ダシマ式BanG!Dream「全バンド一貫! バンドリ学園!」 作:ダシマ
RAM WIRE
「僕らの手には何もないけど」
香澄が男たちに車に乗せられたころ、飛鳥は近くを歩いていた。
飛鳥「荷物は全部まとめたし、後は広島に帰るだけだな…」
と、飛鳥は街の風景を見て回っていた。
飛鳥「本当に色々あったなぁ…」
飛鳥がそう懐かしんでいると、香澄を乗せた車がやってきて、何かを感じ取った。
飛鳥(今も色々あった…)
と、飛鳥は超能力で車を故障させてストップさせた。
「おい!! 何やってんだよ!!」
「知らねぇよ!! 勝手に止まったんだよ!!」
「ちゃんとメンテナンスはしたのか!!?」
男たちが揉めている間、飛鳥は超能力で存在感を消して、スマホで警察を呼んだ。
そして通報が終わった後、飛鳥は超能力を解いて男たちの元へ。
飛鳥「あのーすみませーん」
「ああ!!?」
「何だてめぇ!!」
と、男たちがガンを飛ばした。
飛鳥「何かお困りですか?」
「てめぇには関係ねぇだろ!!」
「あっち行け!!」
飛鳥「そうですか」
飛鳥が普通に超能力を使って男達を眠らせた。すぐに眠らせたら話は盛り上がらないだろうが、飛鳥にとっては全く関係なかった。
飛鳥「人命救助が先だよ。さてと…」
飛鳥がカギを開けると、そこには袋があった。飛鳥はそれを証拠写真として抑え、袋の中に入れられていた香澄を救出しようとしたが、下手に救出しようとすると犯人と間違われるため、警察が来るのを大人しく待とうとしたその時、
「…飛鳥くん」
と、香澄がつぶやいた。その声はとても悲しそうだった。
飛鳥(戸山さん…)
声をかけたかったが、飛鳥は直接声をかける事はせず、香澄に対してある事を念じ、その場を去った。
暫くするとパトカーが一台やって来た。飛鳥は上手く隠れて様子を見ていた。そして警察は香澄が入った袋を見つけ、袋から香澄を取り出すと、直ちに保護して男達を叩き起こした。
そしてあえなく男たちは逮捕されたが…。
「全く…学校から出ていったらダメじゃないか!」
香澄「ごめんなさい…」
香澄も学校を勝手に抜け出した事について、警察官から怒られていた。飛鳥はそれに対して苦笑いしていたが、警察官がいる事で安心した飛鳥はその場を去った。
飛鳥(何も言わずに学校を辞めた事は申し訳ないけど…頑張ってね。戸山さん)
そして香澄が家に帰ると、親にもこっぴどく怒られた。
その夜
香澄「あーあ…。今日はついてないなぁ」
香澄は涙目でベッドに仰向けになっていた。
香澄「でもあれ…。絶対に飛鳥くんが助けに来てくれたんだよね」
香澄がそう呟くと笑みを浮かべた。
香澄(あの夢だってそう。飛鳥くんは私を元気づけてくれた…)
- 夢の中 -
香澄「…あれ? ここはどこ? 私、どこにいるんだろう」
と、香澄が何もない空間の中にいてキョロキョロ見渡していた。
「戸山さん」
飛鳥が話しかけると、香澄が後ろを振り向いた。そこには飛鳥がいた。
香澄「飛鳥くん…!?」
香澄が飛鳥の顔を見た瞬間に、泣きそうになった。
飛鳥「そんな顔してどうしたんですか?」
すると香澄が飛鳥に抱き着いた。
香澄「誰のせいだと思ってるの!! 飛鳥くんこそどうして急に学校辞めたりしたの!! ばかぁあああああああ!!!」
と、叫んだ。
飛鳥「…ごめんなさい。何も言わずに行ってしまって」
香澄「……」
飛鳥「ただ、もう行かないといけないんです」
飛鳥が香澄の顔を見た。
香澄「行かないといけないって…私、飛鳥くんに何も…」
飛鳥「とんでもない。あなたは私に沢山素敵なものを頂きましたよ」
香澄「素敵なもの?」
飛鳥「まあ、戸山さんだけじゃなくて他の人もなんですけどね」
飛鳥が横を向いた。
飛鳥「転校したての頃、あなたは私に話しかけて来てくれましたね。とっても嬉しかったですよ。伝えるのが遅くなってしまいましたけど」
香澄「……!!」
飛鳥「それからの日々、とても賑やかで慌ただしかったけれど、あなた達と一緒にいた時間が、あのバンドリ学園での一番の思い出です」
飛鳥の言葉に香澄が涙を流した。
飛鳥「…言い訳になりますが、もし私が学校を辞める事になったら、あなた達は絶対に止めると思ったので、このような形を取りました」
香澄「……」
飛鳥「戸山さん」
飛鳥が香澄の方を見た。
飛鳥「本当にごめんなさい。そして…ありがとう。貴方達と出会えて本当に良かった」
すると香澄は首を横を振って、飛鳥に近づいて手を握った。
香澄「ううん…!! 私こそ本当に楽しかったよ。ありがとう…!!」
飛鳥「……」
すると飛鳥の体が光った。
香澄「!!」
飛鳥「名残惜しいですけど、そろそろ行かないといけませんね」
香澄「飛鳥くん!!」
飛鳥「大丈夫」
香澄「?」
飛鳥が笑みを浮かべた。
飛鳥「生きていればいつかまた会えます。それまではさよならです」
そして飛鳥が天に昇った。
香澄「飛鳥くん!!!」
飛鳥「これからの学校生活、より良いものになると祈っています。勿論、バンド活動も。それじゃ、またね」
そう言って飛鳥が消えて、夢から目が覚めたのだ。
――
香澄「…本当にずるいよ。言いたい事を言うだけ言って、いなくなるなんて」
香澄は目に涙を浮かべたが、
香澄「でも、飛鳥くんらしかったな」
香澄が起き上がって、涙をぬぐって笑みを浮かべた。
香澄「また明日から頑張ろう!!」
そして数日後、
「本当に今日までありがとう。苦労かけさせたね」
「うん…」
新幹線のホームで飛鳥とこころと黒服たちがいたが、飛鳥は新幹線に乗り込もうとしていた。
数日間滞在したが、結果的に問題ないと判断され、飛鳥は広島に帰る事になった。
飛鳥「そんなに悲しまないで」
こころ「うん…」
飛鳥とこころが握手するが、こころは大粒の涙を流した。
飛鳥「オレは大丈夫だから。日向と椿にもよろしく言っとくよ」
こころ「う、うん! 宜しくお願いね!」
飛鳥「ああ」
するとこころが心配そうに飛鳥の顔を見つめる。
飛鳥「どうしたの?」
こころ「どうして…どうしてそんなに笑ってられるの?」
こころの問いに飛鳥は笑みを浮かべる。
飛鳥「希望を捨ててないから」
こころ「え?」
飛鳥「誰かが死んだわけじゃないし、生きてればまた会えるから」
こころ「……!!」
飛鳥「強い心を持っていれば、多少苦しくたって笑ってられるよ。今までもそうだったし、何度も乗り越えてきた。人生は何とかなる」
するとベルが鳴った。
飛鳥「…さて、もう行かなきゃ。気が向いたら広島にも遊びに来てね。いい所だから」
そして飛鳥が手を離すと、新幹線に乗り込もうとしてこころの方を向いた。
飛鳥「こころ」
こころ「!」
飛鳥「またな!」
新幹線が走り出すと、こころがずっと走っていたが、すぐに新幹線はホームを離れていった。
「お嬢様…! ご立派です…!!」
黒服一同が涙していた。
こころ(飛鳥…)
こころは心配そうにしていたが、笑みを浮かべた。
こころ(あたしももっと強くなるよ。人々を笑顔にする。それがハロー、ハッピーワールドのだもの!!)
と、強い決意を抱いて、黒服と共にホームを後にした。
つづく