ヒロアカに転生して炎の個性を得たけど、俺のせいで平行世界化したんだけど   作:孤狼 龍

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前回のあらすじ
職場体験にエンデヴァー事務所にやって来た紅煉と凍火。するとそこにはチームアップの要請が来ており、要請したのは今話題のミルコだった。
各々のこれからを見つめ始める。


第20話 火群と保須市

 職場体験に来てから三日。凍火並び紅煉はメキメキと技術を上達させていく。凍火は炎の使い方をエンデヴァーから学び、氷の造形を上手くできるようにしていく。分かんない時はエンデヴァーか紅煉に聞きながら。紅煉はひたすら蹴りを繰り返したり早く走れるよう走り込みしたり筋トレをしている。たまに燈矢(アジュール)さんとミルコさんと、対人訓練とパトロールをしながらヒーローの奉仕活動やサービスを学んでいった。

 そして今日。エンデヴァーに呼び出された紅煉と凍火はエンデヴァーのもとにやって来た。

 

「今日から保須市に向かう」

 

「「保須!!?」」

 

 紅煉も凍火も驚くのは無理もない。保須市は今ヒーロー殺しステインが身を潜めてる街。紅煉の見立てではあと1日置いて行くのかと思っていたほどだ。

 

「今から向かう。準備しなさい。ミルコは先に向かったと連絡が来てる」

 

「は、は「待ってください。エンデヴァー」……え?」

 

 凍火が返事をし、エンデヴァーが準備に向かおうとすると紅煉が止める。

 

「む?なんだね、スルト。質問かね?」

 

「いいえ、提案というか、お願いです」

 

「お願い?」

 

「な、何を聞く気なの?スルト…」

 

 エンデヴァーは眉を軽く上げ、凍火は心配そうに紅煉を見つめる。

 

「保須市での俺ら雄英生(・・・・・)の個性使用許可を下さい」

 

「なに?!」

 

「紅煉?!何聞いてるの!?」

 

 エンデヴァーは何を言ってるんだこいつと言うような目で紅煉を見、凍火は驚いて声を上げる。しかし紅煉は臆すること無く説明する。

 

「保須市では現在、ヒーロー殺しが身を潜めてる。それを見つけるのでしょうが、万全な対策を練らねばなりません。もし我らが人質に取られたりした際、個性の使用許可があれば簡単に対処出来ます。その場での使用許可を貰ってもすぐ殺されるのがオチでしょう。如何ですか?」

 

「……君は余程の切れ者と見た。よかろう。このエンデヴァーが許可する。君達の個性使用許可をな」

 

「ありがとうございます」

 

「え、あ、ありがとうございます!」

 

 紅煉の説得もありエンデヴァーに個性使用許可を得た2人、そんな中紅煉は見えない所で三日月よりもさらに深い悪い笑みをして思った。

 

[計画通り!]

 

ーーーーーーーーー

 エンデヴァーと数人のサイドキック、そして凍火と紅煉は保須市にやって来た。ミルコとは現地で集合した。

 

「それではこれよりパトロールをする。フレイシアはミルコと行きたまえ、スルトは俺と一緒にだ」

 

「え?なんで一緒じゃないの?」

 

「1人で2人指導するより現場を知ってる人達で1人ずつ指導する体制なんだろう。大丈夫だよ。また後で会えるから」

 

「絶対だよ?絶対だからね?」

 

「分かったから、抱きつくな」

 

「めっちゃ惚れられてんな」

 

「だが気づいてないのだ……あんなに積極的に来てるのに」

 

「マジか、どんだけ鈍感なんだ?」

 

 エンデヴァーの命令に疑問を感じた凍火だが紅煉がそれをフォローする。その後抱きつかれ絶対に会う約束をする。ミルコは凍火がどれほど紅煉に惚れてるか改めて理解するがエンデヴァーの発言に驚いた顔で紅煉を見ている。

 

「じゃあ行くぜフレイシア!」

 

「はいっ!」

 

「では行くぞ!スルト!」

 

「はい!」

 

 ミルコと凍火、エンデヴァーと紅煉はそれぞれパトロールを開始する。

 

 少し経って(ヴィラン)が現れたという情報が入り現場に向かう。その道中紅煉は携帯を見ると緑谷からで緑谷の現在位置が示されていた。即座に反対方向に向かう。エンデヴァーに止められるも「そっちはエンデヴァーさん一人で事足りるでしょう!?こっちにも敵がいる!友達が危ない!」と言って上手く説得した。

 そして目的地に着くとそこにはヒーロー殺しと緑谷と飯田がいてやられそうだったので火を放ってヒーロー殺しを遠ざける。

 

「ちっ、今日は邪魔が入りまくる。誰だ?」

 

「ヒーロー殺しステインだな?友のピンチに駆け付けた、ヒーローだよ!」

 

そう聞くとステインは嬉しそうな笑顔をしながら紅煉を見る。

 

「いいなぁ、お前。生かす価値がある」

 

「俺の友達は生かす価値がねぇって言いてぇのか?ヒーロー殺し!」

 

 ステインが見極めるように言うと煽りを加えて炎を腕に纏い臨戦態勢になる紅煉。

 すると緑谷が大声で話しかけてきた。

 

「火群君!!ヒーロー殺しは血を舐めて相手の動きを封じる個性を持ってる!!気を付けて!!」

 

「承知したぜ!来い!ヒーロー殺し!!」

 

 緑谷のアドバイスを貰いヒーロー殺しに対峙する。

 

「邪魔をするな、怪我をするぞ?子供」

 

「ヒーローになればいつだって命懸け、それくらい覚悟してるに決まってんだろ?ヒーロー殺しさんよ……」

 

 ステインが睨みを利かせ紅煉を怯ませようとするがそれを笑っていなす紅煉。

 

「ヒーロー『スルト』……推して参る!」

 

「はぁ……来い!」

 

 《禁忌[レーヴァテイン]》を造り出し向かう。それを見たステインは少し驚くがすぐに対応する。

気高い金属音が辺りに響き渡る。

 

「はぁ……密度の高い炎の剣か、厄介だな」

 

「お褒めの言葉どーも。実は維持するのに極度の集中力が必要なんで、短期決戦と行かせてもらう!!」

 

 一気に押し切ろうとするもステインの技術が上なのか弾かれる。

 

「マジかよ!?」

 

「無駄だ。経験が浅い。まだ動きが荒い。それでは俺を止められん」

 

 その際ステインの刀が紅煉の頬を掠め、血が滲んでいる。

 

「ちっ!!」

 

「あぁっ!火群君!!」

 

「火群くん!逃げるんだ!!」

 

 それを見た緑谷と飯田は絶望した。これで希望は絶たれた。狙われたヒーローはここで殺されると思ってしまった。ステインは勝ちを確信しながら血を舐めようと舌を刀に近づける。

 

「ヒーロー殺しよ、こんな言葉を知ってるか?」

 

「ん?」

 

「「「えっ?」」」

 

 ステインは動きを止め、飯田達は紅煉を見る。

 

「勝利の確信は、最も油断に近い行為……って言葉をよ……お前が舐めるのは俺の血であって俺の血じゃない………喰らっときな」

 

「なに?油断だと?遠く離れてる貴様。炎を放ってもおれの反射神経ならよけられる。そして何よりそこから何が出来る?」

 

 ステインが眉をひそめながら紅煉に聞くと、紅煉は右手を前に突き出し掌を広げる。

 

「………怪焔秘術」

 

「む?」

 

「「っ!!?」」

 

 その時、ステインは気付かなかったが、飯田と緑谷は気付いた。ステインが持つ刀。紅煉の血が付着してる部分が紅く発光した事に……

 

「《爆血(ばっけつ)》!!」

 

「ぬおっ?!」

 

 紅煉が手を握ると紅煉の血が爆発しステインをぶっ飛ばす。刀は少し焦げてるが特に変化はない。そして紅煉は不敵に笑うと話す。

 

「驚いたか?俺の個性は血液の温度も操る。その気になれば血液自体を爆弾のように燃やすことが出来るんだよ」

 

「はぁ…はぁ…ただの子供と思って甘く見ていた。だが次は油断は…「まだだぜ?」なにっ!?」

 

 ステインが怯んだすきに一気に懐まで潜り込む紅煉。そのまま拳を構える。

 

「これがこの職場体験で新たに得た力!この狭い場所でも周りに被害を出さずに高威力の《火拳(ひけん)》!その名も!!」

 

「ま、待てっ!!」

 

 ステインは抵抗しようとするが時すでに遅し……飯田と緑谷は紅煉の動きを見ている。紅煉は腕に炎を纏って一気に拳を突く

 

「《火拳銃(レッドホーク)》!!」

 

「ぐおっ!!?」

 

 ステインの腹部に強力な炎の拳がぶち当たりステインを貫通するように炎がステインの背中から吹きでる。

 

「がっ、はっ……俺は、正しき、社会の為に………」

 

「その思想も大事だが……殺しはダメだろ。流石にさ」

 

ステインはそうつぶやくと紅煉は返す。そのまま気絶するかと思ったが、急に目を見開いた。

 

「なにっ!?」

 

「貴様が言ったのだろう?勝利の確信は最も油断に近い行為だとな」

 

「火群君!!」

 

 ステインが刀を持ち直し紅煉に向かって振り下ろす。対処しようとするが間に合わない。緑谷も動けるようになるが間に合わない。誰も彼を助けられないと悟った。

 

「《氷塊造形(アイス・メイク)投擲槍(ジャベリン)”》!!」

 

 氷の投擲槍が無数に飛んできてステインを紅煉から退けた。それを見た飯田と緑谷は驚く。

 

「この氷って!?」

 

「本当に、次から次へと邪魔が入る……」

 

「来てくれたか、フレイシア」

 

「救援に来たよ……スルト!」

 

 助けに来たのは轟凍火だった。それにしても高精度な造形術。流石は推薦入学者と言うべきか……炎の方はどうなったんだろうね。

 

「助かった。奴は血を舐めて動きを止める個性らしい……緑谷は動いたから時間制限があるのか?」

 

 ステインと対峙しながらそう話し合うがすぐにプロが否定をする。

 

「いや、彼は1番最後にやられた。俺はまだ動けない」

 

「血を取り入れて動きを奪う。僕だけ先に解けたということは」

 

「時間制限が無いとなると考えられるのは2パターンね」

 

「人数が多くなるほど効果が薄まるか、血液型によって効果に差異が生じるかだな」

 

「血液型……俺はB型だ」

 

「僕はA……」

 

「血液型……ハァ、正解だ」

 

 ステインは簡単に認めた。それでも勝てる自信があると踏んだのだろう。

 

「分かった所でなにか状況が変わる訳じゃないが……デク、フレイシア」

 

「「なに?」」

 

「そこの2人を連れて大通りに行って救援を……言えばミルコとか来てくれるはずだ」

 

「なっ!?何を馬鹿なことを!?」

 

「バカっ!子供一人に殿をさせる訳には……」

 

「そうだよ!他に方法はあるはず!!ここには動けるのが3人もいるんだよ!?」

 

 紅煉が提案すると緑谷、飯田、プロが反対する。凍火は驚いたように紅煉を見る。

 

「それでもやつには勝てない。本気を出したら俺らは一瞬だ。だが、俺には隠し玉がある。エンデヴァーにしか知らない隠し玉がな」

 

「えっ?」

 

「“裂蹴拳”だけじゃ勝てない……だから、使う。今使わずいつ使うのかって話だしな」

「な、何を言ってるの?」

 

「作戦会議にしては声が丸聞こえだ。ハァ……逃がすわけなかろう」

 

 紅煉が言うと信じられないと言わんばかりに驚く緑谷達。ステインは刀を構え突進してきた。緑谷と凍火は反応するも防御に間に合わない。凍火の“穿天氷壁”は範囲が広く他の建物に被害が出るので出せないでいる。

 ステインが刀を振り下ろそうとすると急に軌道が変わり頬に熱と衝撃を受け吹っ飛ぶ。

 

「ぐあっ!!?」

 

「「えっ?!」」

 

「「なっ!?」」

 

「まだ作戦会議中だぞ……フライングにも程があるだろう…ヒーロー殺し」

 

 ステインをぶっ飛ばしたのは紅煉だった。脚と腕に炎を纏っている。

 

「ほ、火群君。それは、何?」

 

「これか?これは“紅炎裂蹴拳(こうえんれっしゅうけん)”って言うんだ。とある武術と個性を合わせた技でな……これならまだステインの動きは無力化できる。だがやはり速さが足りないな……仕方ない。ドーピングするか」

 

「「「ドーピング!?」」」

 

 紅煉が対応策を考察してるとやばい単語が聞こえ緑谷らが驚く。

 

「あ、ドーピングって言っても薬を使うわけじゃないぞ?個性のちょっとした効果だよ。正直、使えば明日は半日は筋肉痛に悩まされるけどな……」

 

「個性の効果?まさか!?」

 

 紅煉は自身の体内の熱を上げてるのか汗が蒸発する。緑谷はそれを見て何をするのか理解する。

 

「熱エネルギーを体内で循環させ身体能力を爆発的に向上させる…………名付けるとしたら《ディアブロ・フォース》!!」

 

 紅煉が構えると顔に赤い痣が現れる。ちなみにこの痣は某鬼殺しの刃の鬼の王と同じ痣です。

 

「…ディアブロ……」

 

「……フォース?」

 

「体内の熱エネルギーを循環して身体能力を向上させる。つまり、力もスピードも全てが強く?」

 

「それが、どうした?見掛け倒しであっ……がはっ!」

 

「「「「なっ!?」」」」

 

 飯田と凍火が紅煉の変化に驚いてると緑谷が考察。そのスキをついてステインが攻撃しようとすると腹部を紅煉に殴られる。その速度を見て緑谷達は驚く。

 

「よそ見すんな。お前の相手は、俺だ。ヒーロー殺しステイン……」

 

「ゴホッ……ハァ、強い。本当に、子供なのか?」

 

 ステインは紅煉の変化に危機を感じたのか紅煉を睨む。紅煉は緑谷達を庇うように立ち、ステインと対峙する。

 この勝負、どちらが勝つのだろうか。

 

 

ーto be continued




はい、今回はここまでです。次回“紅炎裂蹴拳”と“ディアブロ・フォース”の強さを出していきたいと思います。少し展開がはやいのと強化が早いと思った方もいると思いますがこの“ディアブロ・フォース”の他にも考えてるので大丈夫です。
気付いた方もいらっしゃるかと思いますが“ディアブロ・フォース”の元ネタは炎炎ノ消防隊のレオナルド・バーンズとオグン・モンゴメリの技をモチーフにしてます。
次回は本気を出したステインVS本気の紅煉の戦いです。勝負の行く末は……次回のお楽しみ!

それでは、また次回!!
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