日本には桃太郎、浦島太郎、金太郎があるように、北欧神話には槍を振るう隻眼の神《オーディン》、中国大陸には青龍、朱雀、白虎、玄武など四神崇拝があります。
しかし、それらが巨大な身体を持つ鋼の巨人ースーパーロボットーだと、ある学会に発表されるも荒唐無稽な作り話とバカにされ世間から忘れ去られました
しかし侵略者である鬼の襲来がそれが真実だったと人々は認識したのです
コレは古の巨人に選ばれ、運命を翻弄されながらも戦いぬいた少年達、彼らを支える大人達が真の敵を知る物語
機械神伝説ー桃太郎ー、第二章の開幕です!
第一話 最悪の再会
月、ありとあらゆる生命を拒絶する宇宙に浮かぶ星…その表面は無機質で凸凹とした地表が見える。20世紀。人類は遂に自らの持てる科学の粋を結集し月へ到達し第一歩を刻んだ
その月の裏側に浮かぶ巨体…オルガス皇国第二次テラン遠征軍旗艦、超ド級戦艦《オーガスティア》…本州と同等の全長を誇り内部は空間圧縮され地球型惑星環境をも再現し、工廠、農業、住居区画、生活に必要なプラントをも兼ね備えている……しかし今、工廠《オーガロード》専用区画では今までに無い緊迫した空気に包まれていた
「あ、あれはなんなんや!機械神やないか!?」
第二次テラン遠征軍総司令《アンジュ・オーガスティア》の前に立つのは鬼神将機《フリーレンドラッヘン》と機械神《氷龍》が合体し生まれ変わった龍鬼フリーレンドラッヘン、その隣にはガ・ナー、ライカ専用鬼神将機ゲラールブリッツェンが固定されている。しかしアンジュの関心は無数の拘束結界で特殊合金に張り付けにされた真紅の機体、今まで辛酸を嘗めさせてきた機械神ブレイズフェニックスの痛々しい姿
その時、フリーレンドラッヘンのコックピットが開く音が響いた
「ふう……スゴいな機械神の性能は……あ、ただいまアンジ………うわ!?」
「バカ者、バカ者……我は心配したのだからな……」
「ご、ごめんアンジュ…でも成果は持ち帰ってきたよ」
涙目になるアンジュのさらさとした髪をなでアレンは抱きしめた
第二章 希望の方舟、集う力達
第一話 最悪の再会
無重力ブロックでしばらく抱き合い、柔らかく壁を蹴り、キャットウォークにたどり着く二人……まわりにいるメルキュアス師団の面々は羨ましそうにに、手で目を隠しながら隙間からみたり、顔を真っ赤にする者もいたと書いておく
「アレン、このフリーレンドラッヘン違う、見たこと無いパルトィアがあんやけど」
「ああ、それはあとで報告書と一緒に説明するからいいかな…まずはあの赤い機械神からなんとかしないと」
「アレン様~ダメです私達のキイスゥナでは切断出来ません。逆に刃こぼれしちゃいました」
「じゃあハッキルヌで開けないかな?」
「……だめです。シスムヌ周りが適合しません……」
「ねえねえ、まだ開かないの?」
「ライカ!あまりちかよったらあかん!もしなんかあったら」
「へ~き、へ~き♪だって手足をボクの必殺技でズババババって切り落としたんだし…お母さんもお姉ちゃんもボクの活躍をスッゴく喜んでたもんね~。さあでておいで~」
メルキュアス師団が新たな刃をつけるために離れていくと入れ替わりに、ゲラールブリッツェンから先に降りたライカが近寄った瞬間、眩い光が溢れだし目を覆い光がはれ、アンジュたちがみたのは
「はあ、はあ…………」
息を荒くしライカを後ろから羽交い締めにした飛鳥の姿…みただけでもかなり血が上っているのがわかる、なにより額から血を流し足は震えて覚束ない
「な、なにをするんだよう!離れろ~赤いのに乗っていたテラン人!」
「…え、その声は……ラ…」
かすかに羽交い締めにした腕から力が抜ける。それを見逃さずライカは後ろ手を掴み地面へと叩きつけた
「うわっ!」
「さっきのお返しだよ!大人しくボクた………え?な、なんで……」
声を詰まらせるライカの瞳には初めて出会ったテラン人の少年で想いを寄せる新田飛鳥の姿。なぜここにいるのと混乱し手を離してしまう。せき込みながら顔を上げた飛鳥も言葉を失いふらふらと立ち上がる
「な、なんでライカがココに、なんで……なんで……」
「アスカこそ、なんで……赤いのに乗ってるの……ねえ、なんでなの!!」
二人のやりとりをみたメルキュアス師団の面々はライカが大好きになった人がいることを知っていた…しかし最悪な再会…敵と味方だった事に驚きを隠せなかった。そして飛鳥はライカの両耳あたりから生えた巻角をみて悟ってしまう
「ライカ……お前は……鬼……なのか…あ、ああ、う、うう」
「……(いけない!)アンジュ!」
「わかっておる!」
壁を蹴るアレン…向かうは二人が向き合う場所…接近に近づくも遅く素早く背後に周り首筋に軽く手刀を叩き入れた
「あ、う………ライ……か…な、なんで……」
それだけ呟き崩れ落ちるように倒れそうになる飛鳥をライカは抱き留めた……その表情は暗く陰りが見えている。遅れてきたアンジュも飛鳥をみて一瞬だけ驚くももとにもどした
「メディルキアはすぐさまヌリュウを……ライカ、あとで話を聞かせてもらう。いまは身柄をあずけぃ」
「う、うん……」
顔を俯かせながら駆けつけたメディルキア医師団にあずけフラフラと歩き出したライカ…足元に水が落ちているできる
「なんで、なんでなの……アスカ……ボク、知らなかっ…アスカ…」
大粒の涙を流し歩くライカ…フリーレンドラッヘンを通り過ぎていった
『飛鳥!』
『ダメよ、今は動く時じゃないわよ………』
『……どうする気だ。まさかあの子が敵だったなんて……』
『前の世界でもそうだったじゃない。あと気がついた?』
『ああ、ムモムモツアローが目覚め始めてる……あの力はアイツ用に振るう力だったはずだ』
『………もしかしたらの可能性もあるわ……私が目覚めた意味はここにあるかも』
赤いヒヨコと小さな蒼い龍の会話はアスカのことを想うライカの耳には入るはずもなかった
第一話 最悪の再会
了