ヒロアカに転生して炎の個性を得たけど、俺のせいで平行世界化したんだけど   作:孤狼 龍

37 / 45
前回のあらすじ
記憶を失った紅煉の猛攻に自身を焼いていた。それを見かねた凍火達が無理矢理でも記憶を取り戻そうとする。
そして異界の世界に迷い飲むと謎の声に自身の目的、夢を思い出しそして今、プルトンの戦いに入る!


第35話 火群VSプルトン

 会見の後、相澤先生やブラド先生は根津校長と共にテレビを見ていた。

 場面で言うなら紅煉が《不死鳥の羽衣》を使った辺りから報道ヘリが着いたようだ。

 その前から遠目からマスコミが歩いてやって来て遠くから撮っていたが……

 

「火群…爆豪!無事でよかった……それよりも、緑谷の奴、またこんな無茶を」

 

「にしてもA組の連中が向かってるとは、戦闘と言うより自衛のためだったようにも見えたが…」

 

「彼らも必死だったんだろうね」

 

 相澤先生は紅煉と爆豪の無事に安堵すると同時に緑谷達を怒る教師の目で見る。ブラド先生はそんなA組の心情を理解し、根津校長は緑谷達を賞賛した。

 そのまま三人は、この後どうなるかをしっかりと見ておくことにした。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「この俺を倒すつもりとは驚いたぞ紅煉!だがもう容赦はしない!貴様を殺して不死鳥の“個性”を貰う!!」

 

「させると思うか?クソ親父」

 

 対峙するプルトンと紅煉。紅きオーラを放ち赤き髪を揺らす紅煉。

 

「《ヒノカミ・フォース》だったか?それが今お前がなる最強って言ってたが……変化したのは髪色だけ、とんだ見掛け倒しにか見えんぞ?今からでも遅くないから言ったらどうだ?『これはただの見掛け倒しです』ってよぉ、そうしたら少し痛い目に遭うだけで許してやっ!?」

 

「ペラペラとよく喋る……ここは戦場だぞ?一家団欒のお茶の間じゃねぇんだ」

 

「今、いつ動いた?」

 

「瞬きのような一瞬で、こんな芸当を……」

 

 喋り続けるプルトンを黙らせるように腹パンをする紅煉。だがいつ動いたのか誰も理解できなかった。オール・フォー・ワンやオールマイトですら…

 

「くっ!!《獄門刀》!」

 

「《禁忌[レーヴァテイン]》」

 

 プルトンは巨大な刀を生成すると振り下ろすが紅煉はそれを炎の大剣で受け止める。

 

「何っ!?馬鹿な!!」

 

「そんな刀もどきじゃ俺のレーヴァテインは折れねぇよ……“ヒノカミ神楽”《円舞(えんぶ)》」

 

「グッ!?なんだその……まさか!?」

 

 レーヴァテインを両手で握り、円を描くように振るう。プルトンはそれを受けてからその技に気づく。

 

「《灼骨炎陽(しゃっこつえんよう)》!《日暈の龍・頭舞い(にちうんのりゅう・かぶりまい)》!《火車(かしゃ)》!《飛輪陽炎(ひりんかげろう)》!《幻日虹(げんにちこう)》!《斜陽転身(しゃようてんしん)》!」

 

 紅煉のその技を繰り出す動きは、あまりに美しくまるで精霊が舞っているように見えた。

 それを見てプルトンは確信した。その攻撃を、否“舞い”を……

 

「やはりそれは、火群一族に代々伝わる厄払いの神楽の舞いか!何故それを使える!?何故教えてないのに使える!?それよりも、なぜ攻撃にできる!!」

 

「知る必要あるか?《烈日紅鏡(れつじつこうきょう)》!《碧羅の天(へきらのてん)》!《陽華突(ようかとつ)》!《輝輝恩光(ききおんこう)》!《炎舞(えんぶ)》!」

 

「ぐっ!だが、それで終わりだ!!ヒノカミ神楽は全十二の型しか無い!つまり!これからは俺のターンだ!」

 

 紅煉はその舞いを舞い続ける。すると型を全て出したのか獄門刀で防いでいたプルトンが勝ち誇った顔をする。

 だが、次の瞬間。

 

「《円舞(えんぶ)》《斜陽転身(しゃようてんしん)》……」

 

「は?」

 

 プルトンは素っ頓狂な声を出す。

 

「《火車(かしゃ)》!《幻日虹(げんにちこう)》!《輝輝恩光(ききおんこう)》!」

 

「馬鹿な!?繋げてるだと!?反撃の隙がない!」

 

 紅煉はヒノカミ神楽という名の舞いを舞い続けている。型を全て出しても途切れること無く続けている。

 

「そんな、馬鹿な!?まさか……そうか、そうだった!ヒノカミ神楽の舞いは、新年の始まりに、雪の降り積もった山頂において十二の舞型を、一晩中にわたって何百、何万回と繰り返して奉納することで、一年間の無病息災を祈る。そう言った舞いだった!まさか、朝までやるつもりか!?どれほどの時間と体力と呼吸を消費すると思っている!?酸素が取り入れられなくなって酸欠になるぞ?!」

 

「そうなったとしても、貴様を倒せるのなら本望!《碧羅の天(へきらのてん)》!《日暈の龍・頭舞い(にちうんのりゅう・かぶりまい)》!」

 

 途切らせること無く舞い続ける紅煉。だが、その心境に余裕など無かった。

 

「《陽華突(ようかとつ)》!《灼骨炎陽(しゃっこつえんよう)》!(クソっ!呼吸が続かない!ヒノカミ神楽の舞いは今俺も初めて使う!正しいヒノカミ神楽の呼吸が出来てない!正しい呼吸なら疲れないし酸欠にもならないはず!)まだまだ!!《飛輪陽炎(ひりんかげろう)》!《烈日紅鏡(れつじつこうきょう)》!《(えん)……ゴホッ!!」

 

 すると、技の使いすぎかなんかで咳き込み舞いの連撃が止まる。その隙をつかれプルトンは距離をとる。

 

「……恐ろしい子供だ。まさかここまでとは……《ヒノカミ・フォース》とやらも馬鹿にならんというわけだな……だがそれもこれまでだ!貴様の負けは確定しているんだよ!紅煉!!《獄炎の怒号(ヘルブレイズ・スクリーム)》!!」

 

 プルトンは螺旋状の獄炎を紅煉に向かって放つ。

 

「はぁ,はぁ……《火産霊神(ほむすびのかみ)》!!」

 

 紅煉も負けじと炎の竜巻を放つ。

 二人の技はぶつかり合い、互いの技をかき消した。

 

「《獄炎鳥(ごくえんちょう)》」

 

「《カイザー・フェニックス》!」

 

 プルトンが鳥のような形をした炎を放つと、紅煉も鳥の形を模した炎を作りだしプルトンに向かって放ち相殺させる。

 

「なかなかに粘るじゃねぇか……だがいつまで持つかな?倒すんだろ?この俺を……勝機はいくらだ?千に一つか万に一つか、億か兆かそれとも京か?」

 

「それがたとえ那由他の彼方でも、俺には充分過ぎる確率だ」

 

 そう言う紅煉は右手に炎を纏わせる。その温度はどんどん上がっていくのに気付かず……

 

「そうか、ならばこの技で終わりにしてやろう……那由多の彼方がどれほど遠くかその身をもって味わうがいい!」

 

「俺は、自分のダチを、恋人を守り、己が視界に入る全ての人間を背負うヒーローになるんだ!!」

 

 紅煉はそのままプルトンに向かって走り出す。

 

「死ね!紅煉!!《獄炎極(ヘルブレイズ・オメガ)》!」

 

 獄炎(ヘルブレイズ)を超える熱量と大きさを誇る獄炎を紅煉に向かって放つ。

 

「俺は、お前を倒さなきゃ、いけないんだ!」

 

 そう意気込み炎を纏った腕を構える……が、その炎は急に消え、《ヒノカミ・フォース》も解除された。

 

「ッ!?“オーバーヒート”!?」

 

「フハハハハハッ!!どうやら運は俺についたみたいだな!!そのまま焼け死ね!紅煉!!」

 

 巨大な獄炎が迫る中、紅煉はどうしたらいいか考えた。

 

[そうだ。確かに俺には運がない……幼少期に母を亡くして、父がその犯人で、しかも知ったのは本当に最近だ……だけど、それを理由に負けたら……それを理由に俺のなりたいものになれなかったら……]

 

「意味がねぇんだよ!!だから、諦めない!!」

 

「ハッ!!やめとけ!“個性”が使用不可の状態で使えばお前が苦しいだけだぞ!フハハハハ……はっ?」

 

 紅煉はそう叫ぶとまた腕に炎を纏う。それをプルトンが笑うとあることに気付く。

 

「苦しくなるって知ってる……だからって、諦めろってか!?巫山戯んな!!俺は、ヒーローになるんだ!!」

 

 そう叫ぶ紅煉の炎を纏った腕、紅煉自体に変化はない……だが、纏っている炎が蒼くなっていくのだ。

 それを見てたプルトンはあることに気付く。

 

「まさか、“完全燃焼の炎”!?摂氏約10000度を超えるとされるあの炎が、紅煉の腕に!?」

 

「これは、お前に殺された母と叔父の分だ!!《灼熱の蒼火拳(ハルハール・インフィガール)》!!」

 

 紅煉の放った蒼き炎はプルトンの放った獄炎をかき消し、プルトンの横を過ぎていく。

 

「な……なん…だと…!?馬鹿な、こんな炎が……」

 

「はぁ,はぁ,はぁ,はぁ…今の、炎は?……懐かしいような……」

 

 紅煉は無意識に使ったその炎に懐かしさを感じていた。

 するとプルトンが仕掛けてくる。

 

「ならこれならどうだ!!この獄炎なら、貴様を焼き殺せる!!」

 

 そう言うとプルトンは右腕に獄炎を纏う。

 

「この技は俺も使うのを避ける!使うと火傷を負うからだ!だがお前には使おう!貴様を殺すために!この禁術を!!」

 

「っ!!」

 

 身構える紅煉。プルトンは構えるとその獄炎を纏った右腕を前に突き出しながら言う。

 

「《邪王炎殺黒龍波(じゃおうえんさつこくりゅうは)》!!」

 

 黒き獄炎の龍を放つプルトン。こちらに向かってくる黒龍波を見た紅煉はぽかんとしながらもある事を思いついたのか、少し笑みをこぼす。

 

「右腕にさっきの青い炎を、左腕にいつもの炎を……二重奥義!《煌龍波(こうりゅうは)(アンド)蒼龍波(そうりゅうは)》!!」

 

 紅煉は右腕から蒼き炎の龍を、左腕から紅き炎の龍を放つ。

 

「何っ!?お前も使えたのか!?」

 

「……この蒼い炎……俺の力不足か、それとも“オーバーヒート”のせいか?纏って使うとしたら5秒しか持ちそうにないな……だけど“コレ”なら問題ない」

 

 紅煉はプルトンの質問を無視して蒼い炎の考察をしている。どうやら蒼い炎は今は一瞬くらいしか使えないようだ。

 紅煉の放った二匹の炎龍とプルトンの放った炎龍は何故か互いに空へと昇り紅煉に落ちていき、紅煉は三匹の炎龍に呑み込まれた。

 

「……ハッ!大口を叩いておきながら自滅とはな!やはりお前はその程度の男よ紅煉!!どんなに頑張ろうが、この俺には勝てないのだ!!」

 

「何言ってんの?見せたいのはここからなんだよ?」

 

「……えっ?」

 

 プルトンは紅煉が自殺したと勘違いすると紅煉は暖かい声色でそう言う。

 そして蒼色と紅色と黒色の炎が治まると紅煉が炎の真ん中に立っていた。

 

「親父は勘違いしてるようだけど……《黒龍波》,《蒼龍波》,《煌龍波》は単なる飛び道具ではない。《黒龍波》,《蒼龍波》,《煌龍波》を“喰らう”事で術者の戦闘能力と火力を爆発的に向上させる言わば“栄養剤(エサ)”なんでだよ。さらにその効果により肉体を疑似的に竜に近しい属性となるため、嗅覚及び聴覚が異常に発達し、圧倒的火力によるオート防御を可能としている。《煌龍波》単体なら《ドラゴン・フォース》と言ってるとこだが、これは3つの龍を合わせた……名付けるなら、そう《ドラゴニック・フォース》」

 

「ド、《ドラゴン・フォース》?《ドラゴニック・フォース》?てか、黒龍波を喰らう?何を言って…」

 

 プルトンは紅煉の言ってることが理解出来ないのかオドオドしている。

 

「何を言ってるか?簡単だよ。俺はあんたで言う所の《黒龍波》を極めたって言ってんだ。とりあえずコレでオーバーヒートの心配はなくなった。酸欠も多少楽になってたしな、何より今の俺は……強い」

 

「なん…だと…!?」

 

 そこまで言うと紅煉は拳を構える。

 

「さぁ、続けようぜ……技を極めようとしなかったクソ親父」

 

「……舐めるなよ?技を極めただけの糞餓鬼…」

 

 今、最強最悪の親子喧嘩が始まる……

 

To Be Continued




今回はここまでとなります。
復活した紅煉の新たなる力、その最大を発揮することなく無茶をした舞いでオーバーヒートとなってしまった。
しかしプルトンの煽りにより、オーバーヒートの状態から完全燃焼の炎を出せるようになった。
しかしほんの5秒しか纏えない為連続使用は不可、そこでプルトンが黒龍波を放ったので蒼い炎での奥義《煌龍波》改め《蒼龍波》と《煌龍波》を同時に放ち黒龍波と共に喰らい尽くして新たなる力に目覚める。
プルトンと紅煉の親子喧嘩の結末は?オールマイトはオール・フォー・ワンに勝てるのか!?

次回《火群と決着》

それではまた次回!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。