ヒロアカに転生して炎の個性を得たけど、俺のせいで平行世界化したんだけど 作:孤狼 龍
ヒーローとしての心意気を教師陣もとい、プロヒーローに叩きつけた紅煉。
家に帰って新たなる技に挑戦するが果たして……
第9話 火群と体育祭
ヴィラン襲撃の翌日、学校は臨時休校となったが、紅煉は報告の為に出席、翌々日である今日は「休んでもいい」と言われたが休むわけにはいかない……だって皆勤賞取りたいじゃん!!それにヒーローは風邪を原因に休むわけにはいかんと思います。え?いいと思う?じゃあいいか。
俺はいの一番に登校し教室で皆が来るのを待つ……今日は知らない人のための重大発表をする為だ。数十分もすると集まり始め、ホームルーム間近となる。
「皆ーーーーー!!朝のHRが始まる席につけーーー!!」
飯田が前に立ち皆に向かって言うが皆は席に座っている。そう、立っているのは飯田だけである。
「ついてるよ。ついてねーのおめーだけだ」
飯田は渋々席に着いた。紅煉はそんなやりとりをしているのを気にもとめず外を見ていた。そして教室のドアが開けられ、相澤先生が入って来た。
「おはよう」
『おはようございます!!』
相澤先生は教卓に立つと皆を見渡す。
「まだ戦いは終わってねぇ」
「戦い?」
「まさか……」
「またヴィランが!!?」
そして相澤先生から告げられた次の戦いとは
「雄英体育祭が迫っている!」
『クソ学校ぽいの来たァああ!!』
「待って待って!ヴィランに侵入されたばっかなのに大丈夫なんですか!?」
「逆に開催することで雄英の危機管理体制が盤石だと示す…って考えらしい警備は例年の五倍に強化するそうだ。何より雄英の体育祭は……最大のチャンス、ヴィラン如きで中止していい催しじゃねぇ」
そのあとも説明が続き、雄英高校の体育祭は日本のビックイベント一つでそれは、過去のオリンピックがスポーツの祭典であったように、規模と人口も縮小して形骸化したが、日本においてかつてのオリンピックに代わったのが雄英体育祭となる。プロのヒーローも観るのだ目的はスカウトが主だ。
「時間は有限プロに見込まれれば、その場で将来が拓けるわけだ。年に一回……計三回だけのチャンス、ヒーロー志すなら絶対に外せないイベントだ」
「それと、火群。話すんなら前に出ろ」
話を振られた。有難い。俺から名乗り出るのは、怖かったからな……
そう思いながら前に出る。
「なんの話しだろ?」
「何かあったのかな?」
ザワつく。緑谷等は察したのか、何も言わず頷いてくれた。これで心置き無く言える……
「……みんな、よく聞いて欲しい。そして理解してくれ、俺は味方であると……」
『?』
「俺は、今回のUSJ襲撃事件で、首謀者の一人であるプルトンという凶悪敵の……実の息子だ」
静寂。全ての音が消えるとはこのことを言うのだろう……皆の周りから音が消えた
『えぇぇええぇぇぇえええっ!!?』
そして響き渡る絶叫。誰もが驚く。誰もが警戒した。
そして飯田が立ち上がり言う。
「どういう事だ!?君の父親がヴィランとは!僕達を騙していたのか!!」
そんな言葉が胸に突き刺さる。だが、意外なところから助け舟、いや、救いの手が出された。
「うるせぇぞ飯田。じゃあなんで目の前のやつは俺たちの為にそのヴィランと戦ってたんだよ……居なかったからといって、そいつの話を全て聞いてねぇのに決めつけんな」
そう言ったのは爆豪だった……爆豪!!?
「かっちゃんが誰かを庇ったァ!?」
「黙れやデク!!お人好しのお前や丸顔なんかが言っても誰も警戒解かねぇだろうが!!だから俺がやってるんだよ!!……俺も、見てたからな」
その意外な所からの発言により、飯田は何も言えなくなる。誰かを貶し、下に見てきた者が人を庇うのを見て絶句してるのだ。すると相澤先生も言った。
「爆豪の言う通りだ。火群の話も聞かずにやれ騙した。やれヴィランの息子だ。だから悪いヤツだと言うのなら、そいつを除籍処分にするぞ」
「わ、分かりました。まずは、話を聞きます」
そう言って座る飯田。誰もが爆豪と相澤先生に反論しなかった。そして話を聞くことにする。
紅煉は全てのことを話し終えた。10年前の事件の事、殺したヴィランの正体が親父だった事。その父親と戦ったことを……
全てを聞いてまず立ち上がったのは飯田だ。すると腰を90度に折り曲げて言う。
「すまない!!君の過去を知らず騙したなどと言って!君は立派にヒーローをしていたと言うのに!僕は!!」
その姿に同じことを思っていた者たちも居たようだ。顔を伏せ、申し訳なさそうにしてる。だが、俺の心は……最初から怒ってない。
「飯田。そして皆……ありがとうな、信じてくれて」
『え?』
「何も知らなければ誰だって言うことさ……おかしくもなんともない。だから怒らない。憎まない。分かってくれたのなら、こちらからお礼を言いたかった……ありがとう」
そう言って微笑むと皆がわぁ!と叫び心配してたぞみたいな声を出してくれた。それが嬉しくて、笑ってしまった。
そうこうして、放課後になると教室の前に人集りが出来ていた。
「何ごとだあ!!!!?」
「出れねーじゃん!何しに来たんだよ」
「敵情視察だろザコ。ヴィランの襲撃を耐え抜いた連中だもんな体育祭前に見ておきてえんだろ」
爆豪は制服のポケットに手を突っ込みながら歩く。峰田は爆豪を指差し震えていた。緑谷はそれに対し「あれがニュートラルなの」と説明する。
「偵察なんて意味ねぇからどけ」
爆豪は睨みながら、どけと言う。すると人混みの奥から声が聞こえる。
「どんなもんかと見に来たが随分偉そうだなぁ。ヒーロー科に在籍する奴は皆こんななのかい?」
「ああ!?」
その言葉に緑谷と飯田ほかメンバーは全力で首を横に振る。そして人ごみを押し退け、気だるげな顔つきの生徒が前に出た。
「こういうの見ちゃうと幻滅するな。普通科にはヒーロー科落ちたから入ったって奴が結構多いんだ。知ってた?そんな俺らにも学校側がチャンスを残してくれてる。体育祭のリザルトによっちゃ、俺達のヒーロー科への移籍、あんたらにはその逆があり得る。敵情視察?少なくとも俺は、いくらヒーロー科とは言え調子に乗ってると足元ごっそり掬っちゃうぞって宣戦布告に来たんだけど」
堂々と宣戦布告をした普通科の少年、それを見てA組のメンバーは大胆不敵だなと思っただろう。そして、さらに人混みの中から…
「隣のB組のモンだけどよぅ!!ヴィランと戦ったっつうから話聞こうと思っていたんだがよ!!エラく調子づいちゃってんなオイ!!!本番で恥ずかしい事んなっぞ!!」
B組の少年も現れて大きい声で勢いよく言う。
それを見た紅煉は……キレた。
「……馬鹿かてめぇら」
冷たいドスの効いた声を響かせる。皆は同時に思った。〔ヤ、ヤサ
「「えっ?」」
宣戦布告に来た生徒とB組の生徒が驚きの声を上げる。周りの生徒たちもポカンとした顔で見てる。
「テメェらは何を目指してんだ?ヒーローだろ?宣戦布告した奴はいいけどよ、他の奴らはなんだ?ヒーロー目指してる奴らが、教室前に集まって下校の邪魔しててよぉ……馬鹿じゃねぇのか?特にB組のお前」
さっきのB組の生徒に目線を合わせる。
「お、俺!?」
「そうだよ。お前はなんだ?ヴィランと戦いました。そのことを詳しく知りたいので話を聞きたいです?巫山戯んな。俺たちは心に傷を負ってる奴もいんだぞ?自分の無力さを痛感した奴らが少なからず居るってのに……そんな奴らの事を考えないでそれを言ってんなら今すぐ帰れ。帰ってメンタルケアの仕方を学んで来い。てめぇのやってる事がヒーロー以前に人としてどれほど最低かを痛感してこい。熱血なのはいいことだと思うけどよ、限度ってもんがあるしなによりプライバシーもあんだぞ?ズカズカと土足で家に入って来られたらお前は怒らないのか?怒るよな?それと同じことをしてんだよお前は人が心の傷を負ってるなと思ったんならこんな事はしねぇんだろうよ……するって事はそういう事と見ていいんだよな?だとしたら俺はヒーローとしてお前を見ないどころか人として見ないぞ?分かったか?」
「は、はい。す、すいません」
「そして普通科のお前」
「は、はい」
次に普通科の宣戦布告に来た生徒を見る。
「ヒーロー科全員が偉そうに見えるのなら眼科をオススメしようか?この爆豪はともかく、周りを見てみろ、そんな奴らが集ってるように見えるのか?それと別に足元を掬うなら掬えばいい。宣戦布告は受けて立つ。だが人の性格を1人から連想すんのはやめろ。聞いてて不愉快だし勝手にそう思われてイラつくんだよ……」
「は、はい……ごめんなさい」
「それと観察に来たテメェら……」
『は、はい!!』
「この爆豪が言ってた意味ねぇって理由が分かんないみてぇだから教えてやる。『偵察の来たのなら俺たちの外見以外分かることはねぇ……そんな暇があるなら体育祭までに力をつけてこい。こんな事したって意味ねぇ』って事だよ」
人集りの生徒達は皆こう思った〔分かるわけねぇだろ!〕と。
「マジなのか?緑谷」
「うん。ホントだよ。かっちゃんはあぁやって言わないからね……」
「それにさ、さっきも言ったけどヒーロー目指すものとして邪魔すんなよ、分かってんだろ?邪魔になってること……わかんねぇはずないよな?分かったんなら解散して体育祭に向けて力つけてこい……以上」
そう言うと皆ちらばっていく、ちょくちょく「すいません」「ごめん」などと声が聞こえてくる。
そして爆豪と紅煉は普通に帰った。皆は少し雑談しながら帰った。
ーーーーーーー
【体育祭当日】
出場予定の生徒達は各クラスに分けられた部屋に待機して、入場時刻を待っていた。紅煉のクラスA組の面々は各々、柔軟体操をして体をほぐしたり、張を抑えようと深呼吸を繰り返していたり、いつも通り友達と話したりと過ごしていた。
「コスチューム着たかったなー」
「公平を期す為、着用不可なんだよ」
そう、雄英体育祭ではコスチュームの着用は認められていないのだ。例外としてサポート科は自分で制作したコスチュームとアイテムは持ち込みが認められている。
紅煉は椅子に座り音楽をイヤホンでながしながら目を瞑っていた。体育祭までの時間は紅煉にとって、そこそこ有意義な時間だった。この体育祭で遅れをとるつもりなど毛頭ないし、寧ろ上を目指している。力を振るうことが出来るのが楽しみのと、クラスの連中や他のクラスの連中と戦う機会があると思うと、テンションが上がってくるというものだ。
そして轟ちゃんが性別は違うが、緑谷に宣戦布告した。
そして、それは緑谷への宣戦布告を聞くためイヤホンを外した紅煉にも
「そして火群……貴方にも勝つ」
「……へぇ?」
「言っとくが俺も負けるつもりねぇぞ……デク、轟、火群」
爆豪も入ってきた。これは、負けるわけにはいかないなと確信する。
「いいぜ?かかってこいよ……俺も全力で応えてやる……お互い、頑張ろうな?」
不敵に微笑む。そして、時間が来た。
『雄英体育祭!ヒーローの卵たちが、我こそはとシノギを削る年に一度の大バトル!どうせテメーらアレだろ、こいつらだろ!?ヴィランの襲撃を受けたにも拘わらず鋼の精神で乗り越えた奇跡の新星!』
通路からも聞こえる歓声と実況。そして入口で一度止まり、そして会場に入る。
『ヒーロー科!1年A組だろぉぉ!!?』
入場と共に大きな歓声が上がった。会場360度からの歓声が放たれる。
「わあああ……人がすごい……」
「逆に少なかったらやべぇだろ」
緊張している緑谷の背中を叩きながら紅煉は笑い飛ばす。
「大人数に見られる中で最大のパフォーマンスを発揮できるのか、これもまたヒーローとしての素養を身につける一環なんだな」
そして会場の中心に集まり、各クラス事に整列し開会式が始まる。
「選手宣誓!」
1年生が揃うと、ミッドナイトがムチを鳴らして壇上に上がった。またも観客から歓声が上がる。
「18禁なのに高校にいていいものか」
「いいっ!!」
常闇がいいのかと呟き、峰田は即答で"いい"と答えた。そんなこんなで騒がしい生徒を静かにさせるためにムチを一度鳴らし、黙らせ、選手代表の名を読み上げた。
「選手代表!1年A組、火群紅煉!」
「え!?火群君なの!?」
「あいつが一応入試一位通過だったからな」
紅煉は呼ばれ、ミッドナイトのいる台まで歩いていく。両手をズボンのポケットに入れながら歩く。一段一段上がり、マイクの前に立ち言う。
「宣誓!!我々選手一同はヒーローシップにのっとり、正々堂々と戦うことをここに誓います....というのは普通の宣誓だからつまんねぇだろ?」
その意外な一言に全員ザワつく。
「お前らがヒーローになりたいなら、自分の信念があるなら、かかって来やがれ!!だけど俺も負けるつもりはない!!俺にヒーロー目指すきっかけをくれた今は亡き母と叔父の為、俺は今日、一位を取ってみせる!!だからテメェらも全力でかかってこい!!以上!!選手代表!1-A!火群紅煉!!」
『う....ウォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォッ‼︎』
紅煉の選手宣誓で会場のボルテージが最高潮に達した。
『火群!!お前やりやがったな!!最高だぜお前!!』
『言うようになったじゃねえか。火群』
『ちなみに実況は、この俺!プレゼントマイクと、
『帰るぞコノヤロー』
実況席も少し熱くなる。それほどの選手宣誓だったのだろう。
「火群君!あなた最高よ!!私そういうの大好き!!さぁ、皆の熱い想いが冷めないうちに早速やるわよ!第1競技はこれよ!!」
そうして競技が始まる。
俺達の体育祭は……まだ始まったばかりだ。
という訳で新章。『雄英体育祭』が始まりました!
今回の体育祭の競技内容の1部を原作とは変更してお送りしますのでご了承ください。
次回もお楽しみに!