氷結姉弟   作:旭姫

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達也は総代ではっちゃけます。


プロローグ ~達也の入学~

2096年 4月

 

今年、第一高校に入学したのは七草、七宝、そして九島(・・)。しかし、彼らは皆総代ではなかった。

 

総代をとった者の名前は司波達也。

 

2095年に総代で第一高校に入学し選民主義の塊であった一科生の生徒を実力で黙らせ、あの一条将輝からも求婚されたがそれを断ったことで有名な司波深雪の弟であった。

 

そして、入学式当日、桜の木が立っている中庭には何人かの生徒達が固まっていた。

 

達也「姉さんは生徒会役員でしょ。行かなくていいの?」

 

深雪「私のかわいい達也をどこの馬の骨かもわからない連中に渡すつもりはないのよ。…つまり、貴方が変に誘われないように監視しているのよ。」

 

達也「……光宣、助けてくれ。」

 

光宣「はは、ごめんね、達也。僕じゃ深雪姉さんは止められないよ。水波さ…水波先輩でもね。」

 

水波「申し訳ありませんね、達也君。」

 

達也「相変わらずお似合いですね、水波姉さんと光宣は。」

 

「た~つ~や~く~ん!!」

 

光宣「あ、達也のフィアンセが来たね。」

 

達也「光宣、あとで覚えておけよ。……久し振りですね、ほのか先輩。」

 

ほのか「入学おめでとう、達也君。」

 

深雪「あらほのか。挨拶はないの?それに入学したのは達也だけじゃないわ。」

 

ほのか「そ、そうだった。入学おめでとう、光宣君。」

 

光宣「ありがとうございます、ほのか先輩。」

 

ほのか「それに、深雪も水波もおはよう。」

 

水波「おはようございます、ほのかさん。」

 

達也「生徒会の人達は行かなくていいんですか?それに、水波姉さんは風紀委員で見回りじゃなかったのですか?」

 

深雪「でも…達也が…。」

 

「それなら、私に任せなさい。」

 

深雪・水波「…!?」

 

達也・光宣「澪姉さん!?」

 

澪「久し振りね、達也、光宣。」

 

達也「な、なんで…ここに」

 

澪「ええと、老師と真夜さんに達也のスピーチを撮ってきてと頼まれたのと、2人の入学式だから遊びに来たわ。……それと、あとで一緒に帰るからそこは覚えておいてね。」

 

達也(叔母上……貴女は何てことを…。一番目立つじゃないですか。)

 

光宣(お爺様、そんなに僕のことが心配だったのですか?…それとも達也のスピーチが聞きたいだけですか?)

 

澪「とにかく、達也。スピーチ楽しみにしてるわ。あとで響子と穂波にも送らないといけないから。」

 

達也「ちょっ、何でですか。」

 

澪「穂波も響子もこれないって言うじゃない?だから映像を送ろうかと。」

 

達也「……。俺はもう行きます。」

 

澪「頑張ってね~。」

 

澪が達也を送り出して光宣と会話をしていると、2人の男女が光宣の方を見て会話を始めた。

 

「ねぇ、十文字君。あの子が九島光宣君?」

 

「ああ。そうだ。それと、その横は…!?」

 

「どうしたの……!?」

 

すると、その2人は澪の正体に気付いて、固まった。

 

光宣「あの~、澪姉さん。あそこで七草真由美と十文字克人が固まってるんですけど…。」

 

澪「本当だわ。何でかしら?」

 

光宣「いや…貴女がここにいたらそれは誰だってああなりますよ。」

 

七草「な、なんで貴女がここにいるんですか?…五輪澪さん。」

 

十文字「ご無沙汰しております、五輪澪殿。」

 

澪「久し振りね、2人とも。真由美さん?貴方は私はこんなところにいてはいけないとでも言うのかしら?」

 

七草「いえ、そう言うわけでは。」

 

澪「まぁいいわ。今日はかわいい弟分のスピーチを聞きに来たのよ。」

 

七草「今年の総代は…深雪さんの弟だったわよね。」

 

十文字「司波は十師族の関係者だったのか?」

 

澪「いや、2人とはね、色々あったのよね。私がこうして外に出れるようになったのも、光宣と達也のお陰だしね。」

 

十文字「そうだったのですか…それはよかったです。」

 

澪「じゃあ、失礼するわ。…光宣、終わったら連絡いれてね。」

 

――――――――――――――――

講堂

 

始まった入学式は異例の状態を迎え、緊張感が漂っていた。

 

今年は前生徒会長七草真由美の妹である、七草の双子のどちらかか、七宝家次期当主が総代につくと思われていたのにその総代をつかんだのはそのどれでも無かったのだ。

 

さらに、その総代は去年、圧倒的な実力を見せた、【氷の女王】(非公式)司波深雪の弟。

 

『続きまして、総代挨拶。新入生総代司波達也君。お願い致します。』

 

しかし、新入生総代は現れなかった。

 

ただ、声は聞こえた。

 

『麗らかな春の日差しが照りつける中、我々新入生200名はこの魔法大学付属第一高校に入学できたことを光栄に思います。

 

さて、早速ですが、私はどこにいるでしょう。』

 

声の主を探すために、教職員、新入生、在校生、そして保護者のほとんどが達也を探し始める。

 

『正解は、ここです。』

 

場所を示した瞬間、舞台の演説台の前に立っていた。

 

『今、私が使った魔法は魔法師であれば誰でも使える(・・・・・・)単純な、光操作の魔法です。…私は姉より、この学校の一科二科の差別意識について教えられました。…そこでこのスピーチを思い付きました。』

 

その言葉はまるで、昨年の九校戦で九島烈がやったのと同じようだった。

 

『魔法師に上も下もありません。魔法力があるから優れていると考えている人の中で、この魔法を見抜けたものはいません。…実技が得意だからって実践で出来なければ意味はありません。また、大雑把に大きな魔法を放ったところで、工夫を凝らした小さな魔法には勝てません。…これは私の魔法の先生が教えてくれたことです。』

 

『それだけじゃありません。現在の魔法師社会において重宝されているのは、一科だからと優越感に浸っているような(馬鹿)ではなく、一科二科問わず、自身の得意なものを伸ばした、言わば一点特価型の人です。……私は魔法師と言うだけで非魔法師から差別を受けているというのに、たかが魔法力の違い(・・・・・・・・・)で差別を行っている頭のおかしい一科生共の気が知れません。』

 

達也の演説で達也に侮辱されたと思った一科の半分の生徒が達也を睨む。

 

『文句があるならかかってきてください。私は誰が相手だろうと返り討ちにします。…だから、二科生の皆さんも自身が二科生だからと諦め、鍛練を怠る、何てことはしないでください。…自分の長所を見つけ、それをいかしてください。…これで総代挨拶とします。…新入生代表、司波達也。』

 

拍手は二科生の方から沸き上がった。

 

一科の方からは怒りの視線が達也に向かうが、達也はそれらを軽くあしらった。

 

……最悪な終わりをした入学式。

 

達也の学校生活はどうなるのか。

 

ちなみに、動画を録った澪は響子や穂波、真夜、烈にそれぞれ送って、自身はそれを面白おかしく眺めていた。

 

 




スピーチを改めて読み返して見たら、選民思考の人間を馬鹿にしすぎてますね…w

ちなみに、達也ですが、去年起こった様々な事件を光宣と一緒に裏で解決しています。

ブランシュだったり、ノーヘッドドラゴンだったり、大亜連合だったり、スターズやパラサイトだったり。

しかし、幹比古はまだ二科生(実力は一科より上)で、魔工科の新設はありませんでした。

そして、深雪のお友達とも仲がいいです。

そんな話を次回に出来たらなと思ってます。

では、
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