ヒロアカに転生して炎の個性を得たけど、俺のせいで平行世界化したんだけど   作:孤狼 龍

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前回のあらすじ
ヒーロー殺しとの戦闘の傷を癒すため入院。
職場体験が終了して家に帰ると轟家エンデヴァー以外集合してた……


第23話 火群と救助訓練レース

 職場体験、つつがなく終了し、家に戻って体を休めた紅煉は次の日には全快していた。

 そして振替休日を1日挟み、登校日となった今日、1-Aのクラスではそれぞれが学んだことの情報交換……というか、『こんなことがあったぜ!』的な報告兼バカ話が行われていた。

 (ヴィラン)退治や事件解決に協力したという耳郎さんや梅雨ちゃん(密入国者逮捕したって)の話もそうだし、メディアに顔を出してTVCMデビューすることとなった八百万さん、職場体験を通じて他のクラスの奴と友好を深めた切島とか、注目を集める話題はあちこちに転がっていた。

 かと思えば、期待していたような経験ができなかったと、やや落ち込んでいる者もいたし……中には、体験先で何があったのか心配になるような変化を遂げている奴もいた。

 前者は主に常闇や尾白、後者は麗日さんや峰田あたりである。

 常闇は、No.3ヒーロー『ホークス』の事務所に行ったはず……なんか、振り回されっぱなしで、1人で全部やってしまう彼の仕事の後始末とかしかできなかったらしい、ドンマイとしか言い様がないな……

 尾白は……こう、何と言ったもんか……新宿二丁目界隈を仕切る『二丁目拳銃』とかいう、『男で女』な特殊な立場のヒーローの事務所にいたんだとかなんだとか……色々身になる経験もできたそうだが、気苦労も多かった様子で……

 麗日さんは……なんか、7日間いっぱいガンヘッドのとこで経験を積んだ結果、『コォォォ……』って不思議な呼吸音と共に、腰の入った見事なスクリューパンチ繰り出すようになってた。………なんかオーラすら纏ってるように見えるのは気のせいか?

 そんでもって、峰田が……『女は元々みんな、悪魔のような本性を隠し持ってんのさ!』って影のある表情でブツブツ呟くように言いながら爪を噛みながら言ってる。

 性欲の権化であるこいつがこんなになるとは……Mt.レディの事務所で何見たんだ?とりあえず当分は大人しくするだろう……しなかったら殴る。

 

「けどやっぱ一番大変そうだったのは……お前ら4人だよな!」

 

「そうそう、ニュース見てびっくりしたぜ。『ヒーロー殺し』!」

 

 そんな、上鳴と瀬呂の声一つで、皆の視線が一気にその当事者の4人……緑谷、凍火、飯田、そして紅煉に集中する。

 そりゃあ話題にもなる。ニュースでも連日報道されてる超凶悪犯だったってのに加えて、保須市の一件では、脳無……すなわち『敵連合』まで絡んできたんだし。

 つまり紅煉の父、プルトンも関わってるという事だ。

 

「てか火群!お前が1番やべぇよ!!みんな守るために事前に個性使用許可もらって対峙してたんだろ!?」

 

「ん?あぁ……保須市に行くって聞いてからそれなりの準備のためエンデヴァーの名前を利用させてもらっただけだ。アレがそこら辺のわんさかいるようなヒーローだったら確実に許可は得られなかっただろうな……」

 

 当然と言えば当然…皆は発表された方の『真実』……エンデヴァーと紅煉が、今回の事件解決の功労者で、緑谷達は巻き込まれたに等しい立場だって認識していた。

 まぁ逆に言うならそうしないと敵に注目されるのだからこれが正解だと言えるのだろうがと思っている。

 

 その話の中で、上鳴がヒーロー殺しのことを『ちょっとカッコよくね?』って言っちゃったんだが……それを気にするかもしれないと危惧された飯田は、そのことについても自分なりに既に心の整理をつけていた。

 動揺した様子もなく、はきはきと自分の考えを口にする。 

 

「確かに奴は、信念の男ではあった。好感を覚える者が出るのもわかる。だがその果てに奴が選んだ『粛清』という手段。どんな考えの元であっても、それだけは間違いなんだ。俺のような者を、これ以上もう出さないためにも……改めてヒーローへの道を俺は歩む!」

 

 と、いつも通りのカクカクした動きでびしっと言い切る飯田を見て……クラスメイト達は『もう問題なさそうだな』と悟っていた。

 軽率なことを言ってしまった上鳴は『なんかすいませんでした』と謝っていた。

 

「いい目標だな。飯田……そして俺は上鳴の発言にも共感出来る部分はあるぞ」

 

「「「「えっ?」」」」

 

 紅煉の思わぬ発言にクラスのほとんどが一気に紅煉に向く。

 

「ヒーロー殺しの理屈は完璧だ。行いは人道的とは言えないが……今のヒーローは相性だとか人気を得るためにやってる。エンデヴァーのようにNO.1ヒーローになるという目標ではなく人気を求め、自分に相性が悪い個性がいたら何も対策を考えず呆然と見つめる。そんなのをヒーローと呼ぶのなら誰だってなれるさ……だがそれはヒーローとは言わない。オールマイトが言ってるようにヒーローはいつだって命懸け、けして相性だとか人気だとかでヒーローをしてるなら辞めちまえって話だ。その理屈通りにヒーロー殺しは動いていた。そのお陰かヒーロー殺しが出現した街の犯罪数は減少してると聞く。十中八九ヒーロー殺しが関与してド三流ヒーローがヒーローとしての在り方を少しは理解出来たからだろう」

 

 思わぬヒーロー殺しへの擁護にクラスメイトのほとんどが言葉を失う。確かにヒーロー殺しのやり方は人道的とは言えないが理屈は通っているのだ。

 

「ま、これは俺個人の意見だから正解は無いけどな……そろそろ朝のホームルームが始まるな。席に着こうぜ」

 

ーーーーーーーーーーーー

 入り組んだ工場地帯……A組はヒーローコスチュームに着替えてこの場に来ていた。

 と言っても雄英高校の敷地内なんだけどね……

 

「ハイ 私が来た」

「って感じでやっていくわけだけどもね。ハイ ヒーロー基礎学ね!」

「久々だね少年少女!元気か!?」

 

「ヌルッと入ったな」

「久々なのにな」

「パターンが尽きたのかしら」

 

 オールマイトが担当でなおかつ久々な授業なのにこんな軽くていいのか?と思う紅煉であった。

 

「職場体験後ってことで今回は遊びの要素を含めた」

「救助訓練レースだ!!」

 

「救助訓練ならUSJでやるべきではないのですか!?」

 

「あすこは災害時の訓練になるからな。私はなんて言ったかな?そうレース(・・・)!!」

「ここは運動場γ(ガンマ)!複雑に入り組んだ迷路のような細道が続く密集工業地帯!五人四組に別れて一組ずつ訓練を行う!」

「私がどこかで救難信号を出したら街外から一斉スタート!誰が一番に私を助けに来てくれるかの競走だ!!」

「もちろん、建物の被害は最小限にな!」

 

「指さすなよ」

 

 オールマイトが説明してると立てた人差し指をゆっくり爆豪に向けて遠回しに加減しろと言ってくる。

 指をさされた爆豪はなんとも言えぬ表情でそっぽ向いていた。

 

「じゃあ初めの組は位置について!」

 

 ここでもまた原作と違う点がでた。最初の組は芦戸さん、飯田、尾白、瀬呂……ここまでは原作通りだが五人目はまさかの紅煉だった。

 ちなみに不死鳥の個性を使うなと言われてしまった。

 

「飯田まだ完治してないんだろ、見学すりゃいいのに」

 

「クラスでも機動力良い奴が固まったな」

 

「強いて言うなら火群さんが若干不利かしら…」

 

「確かにこの場所で被害最小限で怪焔王の個性だけでしょ?」

 

「被害が出てしまうと思いますわね」

 

 八百万さんと耳郎さんが心配そうに言う。

 

「トップ予想な!俺瀬呂が一位!」

 

「あー…うーん、でも尾白もあるぜ」

 

「オイラは芦戸!あいつ運動神経すげぇぞ!」

 

「火群が最下位!」

 

「怪我のハンデがあっても飯田くんな気がするなぁ」

 

「ケロッ」

 

 切島、上鳴、峰田、爆豪、麗日さん、梅雨ちゃんが予想する。

 

『START!!』

 

 開始の合図がされると皆一気に行動する。瀬呂は個性を利用し上へ行く。

 

「ほら見ろ!!こんなゴチャついたとこは上行くのが定石!」

 

「となると滞空性能の高い瀬呂が有利か」

 

 切島がそう言うと障子も納得する。

 

「ちょーっと今回俺にうってつけ過ぎ…る……?」

 

 そう言って余裕をかましてる瀬呂の横を何かが通り抜ける。瀬呂が見ると紅煉が跳んでいた(・・・・・)

 

「修行に丁度いい。試させてもらうぜ《ディアブロ・フォース》!」

 

「おおお!!火群!」

 

「なんだあの動き!てか痣!!なにあの痣!!?」

 

 紅煉はヒーロー殺し戦で見せた《ディアブロ・フォース》を使って複雑な工業地帯の上、パイプやら壁やらを跳び移りながら移動していた。

 

「ッソだろ!?」

 

「な、なんなんですの!?あの痣は!それより炎を使ってないのになぜあんなにも俊敏に動けて…」

 

「「《ディアブロ・フォース》」」

 

「「「「「《ディアブロ・フォース》?」」」」」

 

 緑谷と凍火が同時に言う。クラスの皆が何それと言いたげな顔をする。

 

「《ディアブロ・フォース》……熱エネルギーを体内で循環させ身体能力を爆発的に向上させる」

 

「それによって力・スピード・破壊力・防御力が全部何倍にもなる」

 

「チートじゃん!!」

 

「そう思ったら大間違いだよ峰田くん」

 

 緑谷と凍火が交互に説明すると峰田がそう叫ぶ。しかしそれを緑谷が即否定する。

 

「どういう事ですの?」

 

「弱点があるの……あの姿には」

 

「「「「「弱点?」」」」」

 

「炎と熱を操る個性。でもあの姿は熱エネルギーを体内で爆発的に上昇させ身体能力を上げてる。つまり熱の操作は出来ない状態……」

 

「それって……つまり?」

 

「熱は体内に保ち続けるから熱が篭もるという事ですわね?」

 

「そういう事」

 

 クラス全員が紅煉の形態の弱点を知り如何に強くなってもその分のリスクは伴うという事を知った。

 それでもすごい速さでオールマイトに向かっていくのを見て短期決戦の姿といえど馬鹿にならないと思うしかなかった。

 

「えっ、火群!?跳んでるの!?」

 

「そんなのありかよ……!?」

 

 芦戸と尾白もそんな紅煉の姿を見て驚きの声を上げる。

 結果的に言うならやはり一位は紅煉になった。緑谷は別のグループで一位になりオールマイトに小声で称賛されていた。原作を知ってるのでオールマイトが緑谷に何を言ってるのか分かってた紅煉はあえて何も言わなかったが……

 そして全組が終わり授業の終盤となった時、オールマイトが最後の締めくくりをする。

 

「さて!今日の訓練はここまでにしよう!皆入学時より“個性”の使い方に幅が出てきたぞ!」

「この調子で期末テストへ向け準備を始めてくれ!!」

 

 これを聞いて紅煉は少し身構える。そう、もうすぐそこまで悪意が来てるのだ……

 

ーーーーーーーーーーーー

 それから時は流れ期末テストまで残すところ一週間を切っていた。相澤先生からテストで赤点を取った者は夏にある林間合宿に行けず補習地獄だと聞いた。

 

 そしてここは暗い病室のような部屋の中……そこに一人の男がたくさんのチューブに繋がっていた。そしてもう二人、髭を生やした小柄な太った老人と……プルトン。

 

「ヒーロー殺しが捕まるとは思わなかったな……」

 

「だが概ね想定通りだ。暴れたい奴や共感した奴、そんなヤツらが衝動を開放するために敵連合にやってくる」

 

「弔はそんなヤツらを統括しなければならない……」

 

「出来るかね?あの子供に……ワシは先生が前に出た方が事が進むと思うが…」

 

「なら早く治してやれ……“超再生”の個性を手に入れるのが5年早ければよかった」

 

「全くじゃ、傷が癒えてからでは意味の無い期待外れの個性じゃった」

 

「いいのさ!彼には苦労してもらう!次の“僕”となるために……あの子はそう成り得る。歪みを生まれ持った男だよ」

「今のうちに謳歌するといいさ、オールマイト……“仮初の平和(茶番)”をね」




はい、今回はここまでとします。
次回期末の実戦形式と行きますがそれを行うためアンケートをとります。
期間は11月21日の0時とさせていただきます。
アンケート結果がどうなっても新スタイル(新技)を出す予定なのでご安心ください。
他に案がある方はどうぞ感想でもメッセージでも受け付けてますので意見をください。

それではまた次回!

オリ主の期末試験の相手

  • 緑谷とペアでオールマイト
  • 切島とペアでセメントス
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