ヒロアカに転生して炎の個性を得たけど、俺のせいで平行世界化したんだけど   作:孤狼 龍

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前回のあらすじ
爆豪と緑谷の試合では爆豪が勝利した。紅煉はそのシーンを見てないが予想はついてたようだ。
今回は轟と紅煉の試合。さて、どうなることやら

冒頭は緑谷と爆豪の決着から


第15話 火群と個人戦 ー4ー

 紅煉が観客席を去ってから数分が経つ頃、緑谷と爆豪の戦いはさらにヒートアップしており、互いにどちらが勝ってもおかしくない状況であった。

 

「二人とも凄いレベルの戦いをしてるな……見習うべきか」

 

「でもそろそろ試合時間が終わるよ?どうすんのあの二人……」

 

 飯田が爆豪と緑谷の戦いを見てると耳郎さんがそう言ってきた。たしかにもう残り時間も少ない。決着をつけるのなら今くらいしかないのだ。

 

「はぁ、はぁ……そろそろ決着つけるぞ……デク」

 

「ぜぇ、ぜぇ……分かったよ……かっちゃん」

 

 そうして構える二人……緑谷は拳を爆豪は掌を爆破させながら構える。

 

「行くぞ!!かっちゃん!!」

 

「行くぜぇ!!デクッ!!」

 

 そう言うと二人は同時に飛び出す。

 

『二人一気に飛ばしたァ!ここでケリをつける気かぁ!?』

 

「「うぉぉおおおおおっ!!」」

 

「喰らえっ!かっちゃん!!」

 

「ごっ!?」

 

 先に攻撃したのは緑谷だった。緑谷の振るった拳は爆豪の頬をぶん殴る。お互いの加速がついた状態でのパンチなのでものすごい衝撃だ。殴った時の音がえげつなかった。

 

「モロかよ!!」

 

「アレは大丈夫なのか!?」

 

『モロ入ったァ!!』

 

 A組の面々もプレゼントマイクも驚きの声を上げる。

 

「な、めんなぁ!!デクッ!」

 

「っ!?しまっ!」

 

 だが、爆豪は怯みはしたが吹っ飛ばされることは無く耐え、逆に緑谷の胸元に掌を掌底するように押し付けると一気に爆破させ、緑谷を吹き飛ばした。

 

「今の技は!!?」

 

「アレって!?」

 

『アイツ……マジか』

 

「えっ?えっ!?」

 

 切島、耳郎、相澤先生が驚き、麗日さんは困惑する。他のA組のメンバーも気付いたものが半々くらいだろう。

 

「今の……」

 

「終わってねぇぞデクッ!」

 

「えっ……うわっ!?」

 

 緑谷が爆豪の攻撃の特徴に気づいたが、試合中。爆豪はその隙を見逃すほどお人好しではなかった。そのまま緑谷の腕と胸ぐらをつかみ爆破の勢いを利用した背負い投げをして場外に叩きつける。その際の衝撃は会場を揺らし響かせる。

 

「「「…………」」」

 

『『…………』』

 

 A組の面々も観客席にいるプロも、実況のプレゼントマイクも相澤先生も絶句する。

 

「ってて……容赦無いな、かっちゃん」

 

「てめぇが隙を見せるからだろうが……」

 

「み、緑谷君場外!!決勝進出!爆豪くん!!」

 

『け、決着ゥゥゥゥゥッ!!爆豪!まさかの背負い投げで勝利したァァァァっ!!』

 

『アイツがあんな勝ち方するとはな……予想つかなかった』

 

 爆豪がまさかの背負い投げという決着方法を思いついたことにプレゼントマイクや相澤先生が驚いてる。それはクラスメイトも同じだが、それよりも驚いたのが……

 

「さっきのって……火群の《紅蓮腕(ぐれんかいな)》に似てなかったか?」

 

「えぇ、似てましたわ……」

 

「まさか、火群君の技を真似るとは……」

 

「けろ……驚きね」

 

「デクくんが隙を見せるのもわかる気がする」

 

 そう、爆豪が緑谷をぶっ飛ばした爆破は紅煉の使う《紅蓮腕(ぐれんかいな)》に似ていた。それは緑谷も分かっていた。だから油断し隙を見せてしまったのだ。

 

「なんで真似したの?かっちゃん」

 

「あ?俺の個性と相性がいいと思ったから使っただけだ……他意はねぇ」

 

 緑谷が聞くと爆豪がそう呟いて戻っていく。緑谷はその後ろ姿を少し見てから戻る。その間に轟ちゃんは控え室に向かい、セメントス先生が舞台を直す。

 

ーーーーー

 そして舞台が直り少し経ってから準決勝最後の試合が始まる。

 

『さぁマスメディア!!とうとう来たぜこの時が!!待ちに待った奴も多いんじゃないか!?』

 

「始まりましたわね……」

 

「とうとうか、緑谷君はどう見る?この戦いを」

 

「轟さんが本気を出すかどうかが鍵だと思う」

 

「だな、半分女は炎を使いたがってねぇしな……左を使うか使わないかで勝敗は大きく左右される」

 

「てことは、もし轟が本気を出して炎を使ったら火群の勝ち率が低くなるってことか?」

 

「そうなるね」

 

 飯田が緑谷に聞くと緑谷はそれに答え、爆豪も意見を出してくる。そう、この戦いの勝敗は轟ちゃんが本気を出すか、出さないかで決まる。

 

『さぁ!選手の入場と行こうぜ!!』

 

『さっさと紹介してやれ……』

 

 プレゼントマイクが焦らすように宣言すると相澤先生がツッコミを入れる。

 

『まずは1人目!!No.2ヒーロー、エンデヴァーの娘にして氷と炎の使い手!その氷は全てを凍てつかせ、その炎は何を燃やす!?今回の体育祭トップ4の1人!ヒーロー科!轟凍火!』

 

 観客席が大きな歓声をあげる。そんな中浮かない顔をする轟ちゃん。それを見つめる父親の目をしたエンデヴァー。

 

『対!!その紅き炎はすべてを薙ぎ払い!その蒼き炎は何を護る!?雄英体育祭選手宣誓通り優勝を狙うトップ4の1人!!ヒーロー科!火群紅煉!!』

 

 歓声上げたのはA組の面々のみ……実は爆豪と麗日の試合でプロヒーローらをディスっ(正論で叩い)てから紅煉はプロから歓声を浴びてなかった。むしろまるで敵を見るような目で見られていた。それを見た他のメディアや観客も自分らが睨まれたくないからと歓声を上げてないのだ。

 

『あらら、火群はやけに嫌われてんなぁ……やっぱさっきのが原因?』

 

『自業自得だろ……』

 

 プロ等は自業自得の対象が紅煉と思っているようだが、相澤先生はプロ達のことを言ってる。それがわかってるのはA組の面々やほかのクラスの者たち……そしてその他先生方とエンデヴァーだ。

 

「……私は貴方を倒して1番になる……貴方の全力に打ち勝つ」

 

「なら本気を出せよ?轟凍火……下手な攻撃したらキレるぞ」

 

『おっと、始める前から既にギスギスだ!!とりあえずSTART!!』

 

 とりあえずでスタートするなよと、A組の面々と紅煉は思った。すると轟ちゃんが速攻を仕掛けてきた。

 瀬呂に使った大氷壁を紅煉にもお見舞したのだ。

 

『おぉっとぉ!?轟が速攻を仕掛けたァァっ!!てかモロだろあれ!!』

 

「さすがエンデヴァーの娘さんだ」

 

「プロの子は違うなぁ、イキってたあの小僧は瞬殺だろうなぁ‪w」

 

「だな‪w‪w大人をバカにした罰だ‪w」

 

 そのプロの発言にむっとしたA組だが、あえて何も言わない。相澤先生もプレゼントマイク先生もほかの先生方もだ。何故って?

 

「……まさか、こんなで俺を倒せると思ったか?だったら甘いぞ。轟凍火」

 

「……やっぱりこんなんじゃ勝てないよね」

 

 大氷壁が一瞬で溶け、一部気化する。その真ん中に立ってたのはやはりと言うべきか……紅煉が笑って立っていた。

 

「う、嘘だろ?」

 

「あの氷壁が一瞬?」

 

「そんな事ありえるの?!」

 

 プロヒーローらはその姿を見て驚愕する。目の前の出来事が信じられないように口を開く。

 

「次は俺の番だ……覚悟しろよ轟」

 

 紅煉は両腕を不死鳥の翼に変える。それを見た轟ちゃんも氷を出す準備をする。

 

「《不死鳥の翼撃(ふしちょうのよくげき)》!!」

 

「うわッ!!?」

 

 空を飛んで轟ちゃんに向かって不死鳥の翼で攻撃する。落下速度も合わさりそこそこのスピードを出して轟ちゃんに直撃する。一瞬怯んだがすぐに氷を出す。それを避けた紅煉は氷壁の先端に立つ。

 

『火群!!不死鳥の翼を巧みに使って攻撃したァ!!』

 

「お、おい……ひょっとしなくてもアイツ、そこらのプロ並なんじゃ」

 

「ま、まさかァ……」

 

「でも、あの強さ……個性の使い方も……」

 

 プロ等は紅煉の強さを目の当たりにしてそう呟く。

 

「……その炎、熱くない……なんで?」

 

「不死鳥の炎は人を癒すため、守るためにある……だから熱なんて概念がない……」

 

『な、なんと!不死鳥の炎は熱くないようだ!!あれ?じゃあなんで紅い方の炎を使わないんだ!?』

 

「まさか、私のことをバカにしてるの?全力で来ないなんて……私を舐めすぎてるのじゃないかしら!?」

 

「舐めてんのはお前の方だ!!轟凍火!!」

 

「っ!!?」

 

 紅煉の怒声は他の人たちもビビらせるほど大きく、強く、重い声量だった。

 

「左は使わず勝つ?炎を使わずに1位になる?俺は選手宣誓の時なんて言った!!俺は全力でかかってこいって言ってんだよ!!てめぇが全力を出さないのなら俺だって出してたまるか!!俺に本気を出させたきゃお前も本気出せ!!轟!!」

 

「クソな父親に金でも握らされたの……?本当に……腹立つ!!」

 

 そう言うと、また大氷壁を繰り出し、紅煉に攻撃する。

 

「……凍火…もう俺に縛られなくていいんだ。だが、まだ言えない。彼が目覚めさせなければ」

 

 エンデヴァーがつぶやくが、拳を握りしめて語り掛けるのを抑える。

 

「……《奥義 一刀火葬(いっとうかそう)》」

 

 瞬間、大氷壁を貫き溶かす刀の先端のような形の炎が吹き上がる。

 

『な、なんだこの炎!!?一瞬で氷塊が熔けたァ!?』

 

「なに、まだそんな力隠し持っ……なに、それ?!」

 

『あ?あぁ!?火群!!どうしたその腕!!』

 

「お、おい!火群の腕見ろよ!」

 

「おい!あいつの腕見てみろよ!」

 

 プレゼントマイクが実況し、轟ちゃんが鼻で笑うように言おうとした時、紅煉の異変に気づく。プレゼントマイクやA組、他のプロらも気付いたのかざわめく。それもそのはず……紅煉の左腕はまるでなにかに焼かれたかのようにドス黒く焦げていて、黒い煙を上げていたのだ。

 

『な、何をしたらあーなるんだァ!?』

 

「俺の奥義の一つ……火群家代々伝わる禁術。犠牲奥義《一刀火葬(いっとうかそう)》……この技を使う代償に体の一部を焼き焦がさなきゃいけない……」

 

「なんで、そんな事を……」

 

「その答えは質問にして返そう。轟凍火……俺の炎はお前の氷壁くらい簡単に溶かす。ならなぜ俺はこの犠牲奥義を使ったかわかるか?」

 

「えっ?」

 

『ど、どういうことだ?』

 

 轟ちゃんもプレゼントマイクもわけが分からないように見てると次の瞬間。紅煉は言い放つ。

 

「その左の炎、エンデヴァーの炎だと思うのならそんな考え捨てろ……その炎は、お前だ。お前の炎だ。お前の、個性だろうが!!俺は、まだお前に傷一つつけられてねぇ!!全力で、かかってきやがれ!!なりたい自分になれ!!轟凍火!!」

 

 その最後の言葉は轟ちゃんが母親に言われた言葉で、これから先の轟ちゃんを支える言葉となる言葉だった。そのため

 

「ッ!!」

 

『こ、これは!?』

 

「熱っ!!」

 

「熱来た!?」

 

「使った……左を!?」

 

「左を使わせたのか?火群少年は、轟少女を救おうと!?」

 

 轟ちゃんの左から、炎が吹き出す。それを見てプレゼントマイクやA組はその熱に驚き緑谷は轟ちゃんが炎を使った事に驚く。オールマイトもそれに気づく。

 

「……勝ちたい癖に、敵に塩を送るなんて……どっちが巫山戯てるのよ……私だってヒーローに…!」

 

「……クスッ、すげぇ」

 

「……フッ、凍火ァァァァァァァァァァっ!!!

 

 轟ちゃんの姿を見て、紅煉は笑う。それを見てエンデヴァーはとうとう我慢出来なくなったのか轟ちゃんに語り掛ける。その声に皆驚きエンデヴァーを見る。

 

「とうとう、受け入れたか!!お前自身の炎を!自分の本当になりたいものを!!」

 

「っ!?」

 

 轟ちゃんが驚いたような顔でエンデヴァーを見る。紅煉も原作と違うエンデヴァーの激励に耳を傾けエンデヴァーに視線を向ける。

 

「そうだ!!それでいい!!ここからがお前の始まりだ!!この俺という呪縛を乗り越えたお前は、必ず強くなる!!この俺の野望などもうどうでもいい!俺の血を気にしなくていい!!俺と言うヒーローを超え、最高のヒーローになれるよう励め!!炎と氷の二つを使いこなし、なりたいお前になれ!!凍火!!」

 

『エンデヴァーさん。急に激励……か?親バカなのね』

 

 エンデヴァーがそう叫ぶとプレゼントマイクが原作通りのセリフを吐く。

 

「な、なんで、今更……そんな言葉、かけたこと無かったのに」

 

「人は変われるもんさ……どんな悪党だろうが、どんなアホだろうが……絶対に変わるんだ」

 

 

 轟ちゃんが驚いたように声を上げるとそう返す紅煉。そんな言葉を発した紅煉を見る轟ちゃんは、紅煉が笑ってるのに気づくと、言い放つ。

 

「なんで、笑ってられるの?」

 

「えっ?」

 

「ピンチ、なんだよ?」

 

「……プルトンに比べたら、マシなほうさ……さ、お互い全力を出そうぜ?轟!」

 

 紅煉は全身から炎を吹き出させる。そして轟ちゃんも構えようとすると、不意に言葉を漏らした

 

「……凍火」

 

「えっ?」

 

「凍火って呼んで……お願い」

 

「……分かった。じゃ、行くぜ……凍火ァァァァっ!!」

 

「!……うん、行くよ……紅煉!!」

 

「ミッドナイト!これ以上は!」

 

「彼らの身が危険すぎる!!」

 

 轟ちゃん……もとい凍火が氷を出して炎をで溶かし、紅煉が腕に炎を纏う。それを見たセメントスはヤバいと思ったのかミッドナイトに中止を求めセメントで止めようとしミッドナイトもそれを了承し個性で止めようとするが、もう遅い。

 

「……ありがとう。紅煉。これが、私の全力!!」

 

「いくぜ!これが俺の最大最高の《火拳(ひけん)》だァァっ!!」

 

 瞬間。大爆発が起こり、セメントス先生もミッドナイト先生も吹っ飛ぶ。そして収まり、爆煙で周りが見えなくなる。

 

「大きければいいってもんじゃないが、凄いなこれ」

 

『な、なんだ?今の……イレイザー、今の何?』

 

『散々冷やされた空気が熱により一気に膨張して爆風を起こしたんだ』

 

『それでこの威力!?どんな熱だよ!なんも見えねぇし!これ勝負どうなった!?』

 

 凍火は冷たい温度となった空気が凍火の炎の熱により膨張し強大な爆風を生み紅煉を襲うが、紅煉は火拳でそれを打ち消すように拳を振るった結果なのだろう……そして、爆煙が晴れると場外の壁に吹き飛ばされている凍火の姿が……そして舞台の中央には……

 

「……今回は、俺の勝ちだ。凍火」

 

 堂々と立っている紅煉の姿が、そこにあった。

 

「と、轟さん!場外!決勝進出!火群くん!!」

 

「「「「「「うぉぉおおおおおっ!!」」」」」」

 

 一気に大歓声が広がる。プロらもこの戦いのせいか紅煉を見る目が180度変わったようだ。すげぇと言ったりしてる。だが、そんな中歩き出す紅煉。左腕を完全に治すと両腕を不死鳥の翼に変える

 

「《不死鳥の抱擁(ふしちょうのほうよう)》」

 

 両腕を不死鳥の翼に変えてその翼で凍火を包み、傷を癒していく。

 そのままある程度治すと俗に言うお姫様抱っこしてその場を後にする。紅煉なりの優しさなのだろう。

 

『おいおいおい!!火群の奴!轟を抱えてどこか向かってくぜ!』

 

『リカバリーガールのとこだろう。あいつも回復させてから傷は残らないだろうが……』

 

『なるほどなぁ!!さて!ここから舞台を直していくぜ!!少しの間休憩だ!!……イレイザー。飲みもん買おうぜ』

 

『急に素に戻るなよ』

 

ーーーーーーーーー

 リカバリーガールの出張保健所にて

 

「……ここは?」

 

「目が覚めたか?凍火」

 

 凍火が目が覚めると保健室によくあるベットの上で傍に紅煉が居た。

 

「……紅煉?なんで?ここは?」

 

「臨時の保健所だ…悪かった、全力出しすぎた」

 

「うんうん、気にしないで」

 

 凍火はそう微笑む。すると紅煉が何かを思い出したように言う。

 

「エンデヴァーさんからの伝言。[惜しかったな、凍火……今まですまない。許してくれとは言わん。だが、分かって欲しい……もう強制しないと……家に帰ったらゆっくり話そう]……だそうだ」

 

「今更すぎる……所で、決勝は?」

 

「まだ少しかかるそうだ。だからいる……」

 

「起きたのかい?全く、やりすぎには注意しとくれよ?」

 

「返す言葉もありません」

 

 話してるとリカバリーガールがやって来て紅煉に叱責する。紅煉はそれを甘んじて受け入れた。

 

「じゃあ凍火。俺はもう行くな」

 

「うん、応援してる。それと、絶対に見届けるから」

 

「……あぁ、分かった」

 

 そう言って保健所を後にする。そしてリカバリーガールは凍火に対して話しかけた

 

「あの子、あんたのことだいぶ心配してたよ」

 

「……そうですか、それは良かったです」

 

「……ん?」

 

リカバリーガールは凍火の心情の変化から何かを察知したという。

 

ーーーーーーーーー

「……次の相手は爆豪か…さて、どうやり合おうかな」

 

 紅煉は既にスイッチを切りかえ、決勝に勝つ事だけを頭に入れた。

 次が最終決戦……これで優勝者が決まる。

 

「火群君。少しいいかな?」

 

「……エンデヴァーさん」

 

 紅煉を呼び止める声が聞こえ、振り向くとエンデヴァーが居た。

 

「まず、俺の呪縛から凍火を救ってくれてありがとう。そうした俺が言うのはおかしいが、礼を言う」

 

「ヒーローとして当然のことをしただけです……エンデヴァーさん」

 

「……なにかな?」

 

「……凍火の事もそうですが……家族の事も見てあげてくださいね…」

 

 そう言うとエンデヴァーは驚いたように目を見開いて紅煉を見つめる。

 

「……勿論だ。後で冷……凍火の母と電話で話そうと思っている」

 

「そうしてください。それでは……」

 

「最後に、もう一つだけ言わせて欲しい」

 

「ん?」

 

 エンデヴァーのその一言に立ち去ろうとしたが歩みを止めてエンデヴァーを見る。

 

「決勝進出、おめでとう。応援は出来ないが、見届けたいと思っている」

 

「……プッ、クククク」

 

 その言葉を聞いた紅煉は吹き出して笑ってしまう。

 

「ムッ、何故笑う?」

 

「凍火と同じことを言ってるからですよ。ほとんど同じセリフを親子揃って吐くもんだから、おかしくって」

 

「そ、そうなのか?そんなに似てるか……」

 

「心配しなくても、俺は優勝する気でいます……見ててくださいね」

 

 そう言って今度こそ立ち去る紅煉。その後ろ姿を見たエンデヴァーは本物のヒーローの後ろ姿を見てる気分になった。

 

 そのまま紅煉は観客席に戻らず控え室に入り次の爆豪との試合に備えるのであった。




第15話終了です。
いかがでしたでしょうか?少し急ぎ足的感じになりましたが……
気に入っていただけたら幸いです。

次回はいよいよ最終バトル。どうなるのかは次回のお楽しみ!!

オリ主もとい、火群のヒロインについて誰がいい?

  • 王道中の王道 轟凍火
  • 第1話からの登場 耳郎響香
  • 意外と接点がある? 八百万百
  • 今後登場する先輩 波動ねじれ
  • いっその事一夫多妻でもいいんじゃね?てかしろよ
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