ヒロアカに転生して炎の個性を得たけど、俺のせいで平行世界化したんだけど   作:孤狼 龍

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前回のあらすじ
演習試験でオールマイトとの戦闘を行い見事出し抜いて条件を達成。
新スタイル《ドラゴン・フォース》の力を見せつける。


第27話 火群と試験結果……そして死柄木

 次の日、期末試験の実技をクリアできなかった砂藤、上鳴の2人はまるでガチャで爆死したように目が死んでいた。上鳴などは涙を流している始末である。声の掛けようもない。蛙吹ですら何も言えずに心配そうに見るばかり。

 

「皆……土産話っひぐ、楽しみに……うう、してるっ……がら!」

 

 瀬呂が上鳴達を慰めるように言う。

 

「わかんねぇのは俺もさ。峰田のお陰でクリアはしたけど寝てただけだ。とにかく採点基準が明かされてない以上は……」

「同情するならなんかもう色々くれ!!」

 

 そこへ勢いよく相澤が入ってきた。

 

「予鈴がなったら席に着け」

 

 その言葉に直ぐ様行動に移す。

 

「おはよう。今回の期末テストだが……」

 

 第一声に、悲壮な表情になる敗北組。

 

「残念ながら赤点が出た…したがって……林間合宿は全員行きます!!」

「「どんでんがえしきたぁ!!!!」」

 

 二人が嬉しさの叫びをあげる。

 

「静かにしろ。えー筆記の方は赤点ゼロ。実技で上鳴・砂藤あと瀬呂が赤点だ」

「ですよね。クリアしたら合格とは言ってなかったもんな……」

 

 瀬呂は諦めた様に呟く。

 

「本気で叩き潰すと仰っていたのは……?」

「追い込む為さ。そもそも林間合宿は強化合宿だ。赤点とった奴ほどここで力をつけてもらわなきゃならん。合理的虚偽ってやつさ」

「「「ゴーリテキキョギー!!!!」」」

 

 立ち上がり喜ぶ瀬呂を加えた赤点三人衆、だが相澤がそんな優しさだけの行為を行うわけもない。

 

「またしてもやられた...流石雄英だ!しかし、二度も虚偽を重ねられると信頼に揺らぎが生じるかと!!」

「わぁ、水差す飯田くん」

「確かにな、省みるよ。ただ全部嘘って訳じゃない。赤点は赤点だ。お前らには別途補習時間を設けてる。ぶっちゃけ学校に残っての補習よりキツイからな」

 

 喜んでいた赤点三人衆の顔色が死んだ。

 

「じゃあ合宿のしおり配るから後ろに回しておけ」

 

 その日の放課後は皆は林間合宿に行くための準備の為に木椰区ショッピングモールにクラスの一部が行くらしい。それに紅煉も同行することにした。

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 次の日の午後、紅煉らは約束してたとおり、木椰区ショッピングモールへ来ていた。

 皆で別行動をとる時、紅煉は緑谷の向く方向とは逆の方向に歩く。そこで一人の男とぶつかりそうになるとその男が話しかけてきた。

 

「おー、雄英の人だスゲー!サインくれよ!」

「確か体育祭で一位になってた奴だよな?!」

「ええ、そうですね」

「んで、確か保須事件の時にヒーロー殺しをエンデヴァーと一緒にぶっ倒したらしいよな!」

「よくご存知で……」

「いやぁ、ホント信じられないぜ!こんなとこでまた会うとは(・・・・・・)!」

「………」

「ここまで来ると何かあるんじゃって思うよ!」

「運命……因縁めいたもんが。まぁお前にとっては雄英襲撃以来になるか」

「……そうだな…確かにその通りだ。お前は何度も俺らを見てたが俺はお前を見たのはあの日だけだ」

 

 お互いを認識し合うと死柄木は紅煉の首を掴もうとする……。

 

「お茶でもしようか火群 紅煉」

「悪くない誘いだな死柄木 弔」

 

 だが、その一言で死柄木は紅煉の首を掴まなかった。

 

ーーーーーーーー

 ショッピングモール内の喫茶店。人目に付きにくいテーブル席、そこに対面するように死柄木と紅煉は座っていた。

 

「まさか脅して話をしようと思ってたらそっちから受け入れるとはな……肝が据わりすぎていないか?火群」

「あそこで何かしようにも俺は個性使用許可の何かを得てる訳では無いからな、抵抗しねぇしお前がその気ならすぐに俺を殺してるだろ?」

 

 そう言いながらアイスコーヒーを飲む紅煉。とても目の前に敵がいると思ってるようには見えない。

 

「……それで、話って何?」

「まぁ、個人的な話なんだけど、だいたい何でも気に入らないんだけどさ、今1番腹立つのはヒーロー殺しさ」

「…やっぱり仲間じゃなかったんだな」

「そ、俺も認めてたわけじゃない。世間がそう言ってただけさ。問題はそこだ」

「雄英襲撃も保須で放った脳無も……全部奴に食われた。誰も俺を見ないんだよ。なぜだ?いくら能書き垂れようが、結局奴も気に入らないものを壊してただけだろ?俺と何が違うと思う?火群」

 

 最後まで聞いてから一息つけて言う。

 

「何が違うか……簡単に言うなら理解されるかされないかだ。ヒーロー殺しの理屈や思想、そして非人道的ではあるが行いは理解できるものがある。だが死柄木、お前にはそれは無い。それこそゲームのように事を運ばせてる。それでは見るものも見ないだろ……言わばわかりやすい展開のストーリーを見ずに進めるって事だ。だからその思想にも理屈にも誰も見ない。だがヒーロー殺しのはストーリーを見なければなぜそうなるのか分からないからみんな見てる。つまりそういうことさ……簡単に言うなら、ヒーロー殺しや緑谷の始まりはオールマイト。やり方は違ってるが、理想に生きようとしてたんじゃないか?」

 

 その瞬間、一気に背筋が凍るような不気味さが滲み出してきた。その後の死柄木の呟きは原作通りだった。

 簡単に言うなら「全てはオールマイトが悪い。まるで救えなかった人なんか居なかったみたいな笑顔をしてるからだ」かのような発言をして殺気を滾らせていた。

 その後、喫茶店から出て軽く話をする2人。

 

「あー、スッキリした……ありがとうな?火群」

「それより聞かせろ……死柄木」

「ん?」

「オールフォーワンとプルトンは、何が目的なんだ?」

「……さぁね、俺も知らない。あ〜だけど、一つだけいい事を教えてやるよ」

「なに?何を教えてくれるんだ?」

「火群の人間はお前とプルトンの他にもう一人いるからな。覚えておいて損は無いと思うぞ」

「っ!?ま、待て!死柄木!!」

 

 しかし、死柄木は待たずに人混みの中へと消えていく。ついて行こうにも人混みが多くて無理だし何より一般人に危害が与えられると思うと追うにも追えなかった。

 その後、たまたま居合わせた緑谷と麗日さんの通報により、ショッピングモールは一時封鎖、警察やらヒーローが来るが死柄木は見つからず、紅煉は塚内さんに死柄木の人相や会話内容を伝えた。

 

「ふむ、聞く限り、連中も一枚岩じゃないというわけか」

「えぇ、オールフォーワンやプルトンに関しても何も知らないみたいでしたし」

「そんな事を聞いてたのか、君は父親に復讐でも……今、なんて言った?」

「ん?オールフォーワンやプルトンに関し…」

「なんで君がその名前を知っている!!?しかもその口ぶり、奴らからじゃなくて自分から聞いたのか!?」

「えぇ、そうですよ?」

「ちょ、ちょっと待っていなさい!」

 

 その後、急遽部屋を出た塚内さんはオールマイトを連れてやって来てオールフォーワンについて聞かれた。

 

「なぜ君がオールフォーワンについて知ってる?」

「……その理由はすぐわかります。オールマイトの後継者、緑谷出久。違いますか?オールマイト」

「「!?」」

「俺は何でも分かる……この世界で誰が動いているのか、オールマイト。貴方の個性、ワンフォーオールもね」

「……き、君は一体、何者なんだ?」

「俺は火群紅煉。最悪ヴィラン「プルトン」の息子です。ある程度知ってますよ……俺もなぜか教えましょうか?オールマイト」

 

 その後、オールフォーワンについてやワンフォーオールについて話し、プルトンがそういう話をしていたのを聞いた事あると言ったら信じてくれた。実際に話してはいたが忘れてた。前世の記憶に関しては何も言ってない。

 そして秘密は守ると約束し、解放された。とりあえずこれで堂々と緑谷とオールマイトの会話に参加できる。

 

「火群少年……聞いてもいいかな?」

「なんでしょうか?オールマイト」

「もし君が消えそうな火を燃やすとしたら、何をして燃やす?」

「……俺だったら風に当たらぬようにし、抗い続けます。自分の身が燃えようとね……たとえその炎が己を焼こうと俺はその炎を燃やすためになんでもしますよ」

「そうか、教えてくれてありがとう」

「いえいえ、こんなんで良ければまた仰ってください」

 

 そうして紅煉は警察の人に送られて家に帰ると、そのままベットに倒れるように寝転がり眠った。

 

 

 夢を見た。青い空、青い地面。いや、空を映す鏡のような地面が拡がっており、その中心に紅煉は立っている。そして前を見てると急に炎が巻き起こり、その中に一人の女性が悲しそうにしてるのを見た。

 そこまで見て目を覚ました。夜中だったのですぐに寝直すが……最後、一瞬見た顔を忘れられなかった。

 その女性は目が覚める直前に俺を見て邪悪な憎悪を持ってる笑みをして俺を見てきたのだ。まるでお前を利用させてもらうみたいな、見つけたというような…そう言った類の目で、俺を見ていた。その笑みが不気味そうだったが、彼女の笑みから感じていたのは……悲しみだった。

 

ーーーーーーーーーーーー

 

「……というわけで、例年使用させていただいている合宿先は急遽キャンセル。合宿の行先は、当日まで明かさない運びとなった」

「「「え―――!?」」」

 

 という説明と同時に、先日配ったばっかりの『合宿のしおり』をびりっと破いて捨てる先生。『コレもう役に立たねーぞ』的な演出だろうか?

 告げられた内容に、教室中が『マジかよ』的な空気になるけど……まあ、仕方ないかな。

 紅煉と死柄木の接触自体は、そいつの言動が本当なら、単なる偶然だったっぽいけど……今後、『敵連合』が本格的に動き出すとしたら、USJに引き続き、雄英がターゲットになりかねない、という可能性は否定できない。

 なら、今までと同じ行き先を使うのは危険というのもうなずける。

 瀬呂とかは『もう親にどこ行くか言っちゃってるよ』って困った風な顔になってたけど、その後に八百万が指摘していた通り、まさにそれが変更の理由なんだろうな。

 ただでさえ、40人もの生徒が、敷地内であれば一応は警備体制万全の学校を1週間も外れて外泊する。さらにはその学校のセキュリティすら抜いて侵入してきた連中が相手だとすれば……このくらいしないと警戒十分にはならないだろう。

 

「つか、いきなりイベント始まったり、当日まで秘密だったり……雄英ってこういうの好きというか、得意だよなホント」

「今回ばかりは好きでやってるわけじゃないだろうけどね……」

 

 思わずつぶやいてしまったような紅煉の言葉に、後ろの席の緑谷が返してくる。

 確かに……今回のコレは、意外性を狙ってでも何でもなく、単純に安全確保のためだしな。

 それでも合宿自体を中止にしないっていうのはまあ……思い切った判断というか、またこれも体育祭の時と同じ『屈しないよ!』アピールなのか……。

 

こうしてあまりにも濃密であった前期が終了して夏休みに入る。




今回はここまでとします。
期末テストの結果。死柄木との会合。そして謎の女性……その正体はなんなのか……
次回は林間合宿にしようかと思ってたのですが、ちょうどこの時期あたりに最初の映画、2人の英雄の時系列がここくらいなので林間合宿に入る前に2人の英雄をするべきかどうか迷っています。
ので、アンケートをとります。期限は11月28日午前0時にします。参加の方をどうかよろしくお願いします。

映画編をやるべきか否か

  • 断片的にしか見てなくてもいいからやれ
  • 見てないのなら仕方ない。林間合宿にしとけ
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