ヒロアカに転生して炎の個性を得たけど、俺のせいで平行世界化したんだけど   作:孤狼 龍

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前回のあらすじ
準決勝に勝ち進んだトップ4。それぞれの戦いの為に気持ちを高める4人。そんな中、紅煉は準決勝の対戦相手轟凍火の父、エンデヴァーに対して今までにないキレを見せる。
そして紅煉は轟凍火の心を救うことを決意する。

今回紅煉の戦闘シーンありません!


第14話 火群と個人戦 ー3ー

 観客席に戻った紅煉。イラつきを鎮めてから戻って来て、席に着く。全然喋らない紅煉を見て不思議に思うクラスメイトもいたが次の試合に緊張してるのだろうと思う。実際はイラつきを抑えてるだけだが……

 

『さぁ!ついに準決勝第1回戦!観客のリスナーたちも待ち望んでいただろう二名の戦いが!!間もなく始まるぜェ!』

 

 そうこうしてる間にどうやら準備が終わったようだ。プレゼントマイク先生の実況が始まる。

 

「火群君は緑谷君と爆豪君……どちらが勝つと思う?」

 

 飯田が聞いてきた。純粋にわからないからこその質問だろう。他のみんなも聞き耳を立ててるし……

 

「愚問だな……爆豪の戦闘センスは確かなもの……それこそここにいる殆どのメンバーは対処しようとしても追い付かないほどな……緑谷も粗っぽさが残るがあのパワーだ……少なくとも簡単に負けるアイツじゃない…………そしてそれはお互い幼馴染な点から見ても同じことを思ってるだろうが、爆豪は緑谷をわかってないだろう」

 

「どういう事?」

 

 麗日さんがそう聞いてくる。みんなも同様にはてなマークを浮かべてる。分かってるのは八百万さんとかそんくらいか……

 

「緑谷の個性発現は最近。なんなら入試の時だ……あの超パワーのせいで下手したら四肢が爆散してたかもしれないって聞いたしな……つまり爆豪自体もほぼ初見の緑谷の個性……戦闘訓練を見る限り緑谷は爆豪の動きの癖を知り尽くし、なおかつコントロールした超パワーでぶっ飛ばす。逆に爆豪は緑谷の戦闘の癖をここで見て暴かなきゃいけない……だがそれにも長けている……」

 

「それって、つまり……」

 

 耳郎が聞いてきた。そう、紅煉が言いたいのはただ一つ。

 

「この勝負、どっちが勝ってもおかしくないってことだ。少なくとも俺は予想つかない……」

 

「火群がわかんねぇとなると、どっちが……」

 

「けろ、どちらにせよ爆豪ちゃんにも緑谷ちゃんにも頑張ってもらいたいわ」

 

(だが、爆豪の事だ……緑谷の弱点を直ぐに理解し猛攻を仕掛けるはず……)

 

 紅煉も口では分からないと言いつつ爆豪が勝つことを予想する。昔っから使い慣れてる力と最近使い始めコントロール出来た力……どちらのレベルが上かよく分かる……だが、緑谷の経験値の会得量も馬鹿にならない……この戦いで爆豪のレベルにどれほど追いつくのか、それが紅煉の気になるとこであった。

 さて、そろそろ始まるようだ。しかと見届けよう。

 

ーーーーー

『地味目な顔に派手な個性!予選から圧倒的なパワーとスピードで勝ち上がってきた男!!ヒーロー科!緑谷出久!!』

 

『対!こちらも予選から圧倒的テクニックと技術で勝ち上がってきた男!ヒーロー科!爆豪勝己!!』

 

 紹介が終わると一気に歓声が上がる。

 

『ちなみに聞いた話だが二人は幼馴染だそうだ!マジなのか!?』

 

 あ、緑谷は少し言わないで欲しかったみたいな顔してる。爆豪は…うわ、嫌そう。丸くなってもすぐキレる癖は消えんのか……

 

『らしいな、幼稚園からずっと一緒らしい……』

 

『腐れ縁って奴か!!面白い勝負になりそうだ!!』

 

 驚きの情報に歓声もさらに上がる。五月蝿いんだが……

 

「おい、デク」

 

「なに?かっちゃん」

 

「……舐めプすんなよ?したらぶっ殺す」

 

「君相手に手加減しないさ、今の僕の本気を出す!」

 

 爆豪は両手を爆破させ、緑谷は全身に稲妻を纏う……見てて心が踊るのは気のせいか?

 

『START!!』

 

「喰らえや!」

 

「させない!《デラウェア・スマッシュ》!!」

 

「あめぇぞ!デク!!」

 

 開始の合図とともに突っ込む爆豪。緑谷はそれを冷静に指で弾いて吹き飛ばす。が、爆破の応用なのか空中で身を翻して緑谷の技を避ける。

 

「流石だね!かっちゃん!!」

 

「まだまだこれからだ!!」

 

 二人とも、互いに全力で戦ってる。爆破を受けたり避けたり、拳を受けたり避けたり……緑谷も爆豪も全力で笑い合いながら戦ってる……他のプロヒーローはこの2人の戦いがプロに並べるくらいと思ってる……

 現に二人の戦闘技術はA組でもトップクラス……少なくともそこらのプロよりは出来る。

 

「いくぜぇ!《閃光弾(スタングレネード)》!」

 

「うわっ!くっそ!」

 

『なんだ今の光!!くっそ眩しかったぜ!』

 

『閃光弾みたいなもんだろ……視力を数秒奪ったんだ』

 

『マジかやべぇ!!』

 

 強烈な光で辺りが見えなくなる。特に緑谷は至近距離だったから余計分かりにくい。そして緑谷はそのまま爆破を食らう。

 

「はっ!自分の動きの癖が分かればお前の動きは読みやすいぜ!」

 

ーーーーー

 

「爆豪の奴、気付いたかもな」

 

「何がだい?」

 

 飯田が聞いてくる。皆も紅煉を見る。

 

「緑谷の動きは、爆豪の動きを参考にしてるんだ。いや、模倣してると言った方が正しいか?」

 

「爆豪君の動きを!?」

 

 飯田達が驚く。緑谷の攻撃の動きが爆豪を真似てると知り驚きを隠せないのだ。

 

「なんもおかしい事じゃないさ……10年近く共にいる幼馴染の動きの癖や攻撃パターン……知っててもおかしくない。それを真似したりその癖を見て対策をとるのもな」

「そして爆豪はそれに気づき緑谷の目を封じた。例え爆豪の動きが分かってても目で情報を捉えているものを耳や鼻で分かれって無理な話。だから今の爆豪が持つ最強の光を放つ爆破で緑谷の目を封じた……少なくとも数秒は緑谷の視界はほぼゼロに近い。そして爆豪ならその数秒で緑谷を吹き飛ばす爆破を起こせる」

 

「つまり、それはもしや」

 

 常闇が呟く。それに皆も息を呑む。どうやら理解したようだ。

 

「あぁ、今の緑谷は音を頼りに攻撃を避ける、もしくは爆豪を探す他ない……」

 

 そう言うと皆試合を見る……この試合、結果がどうなるか、誰にも分からない。

 

ーーーーー

 

「クソっ!何処だ!!」

 

「ここだデクッ!」

 

「うわっ!!」

 

 爆豪の爆破の攻撃を受けて緑谷は吹っ飛ぶがフルカウルのパンチで風を起こして体制を立て直す。

 

『爆豪の猛攻!目が見えない緑谷にはもはや為す術無しか!?』

 

『爆豪はセンスも良ければ相手の弱点を突くのも上手い……緑谷もクラスでトップクラスの実力者となりかけてるが、やはりまだ不慣れなところがあるのかもな……だが』

 

「《スマッシュ》!!」

 

「うおっ!?」

 

 緑谷の繰り出した拳圧が爆豪に命中する。

 

『おっと緑谷!!目が見えるようになったのか!?爆豪のいる方向に向かって拳を振るったぞ!!』

 

 プレゼントマイクが驚くようにA組の面々も驚いてた。

 

「まさか、もう見えてるというのか!!」

 

「まだ見えるまで時間かかるわ……何故かしら?」

 

 そして、相澤先生と紅煉が同時に言い放つ

 

『「見えてねぇよ」』

 

『えっ?』

 

プレゼントマイクもA組の面々もそのセリフに驚く。

 

『「緑谷は爆豪が攻撃してからどこに移動するか予測して拳を振るった……お互いをよく知る幼馴染だから出来る芸道だがな」』

 

『そんなんありかァァァっ!!?』

 

「「「「ええええええぇぇぇぇっ!?」」」」

 

「クソデクが……やるじゃねぇか」

 

「伊達にヒーロー目指してないぞ……かっちゃん!」

 

 ようやく目が見えてきたのか目を開け爆豪と対峙する緑谷……双方が改めて構えていると立ち上がる紅煉。そのまま観客席を後にしようとすると声をかけられる。

 

「む?火群君。見なくていいのかい?いくら次が試合といえどこの試合の結果が気にならないわけじゃ無いだ「どっちが勝つか分かったんだよ」……えっ?」

 

 その言葉にクラスメイトらは紅煉を見る。

 

「この試合……見てて意味ある試合だろうが……決勝まで取っておきたい……せめて初見で挑みたいんだ。次の試合もそうだが……“全力”で戦いたい。それだけさ…」

 

 そう言うと控え室に向かう紅煉……それを聞いていた轟ちゃんは静かに言い放った……

 

「私は眼中にナシか……」

 

「火群の奴……轟を舐めすぎてねぇか?大丈夫か?」

 

「そうですわね、いくら炎の個性で相性が上だからって……爆豪さんか緑谷さんと戦うことしか考えてないなんて」

 

 それを聞いてた八百万や峰田らは紅煉を非難するような思いをしていたが……飯田はある事に疑問を抱いてた。

 

(“全力”…?…彼が全力を出すなら、なぜ全力だけ強調して言ったんだ?まるで何か別の意味があるのか?それより、誰が勝つのか分かった!?)

 

ーーーーー

 

 控え室に着いた紅煉が中に入り少し経つと紅煉の携帯から着信音が鳴り響く。

 

「……非通知?……もしもし?」

 

[やぁ、紅煉……久しぶりだな]

 

「ッ!!?……その声、プルトン!?」

 

 かかってきた相手はプルトンであった。あまりの出来事に驚きを隠せない紅煉はとりあえず会話内容を録音する事にした。

 

[クククククッ、録音しようがヒーローに報告しようがどちらでもいいが、今の俺の場所はアジトじゃない。かと言って人目に付く場所でもないがな……体育祭。見てるぞ……準決勝進出おめでとう紅煉。父として誇りに思う]

 

「……それだけか?言いたいことは」

 

[まぁそうだな。とりあえず言いたいことはもう一つだけ……優勝したまえ、さすれば必ずお前は次の強さのステージを超え、お前のクラスメイトとは比べ物にもならないほど強くなる]

 

「………言われなくても優勝は目指す……だが次のステージを越えようがクラスの仲間と共に俺は強くなる道を選ぶ……」

 

[クククククッ……好きにしたらいい。だが忘れるな?お前は俺の息子だ。それは覆しようのない事実なのだからな?]

 

「うるせぇ……んなもん、クソ喰らえだ」

 

[クハハハハハハハッ!!その意気だ。せいぜい励めよ?紅煉]

 

 そう言うと電話は切れる。そのまま相澤先生にメールで〈プルトンから連絡あり、録音済み、後程提出します〉と連絡する。すぐに返信があり〈分かった。気にせず試合しろ。警戒はこちらで行う〉と返ってきた。

 

「……何をする気だ…クソ親父」

 

 そう呟くと試合が終わるのを待つ。

 

 そのまま数分経つと大きな衝撃が響く。そのままプレゼントマイクの声が響くが聞こえにくい……だが、それでもどちらが勝つか分かっている。

 

ーーーーー

 

 大歓声が響いて数分後。先程の試合の選手がドアを蹴破って入って来た。まぁこんなことするのは知っての通りの人物だが……

 

「げっ!なんでお前がここにいんだァ!?」

 

 爆豪がそう叫ぶ。

 

「次が試合だからだよ。分かれ」

 

「そりゃ、そうか……」

 

「決勝進出おめでとう」

 

「っ!?……んで、それを?」

 

 紅煉が爆豪が勝者だと分かっていた。なので決勝進出おめでとうと言うと爆豪は驚く。当たり前だ。ここは会場の音が響きにくい控え室……何故聞こえてないのに勝者だとわかったのか気になるのは普通だ。

 

「緑谷は個性の扱い方が不慣れ、であればまだ対処の余地が多いのが現状……お前の観察眼もバカに出来ないからな……となると戦闘センスも考えると爆豪……お前が勝つ」

 

「……チッ!!ヘタレ炎野郎が」

 

「お前次そのあだ名言ってみろ……全身が焦げ肉になるぞ?」

 

「す、すいませんした」

 

 冷たい声でハイライトの無い瞳で睨むとさすがの爆豪も恐怖したのか素直に謝った。そのまま立ち上がりドアに向かう。

 

「俺はもう行くぞ……爆豪」

 

「あ?んだよ」

 

 控え室を出る直前、振り返り爆豪の名を呼ぶ。それに反応する爆豪。

 

「決勝で待ってろ……」

 

「……それで負けたらぶっ殺す」

 

「負ける気ねぇよ」

 

 そして、紅煉と轟ちゃんの戦いが始まる。

 

ーーーーー

 その頃轟ちゃんも控え室に居た。緑谷が途中来たがまだまだ実力不足だったと笑いながら出て行こうとしたが轟ちゃんが語り始め足を止める。

 

「彼の炎は間違いなく強い……だけど、私は絶対左を使わないで勝つ。舐めた真似をとった彼には目にものを見してあげる」

 

 緑谷は紅煉が轟ちゃんを舐めてる態度をとるとは思えず、聞いてみると紅煉が控え室に行く際の言い放った言葉を聞いてある結論に至る。

 

「……轟さん。多分火群君は轟さんのことを舐めて見てないよ」

 

「……何が分かるのよ」

 

「だって、轟さんは全力で来いって言ってるのに轟さんは全力を出さないんでしょ?それじゃあおかしいじゃん……だから火群君は『次の試合もそうだが』って言ったと思うよ……僕の思い込みかもしれないけど……まぁ、頑張ってね轟さん」

 

 そう言って控え室を出ていく緑谷。轟ちゃんは今の緑谷のセリフを聞いて少し驚いた表情を見せ、すぐに戻す。どちらにせよ左は使わないと決めてるので、紅煉がどんな風に思ってようが左は使わないと決意を固める……




第14話終了です。今回は爆豪VS緑谷の試合だけでした。
どうでしたでしょうか?次回はとうとう炎と氷の対決に入ります。原作のエンデヴァーの激励を大幅に変える予定ですのであらかじめご了承ください。
ではまた次回!
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