ダシマ式BanG!Dream「全バンド一貫! バンドリ学園!」 作:ダシマ
それはとある休日だった。
飛鳥「たまには外に出かけるか…」
飛鳥が外に出かけると、運動公園で大きなイベントが行われていた。沢山屋台が並んでいる。
飛鳥「あれ? 何か今日お祭りだったっけ…」
飛鳥は興味本位でそのイベントの会場に足を踏み入れた。
飛鳥「ラーメン祭…?」
飛鳥が看板を見つめていた。どうやら全国各地のご当地ラーメンを出店するようだ。
飛鳥「京都駅の拉麺小路みたいなもんかな…」
その時だった。
「一丈字じゃないか」
飛鳥「?」
飛鳥が後ろを振り向くと、Afterglowの宇田川巴がいた。
飛鳥「宇田川さん!」
巴「お前もラーメンが好きなのか?」
飛鳥「まあ、好きな方ですね」
飛鳥は苦笑いした。
飛鳥「宇田川さんはこのイベントにご参加しに来たんですか?」
巴「ああ」
飛鳥「今回はおひとりなんですか?」
巴「そうなんだ。あこは練習があって、モカ、ひまり、つぐみはバイト。蘭も華道の勉強があるんだ」
飛鳥「皆さんアルバイトされてるんですね…」
巴「ちなみに私もファストフード店でアルバイトしてるんだ」
飛鳥「え、そうなんですか!?」
飛鳥が驚いた。
巴「そ、そんなに驚く事か…?」
飛鳥「いや、学業にバンドにバイトって結構忙しいんですね…」
巴「まあな。一丈字は特にしないのか?」
飛鳥「ええ。ちょっと家庭の事情がありまして…」
飛鳥が苦笑いした。
飛鳥「ちなみにお客さんは…」
巴「沢山来るぞ。私のバイト先にはひまりや彩先輩、花音先輩もいるからな…」
飛鳥「!」
巴「お客さんがこれでもかというくらい来る。お店としては嬉しい悲鳴なんだけど…」
飛鳥「でしょうね…」
巴「……」
巴の言葉に飛鳥が困惑した。飛鳥は以前やたら行列が出来ているファストフード店を目撃して、何事かと思って店内を確認したら、花音と彩がレジの対応をしていたのだ。あまりにも客が多すぎて、花音がパニック状態になり、彩がフォローしていた。
飛鳥「…何か問題は起きてませんか?」
巴「問題だらけだ。あまりこういう事を言うべきではないがな…」
飛鳥「じゃあ聞きません」
巴に聞かなくても大体察する事が出来た。客が増えるのは非常にいい事だが、客のマナーはあまり良いとは言えず、飛鳥が確認した限りは花音に言い寄ったりして困らせていたのだ。彩やひまりはその点しっかりしている為、何とかなっているが、やはりあまり男性になれていない花音がターゲットにされやすいのだ。
また、近くのカフェであのハンバーガーショップの店員らしき女性が二人で話していて、巴たちと自分達の時とで客の態度が全然違い、しまいには推しのバンドガールを出せと言われる始末であり、かなり不機嫌そうにしていた。
そして巴の何とも言えなさそうな表情を見て、かなり苦労してるんだなと思った。
飛鳥「…困ったら誰かにご相談できるんですか?」
巴「ああ。ひまりや彩先輩、花音さんだがな…」
飛鳥(派閥が出来てるのか…)
これは近いうちに何とかしなければ。と飛鳥は思った。
飛鳥「すみません。嫌な事思い出させてしまって…」
巴「いやいや。そんな事はない。そうだ」
「?」
巴が思いついた。
巴「折角だから今日一緒に回らないか?」
飛鳥「お店荒れたりしませんかね」
巴「まあ、そうなったらそうなっただ。実は最近真面目に対策立ててる」
飛鳥「そうですか…」
そんなこんなで飛鳥と巴は一緒に回る事になった。
飛鳥「本当に全国各地のラーメンがありますね」
巴「そうだな。飛鳥は何ラーメンが好きなんだ?」
飛鳥「どれも好きですけど、シンプルに醤油ラーメンですかね」
巴「そっか。アタシは豚骨ラーメンだな」
飛鳥「美味しいですよね」
巴「ああ」
飛鳥「宇田川さんの行きたい所に行きましょう」
巴「いいのか?」
飛鳥「レディーファーストですよ」
巴「ありがと」
巴が微笑んで、豚骨ラーメンを食べたが…。
飛鳥・巴「バリカタで」
「あいよ!!」
飛鳥と巴が顔を見合わせた。
巴「…お前も堅い方か」
飛鳥「早く食べれますしね。極細面ですから歯ごたえもあります」
巴「そうだな」
と、そのまま和気藹々としていた。
巴「トッピングはしなくていいのか?」
飛鳥「あ、今回は麺とスープをメインにと考えていたので…。宇田川さんもトッピングしてないじゃないですか」
巴「まあ、アタシも同じ所かな。チャーシューとか結構お腹に来るしね」
飛鳥「分かります」
そして豚骨ラーメンを食べた後は、醤油ラーメンを食べた。
飛鳥「スープ飲みすぎると体に悪いって分かっても、やっぱ美味しいですよね」
巴「ああ、全くだ」
と、飛鳥と巴はスープを飲み干して、そう言い放った。
店を出て飛鳥と巴は一休みをしていた。
飛鳥「2杯食べましたね」
巴「ああ。でもまだまだいけるぞ」
飛鳥「凄いですね」
巴「もうお腹いっぱいか?」
飛鳥「あと1杯だけならいけます」
飛鳥がそう言うと、巴が笑みを浮かべた。
巴「じゃあ次で最後にしよう」
巴がそう言って、次の店に移動しようとしたその時だった。
「巴ちゃん!!」
飛鳥・巴「?」
飛鳥と巴が後ろを振り向くと、知らない男性が立っていた。白のシャツにジーンズをはいていてシンプルな恰好だったが、目が澱んでいた。
巴「え、えっと…」
「その男は誰だ!? 彼氏か!!?」
と、興奮気味で話すと飛鳥が異変に気付き、前に出て巴を守るように手をそえた。
飛鳥「ファストフード店のお客様でしょうか」
「う、うるさい!! 貴様みたいな奴に巴ちゃんは渡さないぞ!!」
男は興奮気味に叫ぶと、飛鳥は巴を見つめていた。
飛鳥「渡さないのは結構ですが…後ろ」
「なに!!?」
男が振り向くと、見回り中の警察官が2人いた。
「離せ!! 離せぇえええええええええええええええええ!!!」
「はいはい。詳しい事は署で聞くから」
「大丈夫。お前みたいなブサイクでもちゃんとやってたら付き合えるから。オレがまさにそれ!」
と、男は警察官2人に連行されていった。
飛鳥「何とか助かったみたいですね」
巴「あ、ああ…」
飛鳥が巴に話しかけるが、巴は少し驚いていた。
飛鳥「あ、もうお帰りになられますか?」
巴「い、いや! そうじゃない!」
飛鳥の発言に巴が慌てた。
巴「その…」
飛鳥「?」
巴が頬を染めた。
巴「ありがとう。守ってくれて…」
飛鳥「いえいえ。ご無事で何よりです」
巴がお礼を言うと、飛鳥は目を閉じて笑みを浮かべると、目を開けて巴を見た。
巴「あ、えっと…」
飛鳥「え?」
巴「その…場所、移動しないか?」
飛鳥「移動?」
巴「えっと…。行きつけのラーメン屋を紹介したいんだ…。ダメか?////」
と、巴が何かもじもじしていた。巴としては、今家に帰っても家族が誰もおらず、心細いのでもうちょっと飛鳥と一緒にいたいと考えていたが、恥ずかしくて言いだせなかったのだ。
飛鳥「……」
飛鳥は察した。これ以上この場にいると変な輩がいるし、家に帰りたくないという事は家族が今誰もいないのだろう。まあ、暫く様子を見れば大丈夫か。と思っていた。
飛鳥「いえ、大丈夫ですよ」
巴「そ、そうか!」
飛鳥「今日は付き合いますよ」
巴「あ、ありがとう…////」
と、飛鳥の言葉に照れ臭くなる巴だったが、その場を後にし、行きつけのラーメン屋に到着するまでずっと会話をしていたという。
おしまい