機械神伝説ー桃太郎ー   作:オウガ・Ω

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「どういうことだ…じいさん…」


「……」





ヴァルキリーズ極東本部…キンタロー、ガイアフェニックス合体解除と整備中の虎次郎、《チーム虎》の面々が手を止め見ていることしか出来ない。ユウジと気を失ったセイナをメディカルルームへと向かった直後だった。装神装甲を纏ったまま詰め寄った桃矢、源三の間に重い空気が流れる


「…………なんで四年前に死んだ飛鳥の弟が、蓮が鬼の機体に乗ってんだよ………」


「………」


「黙ったままじゃわかんねぇだろ………こたえろよ、じいさん」



「やめなさい桃矢くん。先生、もう隠し通すことは出来ない。ここに居るメンバーにも…」



「わかった………じゃが、コレから話す事はこの場に居る皆の胸におさめてくれると」


騒ぎを聞きつけたリトスの言葉に納得しない感じで源三から離れた桃矢、力なく椅子に座りふらりと顔を上げチーム虎、第四小隊メンバーに声をかける。しばらく間をあけ頷いたのをみて重い口を開いた



「…ルシファーと共に現れた新たな鬼…コード:ドラグーン…あの機体に乗っているのは間違いなくワシの孫、四年前のあの日、鬼に喰われ死んだ蓮に間違いない………」


「な、何だよ……おかしいだろ?それが本当なら何で鬼側にいて、新型の鬼の機体に乗って現れて………まさか蓮を喰った鬼ってまさか!?」


その場にいるチーム虎、第四小隊メンバーも最近、飛鳥の様子がおかしいと感じていた。アシガラ、ヨコハマに同時出現した鬼…コード:ライトニングと光線、直後に現れた蒼い鬼コード:ドラグーン。極東支部でコード:ルシファーと共にいたドラグーンとの戦いが拍車をかけていた事が原因だと気づく面々


「……コード:ルシファーじゃ……飛鳥から聞いた特徴を照らし合わせたが間違いない…そしてコレはあくまで推測なんじゃが、ルシファーは喰ったのではなく連れ去ったんじゃろう。理由はわからんがの」


「じゃあ、まさか鬼は蓮くんを洗脳して機体に乗せているっていうの!」


「サヨコ!?まだそうと決まったわけないだろ!」


「……せっかく会えたのに、こんなの間違ってる……」


「………ヒドすぎる……兄弟なのに…」




サヨコ、アキラ、ミオはやりきれない思いを口にし、アカネ、ノゾミ、リトスは顔をうつむかせる。なぜ、なぜこんな事に…死んだハズの血の繋がった弟と闘う事に…機械神に選ばれたからなのか、いやまだ年端もいかない少年を鬼との戦いへ駆りだしてしまった自分たち《大人》に原因があると誰もが思っていた。そんな中で源三は皆の気持ちを痛いほど感じる


「なあ、じいさんにリトス司令、鬼が出現しても飛鳥をもう戦わせるな……もし、今度もまた弟とあったら、取り返しのつかないことになっちまう」



「……わかっておる……………リトスくん、すまぬが飛鳥のヴァルキリーズ通行IDを凍結してくれ、虎次郎くんはガイアフェニックス合体解除後に炎凰を封印処置を頼む」


「待てよ源三じいさん、飛鳥に一言も相談しなくていいのかよ!理由はわかったけどさ!勝手だろ!!」



「すまん、わかってくれとはいわん。虎次郎くん。ただ、もうワシは孫同士が戦うのをみていられんのじゃ」


それだけ言うと手を顔に覆いかぶらせるようあて肘を膝についた姿を見て誰も異論の声があがることはなかった


第十一話 消える炎、大いなる方舟(桃矢side)前編

三日後、ヴァルキリーズ極東支部

 

 

同、地下超深度孥級格納庫

 

 

??????内

 

 

 

「ようやく発掘出来たの……」

 

 

「ですが内部は解析は愚か、動力源がまったく不明です……」

 

 

「………リトスくん、もしかしたらコレは機械神を生み出した文明テランと関係するモノに間違いないじゃろうて……」

 

 

薄暗い場所に光が灯り見えたのは艦橋内と酷似した配置がなされた空間…キャプテンシートらしきものがおかれた場所にあるコンソールをそっと撫でるも反応はしない。しかし何か引っかかるのを感じリトスは目を凝らしみてみる。見たこともない文字がメッセージのように記されているのを別な場所で調べていた源三を呼び見せた

 

 

《ФЩЫЬЦШЭЮбЯЩФЦШЯЩФЮЫℵ∇∂∑ё》

 

 

「コレはテラン語じゃ…完全な形で残っておるのはキビツ神社で見つけた《テランプレート》意外では初めてじゃわい……」

 

 

端末へ記されたテラン言語を写す源三…リトスは静かに口を開いた

 

 

「………先生、飛鳥くんはどうしていますか?」

 

 

「……元気じゃよ…空元気なのが誰がみてもわかる……学校には行っておるが心此処にあらずじゃな」

 

 

 

「…」

 

 

端末を収め深くため息をつく源三の脳裏に空元気とわかるぐらいの笑顔で学校へ向かう後ろ姿…軽く腰を叩きながら艦橋?を後にし超深度孥級格納庫から地上に通じるエレベーターにリトスと共に乗り込み地上へ向かうまで源三は二日前の事を思い出していた

 

 

ーあの源三博士。飛鳥くんの弟ってどんな顔をしてますか?ー

 

 

ーどうしたんじゃノゾミくん…それにアカネくんまで急に?ー

 

 

ー……じつは会ったかもしれないんです。桃ちゃん、覚えてる?ほら街に買い物行った時に会ったあの子をー

 

 

 

ーああ、髪の色は違うけど飛鳥と声もよく似てた…まさか!?ー

 

 

ーなんじゃと!……もしや、この写真と同じかの!?ー

 

 

 

三人に見せたのは最後に撮られた写真と成長した姿…何度も見比べた上で頷いた三人を前に目の前がクラクラしたのをいまでも思い出している…もし三人が出会ったのが蓮ならば鬼達は近くに拠点を構え此方の動向を伺い知ることができる。間違いなく鬼は知性を備え人と同じ容姿を持つている

 

 

ーれ、蓮はどんな感じじゃったかの?ー

 

 

ーはい、大人しくて戦いに身をおくような感じじゃなかったです。少し天然入ってました……それに《アレン・ニーティ・オーガスティア》って名乗ってましたー

 

 

ーアレン・ニーティ………ー

 

 

 

第十一話 消える炎、大いなる方舟(桃矢side)

 

 

 

「………い、先生」

 

 

「な、なんじゃのリトスくん」

 

 

 

「もう、地上につきましたけど……やっぱり、疲れが……」

 

 

 

「あ、すまんのうワシも昔みたいに元気バリバリにはいかんのう…ハハハハハ。年をとったかの……さてこの文字の解析を急がんと…それとユウジ君の事じ……」

 

 

リトスの声で思考の海から戻りわざとらしく元気に振る舞いエレベーターから降りると同時に警報が鳴り響く

 

 

《司令、すぐに第一司令室へ急いでください!!》

 

 

 

「ナニがあったの!」

 

 

《現在、極東支部周辺に将鬼12、砲鬼30、雑鬼60、あとライトニングが取り囲むように展開されています!!》

 

 

「………すぐに各小隊に緊急召集発動、警戒level《5》発令!!カノン事務総長にホットラインをつないで!!」

 

 

《は、はい!》

 

 

「先生、すいませんがオブザーバとして私と一緒に!」

 

 

「わかったわ……っと」

 

 

先にいくリトスについていこうとした源三と整備服姿の誰かがぶつかる。なんとか踏みとどまった

 

 

 

「す、すいません…あの大丈夫ですか?」

 

 

 

「いや、ワシは大丈夫じゃ…キミは?」

 

 

「いえ、僕は大丈夫です。アナタもケガはないですか?」

 

 

 

「ワシはこの通り元気バリバリじゃ……それよりキミも早くいかんといけないんじゃないかの?」

 

 

「は、はい……じゃあ失礼します」

 

 

 

帽子を深々と被った少年が頭を下げ足早に駆け出したのを見送ると源三も踵を返し司令室へと急ぐ…誰もいなくなったのを見計らうように通路の途中でに整備服姿の少年が足を止める、しばらくして二人の少女が駆け寄ってきた

 

 

「アレン様、危なかったですね…」

 

 

「大丈夫だよミィ《メルキュアス師団長》、今は作戦に集中しなきゃ………ルゥ副長、目的の場所は?」

 

 

「大丈夫です、ここのセキュリアムゥ(セキュリティー)突破に……少しだけヨネクン(四時間)ほどください」

 

 

「うん、たのむよ………このシュマー(オルガス語で基地)の人には悪いけど機械神を…」

 

 

 

この時、運命が交差したことを源三は気づかない…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数分後、ヴァルキリーズ極東支部司令室…同ミーティングルーム

 

 

「みんな、そろったわね…現在、極東支部周辺および都市部を取り囲むように鬼達が展開しています。様々な推測がなされますが可能性が大きいのはココ《極東支部》であることが大であることがわかります」

 

 

 

大型スクリーンには極東支部を示すマーカー、その周辺都市を取り囲むように鬼達が展開している配置に息をのむ第一から第四小隊メンバーにリトスは状況を説明していく

 

 

 

「ですが、鬼達は現時点に置いても動きを見せてないことから何らかの意図を感じる……ですが何時動きを見せるかは予想できません……我々の保有戦力は戦鬼人12、試作型高出力ビームカノン搭載戦車《グレン》、重輸送列車《轟火》、超高速輸送機《疾風》…………そして桃矢くんのタロウ、クマード、エルクゥ、ビックボア、ティルレガシイのみ。アキツキインダストリアルからも新装備を提供してもらう予定だけど時間があまりないわ」

 

 

 

「司令、私は住人達の早期避難優先を提言します」

 

 

 

「カワシマ隊長、都市部すべての人間の避難をするには時間が足りなすぎる……」

 

 

 

「サガミ第二分隊長。確かにそうですけど……」

 

 

 

「………一つだけあるだろう?」

 

 

 

突然響いた声に視線が向かう先には黒髪をオールバックに纏めた中年女性があくびをかみ殺しながら彼女《ルディ・M・相羽》第一分隊長はさらに言葉を続けた

 

 

「この基地の最下層には極東支部周辺都市部すべての住人達を収納出来る《超深度孥級格納庫》がある……そうだろリトス司令?」

 

 

 

「………そうなんですか?リトス司令」

 

 

 

「……ええ…」

 

 

ヴァルキリーズ極東支部にそのような場所があることを初めてしる第二、三、四小隊メンバー…第一分隊隊長バーナード・相羽は極東支部が置かれてからいる数少ない最古参メンバーの一人。彼もリトスにスカウトされたのだから知っていてもおかしくない

 

ただ二人の間にある空気の重さを感じながら作戦が汲み上げられていく中、再び警報が鳴り響くとスクリーンが砂嵐に変わり切り替り見えた人物にリトスは目を細めた

 

 

 

『ハロハロ~ナイストューミチュウ~ヴァルキリーズの諸君?お久しぶりぶり~やぁ♪』

 

 

 

司令室兼ミーティングルームにいる第一、二、三、四小隊メンバーの表情が険しくなる…映された相手《対鬼殲滅部隊ファナティカーズ》司令《トオミネ大佐》脳天気な笑顔を見せる。過去に彼がしたことをに知るメンバーは嫌悪感を露わにしている桃矢は怒りを露わにしにらみつけている中、自動扉が開いたが誰も気づいていない

 

 

 

「………トオミネ大佐。私達には干渉はしないとカノン事務総長が決めだ筈よ?」

 

 

 

『ん~相変わらずつれないね~せっかく君たちを助けてあげようと想ったんだけどね?今の状況はまさに四面楚歌、絶体絶命じゃん?だからさ、俺らファナティカーズがビチグソ鬼をぶっ殺すスペシャルミッションをおこなうんだ~詳しくは教えられないけどヒントだけあげるよん。イェイ♪』

 

 

 

「あなた、まさか軌道エレベーターを……」

 

 

スクリーンが切り替わり見えたモノ……真っ暗な空間に浮かぶ巨大構造物に声を上げたリトス。同時にガタンと椅子をならし立ち上がる桃矢…怒りの眼差しを向け、肩はわなわなと小刻みに震えているのを見てただ事ではないと誰もがわかった

 

 

 

「トオミネ……貴様……あの街と同じ事をここで!!」

 

 

 

『おやおや、さすがは白い英雄くん……あの時、誰も救えなかった《・・・・・・・・・》だけはあるね♪…んじゃ、忙しいから切るね~バイバ~イ………生きていたらまたね~』

 

 

 

 

「待て!クソ………」

 

 

 

怒りを露わにする桃矢…握りしめた拳から血がにじみ滴り落ちる横でリトスはある場所へアクセスしていたが手が止まる。冷や汗をながすリトスの唇が微かにふるえた

 

 

「………通達します、現時刻より極東支部及び周辺都市市民を避難を行います!場所は本施設《超深度孥級格納庫》へ誘ど……」

 

 

「な、なんだよコレってリトスさん………」

 

 

遮るよう声が響く…聞き覚えがある声にまさかと振り返っるとブリーフィングルームの自動扉の前に立つ飛鳥が肩をふるわせながら正面スクリーンを凝視している。しかし通行IDを凍結された筈なのになぜいるかの疑問が沸き起こるも、後ろから来た新たな機械神《真武》に選ばれた困惑した表情をする楯無ユウジをみて悟った

 

今後のことを相談するために招いたユウジに手渡していた臨時通行IDを使いココへ来たのだとわかった

 

 

「飛鳥!なんでここに……あす??」

 

 

「リトス司令、じいちゃん、ノゾミ姉さん……桃兄…ファナティカーズってなんで、こんな事するのさ…軍人なのに。ねぇ軍人って、軍隊ってそんなに勝手が許されるぐらい偉いの!?………答えてよ!!」

 

 

 

憤りと怒気を孕んだ言葉がブリーフィングルームに響く…リトス、源三、桃矢、ノゾミ、ヴァルキリーズ小隊メンバーは答えられない中でバーナードがすっと立ち上がり飛鳥に近づくと同じ目線になるまで背をかがめた

 

 

「落ち着けくんだ坊や、あと、そこの兄ちゃんも、確かにあいつ等のやり方に憤るのはわかるけどねぇ、今はこうして議論してる時間はない。やることは一つさ……護るための戦いをするんだ。あたし等やアンちゃんと坊や、ウチらが今までしてきた事を………あいつ等には出来ないことをね」

 

 

「護るための……戦い」

 

 

「……わかってるよ婆さん」

 

 

 

「婆さんはよけいだよ若いの……さあ、わかってるんならいいさ兄ちゃん、坊や………リトス司令、源三博士、軌道エレベーター構造体落下までのタイムリミットはどんぐらいある?」

 

 

「少し待ってくれ……リトスくん最終軌道補正と落下までの時間計算を」

 

 

「はい。軌道補正及び、落下までは…………ろ、6時間25分20秒です」

 

 

オブザーバシートに座る源三、リトスの指がせわしくキーをたたきやがて終わった。落着までの時間と軌道コースがスクリーンに映され、小隊メンバーが声が挙がりざわめいた

 

 

「周辺都市市民の避難完了に6時間……ギリギリめいいっぱい……」

 

 

 

「でも落下してくる構造体を何とかしないと……」

 

 

「静かに、今から構造体破壊及び避難作戦を説明します…」

 

 

静かに響いたリトスの声にざわめく声は消え、皆の視線が集まり正面スクリーンが切り替わる

 

デフォルメされた極東支部、周辺都市。それを取り囲むように配置された鬼の機体群の上空にある50キロに及び軌道エレベーター構造体の落着コースと時間が示された

 

 

 

「今回は第1、第2、第3小隊メンバーは疾風、轟火を使い都市市民を、砲鬼、雑鬼、そしてライトニングの感知エリア外で呼びかけ疾風、轟火、Dトレーラで市民収容後に本施設《大深度超孥級格納庫》へ避難を、そして護衛には」

 

 

「オレにいかせてください!」

 

 

 

「飛鳥くん!?」

 

 

 

「やめろ飛鳥!今度は今までとはワケが違うんだ!アイツ等はそんなに……」

 

 

「桃兄…機械神の力は、この街にすむ人達を護るためにある……オレは鬼やファナティカーズの思い通りにさせたくないんだ。オレみたいな想いをさせたくない……だれにも!」

 

 

 

「っ!?…………わかった…みんなを頼むぞ……」

 

 

 

「うん、桃兄…」

 

 

 

強い意志の光をみて悟った桃矢、源三は止めることはできなかった。その様子をみたユウジもまた強く共感していた。リトスも感じ取り飛鳥の意志を汲み取った

 

 

 

「………改めて飛鳥くん、あなたに第1、2、3小隊護衛をお願いしていいかしら」

 

 

 

「はい!」

 

 

「………地上部での作戦は以上です、コレから構造体破壊作戦を説明します。現在、旧セイバーズが建設するも鬼の進行で放棄された軌道エレベーター構造体は周回軌道にのりココへの落着コースをとっている。そこで今回、タロウと合体したキンタロウと試作高出力ビーム砲内蔵戦車《グレン》で構造体を完全に破壊します」

 

 

 

「あ、あの…」

 

 

「ミオさん、なにかしら?」

 

 

 

「キンタロウを打ち上げるにはどうするの?あとグレンのビームじゃ…」

 

 

 

「大丈夫、すでにアキツキから打ち上げ用ロケットブースターを手配している。グレンは以前にモモタロウが使用した際に大きく姿をかえたわのは覚えてるわね………」

 

 

「あ!?」

 

 

 

「……キンタロウと変化したグレンと一緒に衛星軌道スレスレにまで打ち上げて接近、構造体を自由落下しながら阻止限界点まで全てを破壊する…形状変化したグレンに搭乗していたアカネ・カワシマ、ミオ・カンザキに乗り込んで誤差と出力を担当してもらいます。ノゾミ・カワシマ、サヨコ・シノヅカ、アキラ・カナガセ三名は打ち上げた際に戦機人《翔》で同行、破壊しきれなかった破片を破砕任務を遂行してもらいます………この作戦は相羽隊長か言うよう守るための戦い。みんな、私に命を守らせて」

 

 

 

静かに目を閉じ頭を下げるリトス…今までとは違う真摯な思いを感じ取った

 

 

 

「「「「「「「了解!リトス司令」」」」」」」

 

 

 

力強い言葉がブリーフィングルームに響き渡った…

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

「戦機人のスーパーフェニックス《翔》の調整を急げ、フェイルシーリング後に不凍液を各部関節に循環!コックピット周りの機密を五分で終わらせろ!」

 

 

 

「虎主任、桃矢さんとタロウ、キンタロウへ合体完了!アキツキインダストリアルからブースターが届きました!!」

 

 

 

「よし、ガントリーフレームと接続後、キンタロウの背部と脚部に装着作業だ!細かいアッセンブリは打ち上げ台へ移動しながらやる!!」

 

 

 

 

「はい!!」

 

 

 

喧騒に包まれる地下格納庫…成層圏まで向かう戦機人のバックパック《翔》の調整の指示を飛ばしながら虎は上層部から搬入されてきた六次元ベクターノズルが三基にフレームが目立つロケットブースター二機へ近づくとNギアてアナライズと同時にクレーンマニュピレータを操作し手早くフレームを無数のアームを同時に操り再構築し終える。その間わずか五分

 

 

(さすがはアキツキインダストリアルだ、キンタロウの足まわりにフィットするように作ってるな…)

 

 

 

頭の中で呟きながらキャリアへ載せ移動、誘導員がライトを交差していく先には浮いた状態で固定されたキンタロウの姿…手には試作高出力ビーム砲内蔵型戦車《グレン》が形状変化して《グレンバスターキャノン》が握られ見たことのないフレームが銃身から延び腰に接続されている

 

 

モモタロウの時より金色のパーツに斧を模した造形が随所に目立っている

 

 

「桃のダンナ、両膝を曲げてくれ!」

 

 

 

『ああ、こうか?』

 

 

 

「ラ~イラ~イ……よしオートアジャスタ……両足の物理接続完了だ…あとはコイツだな…頭を下げてくれ」

 

 

虎の言葉に従いキンタロウが頭を下げると上からステルス戦闘機…いや明らかに大きな別物が背中へ近づくとロッキングアームが腰、肩へのび接続しロックされベクターノズルが動き、背中のステルス戦闘機エンジンが展開、ロケットノズルがせり出し多方向をむき再び収納された

 

 

「よし、連動よし。これでキンタロウ・ボルテックス完成だ!!」

 

 

 

『待て虎、コイツは《ぶっ飛びキンタロウ》で良くないか?』

 

 

 

「い、いや、さすがにソレは………マニュアルにもボルテックスブースターてあるからさ……と、細かいアッセンブリを打ち上げ台に移動しながらやるからさ」

 

 

 

『わ、わかった……空までぶっ飛ぶって意味なのにな……』

 

 

 

ブツブツ言う桃矢、キンタロウのメンテナンスベッドが流れるよう移動する。やがて突き当たりに止まるとリフトアップし上層部に続くゲートが開いていき上昇していく

 

 

ー第四番リフト、上昇、付近の職員は下がってください。繰り返しますリフト、上昇、付近の…ー

 

 

 

アナウンスが響きやがて明るくなると青空が広がり地表部へでる…そのまま打ち上げ台へ進みベッドがジャッキアップし巨大なロケットが二つ背中、編み笠みたいなシールドが上半身を覆い隠しロックボルトが閉まる。操神空間内に浮かぶ桃矢は目を閉じ舞っていると声が響いた

 

 

 

ー桃ちゃん聞こえる?ー

 

 

 

『ああ、どうしたアカネ』

 

 

 

ー飛鳥くん、大丈夫かな…ー

 

 

 

『………何があったかわからないけど…吹っ切ったみたいだ……でも…』

 

 

ーでも?ー

 

 

 

『いや何でもない……とにかく早く終わらせて帰ろう……』

 

 

桃矢は先ほどの飛鳥から二日前に感じていた空元気は消えた事が微かに引っかかっていた…しかし今はと思い空へと目を向ける

 

 

 

 

ー………アカネ、グレンの最終チェックまだ終わってない…………叶さんー

 

 

 

『なんだ?カンザキ』

 

 

 

ー………必ず成功させる………だから私とアカネを信じてー

 

 

 

 

『ああ、頼りにしてるぜ』

 

 

 

《燃料注入完了、発射までのカウントダウン開始……20,19,18,17,16,15……》

 

 

 

打ち上げ台から伸びた燃料ケーブル牙離れ下部にあるバーニアノズル六基から火が生まれ微かな振動音が響く

 

 

 

「司令、落着コース及び弾導コース算出完了しました!」

 

 

 

「落着時間及び阻止限界点まで4時間30分切りました」

 

 

 

「……極東支部および周辺都市市民の東、西ブロック避難状況は四割り完了、第一陣が到着。大深度超孥級格納庫へ誘導します」

 

 

「………発射まで14,13,12……」

 

 

 

中央司令室に様々情報がリアルタイムに大小様々なスクリーンが埋め尽くすように展開、言葉が飛び交う中でリトスと源三は打ち上げシークェンスに入るキンタロウを見守りながら情報を精査しカウントダウンを耳にし手を止めることなく静かに立ち上がり腕を前にかざすと同時にカウントが0を示した

 

 

 

「これより、軌道エレベーター構造体破壊作戦開始します!!」

 

 

 

「キンタロウ、ティクオフ!!」

 

 

凄まじい煙が立ち上がりガントリーフレーム解除、ミサイルブースター表面についた氷がバラバラと落ち蒸発していきながらキンタロウの身体が浮き上がりゆっくりと浮かぶや否や瞬く間に上昇、メインロケット、サブロケットブースターノズルから凄まじいまでの光が溢れ空へと押し上げていく

 

 

 

「続いて戦機人《翔》、ティクオフ!!」

 

 

 

続けて隣に置かれていた戦機人三体が収納されたロケットも発射、後をおうように追従していく

 

 

「な、なんつうGだ!潰れる」

 

 

 

「アキラ、訓練したことあるでしょうが!?」

 

 

 

「いや、潰れるのはあたしの胸だからさ、サヨコはその心配ないだろ?」

 

 

 

「な!アキラ、あんたねぇぇ!!」

 

 

 

「二人とも、静かに…」

 

 

 

「「は、はい!ノゾミ隊長」」

 

 

二人の緊張感の欠片の無い会話に釘を指しやがて第一段ロケットの燃焼終了、二段目のノズルに火が生まれ追従する様をリアルタイムで見ているリトスと源三、中央司令室にいる面々は作戦成功を祈る。突貫作業で燃え尽きかけている虎達はというと…………

 

 

 

「主任!成功ですよ~」

 

 

「ヴァルキリーズの整備技術は世界一イィィィィ!!」

 

 

 

「ハハハハハハハハ!そうだ、そうだ~♪うし、新しい飛行ユニットのアイデアが浮かんだから図面引くかな~」

 

 

 

打ち上げ成功による喜びがトリガーになり軽いハイな状態になっていた

 

 

ーわかいのう…しかし見事な腕じゃー

 

 

「やれやれ、虎もあいかわらずだ……みんな、お茶飲むかい?」

 

 

 

近くで軽く肩を落としながら気遣うユウジがマスコット化した真武の背中にお茶を持って行き数分後に落ち着くと。修復中のキジット、ゴクウ、シロを大深度超孥級格納庫へと移送作業を始めた

 

 

コレがモモタロウ復活、そして新たな力を呼び覚ます事に誰も気づかなかった

 

 

 

 

第十一話 消える炎、大いなる方舟(桃矢side)前編

 

 

 

後編に続く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




打ち上げに成功したキンタロウ・ボルテックスと戦機人《翔》

軌道エレベーター構造体破壊をするためにグレンの砲口が向けられるが、ファナティカーズの機体《デストロイ・レイ》が姿を見せる


せまる落着時間及び阻止限界リミット


その時、桃矢に謎の声が再び届く時、禁断の力が目覚める


光に包まれた姿…あれはまさか!!






次回 消える炎、大いなる方舟(桃矢side)後編




超絶合体……神代の戦いに現れし神が降臨する!!

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