機械神伝説ー桃太郎ー   作:オウガ・Ω

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「いっちまうのか?スーシィジュウ」

『ああ、俺たちは奴を追いかけなければならない……すまない☆☆☆☆☆☆』


「いいって、いいって。コレで最後なわけないんだろ?だったら何時かまた会える可能性だってあるだろ」


『そうだな。また会おう鋼の戦神を操る……』


「はあ、違うぜスーシィジュウ。天下無敵のスーパーロボット!☆☆☆☆☆だ!!」


『そうだったな。☆☆☆☆☆達に出会ったことを俺は忘れない…色々とヒツサツワザの名前を教えて貰ったからな。一生、大事に使わせてもらうよ』


なんだろう、はじめて見る夢だ……それにすごく懐かしいって感じた、まるで場面が切り替わるように四色の光が不思議な魔法陣みたいなのを抜け無数の銀河を内包した空間を抜けていく

僕は彼らの目を通して見ているみたいだ…


『見つけたぞ!ℵ∇♪∀∇/!!!!』


『∇、∀☆ℵ…♪∀√∑∮○∃.*!!』


『………隔絶宇宙へ逃げる気か!逃がさん!!』

真っ黒い何か…それに全身を光り輝かせ四枚の翼を広げて突っ込む僕…いや彼らから決死の覚悟を感じた


☆☆☆☆☆☆☆


「はっ?夢……」


「ユウちゃ~ん、早く起きなさ~い」

母さんの声がしたから聞こえ、布団を退かし背伸びする…今までとは違う夢だった。それにあの真っ黒い何かを見ると身体の奥から何かが沸き立つし

「ユウちゃ~ん、早くしないと学校に遅れるわよ」

母さんの声でハッとなり時計をみる、時間は8時0分。本当に急がなきゃ遅刻が確定する。慌てて制服に袖を通してリビングに駆けていった

僕、楯無ユウジは知らなかった……今日を境に逃げれない運命の歯車に巻き込まれることを













第九・五話 帰還…そして

飛鳥の叫びが夕焼けに染まる空に木霊して数分後。月の裏に停泊する巨大な艦…黒地に金のラインが伸び、艦底は赤く塗られ各所に大小さまざまな球状のクリスタルには梵字にも似た紋様が淡く浮かぶ。後部に真っ直ぐ伸びた棒状のスタビライザーから不可思議な光が見える

 

オルガス皇国テラン侵攻艦隊旗艦《オーガスティア》…日本本州の半分に当たる全長を誇り内部は地球と何ら変わらない自然エリア、工廠エリア、居住エリア、軍務エリア、超兵器を備えた超ド級戦艦。その軍務エリア内《鬼神将機専用整備エリア》。飛鳥と交戦したライカ専用鬼神将機《ゲラール・ブリッツェン》が佇む。その姿は前回と違い女性らしさを増し、各部に金色の装甲が追加され、手には以前よりも厚く鋭さを増した大鎌、さらに何かの推進器三機配置され石附部分にもあった

 

「ライカ様、ゲラール・ブリッツェンへのブリッツアー・シュルム装備、最終調整終わりました!!」

 

 

「ホント!メキュルアスのみんな~ありがと~コレであの《赤い》のをズバズバっとケチョンケチョンに出来る!!……ところでセイジュのオーガロードは?」

 

 

「先にライカ様よ……」

 

メキュルアス《整備師団》のリーダーが応えようとした時、奥に配置された無人のハンガーの足元に光が集まり魔法陣が展開、瞬く間に消えると飛鳥と交戦した黒い天使…《コード:ルシファー》、蒼い龍騎士《コード:ドラグーン》が姿を見せ胸部装甲が大きく切り裂かれているのをみた整備師団のメンバーは各持ち場へ向かい機体を固定と同時にダメージチェックを開始し始める

 

 

 

第九・五話 帰還。そして…

 

 

 

「フリーレン・ドラッヘンの胸部ダメージチェック、各部装甲強制開放!同時にハッチ開放!!」

 

「……ふぅ…」

 

強制開放されたハッチから青い髪に鎧にも似た装甲が目立つ装鬼礼装《オーガローブ》を纏う少年が無重力状態の区画の床に降り立つ

 

「アレン様!御身にお怪我はありませんか!?」

 

「大丈夫だよ、ミィ整備師団長。みんなの整備が良かったから、こうしてアンジュと一緒に戻ることが出来たよ」

 

「は、はい!アレン様の御機体は我々が常に完璧に仕上げて見せます」

 

 

「アレン様。初陣どうでしたか?フリーレン・ブリッツアー初めて使ったのですよね。不具合ありませんでしたか?」

 

 

「問題なかったよ。氷結結界展開速度もバッチリだ短期間で仕上げたみんなもスゴいよ」

 

 

「い、いえ…あのアレン様、お手を触られますと汚れます…」

 

 

整備師団の一人《ルゥ》武装整備士の手を握りお礼を言うアレンにドギマギする…テラン方面侵攻艦隊に数少ない同年代の男子アレンは皆のアイドル的存在。しかも空位だった鬼神将を就任しながらも平等に接する姿は親しみを感じさせるモノだった

 

「汚れてなんかいないよ…そうだ、あとで食堂にみんなで来て。昨日作ったバビルニィアをごちそうするよ」

 

バビルニィアと聞いた整備師団長以下の目がキランッと輝く。オルガス皇国建国以前から伝わる伝統のデザートだったが長いときの流れで調理方法が喪われてしまった幻のデザート

 

前鬼神将《星穿ちのオウキ》が弟子であるアレンが料理好きだと知り歴代オルガス王のみが入れる書庫への通行手形を渡した事で埋もれていた様々な料理書が見つかり、その中にある一冊《蒼鱗料理指南》を見つけだし様々な調理方法を目に通したアレンが早速試した料理…ソレこそがバビルニィアだった

 

黄金のように輝きプルンと揺れる様は美しい女神の金色の髪を表し、様々な甘味料を煮詰め焦がさぬように生まれたそれをかけると虹が沸き立ち、口に入れれば様々な甘味が絶えず変化し食したモノを天国へ導く

 

現在は皇国に普及するも、調理方法を再現したアレンの作ったモノは別格。ソレを食べたのは現オルガス皇(笑顔を見せない彼女を初めて笑みを浮かばせた)、第二位継承権スズカ姫、アンジュ、ライカ、セイジュ、オウキ以下の鬼神将のみ…それ以降も料理指南書を読み解き喪われた料理をよみがえらせたアレンの名は知らぬモノ無しといわれていた(《蒼鱗料理指南書》を後に調べた結果、オルガス創世記に現れた《龍》によりもたらされたものでないかと見解がなされている)

 

鬼神将にして喪われた料理再現したアレンの手料理を食べれるのは鬼神将であり妻(違うからね読者のみんな!僕はまだ未成年だから!!)アンジュだけだった

 

「バビルニィア!?…ジュルり…ですが整備師団の私たちは…」

 

「ミィ整備師団長、ルゥ副整備長たちは僕たちのオルガス侵攻を支えてくれる大事な仲間だ。身分や立場なんて関係ない…それに皆で食べた方が美味しいからね」

 

 

「アレン様~」

 

アレンの優しい言葉に思わず涙を浮かべるミィ整備師団《メキュルアス》の面々、自分たちの仕事を高く評価し分け隔てなく家族同様な付き合いをする若い鬼神将の為に命を懸けて尽くそう、深く誓いをたてる面々をよそにジイィっと視線を向けるのは《コード:ルシファー》と共に駆り飛鳥と交戦した鬼神将アンジュ・オーガスティア。ゆっくりと床に降り今までのやりとりを見ていたが

 

(……ミィ、ルウそんなに近寄るでない!我の夫ぞ?しかも手を握っとるし…そんな風に優しくするのは我だけにしてくれんと泣いてまう~)

 

……若輩で鬼神将を継いだアレンが整備師団と仲良くするのはいい。でもあそこまでアットホームなのは公私の線引きが難しい、ソレよりも旗艦オーガスティアを含めた艦艇には男子の数は少ない。

 

十年前から、それ以前から男子の出生率が低下してからは数少ない同年代の男子を巡り争いまで発展した…そして《四年前のある出来事》を機に事態は深刻化、約束を反故されオルガス皇国は武力行使を踏み切り三人の鬼神将アンジュ、ライカ、セイジュを派遣と同時にテラン人調査を行わせた。そんな中、アンジュは黒こげになったキィルムアから這い出した瀕死のテラン人の夫婦、その子達である兄弟を見つけた…

 

自身のオーガロードを見て畏れもせず「二人を助けてくれ」と沢山の想いの込められたまなざしを向け息絶えた二人。言葉は通じなくとも想いを感じアンジュは託された二人を見た、赤い髪の子供は両腕の骨折に軽度の火傷に打ち身しかなく軽症、しかしもう一人、青い髪の子供は重度の火傷に大腿部および鎖骨、右肩の複雑骨折に内臓破裂を起こしショック症状を併発。軽症の方にはテラァフィア波を当て、片方を手でつまみあげ慎重にオーガロードの顔面へ近づける。端正な少女を思わせるマスクが般若の面に変貌、耳元まで裂けた口を大きく開く。内部にはゼリー状の何かが見える

 

(ブラッディア…我と適合可、咥内環境テラン人に調整…ヤクィヌリナ(火傷)、キッヌル(骨折)…ビィツエィアルヌッチ(万能治療粘体)調整完了や)

 

オーガロードの特殊機能《ビィツエィアルヌッチ》。コレは瀕死の重傷を負った鬼神将を治療するために装備された万能治療粘体槽。ありとあらゆる怪我を短期間で完治させる事ができオーガロードには標準装備されている

 

しかし肉体的に強靭かつ宇宙でも30分活動出来るオルガス人と違いテラン人の身体は脆い。それ以前に耐えられるかと逡巡しながらビィツエィアルヌッチに浸し口を閉じた時、音感センサーに反応

 

「あ、あああああ…うわあああああああ!?」

 

声を上げ駆け出す赤い髪の子供…さっき治療した子だとしり追いかけようとするも、突然アラートがなる

 

ーℵ∇√∑∃∀√∑∮☆○(生命維持に支障あり。ブラッディアを早急に輸血開始と同時に本星医療施設への早急な帰還を要請する)ー

 

 

「……なんでや…何でこないことなんや……早よう治したかったのに……セイジュ、ライカ、聞こえてるか?今すぐオルガス皇国本星への転移ゲート用意や」

 

『ええ~?まだ∃∀√∑∮ℵ∇をしてないよ!』

 

 

『アンジュ、何かあったのですか?』

 

「ええから早くしいゃ!我は《オルガスの掟》を護らなあかんのや!!」

 

 

『………わかりました。ライカ。無人拠点配置とガ・ナー、ガ・オの生産をオーティムンブで。私達は超長距離転移ゲート用意を』

 

 

『わかったよ………あとで説明してよねアンジュ』

 

 

空を飛翔するオーガロードの正面に幾何学紋様が幾重にも広がり中心へ突入と同時にアンジュとテラン人の子供を乗せたオーガロード《アルジェント・ノワール》は姿を消した…それから四年、テラン人の子供はアンジュのファミリーネームを与えられ暮らす中、想いを寄せ、家族の居ないアンジュにとってかけがえの無い存在となり食生活が乱れがちで心配だからと無理矢理アンジュと共にテランへ戻ってきた

 

(アレンの鬼神将就任には驚いたわぁ。まさかオウキジィの弟子なっとったのは知らんかったん上にオウキジィの専用機《ドラッヘン》を拝領するなんて……でもなあメキュルアスやオルガルーディが最近色目使うとるから気ぃつけなああかんわ)

 

 

「ア~ンジュ?レンレンばっかりみてるけどどうしたの?もしかしてもしかしてヤキモチ?」

 

 

「ヤ、ヤキ餅なんか焼いとらんから!」

 

 

「ふ~ん。ならいいんだけど…ところでさあセイジュはドコに行ったの?」

 

 

「そういえばさっきからみかけんなあ……」

 

 

同じテラン方面侵攻艦隊に同行した鬼神将セイジュ・ゴザ・ガベィラスッルヌの姿を探すも見当たらない。メガネに髪の右を編み、クナチ細工の髪留めで止め黒地に赤の着物みたいな服を着た彼女はここでは目立つのに

 

「あのアンジュ様、ライカ様、セイジュ様なら先ほどからテラン《リウキキコン》上層で慣熟テストをしていますが」

 

アンジュの機体整備をしていたメキュルアスの一人の言葉に二人、いやアレンも身をこわばらせた

 

「一人で慣熟テスト向こうたんか!?マズいやないか!!」

 

 

「誰もつけずにいったの!!マズい、マズいよ…セイセは…セイセは」

 

 

「ナニもないところでつまづいて、立ち上がれば頭をぶつけて、変なボタンを押してしまう超ド級のドジっ娘なのに何で一人で向かったのさ!」

 

「「「「「「ええええええええ!?あの、セイジュ様がスーパードジっ子ォオォオ!?」」」」」」

 

 

……騒然となるメキュルアスの全員の叫びにも似た悲鳴が整備区画内に響く。慌ててライカが自身のオーガロード《ゲラールブリッツェン》を駆り緊急転移した頃

 

 

「………光圧推進問題なし……使い魔たちも正常稼働確…クシュン?だれかワタシをドジっ娘って言ってますね。まったくもう、みんな過保護すぎなんです」

 

 

軽くくしゃみをしたのは噂の超ド級のドジっ娘《セイジュ・ゴザ・ガベィラスッルヌ》…アウルムアウムドをまとわず着物にも似た服に身を包みメタルスフィアを握り金髪の長い髪が揺れ無表情だが可憐さを醸し出させながら、一通りの慣熟テストを終え自身の機体を地球に向けるモニター越しには美しい蒼…テランが見え胸の奥に郷愁の念が芽生える

 

(……テラン、またはチキュウ。何故かわからないですけど懐かしい感じがします……もしかしたらオルガス皇国に伝わる《始まりの惑星》なのでしょうか……)

 

 

まるで泳ぐように漂うオーガロード…背中に水晶を思わせる翼が左右合わせ六枚、腰には折り畳まれたロングライフル?女性の顔を持ち体は白地に蒼を基調とした可憐さと堅牢さを併せ持った装甲に包まれている。心配している頃だと感じ、そろそろ帰還しようとした…が警告音がなり姿勢制御が崩れそのまま大気圏へ落ちていく

 

「光圧推進に異常?推進系制御にエラー……このままじゃ……仕方ないです。テランへ安全なエリアに……降下…」

 

赤く染まるオーガロード、やがて摩擦熱に機体が揺れ赤い光が伸びながらも必死に姿勢制御、ようやく大気圏をぬけると同時に安全な場所を見つけるセイジュは固く目をつぶり…激しい揺れに襲われながら頭に痛みを感じ意識を失った

 

☆☆☆☆☆☆☆

 

「な、なんだろ今の…それに衝突寸前で減速したみたいだし」

 

 

金髪にエメラルドグリーンの瞳を向けるのは先ほどできた大きなクレーターをみるのは六晶大付属高校《RPT》研究会部長《楯無ユウジ》。近々ふたたび行われるパワードスーツ評価試験大会に向け自身の使うPSの環境適応訓練を六晶大付属高校から離れた場所でしていた際に落下したきた隕石?が減速した事に興味を持ちパワードスーツ《GENBU》を纏うとクレーター中心にたどり着く。見たこともない巨大な岩、そして…

 

「………ん…」

 

「…何でこんな所に人が?とにかく家の診療所に連れて行くかなきゃ」 

 

 

頭から血を流し気絶した不思議な服を着た金髪の少女。迷わず抱き上げ、揺らさないように実家がある《楯無》診療所へ向かうユウジ…その姿が見えなくなると巨大な岩が微かに揺れまるで溶けて消えるように地面へと沈んでいった……

 

 

第九・五話 帰還、そして

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