ダシマ式BanG!Dream「全バンド一貫! バンドリ学園!」   作:ダシマ

7 / 50
第8話「冬の時代」

 不良生徒から今井リサを救出した一丈字飛鳥。しかし、一撃で気絶させるほどの攻撃力から、男子生徒達が意識を取り戻すのに時間がかかった。

 

 リサの証言で最悪の事態は免れたものの、警察官から厳重注意を受けてしまい、またしても意気消沈した。

 

 そして悲劇はこれだけで終わらなかった。

 

「おい、一丈字!!」

 

 3組の教室で、飛鳥は有咲に声をかけられた。そう、撮影現場の近くで男子生徒から有咲達を逃がしたのは良かったが、そのまま別れてしまったのだ。

 

飛鳥「昨日の事ですよね。申し訳ございませ…」

有咲「女子を置いて、一人だけ逃げるなんてどういうつもりだよ!!」

飛鳥「……」

 

 有咲の言葉に飛鳥は何も言わなかった。彼女たちを置いて逃げ出したのは事実だからだ。有咲以外の4人は何とも言えない顔をしていた。

 

「い、一丈字お前…」

「最低…」

 

 クラスメイト達からも罵倒される飛鳥。しかし、飛鳥は何も答える事は無かった。

 

香澄「あ、えっと…飛鳥くん。

 

有咲「ハァ…もういいよ」

 有咲はため息をついた。

有咲「だけど一丈字」

飛鳥「……」

 

 飛鳥が有咲を見つめてた。

 

有咲「次からは気をつけろよ」

 

 と、有咲はそう言ったが、あからさまに失望している眼差しだった。

 

飛鳥「ええ…。本当に申し訳ございませんでした」

 飛鳥は謝った。

 

有咲「行こう」

 有咲がそう言うと、Poppin’Partyは去っていった。飛鳥は何も言わなかった。

 

 そして、Poppin’Partyを置いて自分だけ逃げたという噂が学校中に広まった。

 

「聞いたか? あの1年、ポピパを置いて自分だけ逃げたらしいぞ…」

「最低…」

「やっぱり優勝して調子に乗ったんだ!」

「マジかよ…」

 

 全校生徒から軽蔑と失望されたが、飛鳥は気にする様子はなかった。

 

 

「当分は食堂も使えねぇな…。下手すりゃ一生か…」

 

 飛鳥は誰もいない中庭で、空を見上げた。超能力で存在感を消している為、誰も気づかなかった。

 

 その時、Afterglowが通りかかった。

 

飛鳥(あれはAfterglow…)

 

 すると蘭たちの会話が聞こえてきた。

 

蘭「まさか一丈字がポピパを見捨てて逃げるなんて…。見損なったよ」

巴「ああ…」

 と、蘭と巴からも苦言を言われて飛鳥は苦笑いしていたが、つぐみとひまりは何とも言えなさそうな顔をしていた。

 

モカ「……」

 モカは疑問を抱いていた。

 

モカ「でもさ、何かおかしくない?」

「え?」

 

モカ「そんな事をするような人が、どうしてモカちゃん達を助けられたの?」

「!?」

 

 モカの発言で、飛鳥、ひまり、蘭、巴、つぐみが目を大きく開いた。

 

蘭「ど、どういう意味?」

モカ「モカちゃん達が襲われた時、犯人はナイフを持ってたんだよ? 途中で折れたとはいえ、殺されるかもしれないのに、あの子は全く恐れないで、モカちゃん達を守ろうとしたじゃん。でも香澄ちゃんの時は凶器も何も持ってなかった。逃げるのはどう考えてもおかしいよね?」

「……!!」

 

 モカの言葉に蘭は驚いた。

 

飛鳥(あの人中々鋭いな…。大体ああいうのスルーされがちなのに…)

 飛鳥がモカの顔を見て、困惑していた。

 

巴「言われてみれば…」

蘭「で、でも香澄たちを置いて逃げたのはどう説明するんだよ」

モカ「モカちゃん達を助けたからね~。そうでもしなきゃ…」

 

 モカに何か言われる前に飛鳥はその場を去った。

 

 教室に帰ろうとすると、教室の前で男子生徒達が待っていて、飛鳥を睨みつけた。

 

飛鳥「何か御用ですか」

「聞いたぞ! お前、うちの連中をやったんだってな!!」

飛鳥「やった?」

「河川敷で今井を襲おうとして、止めた所をお前が返り討ちにしたんだってなぁ!!」

飛鳥(どういう伝わり方してんだよ…)

 

 あからさまにねつ造されていたので、飛鳥は呆れていた。

 

飛鳥「それ、今井先輩が言っ」

「まあ、今はこの話はどうでもいい!!」

飛鳥「あ、人の話聞く気ないんですね?」

「やかましい!!」

「今のお前に人権があると思うなよ!!」

飛鳥「すみません。もう一度言って貰っても宜しいでしょうか」

 

 この時、飛鳥は超能力でスマホを起動してボイスレコーダーを動かした。

 

「お前に人権はないんだよ! ていうか有咲ちゃん達を見捨てた上に、リサちゃんを手籠めにしようとしたなんて!!」

飛鳥「本当に今井先輩がそんな事…」

「やかましい!!」

 

 こっちの話を聞けば済む話なのに、かたくなに聞こうとしない男子生徒達を見て、飛鳥は味を占めた。

 

飛鳥「まあいいでしょう。で、お話とは何でしょうか」

「今日またPastel*Paletteの撮影が中庭である」

飛鳥「お前は来るなと?」

「ああ」

「来やがったら許さないからな」

 

 と、男子生徒達がこれでもかという程威圧感をかけたが、飛鳥は冷めた目で見ていた。

 

「何だその目は!!!」

「舐めやがって!!」

 

 するとチャイムが鳴った。

 

飛鳥「チャイムが鳴りましたよ。お帰りになられたらどうですか?」

 飛鳥の発言に、男子生徒達は舌打ちしてその場を去った。

 

 そして教室に行くと、クラスメイト達は何とも言えない表情で飛鳥を見つめていた。

 

飛鳥「お騒がせしてすみませんね」

 そう言って飛鳥は席に座った。そして肌で感じ取っていた。

 

『いつまでこんな事をしてるんだ』

『さっさと出ていって欲しい』

『こんな人だとは思わなかった』

『怖い』

 

 と。体から伝わるマイナスの感情には飛鳥はそっと口角を上げた。

 

飛鳥(オレも同じ気持ちだよ。でも、もう少しだけ待ってね)

 

 そして放課後。飛鳥は逃げるように教室を去っていったが、この後事件が起きていた。

 

「一丈字くん!!!」

 

 リサが慌てて3組の教室にやって来たのだった。リサは今日大事を取って休みを取らされていたのだが、飛鳥の事がどうしても心配になり、学校に来たのだが、案の定嘘の情報を流されていてパニック状態になっていた。

 

「い、今井先輩!?」

リサ「一丈字くんどこ!?」

「い、一丈字ですか…?」

「もう帰りましたけど…」

リサ「……!!」

 

 リサがオロオロしていた。

 

「ど、どうされたんですか…?」

リサ「どうしよう…私のせいだ…。私がちゃんと友希那達に事情を説明してれば…」

 

 リサが自分を責めているのを見て、クラスメイト達が困惑した。その時、

 

「大変だー!!!」

 

 と、階段から一人の男子生徒が現れたが、とても真っ青だった。

 

リサ「どうしたの!?」

「学校の近くでロケをしてたPastel*Palettesが誘拐された!!!」

「えええええええええええええええ!!?」

リサ「……!!!」

 

 男子生徒の言葉にリサもクラスメイトも青ざめた。

 

つづく

 




キャラクターファイル08

牛込 りみ

Poppin'Partyのベース担当。
とても大人しい性格で恥ずかしがり屋。
チョココロネが好物で、特に沙綾の実家のパン屋のチョココロネがお気に入り。
2つ上の姉がいて、彼女もバンドガールである。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。