような事でこちらに?」
「…………」
様々な調度品が並べられ壁には歴代王族の肖像画、足下には分厚い様々な文様が描かれた絨毯がしかれた室内…王族、神将のみが入ることを赦される《拝謁の間》に居るのは身の丈ほどある赤瓢箪から漆塗りの杯に酒を注ぐ着流しの着物に虎柄の外套をまとった老人
の手が少女の言葉で止まる
「……此度の戦を起こした理由を尋ねたい。我らオルガスは始祖《オルガス一世》がテランの二神と約束をして以降は無益な争いを良しとせぬ。姫様は何かご存知かの?」
「………おそらく姉上、いえ女王陛下は四年前のテラン側の行いに非があると怒りを露わにしています……それしか考えられません」
「……四年前のアレかの、だから神将会議の議決を強引に決めたのだな…して陛下は今どこに?」
「……奥の院に籠もられています。たとえワタシや神将メンバーすらも入ることかないません……一月は出てここれません」
「そうか……親父殿とそこは似ておるの……」
そう呟き杯を一気に飲み干し、再び注ぐ老人は何か思い出したかのように飲む手を止めた
「姫様、現在《鬼神将》メンバーはどこにおるかの?」
「神将メンバーですか?他のメンバーは統治惑星へ、黒翼のアンジュ、蒼雷のライカ、星碎のセイジュはテランへ派遣されたと聞きますが。なぜそのようなことを?」
「……今日来たのはの、ワシの跡を継ぐ者を決めたからじゃよ。年は幼いが実力は申し分ない。ワシのすべてを教え込んだ若き神将をの」
「アナタの後継者をですか?ですが任命には神将本人の推薦、姉上もしくは王族の…まさかワタシに?」
「それについては心配はいらんよ。先代よりワシが認めた相手なら許可すると印可状はもらっておる」
「父上様から?そう言うことなら問題ありまんが、あとオーガロードを開発を」
「オーガロードなら問題ない。ワシが使っとった《ドラッヘン》をカスタムして新型として搭載ずみじゃ」
悪戯っぽく笑いながらグイッと美味しそうに飲み干した老人にあきれながるも《搭載ずみ》という言葉が引っかかった姫様と呼ばれた少女は尋ねてみた
「まさか、今テラン侵攻作戦に参加している旗艦《オーガスティア》に載せているのですか!まさかと思いますが、アナタの後継者はそこに?」
「そうじゃ。しかもあ・の・オーガスティア嬢ちゃんに惚れられた少年《アレン・ニーティ・オーガスティア》じゃよ……この《星穿のオウキ》の弟子じゃよ……」
「ですが彼はテラン人です!もし何かあればアナタにも、仮に元神将であっても厳罰は」
「…問題はないよ…それにのうアレンはワシラに限りなく近い…身体も心に違いはないと気づかされたよ…
姫様、ワシはあのアレンがオルガス神代記にある《要たる龍》の生まれ変わりに感じるんじゃ……この戦を止める事ができるやもしれぬ」
「《要たる龍》……善悪を見極め真の敵を告げる龍…オルガス神代記にありましたね……」
ー彼の者、異なる世界より現れ真の敵を見極める氷龍……彼の者の声を信じよ…耳を傾けよ、さすれば救われんー
「…もしせうならば陛下も耳を傾けよう…では新たな神将任命を旗艦オーガスティアへ伝令を頼む………では失礼するスズカ姫様」
恭しく頭を下げ瓢箪から直に酒を飲み歩くオウキを溜め息混じり見送る少女…オルガス第98代《オルガス》帝の妹にして継承権第二位《スズカ・ゴゼ・オルガス》は静かに拝謁の間を後にした
幕間 その一