ダシマ式BanG!Dream「全バンド一貫! バンドリ学園!」   作:ダシマ

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イメージ主題歌

RAM WIRE
「僕らの手には何もないけど」


第48話「僕らの手には何もないけど」

 

 香澄が男たちに車に乗せられたころ、飛鳥は近くを歩いていた。

 

飛鳥「荷物は全部まとめたし、後は広島に帰るだけだな…」

 

 と、飛鳥は街の風景を見て回っていた。

 

飛鳥「本当に色々あったなぁ…」

 

 飛鳥がそう懐かしんでいると、香澄を乗せた車がやってきて、何かを感じ取った。

 

飛鳥(今も色々あった…)

 

 と、飛鳥は超能力で車を故障させてストップさせた。

 

「おい!! 何やってんだよ!!」

「知らねぇよ!! 勝手に止まったんだよ!!」

「ちゃんとメンテナンスはしたのか!!?」

 

 男たちが揉めている間、飛鳥は超能力で存在感を消して、スマホで警察を呼んだ。

 

 そして通報が終わった後、飛鳥は超能力を解いて男たちの元へ。

 

飛鳥「あのーすみませーん」

「ああ!!?」

「何だてめぇ!!」

 

 と、男たちがガンを飛ばした。

 

飛鳥「何かお困りですか?」

「てめぇには関係ねぇだろ!!」

「あっち行け!!」

飛鳥「そうですか」

 飛鳥が普通に超能力を使って男達を眠らせた。すぐに眠らせたら話は盛り上がらないだろうが、飛鳥にとっては全く関係なかった。

 

飛鳥「人命救助が先だよ。さてと…」

 飛鳥がカギを開けると、そこには袋があった。飛鳥はそれを証拠写真として抑え、袋の中に入れられていた香澄を救出しようとしたが、下手に救出しようとすると犯人と間違われるため、警察が来るのを大人しく待とうとしたその時、

 

「…飛鳥くん」

 

 と、香澄がつぶやいた。その声はとても悲しそうだった。

 

飛鳥(戸山さん…)

 

 声をかけたかったが、飛鳥は直接声をかける事はせず、香澄に対してある事を念じ、その場を去った。

 

 暫くするとパトカーが一台やって来た。飛鳥は上手く隠れて様子を見ていた。そして警察は香澄が入った袋を見つけ、袋から香澄を取り出すと、直ちに保護して男達を叩き起こした。

 

 そしてあえなく男たちは逮捕されたが…。

 

「全く…学校から出ていったらダメじゃないか!」

香澄「ごめんなさい…」

 

 香澄も学校を勝手に抜け出した事について、警察官から怒られていた。飛鳥はそれに対して苦笑いしていたが、警察官がいる事で安心した飛鳥はその場を去った。

 

飛鳥(何も言わずに学校を辞めた事は申し訳ないけど…頑張ってね。戸山さん)

 

 

 そして香澄が家に帰ると、親にもこっぴどく怒られた。

 

 

 その夜

香澄「あーあ…。今日はついてないなぁ」

 香澄は涙目でベッドに仰向けになっていた。

 

香澄「でもあれ…。絶対に飛鳥くんが助けに来てくれたんだよね」

 香澄がそう呟くと笑みを浮かべた。

 

香澄(あの夢だってそう。飛鳥くんは私を元気づけてくれた…)

 

 

 - 夢の中 -

 

香澄「…あれ? ここはどこ? 私、どこにいるんだろう」

 と、香澄が何もない空間の中にいてキョロキョロ見渡していた。

 

「戸山さん」

 

 飛鳥が話しかけると、香澄が後ろを振り向いた。そこには飛鳥がいた。

 

香澄「飛鳥くん…!?」

 香澄が飛鳥の顔を見た瞬間に、泣きそうになった。

 

飛鳥「そんな顔してどうしたんですか?」

 すると香澄が飛鳥に抱き着いた。

 

香澄「誰のせいだと思ってるの!! 飛鳥くんこそどうして急に学校辞めたりしたの!! ばかぁあああああああ!!!」

 と、叫んだ。

 

飛鳥「…ごめんなさい。何も言わずに行ってしまって」

香澄「……」

飛鳥「ただ、もう行かないといけないんです」

 

 飛鳥が香澄の顔を見た。

 

香澄「行かないといけないって…私、飛鳥くんに何も…」

飛鳥「とんでもない。あなたは私に沢山素敵なものを頂きましたよ」

香澄「素敵なもの?」

飛鳥「まあ、戸山さんだけじゃなくて他の人もなんですけどね」

 

 飛鳥が横を向いた。

 

飛鳥「転校したての頃、あなたは私に話しかけて来てくれましたね。とっても嬉しかったですよ。伝えるのが遅くなってしまいましたけど」

香澄「……!!」

飛鳥「それからの日々、とても賑やかで慌ただしかったけれど、あなた達と一緒にいた時間が、あのバンドリ学園での一番の思い出です」

 

 飛鳥の言葉に香澄が涙を流した。

 

飛鳥「…言い訳になりますが、もし私が学校を辞める事になったら、あなた達は絶対に止めると思ったので、このような形を取りました」

香澄「……」

飛鳥「戸山さん」

 

 飛鳥が香澄の方を見た。

 

飛鳥「本当にごめんなさい。そして…ありがとう。貴方達と出会えて本当に良かった」

 すると香澄は首を横を振って、飛鳥に近づいて手を握った。

 

香澄「ううん…!! 私こそ本当に楽しかったよ。ありがとう…!!」

飛鳥「……」

 

 すると飛鳥の体が光った。

 

香澄「!!」

飛鳥「名残惜しいですけど、そろそろ行かないといけませんね」

香澄「飛鳥くん!!」

飛鳥「大丈夫」

香澄「?」

 

 飛鳥が笑みを浮かべた。

 

飛鳥「生きていればいつかまた会えます。それまではさよならです」

 

 そして飛鳥が天に昇った。

 

香澄「飛鳥くん!!!」

飛鳥「これからの学校生活、より良いものになると祈っています。勿論、バンド活動も。それじゃ、またね」

 

 そう言って飛鳥が消えて、夢から目が覚めたのだ。

 

 

――

 

 

香澄「…本当にずるいよ。言いたい事を言うだけ言って、いなくなるなんて」

 香澄は目に涙を浮かべたが、

 

香澄「でも、飛鳥くんらしかったな」

 香澄が起き上がって、涙をぬぐって笑みを浮かべた。

 

香澄「また明日から頑張ろう!!」

 

 

 そして数日後、

 

「本当に今日までありがとう。苦労かけさせたね」

「うん…」

 

 新幹線のホームで飛鳥とこころと黒服たちがいたが、飛鳥は新幹線に乗り込もうとしていた。

 

 数日間滞在したが、結果的に問題ないと判断され、飛鳥は広島に帰る事になった。

 

 

飛鳥「そんなに悲しまないで」

こころ「うん…」

 

 飛鳥とこころが握手するが、こころは大粒の涙を流した。

 

飛鳥「オレは大丈夫だから。日向と椿にもよろしく言っとくよ」

こころ「う、うん! 宜しくお願いね!」

飛鳥「ああ」

 するとこころが心配そうに飛鳥の顔を見つめる。

 

飛鳥「どうしたの?」

こころ「どうして…どうしてそんなに笑ってられるの?」

 

 こころの問いに飛鳥は笑みを浮かべる。

 

飛鳥「希望を捨ててないから」

こころ「え?」

飛鳥「誰かが死んだわけじゃないし、生きてればまた会えるから」

こころ「……!!」

飛鳥「強い心を持っていれば、多少苦しくたって笑ってられるよ。今までもそうだったし、何度も乗り越えてきた。人生は何とかなる」

 

 するとベルが鳴った。

 

飛鳥「…さて、もう行かなきゃ。気が向いたら広島にも遊びに来てね。いい所だから」

 

 そして飛鳥が手を離すと、新幹線に乗り込もうとしてこころの方を向いた。

 

飛鳥「こころ」

こころ「!」

飛鳥「またな!」

 

新幹線が走り出すと、こころがずっと走っていたが、すぐに新幹線はホームを離れていった。

 

「お嬢様…! ご立派です…!!」

 黒服一同が涙していた。

 

こころ(飛鳥…)

 

 こころは心配そうにしていたが、笑みを浮かべた。

 

こころ(あたしももっと強くなるよ。人々を笑顔にする。それがハロー、ハッピーワールドのだもの!!)

 

 と、強い決意を抱いて、黒服と共にホームを後にした。

 

 

つづく

 

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