ヒロアカに転生して炎の個性を得たけど、俺のせいで平行世界化したんだけど   作:孤狼 龍

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前回のあらすじ
ヒーロー殺しと決着つけた。
脳無2体に襲われた。ヒーロー殺しに助けられた。

以上!

紅煉「ほかにもあったでしょう!?」


第22話 火群と職場体験・後日談

 あの事件から一夜明け、保須総合病院。そこに緑谷、飯田、紅煉は入院していた。

 

「冷静に考えると……すごいことしちゃったね」

 

「そうだな。とんでもなく凄いことしたな」

 

 緑谷が不意に告げると紅煉は返す。

 

「僕の脚、これ多分…殺そうと思えば殺せてたと思うんだ」

 

「俺は完全に生かされたな……あんだけの殺意を向けられてよくまぁ立ち向かったよ……救けたつもりが救けられちまった。悪いな」

 

「いや……違うさ、俺は…」

 

 飯田が発言しようとすると病室のドアが開く。入って来たのは緑谷が世話になってるプロヒーローのグラントリノさんと飯田がお世話になってるマニュアルさん。さらには凍火とエンデヴァーが入ってきた。あともう一人後ろにいる……

 

「おおォ、起きてるな怪我人共!」

 

「グラントリノ!」

 

「マニュアルさん」

 

「凍火……エンデヴァーさんも」

 

 するとグラントリノは即緑谷の前にやってきた。

 

「色々とグチグチ言いたいが…その前に来客だぜ」

 

「「「?」」」

 

「保須警察署署長の面構犬嗣さんだ」

 

「面構!!……署、署長!?」

 

「掛けたままで結構だワン」

 

 後ろから来たもう一人が面構署長……その見た目は犬だ。

 

「君たちがヒーロー殺しを仕留めた、雄英生徒だワンね」

「ヒーロー殺しだが。怪我自体は既に完治しかけてるが、聞いた話によると君が治したそうだね。その時の傷は?」

 

「火傷に骨折。肋骨に関しては肺に突き刺さってました。下手したら今も重症の治療中だったでしょう」

 

 署長は紅煉を見ると紅煉は包み隠さず全て話す。

 

超常黎明期(ちょうじょうれいめいき)…警察は統率と規格を重要視し、個性を“武”に用いない事にした」

「そしてヒーローはその“穴”を埋める形で台頭してきた職だワン」

「個人の武力行使、容易に人を殺められる力。本来ならこれが糾弾されて然るべきこれらが公に認められているのは……」

「先人たちがモラルやルールをしっかりと遵守してきたからなんだワン」

 

「資格未取得者が保護管理者の指示なく“個性”で危害を加えたこと」

「これは立派な規則違反だワン」

 

「君たち四名及びプロヒーロー。エンデヴァー、マニュアル、グラントリノ……この七人には厳正な処分が下さらなければならない」

 

 これを聞いて凍火や緑谷、飯田は目を見開く。自分らのした過ちを理解したようだ。そんな中、ニコニコしてる紅煉を見て面構署長は少しムッとした表情を見せた。

 

「何がおかしいのかワン?」

 

「いや〜……簡単ですよ。保護管理者の許可は得てますよ。俺達雄英生徒はね」

 

「「「「「「えっ?」」」」」」

 

「あっ……」

 

 皆驚く中、一人なにか気づいたような声を発する。凍火だ。

 

「と、凍火……何か知ってるのか?」

 

「エンデヴァーさん……そういえば許可してましたね」

 

「「「「「えっ?」」」」」

 

 更なる衝撃が皆を貫く。そんな中でエンデヴァーはさらに雷に打たれたような顔をする。なにか勘づいたようだ。そこでさらに紅煉が追い打ちをかける。

 

「保須市に来る前に言いましたよね?『保須市での俺ら雄英生(・・・・・)の個性使用許可を下さい』って、それに許可してくれましたよね?エンデヴァーさん」

 

 皆の視線がエンデヴァーに集まる。凍火は少し笑いを堪えながら、紅煉はニヤニヤしながら、他のみんなはポカンとしながら……エンデヴァーは一言言い放った。

 

「……許可してました」

 

「「「「「………えぇぇぇぇぇぇぇっ!!?」」」」」

 

 エンデヴァーはあっさりと認め、さらにみんなが驚く。

※詳しくは本編第20話「火群と保須市」をご覧あれ(唐突な宣伝)。

 

「そう。エンデヴァーは許可してくれました。それはつまり俺らは保護管理下にあったと言うことを示してます。それ即ち俺らの場に許可するヒーローはいなくても“事前に”許可を貰っていたんですよ。ヒーロー殺しがいる現場。何が起こるかわからない。ならどうするか?掛け合うしかないでしょう。そして俺らは許可を頂けた。つまり今回の1件ではプロにも俺らにもお咎めは何も無いというわけです。Hast du verstanden?(ご理解頂けましたか?)ちなみに証拠もあります」

 

 完全なる屁理屈にも似た説明だが……エンデヴァーが認め証拠のボイスレコーダーがある時点でそれは事実。もはや覆しようがなかった。

 

「……正直驚いているワン。君は切れ者だな。とても子供とは思えないワン。だが、君らがヒーロー殺しを捕まえたと報道されたら君たち四人には賞賛は上がるが、敵に狙われやすくなるのだワン……」

 

「俺は覚悟の上ですよ」

 

「「「えっ!?」」」

 

 面構署長の言葉に紅煉はあっさりと答えると飯田と緑谷と凍火は驚く。

 

「ヒーローはいつだって命懸け……命狙われる時なんか腐るほどある。それこそエンデヴァーやオールマイトは狙われやすいだろう。人気もあり敵退治にも多く貢献してるのだから……その土俵に立つにはそれ相応の覚悟が必要。ならば、俺は甘んじてその賞賛と殺意を受け入れよう。この選択は他の人から見たら間違いだが、俺はその道を選ぶと決めていたから……」

 

 そう言う紅煉の目は覚悟の炎に染っていた。それを見た面構署長は少しため息をついてから言った。

 

「なら、今回の件は君とエンデヴァーだけの功績にしてもいいかワン?」

 

「「「「「ええっ!?」」」」」

 

「理由は?なんでですか?」

 

「君は肝が据わってると見た。君なら世間の評判も気にはとめないだろうと思った。だが他の子らは違う。だからこそ君とエンデヴァーの功績にした方がいいと思ったんだワン。どうかね?」

 

「それで構いませんよ……奴に知らしめられるのなら、それで構わない」

 

「「「「「?」」」」」

 

 紅煉の最後の一言に誰も気にとめなかったが、凍火だけはその顔に少しばかりの憎しみを抱いてるのを感じた。

 

ーーーーーーーーーーーー

 その日、新聞にはヒーロー殺しステイン逮捕の話が持ち切りだった。約四人の雄英高校の生徒が職場体験に来ており、ヒーロー殺しの動向を察知し一人の生徒が対峙してたところをエンデヴァーが助けたと……さらには個性使用の許可を貰い保護管理下にあったことが伝えられ、更にはヒーロー名と顔写真がドンッと載せられていた。

 

「ここまで大袈裟にしなくてもいいのにな……」

 

「にしても凄いことを考えたね……僕らにお咎めないようにするなんて」

 

「まぁやろうと思えば簡単にコネは回せる分だけ回す。使える駒は使った方がいいからな」

 

「駒って……」

 

 紅煉が新聞紙を置きながら言うと緑谷が答える。飯田は左腕に後遺症を残す大怪我を負い、治そうとしたが止められた。

 ちなみに飯田のお兄さんは紅煉の不死鳥の個性によって傷を完治させ、リハビリをすれば歩け、ヒーロー復帰できるようにさせた。とてもお礼を言われたし喜ばれた。

 

「それにしても、弱点があったんだって?火群くんの個性……」

 

「あぁ……俗に言う《オーバーヒート》……個性使用限界だ」

 

「オーバーヒート……?」

 

「俺の個性はどうやら、俺の体内の酸素によって炎を操ってたみたいなんだ」

 

「そうだったの!?」

 

 紅煉の個性、『怪焔王』には弱点があった。それはすなわち、無敵では無かったのだ。

 

「今回は《ディアブロ・フォース》と《紅炎裂蹴拳》の同時使用が原因らしくてな……それによって使用限界に陥り、咳き込んだらしい」

 

「そうだったんだ……」

 

「まぁ強力な力の同時使用をしなければなんとかなると思うけど。使い過ぎには注意しないとな……」

 

「うん。火群くんはいつ退院なの?」

 

「お前と一緒」

 

「えっ?そうなの?」

 

「うん」

 

 そのまま退院するまで2人はこれからどのように力を使っていくかやヒーローについて語ったりしながら過ごした。

 ちなみにその間も軽い筋トレは欠かせず行った。紅煉は何故か重い筋トレをして看護婦さんに怒られていたが……今回の傷は不死鳥の個性を使わず治して体を慣らせるつもりらしい。

 

ーーーーーーーーーーーー

 退院した日、紅煉はエンデヴァー事務所に戻ってきていた。因みに凍火は既に帰ったそうだ。というか帰らされたらしい……なんでだろ?

 

「短い間でしたが、ありがとうございました」

 

「うむ」「おう!」

 

 返事をしたのはエンデヴァーとミルコ……そういえばあの時ミルコ居なかったような……

 

「そういえばミルコはあの時何してたんですか?」

 

「私はあの黒い脳無?って化物とやり合ってた!」

 

 道理でいなかった訳だよ畜生と紅煉は思ったが声には出さなかった。

 

「今回は散々だったが、君のおかげでヒーロー殺しを捕まえることも出来た。礼を言う」

 

「あれは結局そうなっただけですから、頭を下げないでください。」

 

そう言って頭を下げようとするエンデヴァーを紅煉は止める。

 

「そうか、だが本当に助かった。これから君にはたくさんの苦難や課題が待ち構えてるはずだ。それにめげず突き進めるよう頑張ってくれ」

 

「はい!」

 

「それでは短い間だったが、これにて君の職場体験を終わりにする」

 

「ありがとうございました!!」

 

ーーーーーーーーーーーー

 その日の夕方頃に家に着くと何故か鍵が空いており中に入ると轟家一同がいた……

 

「いや、なんでだよ……鍵は?」

 

「以前来た時に壁にスペアがかけてあったので拝借して合鍵作りました」

 

「道理で見当たらないと思ったよ畜生。てか普通に犯罪行為なんですがそれは」

 

「大家さんからの許可は取ってます」

 

「大家さん……さすがに止めようぜ」

 

 なぜいるのか紅煉が聞くと冷さんが堂々と爆弾発言し大家さんも共犯と伝える。最早何言っても無理だと思い合鍵の所有は認めたが……ちなみに来た理由は職場体験お疲れ様でした会をするらしい。

 そのパーティーは深夜まで続いたのは言うまでもないだろう。もちろんこの状況で帰すわけにもいかないので男連中は床で雑魚寝し女性陣にはベットを引き渡したのは言うまでもない……

 エンデヴァー?今頃事務所で1人事務でもしているんじゃないかな?何気に最近優しくなってるからサイドキックの人達も全員帰してると思うし大丈夫でしょ。

 

ーーーーーーーーーーーー

 その頃、エンデヴァー事務所

 

「……やっと終わった。今から帰っても遅いか、今日は泊まるとしよう……火群君は帰れただろうか。家でも1人と聞いてるが……」

 

 いらぬ心配をするエンデヴァーがそこに居た。




はい。というわけで今回はここまでです。いかがでしたか?
今回で職場体験編終了と、行きたいところですが次回。職場体験を生かした救助訓練の授業があるのでそれを終えて職場体験編終了とさせていただきます。
次回をお楽しみに。


それではまた次回!
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