ダシマ式BanG!Dream「全バンド一貫! バンドリ学園!」 作:ダシマ
不良生徒から今井リサを救出した一丈字飛鳥。しかし、一撃で気絶させるほどの攻撃力から、男子生徒達が意識を取り戻すのに時間がかかった。
リサの証言で最悪の事態は免れたものの、警察官から厳重注意を受けてしまい、またしても意気消沈した。
そして悲劇はこれだけで終わらなかった。
「おい、一丈字!!」
3組の教室で、飛鳥は有咲に声をかけられた。そう、撮影現場の近くで男子生徒から有咲達を逃がしたのは良かったが、そのまま別れてしまったのだ。
飛鳥「昨日の事ですよね。申し訳ございませ…」
有咲「女子を置いて、一人だけ逃げるなんてどういうつもりだよ!!」
飛鳥「……」
有咲の言葉に飛鳥は何も言わなかった。彼女たちを置いて逃げ出したのは事実だからだ。有咲以外の4人は何とも言えない顔をしていた。
「い、一丈字お前…」
「最低…」
クラスメイト達からも罵倒される飛鳥。しかし、飛鳥は何も答える事は無かった。
香澄「あ、えっと…飛鳥くん。
有咲「ハァ…もういいよ」
有咲はため息をついた。
有咲「だけど一丈字」
飛鳥「……」
飛鳥が有咲を見つめてた。
有咲「次からは気をつけろよ」
と、有咲はそう言ったが、あからさまに失望している眼差しだった。
飛鳥「ええ…。本当に申し訳ございませんでした」
飛鳥は謝った。
有咲「行こう」
有咲がそう言うと、Poppin’Partyは去っていった。飛鳥は何も言わなかった。
そして、Poppin’Partyを置いて自分だけ逃げたという噂が学校中に広まった。
「聞いたか? あの1年、ポピパを置いて自分だけ逃げたらしいぞ…」
「最低…」
「やっぱり優勝して調子に乗ったんだ!」
「マジかよ…」
全校生徒から軽蔑と失望されたが、飛鳥は気にする様子はなかった。
「当分は食堂も使えねぇな…。下手すりゃ一生か…」
飛鳥は誰もいない中庭で、空を見上げた。超能力で存在感を消している為、誰も気づかなかった。
その時、Afterglowが通りかかった。
飛鳥(あれはAfterglow…)
すると蘭たちの会話が聞こえてきた。
蘭「まさか一丈字がポピパを見捨てて逃げるなんて…。見損なったよ」
巴「ああ…」
と、蘭と巴からも苦言を言われて飛鳥は苦笑いしていたが、つぐみとひまりは何とも言えなさそうな顔をしていた。
モカ「……」
モカは疑問を抱いていた。
モカ「でもさ、何かおかしくない?」
「え?」
モカ「そんな事をするような人が、どうしてモカちゃん達を助けられたの?」
「!?」
モカの発言で、飛鳥、ひまり、蘭、巴、つぐみが目を大きく開いた。
蘭「ど、どういう意味?」
モカ「モカちゃん達が襲われた時、犯人はナイフを持ってたんだよ? 途中で折れたとはいえ、殺されるかもしれないのに、あの子は全く恐れないで、モカちゃん達を守ろうとしたじゃん。でも香澄ちゃんの時は凶器も何も持ってなかった。逃げるのはどう考えてもおかしいよね?」
「……!!」
モカの言葉に蘭は驚いた。
飛鳥(あの人中々鋭いな…。大体ああいうのスルーされがちなのに…)
飛鳥がモカの顔を見て、困惑していた。
巴「言われてみれば…」
蘭「で、でも香澄たちを置いて逃げたのはどう説明するんだよ」
モカ「モカちゃん達を助けたからね~。そうでもしなきゃ…」
モカに何か言われる前に飛鳥はその場を去った。
教室に帰ろうとすると、教室の前で男子生徒達が待っていて、飛鳥を睨みつけた。
飛鳥「何か御用ですか」
「聞いたぞ! お前、うちの連中をやったんだってな!!」
飛鳥「やった?」
「河川敷で今井を襲おうとして、止めた所をお前が返り討ちにしたんだってなぁ!!」
飛鳥(どういう伝わり方してんだよ…)
あからさまにねつ造されていたので、飛鳥は呆れていた。
飛鳥「それ、今井先輩が言っ」
「まあ、今はこの話はどうでもいい!!」
飛鳥「あ、人の話聞く気ないんですね?」
「やかましい!!」
「今のお前に人権があると思うなよ!!」
飛鳥「すみません。もう一度言って貰っても宜しいでしょうか」
この時、飛鳥は超能力でスマホを起動してボイスレコーダーを動かした。
「お前に人権はないんだよ! ていうか有咲ちゃん達を見捨てた上に、リサちゃんを手籠めにしようとしたなんて!!」
飛鳥「本当に今井先輩がそんな事…」
「やかましい!!」
こっちの話を聞けば済む話なのに、かたくなに聞こうとしない男子生徒達を見て、飛鳥は味を占めた。
飛鳥「まあいいでしょう。で、お話とは何でしょうか」
「今日またPastel*Paletteの撮影が中庭である」
飛鳥「お前は来るなと?」
「ああ」
「来やがったら許さないからな」
と、男子生徒達がこれでもかという程威圧感をかけたが、飛鳥は冷めた目で見ていた。
「何だその目は!!!」
「舐めやがって!!」
するとチャイムが鳴った。
飛鳥「チャイムが鳴りましたよ。お帰りになられたらどうですか?」
飛鳥の発言に、男子生徒達は舌打ちしてその場を去った。
そして教室に行くと、クラスメイト達は何とも言えない表情で飛鳥を見つめていた。
飛鳥「お騒がせしてすみませんね」
そう言って飛鳥は席に座った。そして肌で感じ取っていた。
『いつまでこんな事をしてるんだ』
『さっさと出ていって欲しい』
『こんな人だとは思わなかった』
『怖い』
と。体から伝わるマイナスの感情には飛鳥はそっと口角を上げた。
飛鳥(オレも同じ気持ちだよ。でも、もう少しだけ待ってね)
そして放課後。飛鳥は逃げるように教室を去っていったが、この後事件が起きていた。
「一丈字くん!!!」
リサが慌てて3組の教室にやって来たのだった。リサは今日大事を取って休みを取らされていたのだが、飛鳥の事がどうしても心配になり、学校に来たのだが、案の定嘘の情報を流されていてパニック状態になっていた。
「い、今井先輩!?」
リサ「一丈字くんどこ!?」
「い、一丈字ですか…?」
「もう帰りましたけど…」
リサ「……!!」
リサがオロオロしていた。
「ど、どうされたんですか…?」
リサ「どうしよう…私のせいだ…。私がちゃんと友希那達に事情を説明してれば…」
リサが自分を責めているのを見て、クラスメイト達が困惑した。その時、
「大変だー!!!」
と、階段から一人の男子生徒が現れたが、とても真っ青だった。
リサ「どうしたの!?」
「学校の近くでロケをしてたPastel*Palettesが誘拐された!!!」
「えええええええええええええええ!!?」
リサ「……!!!」
男子生徒の言葉にリサもクラスメイトも青ざめた。
つづく
キャラクターファイル08
牛込 りみ
Poppin'Partyのベース担当。
とても大人しい性格で恥ずかしがり屋。
チョココロネが好物で、特に沙綾の実家のパン屋のチョココロネがお気に入り。
2つ上の姉がいて、彼女もバンドガールである。