ヒロアカに転生して炎の個性を得たけど、俺のせいで平行世界化したんだけど   作:孤狼 龍

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前回のあらすじ
新たなる力《ヒノカミ・フォース》に目覚めたがヒノカミ神楽の舞いを行い正しい呼吸が出来なかった為酸欠になりオーバーヒートとなってしまう。
そこにプルトンの追撃に襲われ焼かれそうになった時蒼い炎を放つ。
プルトンはなかなかとどめを刺すことができず黒龍波を放つが紅煉が放った蒼龍波と煌龍波と共に紅煉に食われてしまう。そして紅煉は《ドラゴン・フォース》を超える力を得た……


第36話 火群と決着

 オール・フォー・ワンとオールマイトが戦ってるすぐ側で親子喧嘩をするプルトンとスルトこと紅煉……彼等も決着の時が近づいていた。

 

「さぁ、続けようぜ……技を極めようとしなかったクソ親父」

 

「……舐めるなよ?技を極めただけの糞餓鬼…」

 

 そう言いながら構える紅煉とプルトン。

 

「《灰燼龍(かいじんりゅう)》!」

 

 プルトンは炎の龍を紅煉に向かって放つ。それを見た紅煉は拳を構える。

 

「無駄だ!火竜程度ではその炎は防げん!!」

 

「……《炎竜王(えんりゅうおう)崩拳(ほうけん)》」

 

 紅煉はその拳に巨大な炎を纏い放ち大爆発を起こす事で灰燼龍をかき消した。

 

「な、なにぃ!?」

 

「弱っちい炎だな……喰らえ《炎竜王(えんりゅうおう)のー」

 

「なっ!?ま、待て!!俺は実の父親だぞ!?俺はお前の親父なんだぞ!!?」

 

 プルトンが驚くと紅煉は追撃しようと口を軽く膨らませる。何をするか気づいたプルトンは命乞いなのか止めるよう促すが、それは紅煉の怒りの炎を焚き付ける火に油を注ぐ行為だった。

 

「そんな父親が居てたまるかよ!《炎竜王(えんりゅうおう)咆哮(ほうこう)》!!」

 

「ぎゃああああああああああああぁぁぁッ!!?」

 

 その爆炎のブレスは「火竜の咆哮」を遥かに凌駕する威力だった。その一撃は大地を大きく抉り取り地形を変えてしまう……プルトンはそれに呑み込まれ、地面に伸びているが、まだ意識はある。

 

「グッ、クソ、だが、詰めが甘いわ!!」

 

 そう叫ぶとプルトンは緑谷達の方に手を向ける。

 

「貴様等を殺して、紅煉の精神にトラウマを植え付けてくれる!!《爆発する獄炎(ブラスト・ヘルブレイズ)》!!」

 

「なっ!?汚ねぇ!」

 

「やばい!あれは私の氷結でも防げない!」

 

「逃げれない!」

 

「フハハハハハッ!死ねぇ!!」

 

 プルトンは勝ち誇った声を上げながら球状の獄炎を放つ。…だが、緑谷達の前に“ソレ”は緑谷達を護るように立った。

 

「そうすると思った……だから油断も隙もねぇんだよ……」

 

「な!?い、いつの間に!!」

 

 プルトンは驚きながら紅煉を見る。紅煉はさっきまでプルトンを挟んで緑谷達の反対方向に居た、それが一瞬で目の前に来たのだ。

 

「《ドラゴニック・フォース》強制解除……《ヒノカミ・フォース》発動」

 

 紅煉は《ドラゴニック・フォース》を解除し、《ヒノカミ・フォース》を再発動する。

 

「火群君!それを使ったらまたオーバーヒートしちゃうんじゃ!?」

 

「大丈夫……この一撃で終わる…」

 

「なんだと?どうするというのだ!?その獄炎の球は触れたもの全て焼き尽くすぞ!」

 

「ならそれ以上の火力で消し飛ばすのみだ……()〜…()〜……」

 

 紅煉は両手を前に突き出すと“()”の発音時に両手首を合わせて手を開いて、体の前方から腰にもっていく“()”の発音時に腰付近に両手を持っていきながらさらにその体制を維持する。

 

()〜…()〜……」

 

 そのまま“()”の発音時に蒼い炎を集中させ両掌の中で圧縮させプラズマを発生させエネルギー状にさせ“()”の発音時に両手を完全に後ろにもっていて、溜めが満ちた状態にする。

 

「な、なんだ!?」

 

「ー()ーーーーーーーッ!!」

 

 最後の発音で両手から蒼きプラズマとなった炎を対象に向けて放つ。その見た目はまんま“かめ○め波”……もはや伏字も意味をなさないが…

 その炎は獄炎の球を消し飛ばしプルトンに向かっていく。

 

「なっ!?く、来るな!!《獄炎(ヘルブレイズ)》!《獄炎(ヘルブレイズ)》!」

 

 プルトンは最後の足掻きなのか獄炎を放つが《火滅破滅波(かめはめは)》に当たると全てかき消える。

 そのまま蒼き光の炎はプルトンを飲み込み空へと昇り消えていった。え?プルトンは死んだのか?生きてるよ……気絶はしたけど

 

「……これで、終わった……」

 

 紅煉は《ヒノカミ・フォース》が解けると膝をつく。それを見た緑谷達は駆け寄る。

 

「大丈夫か!?火群!」

 

「無理しないでください!」

 

「す、すまない……だが、俺にも最後まで、見なきゃいけない……」

 

 そう言って見た先にはオール・フォー・ワンと対峙するオールマイト。

 

「オールマイト……なんなんだよあの敵……オールマイトと渡り合ってるぞ」

 

「奴の名はオール・フォー・ワン。奴の“個性”は『他者の"個性"を奪い自身の"個性"にする。他人から奪った複数の"個性"を個々に使用できるだけでなく、複合させて使用することもできる。また、奪った"個性"を他者に与える事も可能』ということ事が出来る“個性”だ」

 

 紅煉のその説明に爆豪達は息を飲む。それを聞いてあまり驚かなかったのは緑谷だった。

 

「クソ親父はこんなのと手を組んでたのか……」

 

 紅煉は武者震いしながらその戦闘を見ていた……自分がやってきたことが幼稚に見えるようなその戦闘を…

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 オールマイトの拳とオール・フォー・ワンの攻撃がぶつかり中心で反発し合って大きな爆発を起こしているような衝撃が辺りに広がる。

 

「本当に厄介だねオールマイト。だが戦うというのなら受けて立つよ」

「なにせ僕は君が憎い。かつてその拳で僕の仲間を次々と潰し回り、お前は平和の象徴と謳われた。僕らの犠牲の上に立つその景色。さぞやいい眺めだろう?」

 

 するとオール・フォー・ワンはオールマイトではなく街の方角に向けて腕をふくらませる。

 そしてオールマイトは腕の方向に回り込み拳をぶつけて相殺する。

 

「(強引に打ち消したか)心おきなく戦わせないよ。ヒーローは多いよな…守るものが」

 

 街は少し壊れ安全な区域に避難をしはじめる人々が出てきた。

 

「黙れ!!貴様はそうやって人を弄ぶ!壊し!奪い!つけ入り支配する!日々暮らす方々を!理不尽に嘲り笑う!私はそれが!!」

 

[マズい…“転送”を]

 

 オールマイトはオール・フォー・ワンの腕の骨がボキボキと折れる音が出るほどの力で掴みこみ腕を振りかぶった。

 

「許せない…!!」

 

オールマイトの拳がオール・フォー・ワンの顔にモロに入る。

そしてオール・フォー・ワンの顔に着けていたマスクが粉々に砕けた。

 

「…いやに感情的じゃないか。前にもそんなセリフを聞いたよ。先代ワンフォーオール継承者…志村菜奈。」

 

「貴様の穢れた口で…!お師匠の名を出すな!!」

 

「理想ばかりが先行しまるで実力の伴わない女だった…。ワンフォーオール生みの親として恥ずかしくなったよ。実にみっともない死に様だった。子供を助け、そのこの前で息絶え…子供に絶望を与えた後…その子供は一時だろうと敵に堕ちた…!!」

 

「Enough!!」

 

 オールマイトは声を上げて拳を上げたが、一瞬の隙をついてオール・フォー・ワンがオールマイトを空に打ち上げた。それをグラントリノが受け止めた。

 

「俊典!!8年前と同じだ!落ち着け!!そうやって挑発に乗って!奴をとらえ損ねた!腹に穴を開けられた!」

「お前のダメなとこだ!奴と言葉を交わすな!」

 

「……はい…」

 

「前とは戦法も使う個性も違うぞ!正面からまず、有効打にならん!虚をつくしかねぇ!まだ動けるな!?限界を超えろ!!正念場だ!!」

 

「……はい!」

 

「弔がせっせと崩してきたヒーローへの信頼……決定打を僕が打ってしまってよいものか…。でもね、オールマイト。僕が君を憎むように、僕も君が憎いんだぜ?」

 

オールマイトに対して、マスクが壊れた状態で言葉を継ぐオール・フォー・ワン。

 

「僕は君の師を殺したが、君も僕の築き上げてきたモノを奪っただろう?だから君には可能な限り醜く、酷たらしい死を迎えてほしいんだ!」

 

 そう言い終えると、オール・フォー・ワンは個性で片腕を膨らませ、更に強力な攻撃を繰り出そうと構えた。

 

「でけぇの来るぞ!避けて反撃を━━」

 

「避けて良いのか?」

 

「…!」

 

 僅かに聞こえた瓦礫の音。そこには、逃げ遅れた一人の女性がいた。

 

「君が守ってきたものを奪う」

 

「ぐっ…!」

 

「まずは怪我をおして通し続けたその矜持……惨めな姿を世間に晒せ、平和の象徴」

 

 瓦礫にいた女性を守るべく、ワン・フォー・オールによる強い衝撃で相殺させたオールマイト。だが、煙が晴れた時、彼の姿は…………トゥルーフォームになってしまっていた。

 その様子は街のモニターの生中継にも映し出されていた。

 

「そ、そんな……あれが…オールマイト…なの…?」

 

「い、一体何がどうなってんだよ!?筋骨隆々だった肉体が…」

 

「今はすっかり……痩せこけてしまってやがる」

 

「ば…馬鹿な…」

 

「これ……ドッキリじゃ……ないよね…?」

 

「そんな…ひみ…つ…」

 

「嘘…だろ?不死鳥の…個性で…傷は治した……ハズ」

 

 皆が驚く中、緑谷と紅煉はかなり青ざめた表情でオールマイトの姿を目の当たりにしていた。

 

 オール・フォー・ワンはトゥルーフォーム姿のオールマイトを見て、愉快そうに両手を広げながら笑っていた。

 

「頬はこけ、目は窪み!!貧相なトップヒーローだ。恥じるなよ。それがトゥルーフォーム(本当のキミ)なんだろう!?」

 

 だが、そんな姿を晒されてもオールマイトはオール・フォー・ワンに睨みつく

 

「……そっか」

 

「…身体が朽ち、衰えようとも…その姿が晒されようとも…私の心は依然、平和の象徴!!一欠片とて奪えるものじゃあない!!」

 

「素晴らしい!参った、強情で聞かん坊な事を忘れてた」

 

 一切屈する事なく言い張ったオールマイトに対して、オール・フォー・ワンは余裕の態度で更に続けた。

 

「じゃあこれも君の心に支障ないかな…あのね…………死柄木弔は、志村菜奈の孫だよ

 

 その瞬間、オールマイトの中の全ての時が止まった……

 

「君が嫌がる事をずぅっと考えてた」

 

 突然の衝撃の告白に、動揺を隠せない様子のオールマイト。オール・フォー・ワンは死柄木とオールマイトが会う機会を作る為、USJに襲撃させたのだった。それを知らずにオールマイトは、勝ち誇った笑顔で彼を下していた。

 

「ウソを……」

 

「事実さ。分かってるだろ?僕のやりそうな事だ。あれ…おかしいな、オールマイト。笑顔はどうした?」

 

 そのオールマイトの表情は笑っていなかった。同時に、彼の脳裏に浮かび上がったのは、先代の志村菜奈の姿だった。

 

『人を助けるってつまり、その人は恐い思いをしたって事だ。命だけじゃなく、心も助けてこそ真のヒーローだと…私は思う。どんだけ恐くても、「自分は大丈夫だ」っつって笑うんだ。世の中、笑ってる奴が一番強いからな』

 

「き…さ…ま…!」

 

「やはり…楽しいな!一欠片でも奪えただろうか」

 

「(お師匠のご家族……私は、なんということを━━…)~~~~ぉおおお━━…!!」

 

 オールマイトが酷く狼狽しかけたその時だった。

 

「負けないで……オールマイト……お願い…救けて」

 

 瓦礫の女性が、涙ながらにオールマイトに救いを求めたのだった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 その声は市街地からも響いていた。が、それを知るよしはない……だがオールマイトの為に、悪を倒すために紅煉達は叫ぶ。

 

「勝って!オールマイト!」

 

「みんなを救ってくださいまし!」

 

「漢だろ!オールマイト!!」

 

「我々も必死に応援させてもらいます!だから勝ってください!」

 

「頑張れ!オールマイト!!」

 

 凍火、八百万さん、切島、飯田、耳郎さんが声援を送る。次の瞬間

 

「勝って!!」

 

「勝てや!!」

 

「勝てよ!!」

 

「「「オールマイトォ!!」」」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「お嬢さん、もちろんさ」

 

女性からの声に応えたオールマイトは、AFOに対して言った。

 

「ああ…!多いよ…!ヒーローは…守るものが多いんだよ、オール・フォー・ワン!!」

 

「だから、負けないんだよ…!!」

 

 そう叫ぶとオールマイトは、ワン・フォー・オールの残り火で右腕のみをマッスルフォームにした。

 

「痛…っ(あれ程の大規模攻撃を何度も相殺した……とうに活動限界を迎えている……右手のみのマッスルフォーム、その歪な姿が物語っている━━…)」

 

「渾身。それが最後の一振りだね、オールマイト。手負いのヒーローが最も恐ろしい。腸を撒き散らし、追ってくる君の顔。今でもたまに夢に見る。二・三振りは見といた方がいいな」

 

 腕を膨張させて攻撃しようとしたオール・フォー・ワン。しかし、横からきた炎を咄嗟に片手で払った。

 

「なんだ貴様…その姿は何だオールマイトォ!!!」

 

 脳無たちを全て制圧したエンデヴァーとエッジショット、そして何故かミルコが駆けつけてきたのだった。

 

「全て中位(ミルドレンジ)とはいえ…あの脳無たちをもう制圧したか。さすがNo.2に登り詰めた男」

 

貴様(オールマイト)……何だその情けない背中は!!」

 

「…!」

 

「応援に来ただけなら、観客らしく大人しくしててくれ」

 

 オール・フォー・ワンに対し咄嗟に飛び上がって蹴りを入れようとしたミルコ。しかし、オール・フォー・ワンはなんなく回避した。

 

「ゴチャゴチャとうるせぇんだよ!破壊者!!よくも私の可愛い鳥を誘拐しやがったな!」

 

「俺たちは救けに来たんだ……ミルコはどうかは分からんが」

 

 続いて駆け付けたシンリンカムイが『樹木』でベストジーニストとMt.レディ、ギャングオルカを絡め取って救出した。

 

「頑張ったんだな…!!Mt.レディ」

 

「!」

 

「我々…には、これくらいしか出来ぬ…。貴方の背負うものを、少しでも…」

 

「虎…!」

 

「あの邪悪な輩を…止めてくれ、オールマイト…!!皆、あなたの勝利を願っている…!!どんな姿でも、あなたは皆のNo.1ヒーローなのだ!」

 

オールマイトの目の前では、エンデヴァーとエッジショット、ミルコがオール・フォー・ワンと交戦を繰り広げていた。

 

「煩わしい」

 

オール・フォー・ワンは個性による計り知れない程の衝撃破で、周りにいるプロヒーローたちを吹き飛ばした。

 

「精神の話はよして、現実の話をしよう。『筋骨発条化』『瞬発力』×4『膂力増強』×3『増殖』、『肥大化』、『鋲』、『エアウォーク』、『槍骨』、今までのような衝撃波では体力を削るだけで確実性がない。確実に殺す為に、今の僕が掛け合わせられる最高・最適の個性たちで……君を殴る」

 

 右腕が尋常じゃないほど肥大化し、凶悪な形になったオール・フォー・ワン。彼はオールマイトに攻撃を仕掛ける前、こう言った。

 

「緑谷出久。譲渡先は彼だろう?」

「ある程度制御出来てるとはいえ、資格も無しに来てしまって……。存分に悔いて死ぬといいよ、オールマイト。先生としても、君の負けだ」

 

 そして一気にお互いに拳をぶつけた。その衝撃でまたしても周囲に大きな衝撃が巻き起こった。

 

「そうだよ」

 

「!?」

 

「先生として…叱らなきゃ……いかんのだよ!私が!叱らなきゃいかんのだよ!!!」

 

「……成る程、醜い(吹かずとも消え行く━━…弱々しい残り火。抗っているのか。役目を全うするまで絶えぬよう、必死で抗っているのか)」

 

[象徴としてだけではない…!!お師匠が私にしてくれたように…私も彼を育てるまでは…]

 

「まだ死ねんのだ!!!!」

 

 右腕で振りかぶるオール・フォー・ワンに対し、オールマイトは左腕で殴った。

 

[最後の一振り!右腕のパワーを左腕に、右腕を囮に使った!]

 

「らしくない小細工だ。誰の影響かな。浅い!」

 

 左腕を肥大化させたオール・フォー・ワン。だが、オールマイトの目は死んでなかった。

 すると左腕がトゥルーフォームに戻ると右手を構える。

 

「!?」

 

「そりゃア……腰が、入ってなかったからな!!!」

 

 吐血しながらもマッスルフォームの右腕で思い切り振りかぶるオールマイト。その脳裏には先代の姿、そして言葉が聞こえてきた。

 

『何人もの人がその力を次へと託してきたんだよ。皆の為になりますようにと…一つの希望となりますようにと。次はお前の番だ。頑張ろうな俊典』

 

「おおおおおお!!!!!」

 

 オール・フォー・ワンの顔面に拳をのめり込ませ、一気に振り落とすオールマイト。

 

「UNITED…!!STATESOF…!!SMAASH!!!!!」

 

 全身全霊を込めた、残り火のワン・フォー・オールによる渾身の一撃。その威力はすさまじく広大な衝撃と渦を巻くような煙が上がった

 この場にいるプロヒーローたちと緑谷達、そして市街地でモニターの中継を見ながら見守っていた市民たちが、その行方を固唾を飲んで見ていた。

 

 重傷を負いながらも、オールマイトはマッスルフォームで左の拳を掲げて仁王立ちした。オール・フォー・ワンはその場に倒れてピクリと動かなかった。

 

「「「「オールマイトォ!!」」」」

 

『ヴィランは━━━…動かず!!勝利!!オールマイト!!勝利の!!スタンディングです!!!』

 

 オールマイトのその姿に、大歓声を上げる市民たち。中には号泣してる者も多くいた。

 

「な…!今は無理せずに━━…」

 

「させて……やってくれ。……仕事中だ(平和の象徴…No.1ヒーローとして、最後の━━…)」

 

その後、他のプロヒーローたちも大勢駆けつけ、懸命な救助活動が行われていた。オール・フォー・ワンは移動牢(メイデン)に収監されていた。

 

『元凶となったヴィランは今…あっ今!!移動牢(メイデン)に入れられようとしています!オールマイトらによる限界体制の中、今…!』

 

 オールマイトは無言のまま、左手でカメラを指差した。

 ……否、その後ろにいた緑谷に指差していた。それに気づいたのは紅煉と緑谷……二人だけだった。

 

「…次は、君だ」

 

「「……!」」

 

 そう告げたオールマイト。これを聞いて感涙しながら喜ぶ市民たち。

 短く発信されたそのメッセージはまだ見ぬ犯罪者や敵への警鐘、平和の象徴の折れない姿……。

 だが、緑谷、そして紅煉にはそれは真逆のメッセージと取れた。

 

【私はもう、出し切ってしまった】

 

「…うぅ……ひぐっ…ああぁ…うぅ……!」

 

「緑谷君?どうした!」

 

「おい!?デク!?」

 

「緑谷!?大……」

 

「「「えっ?」」」

 

 皆が驚いた理由は緑谷が泣いたからだけじゃない、紅煉が緑谷を抱きしめたのだ。

 

「今は泣け……緑谷出久。全てを吐き出せ……ヒーローだって、泣いていい時はあるもんだ」

 

 紅煉は眠気を抑え、そう言いながら緑谷を暖かく慰め続けた。

 その姿はまるで、母を亡くした子を抱きしめる父親のようだったらしい。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 その後、紅煉と爆豪はヒーローに保護された。その途中で紅煉は《ドラゴニック・フォース》の使用と《ヒノカミ・フォース》を二回連続で使った影響でか歩いてる途中で眠りについてしまったらしい。

 そして緑谷達は帰路に着いた。

 

 ちなみに紅煉は寝ている間体温が40度近くあったそうだ。多分《ドラゴニック・フォース》の影響だと思われてるらしい。

 

 そしてこれも後から聞いた話だがプルトンも見つかり逮捕されたそうだ。




今回はここまでとなります。

オールマイトは怪我こそ治しましたがワン・フォー・オールの残り火はどうにも出来なかったので本来の姿を晒してしまったということにしました。
てかこれほとんどオールマイトとオール・フォー・ワンの戦闘になったな……
しかし悔いはない。
これにて神野の悪夢編は終わりとなります。
次回は後日談的感じ、もしくはそのまま寮生活の始まりのどちらかになります。
また次回をお楽しみください。

それではまた次回!
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